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 市川けい先生 インタビュー

2012/02/24 12:00

同人で注目されていた市川けい先生が、リブレ出版のアンソロジー『Citron』に初登場したのが2010年11月。ついに商業デビューコミックス『スロースターター』がリリースされます! これはぜひ話を聞かねば、とインタビューを敢行しました。

Q. 初コミックス『スロースターター』のリリース、おめでとうございます。商業デビューされてみて、いかがですか? 作品への取り組み方や、リリース前の心境など……。

A:ありがとうございます。未だにあんまり実感がそこまで湧かないのですが、緊張のあまり心臓的なものがはち切れそうなのは確かです。

Q. 商業は、どんな経緯でデビューされたんでしょうか? そのときのお気持ちや、印象的なエピソードも聞かせていただけるとさいわいです。

A:二次創作の同人誌をどうやら見てもらっていたらしく……それがきっかけでお声をかけてくださったそうです。本当にありがたいです。

Q. 先日、先生の同人誌を目にする機会を得ました。同人活動では、描くこと以外にも、装丁を考えたり、編集的な役割もご自分でされるんでしょうか? 同人活動での、描くこと以外のこだわりや楽しみ、また、描くことに関しては、商業作品との傾向の違いなどを教えていただけますか?

A:毎回ノンブルや写植も自分で全部地味にやってます。めんどくさいです!

同人活動の方ですと、まずプロットやネームを誰かにチェックしてもらうという行程が無いので色々な意味でも自由に描けますが、逆に第三者からの意見が聞けないまま発行することになるのが今となってはとても怖いなあ、と思います。

あ、でも本の装丁考えるのは難しいけど楽しいです! 難しいですが!

Q. ペンネームの由来や、込めた思いなどは?

A:名字が欲しくて付けたのと、下の名前は学生の時のあだ名の名残で結構適当でした。

あ、でも本名が若干画数多い上に、フルネームを正しく読んでもらえないことが多かったりテストの時に名前描くのが地味にめんどくさかったりというのがあるので簡単に読める書ける名前に憧れてたのでそこらへんは意識しました。

Q. 初コミックス『スロースターター』は、別の高校に通う二人の男の子が電車内で、ふとしたきっかけで話をする仲になり、ストーリーが進んでいきます。イマドキの私立校を思わせるブレザーとチェックのパンツのキヨと、公立校っぽい学ランのイノ。二人のキャラや、作品の着想はどんなところから得られたんでしょう?

A:着想……は、そうですね……ええと……電車で出会う話描きたいなー、という思いつきと、あと今回はビジュアルから先にキャラを考えていたので、それぞれ最初の制服のイメージの逆を敢えて着てもらいました。

話を考えてるうちにキヨがちょっといいとこの私立という設定になったので、じゃあちょっといいとこっぽい制服にさせたろか! というかんじで。

じゃあイノは反対に普通も普通の公立高校っぽい普通の学ランで色々自由に着崩そう! というかんじで。

Q. イノの学ランに萌えました。特に、イノの同級生が登場するシーンは、いろんな学ランの着こなしが楽しめて……。また、ストーリーの進行とともに、制服が夏から秋へと徐々に変化したり、野球部のユニフォーム、キヨやその友達のブレザーの着崩し方など、『スロースターター』で描かれた制服についてや、市川先生の制服に対する思いを教えていただけますか?

A:学校で決められた制服、というものをどんな感じに着崩すかでかなりキャラ観が出ると思っているので、考えていてとても楽しかったです。

キヨの学校は指定がそこそこ厳しいという設定にしていたのであまり着崩せなかったのが少し残念です。

Q. あとは、高校生の日常に潜む多くの萌えもたまりません! 恋する女の子の甘酸っぱさや、登場人物たちの自由な雰囲気、体育会系の先輩後輩関係など。このあたりの描き方で気をつけられた点や、工夫などありますでしょうか? また、先生ご自身の経験が反映された部分など、うかがえたらさいわいです。

A:私自身の体験、というよりも、とにかく「学生」という特別な時間、空間を生きている子達が本当に大好きで、なのでその空気感を壊さないように良い意味で生々しい関係を描けたらいいな……と毎回目標にはしています。

あと学生ものを描く時には毎回、特別な校風とかという意味では無く空気的な意味で「こんな学校楽しそうだな、いいなあ」と読んでる方に思ってもらえたらいいな、という夢を見ながら描かせてもらってます。

Q. 先生ご自身が、『スロースターター』を描く中で、こだわられたことはなんでしょう?

A:作品自体というよりも、漫画を描く時に気をつけていることは心情と会話のリアリティさ、ですかね。

できてるかできてないかはまた別ですが……。

Q. お好きな作品や作家さんなどを教えていただけますでしょうか。理由や思い入れなどもお願いします。漫画でなくてもけっこうです。『スロースターター』を読んでいると、端々のネタの入れ方など、市川先生はかなりの漫画好きなんじゃないかな~、と感じられました。ちなみにゲームは何がお好きでしょう?

A:漫画、ものすごく大好きです! 子供の頃から結構読んでました。漫画作品からだと多岐にわたりすぎるので、敢えて割愛するとテレビドラマシリーズだった『木更津キャッツアイ』という作品が本当に本当に本当に大好きで! あの空気感は憧れて仕方無いです。次点では『タイガー&ドラゴン』です。あと映画でいうと『南極料理人』がとにかく好きです。

ドラマティックな展開というのはどんなジャンルの作品としてもとても大事な要素だと思いますが、それと同時に「何も起こらないなんてことない日常」という晴れと褻(け)でいえば褻の日っていうのがすごく大事だと個人的に思っておりまして。なのでそういうのを丁寧に描いていらっしゃるなあと個人的に感じた作品に惹かれる事がものすごく多いです。

ゲームの話していいんですか! 作品を挙げてしまうと『真・女神転生3』、『DIGITAL DEVIL SAGA アバタール・チューナー』、『九龍妖魔學園記』、『塊魂』という作品が今までで一番やりこみました。

どれもシステム、音楽、シナリオにキャラクター、なにもかもが本当にドツボで何十時間もプレイしてました。あとは“ワンダ”、“クロノシリーズ”、“FF”……語り出すと止まらないので自重します。

Q. BLでは、どんなカップリングやシチュエーションがお好きですか?

A:ノンケ×ノンケでお互い悩みまくったうえにくっつく! みたいな話がとにかく好きです。男同士ならではの悩みとか葛藤みたいなのが……本当に! もう!!

でもいつか片っぽが真性、みたいな話も描いてみたいです。

Q. 今後、チャレンジしてみたい作風や分野、野望などありますか?

A:『スロースターター』が学生さんの酸っぱい話だったのでちょっと大人っぽい話だったり色気を出した話を描いてみたいなあとは思ってます。言うだけならタダということで……。

Q. 最後に、ちるちるユーザーのみなさんにメッセージをお願いします。

A:初めまして、市川けいと申します。こんなひよっこですが生意気にもコミックスを出していただける事になりました。

色々お見苦しい点など多々あるかとは思いますが是非是非お手にとって読んでくださいますととっても嬉しいです!

また3月1日発売のアンソロジー『Citron VOL.13』にて新しく話をスタートさせてもらいますのでそちらも是非よろしくお願い致します! ここまで読んでくださってありがとうございました!


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