佐伊先生インタビュー

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佐伊先生インタビュー熱い想いを持つ攻2人に強く愛され…♥四大国をまとめる皇帝／最強の護衛官×小国の王子小説『竜王の婚姻』上下巻

2024/04/26 17:00

辞書級の分厚さ！　男性妊娠ができる世界の重厚時代ファンタジー

BL作家インタビュー「801 AUTHORS 108」第3643回
佐伊／小山田あみ／MUGENUP／エクレアノベルス
小説『竜王の婚姻〈上〉黄金の獅子と白銀の狼』『竜王の婚姻〈下〉竜の頂と導く者』4月26日発売
サイン本プレゼントあり！詳しくはインタビュー後に！

STORY
小国の王子であるセナは、「惹香嚢」という男でも妊娠可能な特殊な臓器を体内に有している。発情期には男を惑わす魅惑的な香りを放つため、問題が起きぬよう、たった一人で牢に隔離されるという生活を送っていた。淫売と罵られ、家族にさえ顧みられないセナだったが、ある日突然父王から「お前を、レスキア皇帝に嫁がせる」と命じられてしまう。惹香嚢持ちとはいえ、男が後宮入りした例はなく、帝国への従属の証しとして嫁いでも、殺されてしまうかもしれない――。命令には逆らえず、セナは侍従一人だけを供にレスキア帝国へと向かう。そして迎えた皇帝との初夜。発情したセナが目にしたのは……。

――作品紹介をお願いします

惹香嚢(じゃこうのう)という、男でも妊娠する身体をもって生まれた主人公・セナが、国のために大国の皇帝に嫁ぎ、自分と同じく惹香嚢を持った男の子を出産します。その子が世界の神である竜王の伴侶候補に選ばれたため、竜王の住む神山へと向かいますが、さまざまな国の思惑が絡み、主人公親子に困難が降りかかります。そんな中で、主人公の夫である皇帝・アリオスと、主人公を守る戦士・イザク、二人の攻めが主人公を守り愛し抜こうとします。主人公と攻め二人の関係はどうなるのか、混乱する世界はどう変わっていくのか、そして主人公の選ぶ道を、最後まで見届けていただけたら幸いです。

――主人公たちはどんな攻×受ですか？
攻めは二人です。どちらかが当て馬ということではありません。二人とも獣人で、受けの夫である皇帝はそれを隠していますが金獅子獣人、受けを守る戦士は白銀狼獣人です。どちらも立場があり、事情も違いますが、命をかけて受けを愛し、守ろうとします。
受けは発情がある惹香嚢体という特殊な種で、獣人を虜にするがゆえに蔑まされる存在です。ですが王族出身の受けは、発情に悩みながらも誇り高く、子を守るために剣を振り回して敵と戦います。

――今作のこだわりはどのあたりでしょう？
攻が二人いる、という点です。3Pはありませんが、どちらの攻めとも関係を持ちます。攻二人のどちらかが当て馬的存在にならないように気をつけました。攻が二人は嫌だな、展開的にこっちの攻が良かったな、と、どうしても思われるだろうとは思いましたが、あえてそういう関係性にしました。

――今作にまつわる裏話はありますか？
最初はオメガバースを書きたいと思ったのですが、設定を考えている時に逆に難しさを感じて、脱落してしまいました。それでも発情し搾取される性を書きたかったので、惹香嚢という器官を持つ存在を考えました。体内にある得も言われぬ匂いを発する臓器という設定は、香料・麝香(じゃこう)を作り出す雄のジャコウジカの腹部にある香嚢からヒントを得ています。

――執筆中の思い出に残る日常エピソードなどうかがえますでしょうか
前述したように、攻めが二人ということで展開的にかなり不満の声が出るだろうと覚悟を持って電子書籍配信に臨みました。皆さま、いろいろと思われることはあったかと思いますが、非難等は全然なかったのが驚きで、本当にありがたかったです。編集部にはもしかしたら届いていたかもしれませんが(笑)。私のところには一切なかった。どんな感想や不満も受けようとは思っておりましたが、作者側を思いやってくださった読者の皆様には、感謝しかありません。

――発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう？
紙書籍として出せるとは夢にも思っておりませんでした。最後まで読んでくださり、紙でまとまってほしいという言葉を伝えてくださったからこそ、こうして紙書籍としても出せることになりました。
そして、小山田あみ先生の描かれた表紙を見て、手に取ってくださった方がたくさんいらっしゃいました。世界観を最大限に引き出してくださった小山田先生の挿絵が見たい、もっとイラストをと求めてくださった方々のおかげで、私も恩恵にあずかることができました。細部まで素晴らしい本にしてくださった小山田先生と、担当さんや携わってくださった方々には、ありがたいという言葉しかありません。

――ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ！
上下巻の、辞書のような厚みのある本になっております。登場人物も多く、設定も特殊ですが、書籍化にあたり、それらの説明を補うページがたくさん入っています。ぜひ、本文だけでなく、それら一つ一つをご堪能していただきたいと思います。それをご覧いただきながら、この世界を感じ取っていただけたら幸いです。

担当編集より
『竜王の婚姻』の魅力や見どころはたくさんありますが、やはり対照的な攻めふたりは外せません。四つの大国の頂点に君臨する皇帝アリオスは、威風堂々としていますが恋愛に関してはとても不器用です。不器用ながら懸命にセナを愛します。対する、セナの護衛官になるイザクは、立場的な制約などいろいろありますが、命がけでセナを守り愛します。対照的なようで同一な攻めふたりの熱い想いをぜひご覧ください。
また、今作は冒険するシーンが多いです。セナが辿った旅路や場所などを、イラストレーターの芦刈将さんがマップに起こしてくださいました。さらには、そのマップに小山田あみ先生が国旗を添えてくださいました。各挿絵も、佐伊先生・小山田先生・担当がこだわり抜いて作りました。そちらも合わせてお楽しみください。

小説『竜王の婚姻黄金の獅子と白銀の狼上』『竜王の婚姻竜の頂と導く者下』

特典情報

「竜王の婚姻〈上〉黄金の獅子と白銀の狼」特典
◆紙書籍限定　書き下ろしSS
「君が人に戻るために」……護衛官の任を解かれたイザクのショートストーリー
◆電子書籍限定　書き下ろしSS
「真夜中の散歩」……神山へ旅立つ前のセナとアリオスのショートストーリー

「竜王の婚姻〈下〉竜の頂と導く者」特典
◆紙書籍限定　書き下ろしSS
「君の色は空の色」……ヒルジャ国へ向かう一行の獣人戯談ショートストーリー
「再会」……アスラン・リーシュ・ネバル国女王のショートストーリー
◆電子書籍限定　書き下ろしSS
「川が流れるように」……アスランと竜王の初邂逅ショートストーリー

上下巻同時購入特典
◆コミコミスタジオ　上下巻同時購入特典(数量限定)
無償特典：書き下ろしSS小冊子「フオルのはかりごと」
有償特典：アクリルコースター