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 chi-co先生 インタビュー

2012/01/23 12:00

個人サイトで発表の“異世界ものBL”で2009年に商業デビューされたchi-co先生。2011年は小説4冊とリリースペースが急上昇し、それとともに作風にも広がりが見られました。今後も活躍が期待される先生。この機を逃してなるものか! とインタビューを敢行しました。

Q. chi-co先生、すでにいろんな方に聞かれているとは思うのですが、ペンネームの由来や込めた思いなど教えていただけますでしょうか。

A:本名の名前から、昔から「ちーちゃん」とか、「ちーこ」とか呼ばれていたんです。

ペンネームを考える時、最初はまったく違った名前にしようかと思ったんですが、やっぱり慣れている呼び名がいいかなと思い、でも、多少雰囲気を変えて、ローマ字の「chi-co」にしました。

Q. 2011年は小説を4冊と、リリースラッシュでしたね。2011年を振り返ると、どんな年だったでしょうか? これをできて良かった! やり残してしまった……など。

A:声を掛けてくださった編集者の皆さんのおかげです(笑)。実際に書いている時は明確な発売日がわからない時もあって、終わってみれば4冊出してもらったんだなあと実感したくらいです。

私にとってはめまぐるしくも成長した一年だったと思います。やり残したことは、気づけば「シリアスな話、書いてない……」ってことでしょうか。

Q. 『いけない車内恋愛』(B-PRINCE文庫刊)のあとがきに、ストーリーの元は先生が自動車学校に通っていたころの実体験とありますね。その体験が生かされて、『いけない車内恋愛』の攻であるイケメン教官、豊田は「孫の手」を指導に使ってるわけですが、この設定は先生が自動車学校に通っていたころから温められていたんでしょうか? それとも、作品の構想の中で、思い出された体験なんでしょうか?

A:プロットを考えている時に、そう言えばって感じで思い出しました。自動車学校に通っている当時は、BLを書くなんて考えてもいませんでしたし(笑)。

もちろん、実際の先生はおじさんでしたし、持っている物は「孫の手」ではなく「竹の定規」。まったくあんな感じで厳しい教習でしたが、すごく面白い方で印象に強く残っていました。

ちなみに、私は昴みたいに仮免は落ちまくっていません。

Q. 豊田が、受である生徒の昴に与えていた罰が、ご褒美に変わった瞬間が好きです。ムチとアメの逆転というか……。あとは、昴の「豊田先生の指導じゃないと、俺……頑張れないみたいです」という真面目な訴えが、豊田にはかなり都合よく聞こえているところは笑えました。俺様の豊田と、引っ込み思案な昴、それぞれ書いていて楽しかったことや苦労したことなど、聞かせてください。

A:豊田のような性格の攻は好きなタイプなので、結構ノリノリで書きました。心残りとしては、豊田側の視点が少なかったこと。どんなふうに昴に惹かれたかとか、どんな焼きもちをやいていたかとか、苛める時の心境とか、もしかしたらこちら側の話の方がもっとニマニマ笑えたのではないかなと思っています。

昴は書いている時には全然考えなかったんですけど、かなりのMキャラのようで(汗)。言われて、そうかなと気づいたくらい。弄られてオロオロする彼も、今から思えばそれほど苦労なく動いてくれたように思います。

Q. 登場キャラの名前が自動車メーカーに由来していますね。車はお好きだったりするんでしょうか? また、車に関する印象的な思い出などありましたら、ご披露いただけますでしょうか。BL的な思い出だと、なお嬉しいです。

A:主役2人の名前が決まった時、「昴」、「豊田」……あれ、「スバル」と「トヨタ」……。

と、ここまできたら全部車関係に揃えたいと思い、「いすゞ」、「ホンダ」、「日野(自動車)」……あ、出来るじゃんと。意外に気づいてくれた方、少なかったです。

車に関する思い出というのは特にないんですが、街中で車を運転している時、隣に停まっている車(特に配送車)に若い男性2人が楽しそうに笑って乗っているのを見ると、どういう関係なんだろうって腐ったことをしばらく考えてしまいます。

Q. BLでは、どんなカップリングやシチュエーションがお好きですか?

A:とにかく、王道が好きです! 相思相愛、幸せなカップル! BLは私にとってはファンタジーなので、ファンタジーくらい、幸せで楽しい話が読みたいし、書きたい。

後は、受ちゃん1人に、攻2人というシチュも大好物です。エッチまで行かなくっても、3人のイチャラブが萌え心をくすぐります。

Q. 『なりきりマイvペット ~愛ハム家・入門編~』(B-PRINCE文庫刊)の受、姫野はかなりおもしろいキャラだと思いました。天然というか暴走というか……。よく、作家のみなさんが「ノッてくるとキャラが勝手に動く」というようなことをおっしゃいますが、姫野はいかがだったでしょう?

A:第一校では、姫野はもう少し普通でした(笑)。ですが、もう少し弾けてもいいかもという担当様の言葉を真に受け、今度はポーンっと、思いっきり常識外へと飛んでしまいました。

でも、それからはすごく楽しかったですね。どんなふうに姫野の思考回路をぶっとんだものにしようか、そればかりを妄想していました。

この話は姫野を常識人にしたら成立しないので、その点、とってもアホな子にバージョンアップしてくれたと思います。

Q. 姫野が憧れる会社の先輩であり攻の藤枝は、デキるリーマンで性格的には堅そうですが、姫野の行動力に巻き込まれた感があると思いました。最初はハムスターコスプレで現れた姫野に面食らっていたのに、徐々に変化していく藤枝の心理が丁寧に描写されていて、ニヤニヤしてしまいました。先生ご自身は、藤枝と姫野、性格的にどちらに近いでしょうか?

A:あの姫野と性格が近かったら大変です(笑)。私は確実に藤枝側の人間で、かなり慎重な方だと思います。ただ、考えると、藤枝もあの姫野にちゃんと付き合っているので只者ではないのかも。いえ、私はごく普通ですよ。

Q. ストーリーを追う中でプレイ、エッチシーンがだんだん濃くなっていくのも魅力でした。藤枝と姫野が結ばれるまで、けっこうな段階を踏みますね。『なりきりマイvペット ~愛ハム家・入門編~』も含め、chi-co先生のエッチシーンに対するこだわりなど、ぜひ教えてください。

A:姫野の場合は、エッチ=いやらしいという考えがないので、案外あっけらかんと事を進めることが出来ました。ただし、人間とペットという関係(?)上、普通のエッチまでは少々時間も掛かっちゃいましたが。

エッチシーンはかなり苦手です。出来れば、キスどまりにしたいくらい(汗)。なので、読んでいる方に「エッチ~」と思ってもらえると、こちらの方がありがとうございますと言いたくなります。

エッチ自体、あまりマニアックなものではなく、オーソドックスに攻がリードする甘々なものが読むのも書くのも好きですね。初体験が一方的な行為だとしても、二回目以降は絶対に同意。これ、大事だと思います。

Q. 個人的に、なんだかBLのにおいを感じさせる脇役の新里課長と、姫野に愛情を注ぐお父さんが気になります。2人の裏設定などありましたら、ご披露いただけないでしょうか? また、続編の構想などは?

A:良いところを突かれちゃいました~(笑)。

実は、新里課長と姫野父は顔見知りです。職業柄、一緒に仕事をしたこともある仲。今の時点では2人の関係は特別なものではありませんが、実は新里課長の裁縫テクの向上は姫野父に関係があるという……まあ、そんな感じで頭の中で妄想しています。

続編があるとしたらこの2人のこともそうですが、まだまだ姫野の勘違い暴走振りを書きたいですね。レベル、相当アップしているような予感がします。

Q. 今後、チャレンジしたい作風やストーリー、野望などはありますか?

A:くすぐったくて、ニヤニヤするような純愛が書きたいです。エッチはもちろん、キスもしないような、両思いなのにお互いが片想いだと思っているような話。

そういう可愛くて、ちょっとおかしい話が今は萌えツボです。

シリアスな話もいいんですが、最後までシリアスに書けるか自信が……。でも、機会があればチャレンジしたいですね。

Q. 最後に、ちるちるユーザーのみなさんにメッセージをお願いします!

A:こんなふうに、本以外で自分の思っていることを伝える機会を頂いてありがとうございました。

まだまだ駆け出しの身ですが、「BLはファンタジー」という信条を持って、今後も楽しくて笑いが生まれる話を書いていきたいと思います。

どうか、これからもよろしくお願いします。

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