すぎちよ先生インタビュー

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すぎちよ先生インタビュー パートナーは復讐したい相手!?一途なイケメンα×α嫌いのツンデレ美人♥コミックス『プラチナ・オメガ』

2022/11/11 17:00

同一人物だと気づかず...究極にすれ違うオメガバ―ス♥

 


BL作家インタビュー「801 AUTHORS 108」第3235回
すぎちよ/双葉社/comic marginal &h
コミックス『プラチナ・オメガ』11月10日発売
サイン本プレゼントあり! 詳しくはインタビュー後に!

 

STORY
――俺は今日、顔の見えない相手と「子づくり」する――Ω同士カップルの子供「プラチナΩ」。Ωを産みやすい彼らは、保護を受ける代わりに、指定されたαのパートナーと「子づくり」をする義務があった。α嫌いのプラチナΩ・八尋は、初めてのパートナー・タクと「子づくり」をすることに。優しい愛撫に、思わず気持ちよくなってしまう八尋。だが彼は、八尋がα嫌いになったきっかけ・奥井卓也だった。八尋は卓也に会うため、同じ大学に通うことにするが…。

 

――作品紹介をお願いします
「プラチナΩ」とは、Ω×Ωから生まれた大変珍しい子供の通称……という独自設定です。
舞台はΩが激減した世界の日本。国はΩを保護し、Ωを増やす政策を進めます。
特にプラチナΩはαとの間にΩの子をもうけやすいため、希望すれば保護寮で不自由ない生活を送れますが、代わりに発情期は国が定めたパートナーと子づくりをする義務があります。



受けの八尋(Ω)は不憫な生い立ちなんですが、中学時代に学級委員の卓也(α)に優しく接してもらい、ちょっと心を開きます。
しかし発情期、αの本能に抗えなかった卓也に襲われてしまい、以降八尋はα嫌いに。
高校卒業後、社会人になった八尋は自分がプラチナΩだと知って保護寮に入り(会社は退職)、αの仮パートナーと子づくりをすることになるのですが、子供ができるまではプラチナΩが目隠しをし、互いの素性を伏せなければならず、八尋はパートナーのα「タク」がよもやずっと憎んできた卓也だとは気づかないまま、抱かれてしまいます。
発情期ごとに会ううちに、優しいパートナー「タク」に八尋は少しずつ好意を抱いていき……。

一方、日常生活では卓也と同じ大学に通い始め、友達として近づき復讐する機会を伺う八尋。
昼は復讐するための友達「奥井卓也」、夜は好意を持つ子づくりのパートナー「タク」……八尋は同一人物だと気づかず、卓也に2つの感情を抱いてしまう。
身体を重ねながらもすれ違う2人の結末は……?というお話です。


『プラチナ・オメガ』のレーベル「コミックマージナル&h」さんでは、前作でも『オメガ・リバース~番えない君は夜に溺れる~』というかなり異色(変な)設定のオメガバースを描かせていただきました。
この『オメリバ』がまずまずご好評いただいたということで、担当さんからは「次は【ちょっとだけ変わった】オメガバースはどうでしょう」というご提案を頂きまして。
ちょっとだけ……つまり「オメリバほど変じゃないもの」ということ(笑)。
私は変な設定を考えるのは好きなんですが、方向性を間違えるとBL読者さんをおいてけぼりにしかねず……さすがよくわかってらっしゃいます!

しかしネタ出しはかなり難航しました。
いくつかネタを出した中で「プラチナオメガ」は響きがよいのと大まかな設定は使えそうだったので、これをベースに広げたのですが……社畜リーマンα×箱入りΩとか、先生α×学生Ωとか、ライターα×アイドルΩとか……。
その後、復讐ものが元々描きたかったこともあったので「学校絡みの復讐もの」までこぎつけたものの、その復讐が「他人のため」なのか「自分のため」なのかでまた悩み(笑)。
最終的に大学生同士の「自分のために復讐するΩ」と「過ちを後悔しつつ受けを忘れられないα」のBLになりました。
私が散々悩んだのが反映されてしまったのか、2人とも作中で滅茶苦茶悩んでますが(笑)、大学生らしい等身大な2人が描けたかなと思っています……!



――主人公たちはどんな攻×受ですか?
受け……南八尋(Ω)大学生。ツンデレ美人。
Ω×Ωの子である「プラチナΩ」で施設育ち。いじめられていた過去もありかなり不憫属性ですが……決してネガティブではなく、恨んでいた卓也に復讐を企てるようなファイターです。
ツンデレ……と書きましたが、コミックスの描き下ろしや特典で後日談を描くうちに、「八尋ってバース性や復讐のしがらみがないと、こんなに自由で明るい子なんだなあ」としみじみ。
そんなところも含めて自由気ままな「猫」みたいなキャラかもしれません。

攻め……奥井卓也(α)大学生。イケメン。官僚の息子。
元々優しい子なのですが、いい家の出身で中学時代は優等生……プライドを優先して八尋を傷つけてしまいます。
その後卓也自身も辛い出来事を経て、大学生になると無口なイケメンに変わってます。
根底は八尋のことをずっと思い続ける一途な男。
行き過ぎてエピローグでは「ストーカー」「むっつりスケベ」なんていじられてますが(笑)。


――当て馬や重要な脇役は?
沢さん(β)……プラチナオメガ保護寮の八尋付きのスタッフ。一見クールですが八尋や卓也にとても親身で、あれこれ手引きします。
保護寮ってちょっと後宮っぽいよね……ということで、ビジュアルは宦官っぽい中性的な雰囲気にしたつもりです。
キャラ表の時から担当さんのお気に入り。実はこっそりその担当さんに雰囲気が似てるよなあと思ってます(ご本人には今まで言ってませんでしたが(笑))。

悟志(β)……八尋の高校時代からの親友で、卓也とも友達。
最初はただの「2人のつなぎ役」のつもりでしたが、結構大事なキャラになりました!
脳筋で、優しいけどあっけらかんとしてる……八尋は同情されるのが嫌いなので、ウェットじゃないからこそ仲良くなれたのかなと。

中村(β)……通称ナッキー。大学で八尋・卓也・悟志とつるむ明るい平凡な子。隠れ設定でオタク。
ツンな八尋と無口な卓也に悟志……では間が持たないので、キャラ表もないまま作中に突っ込まれました。
まさかエピローグにまで登場するとは(笑)。

峰岸21歳(α)……2話に登場して、八尋にちょっかいをかけるスケベα。
どうでもいいキャラですが、実は『オメリバ』に登場する峰岸市議の若かりし頃……というデザインなので、よろしければ見比べて下さい(笑)。
他にも1コマだけ『オメリバ』から新が登場しております。探してみてね!

――今作のこだわりはどのあたりでしょう?
実は3話が一番好きなんですよね……!
復讐ものって復讐に踏み切るまでの葛藤~でもやらずにはいられず決行~激しく後悔……からのハピエンという心の揺れ動きがエモいと思うのですが、八尋の葛藤……「奥井卓也」の優しい面に触れ気持ちが揺れ動きつつ、でも計画を止められない……あたりがこの3話に上手く入ったなあと自分でも思ってます。
特に雨のシーンはお気に入り。私の漫画はハイテンポになりがちなんですが、ここはローテンポで雨の情景と八尋の心情がハマったかなと!



また、絵柄は年中無休で悩んでますが、もう少し柔らかいタッチを目指していて、そこそこ反映できたのも3話以降かなと思います。

あとは度々話に出てきている『オメガ・リバース』とはレーベル&オメガバースつながりということで、本編のラストカットは敢えて同じ構図にしてみました。
環境はまったく違うエンドなのですが、それぞれが、それぞれの形の幸せを手にしたことが伝わればなあと思います。

――苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください
前半苦労したのはやはり卓也の好感度をいかにあげるかですね……!
中学時代は若さゆえ、プライドを守るためにやらかしてるんですが、決して悪い子ではなく、高校時代に鼻っ柱をへし折られてからは大いに反省し、ちょっと暗いけど真面目で誠実な子にシフトしてるんです。 
でも1~2話ではどうしても良さが伝わりにくいので、読者さんに「こんなひどい攻め許せない!」って思われるんじゃないかと心配でした。
担当さんにも相談して、好感度アップアイデアも一緒に考えてもらいましたね。
まあ、最終的には八尋より卓也の方が人気あったようなので(笑)、そこは一応成功したのかな……?

最近は、暴君攻めが健気受けにほだされていくBLも増えましたし、BL以外でも主人公が「間違わない」より「間違えながらも模索していく」作品も多くなりました。
私も今まで散々描いてきたスパダリ攻めもいいけど、過ちをちゃんと受け止めて進んでいける攻めの方が素敵かも……!? なんて最近は思ってます。


――今作にまつわる裏話はありますか?
個人的にとっても回収したかった伏線が回収できませんでした……!
それは「プラチナΩは名器」というエロ伏線です……。
私はエロオヤジ属性? なので、受けが変態サブやモブに狙われてピーンチ! (でも本番未遂)……というのが大好きで(『オメリバ』参照)、今回も八尋の名器が狙われてもう大変!? ……なシーンを3話あたりで入れたかったんですけど……。
 
担当さん「子づくりパートナーとしての「タク」への八尋の好感度は上がっているので、大学仲間としての「卓也」への好感度も復讐前に上げましょう」
すぎちよ「3話で八尋のエロピンチを卓也が助ける予定なんですが」
担当さん「それだと恋愛好感度が上がりやすいので、友達や人間としての好感度をあげる日常エピソードはどうでしょう?」
すぎちよ(エロピンチが入らないですってぇえええええ!? )

※昼の卓也も夜のタクも「恋愛」フラグになってしまうと、八尋が浮気性っぽく見える可能性があったためですね。
……というわけで、泣く泣く? エロピンチが消え、名器伏線も消滅してしまったんです……。
でも前述のとおり3話が1番好きな回になったので、きっと結果オーライだったのでしょう(笑)。
私のエロオヤジ趣味が遺憾なく発揮されると、私が描きたいストーリーにマッチしないのは多分永遠のジレンマです。

――執筆中の思い出に残る日常エピソードなどうかがえますでしょうか
『プラオメ』ではないんですが、私の作品のキャラクターを藤咲ねねば先生と、町子先生が描いてくださるというミラクルがありました……!
プロの先生に描いて頂けるなんて……超絶嬉しかったです……!

読者さんからの創作物もめっちゃ嬉しいです。
イメージアクセを頂いたり……『プラオメ』では八尋と卓也のお手製ぬいぐるみも頂きました!
もちろんお手紙もいつも楽しく拝見して元気貰ってます。
プラチナ・オメガのご感想や創作物(イラスト、SS、他なんでも)は全力でお待ちしております~!

――今、何かハマっていることは? 
ある日、横断歩道で信号が点滅したので駆け足で渡ろうとしたんです。そうしたら手足が上手に動かず……「私の身体、走り方を忘れている……!?」ということがあり。
以降体力づくりもかねて、時々近所の運動公園に走りに行くようになったんです。

……が、全然走れない人が公園内のトラックを走るの恥ずかしいなあ……と思い、1~2年はずっと柵の外の歩道を走ってたんです。
そして今年の夏、推しがしまむ●とコラボしたスポーツウェアが発売されまして、「これ走る時に着たら気合入るかも!」と思ってゲットしたんです。
「形から入る」って本当に大事ですね。1~2年、ずっと躊躇われてた公園内のトラックにちょっと入ってみようか……という気になり、実際走ってみると……真剣に走ってる運動部の学生さんたちもいるけど、ただ歩いてるおじいちゃんもいる。結構自由だったんだなあ……と。
トラック内はメートル表記もあるのでモチベもあがるんですよね。
それ以降は日々トラック内を1周、推しのウェアを来て走ってます。
でもそろそろ寒いので暖かいウェアも欲しいところ……。冬用のコラボウェアも出してくださいしまむ●さん!

――発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう?
昨年デビュー13年目で初コミックス、今年は14年目で2冊めが無事発売となりました……!
亀のような歩みでしか前進できないタイプです(笑)が、紙のコミックスが発売されにくいご時世になりつつある中、本当にありがたいことです。
作品づくりを始めとしたサポートをいつも楽しく一生懸命やってくださる担当さん、編集部の皆さん、販促や流通、販売などに携わってくださる営業さんや印刷所さん、書店さんなどの各スタッフさん……もちろん【ちるちるさん】も!
私のわがままなリクエストにも手早く応えて下さり、とってもオシャレなコミックスに仕上げて下さったデザイナーの円と球さん……そして私の作品を応援して下さる大切な読者さん、全方位にありがとうございます……!

――ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ!
ここまで読んで下さりありがとうございました……!
ご興味持たれた方は、是非『プラチナ・オメガ』お手に取ってくださいね。
マージナルさんの次回作につなげるためにも、さくさんの方に読んでいただきたいと思ってます。
「相手が大事だからこそすれ違ってしまう」……そんな2人のBLです!


担当編集より
すぎちよ先生の新作は、Ωを産みやすい「プラチナオメガ」が主人公の、変化球オメガバース。
Ωの人口が少なくなった世界で、保護される代わりに子作りの義務をかせられている「プラチナオメガ」。
セックスパートナーに惹かれる主人公ですが、実はそのαは彼が絶対に「復讐したい相手」で……という読み応えも満点な作品です!

前作の『オメガ・リバース~番えない君は夜に溺れる~』でも、セックスした相手のバースを変えられる主人公を描いたすぎちよ先生ですが、今作も独創的なアイデアで作品を描かれました。

ラストはきっと感動できる、<すれちがいオメガバース>をぜひご堪能下さい♪

 

コミックス『プラチナ・オメガ

 

特典情報

 


【紙書籍特典情報】
アニメイト:4pリーフレット(描き下ろし漫画2p)
コミコミスタジオ:
通常特典 4pリーフレット(描き下ろし漫画2p)
有償特典 12pリーフレット(描き下ろし漫画8p)
ホーリンラブブックス:漫画ペーパー
メロンブックス、フロマージュブックス:漫画カード
とらのあな:漫画カード
応援店限定特典:漫画ペーパー 


【電子書籍特典情報】
コミックシーモア:描き下ろし漫画1p
Renta!:描き下ろし漫画1p
honto:描き下ろし漫画1p
各電子ストア:描き下ろし漫画1p

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(C)すぎちよ/双葉社

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