雪路凹子先生インタビュー

BL作家インタビュー「801 AUTHORS 108」第3591回
雪路凹子／パイ インターナショナル／パイコミックス
コミックス『箱庭綺談 1』2月22日発売
サイン本プレゼントあり！ 詳しくはインタビュー後に！

STORY
七宝国という国のとある時代。名門だけど、ちょっと訳ありの少年たちが集う寄宿舎があった。自らの存在に悩み、誰かに憧れ、誰かを傷つけ、時には人智を超えた不思議な出来事もおこる日々。パイコミックスレーベルの単行本第3弾『箱庭綺談』は、「他にはない読み味」と評判の恋と青春の群像劇漫画です。耽美な筆致に時々ボケとツッコミを添えて描かれる、箱庭を覗くような少年たちの世界をお楽しみください。巻末にキャラクター・世界観紹介、描き下ろし漫画2ページを収録。電子版限定描き下ろし特典有り。

――作品紹介をお願いします
昔からあらゆる作品を鑑賞するにあたって、主人公やそのすぐ横で支えているヒロイン、もしくは親友にあたるような最重要人物……ではなくそのもう一段外側というか、いわゆるサブキャラが気になることが多かったのですが、『箱庭綺談』はそういった物語の隙間に滑り落ちているような人たちを、すくい上げて集めるようなイメージで作りました。
神も天使も悪魔も、そのほか不思議な動物たちも、あらゆる奇跡も起こる世界ですので、世界の命運を賭けたような戦いがどこかで起きているのかもしれません。
けれどそんなことには考えも及ばない一般人たちの生活もまた普通にあって。
あるいは世界を滅ぼす力が目の前にあったとして、それに手を延ばすことはしないであろう人たちのお話です……。





――主人公たちはどんな攻×受ですか？
一応メインになりそうなキャラとしましては
藍(ラン)……性根は優しいが空気は読めず、図鑑と空想が好き。左腕が疼く系の思春期。
非色(ヒイロ)……なんだかんだ面倒見がいいツッコミ。可愛いものが好き。
お互いにお互いを手のかかる身内だと思っている感じです。
1巻現在、特にお互い恋愛感情はありません(笑)。
ツッコミどころが多くてそれどころじゃない状況です。


もう一組、藍と非色の先輩たちですが
氷魚(ヒオ)……単細胞で寂しがり、反動で一途。菫に会うまで自分以外はみんな敵だと思っていた。
菫(スミレ)……理論武装しようとして自分のこともわからなくなってしまうタイプ。合理的な割に情に流されやすい。
この二人は円満交際に至っていますが婚前交渉はしないそうです(笑)。
なお将来的にリバです。割合は氷魚攻8：菫攻2くらいらしいです。


――今作のこだわりはどのあたりでしょう？
学園の話が多めですが、この奇妙な世界のあちこちのいろんな人(？) の出来事を描かせていただく予定ですので、それぞれちゃんと印象的なキャラクターや話になるように頑張っていきたいです。



――苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください
動植物は架空のもの実在するもの両方登場するのですが、実在するものについて事前に軽く調べたとき、思いのほか生態などが解明されておらず「諸説ある」ものが多くて、逆に「完全にリアルなもの」って描きようがないのだろうなあ……と感じるのが楽しいです(笑)。


――今作にまつわる裏話はありますか？
実は一応ラストの話までプロットを提出してあるのですが、その後もいくつかお話が浮かんでいますので、構想がどんどん違法建築のように増えていっています(笑)。
ただ、今回の学園パートのようにシリーズ化しそうな大きなものはバッサリ消しました。
二つの組織の人事担当者が特殊能力者のリクルートをかけて喧々諤々する、みたいなやつです(笑)。

――執筆中の思い出に残る日常エピソードなどうかがえますでしょうか
実家で老犬を亡くしたのですが、庭に犬の思い出がありすぎて悲しくて見るのも嫌だという親が荒れ庭にしてしまったのを、帰省して一人で耕して四季の花が咲くようにしてきました。
夕暮れに暗い庭が寂しいというのでランプもたくさん並べて。
我ながら童話みたいだなと思いました。
ほんの繊細な土や日当たりの差で育たずに消えてしまったりして、自然てうまくいかなくて面白いですね。

――今、何かハマっていることは？
『PS5』を買ったのでたまに積みゲームを進めています。
『箱庭綺談』の紅木(コウキ) というキャラは、『仁王2』のキャラクリエイトでとても可愛くできた顔面が気に入りすぎてそのままモデルにしました(笑)。
最近のゲームは骨格や肌質まで作りこめるので、あれでキャラデザもありだなと思いました……。


――発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう？
まだお話は続きますが、改めて背筋が伸びる気持ちです。
読んでくださった方、関わってくださった方に感謝が尽きません。
今後もお楽しみいただけるように、が……がんばるぞー！

――ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ！
いつも大変お世話になっておりますー!!
BLへの造詣深いユーザー様が多いかと思いますが(笑)ちょっと変わり種としてお楽しみいただければ嬉しいです！

担当編集より
『箱庭綺談』は、名門寄宿舎を舞台にした少年たちの群像劇です(今のところ)。
群像劇なので、話ごとにメインとなるキャラが変わります。
ある話でちらっと登場した子が、別の話ではメインになったり、話によっては前に登場した時とキャラの印象が違って見えたり、まさに美しく不思議な箱庭を様々な位置や角度から覗くような作品です。
見どころは何と言っても、雪路先生のスタイルとして確立された耽美な絵柄と含蓄に富んだセリフです。
耽美な絵柄は「名家の子息たちが集う寄宿舎」というクラシカルな世界にこの上なくマッチしています。
制服は優雅なパフスリーブ＆リボンタイ、オプションでソックスガーターが付きます！
それなのに時々、麗しい少年がしれっとボケて、別の麗しい少年が冷静にツッコんだりします笑。
そんなキャラたちの、シュールなやりとりも雪路先生ならではの見どころの一つです。
王道のBLからは外れてしまう作品かもしれませんが、「他にはない読み味」と評判の雪路先生の最新作をぜひご覧頂ければ幸いです。
また『箱庭綺談』は現在WEB連載中です。

最新話はパイコミックスで読めます。
ピクシブコミックでも追っかけ連載中です。
そちらもぜひ、よろしくお願いします。

コミックス『箱庭綺談 1』

特典情報

丸善ジュンク堂書店 購入特典：描き下ろしイラストカード(中ページ収録カラーイラスト)


ヴィレッジヴァンガード 購入特典：描き下ろしモノクロイラストペーパー(氷魚&菫withかわいい動物)


TORICO 購入特典：描き下ろしモノクロイラストペーパー(藍&非色&樒withかわいい動物)


一般書店 購入特典：描き下ろしモノクロイラストペーパー(槐&紅木withかわいい動物)


電子版限定特典：描き下ろし漫画2ページ


詳しくはパイコミックアートHPへ

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(C)雪路凹子/パイ インターナショナル