伊藤あまね先生インタビュー

「百日後に、あなたを嫁に迎えにゆく……」――夢で囁かれたその声が、現実になった。

BL作家インタビュー「801 AUTHORS 108」第3990回
伊藤あまね／ヘンリエッタ／ラヴィ／ラヴィノベルズ
小説『百日後溺愛狐に嫁入りすることになりました』 5月24日発売
サイン入りグッズプレゼントあり！ 詳しくはインタビュー後に！

STORY
人の落とし物や迷子を放っておけない、ちょっとお人好しな大学生・緋唯斗（ひいと）。ある日、瀕死の白い狐を拾って看取った夜、彼は“狐の花嫁”になる不思議な夢を見る。夢の中で緋唯斗に優しく手を差し伸べるのは、銀髪に狐耳を持つ、美しく謎めいた青年。現実では、“狐のような”青年・紺が現れ、ふたりは同棲をはじめた。不思議な同居生活のなかで、緋唯斗の心は少しずつ、確かに彼に惹かれていき……。体を重ねた日から緋唯斗に異変が起こる。それを紺に吐露すると――。「あなたは妊娠をしていて、父親は私ということですよ、緋唯斗」拾い癖のある青年と、美しき狐男子が織りなす、百日後の“嫁入り”を巡る、とろけるように甘い縁結びの物語。

――作品紹介をお願いします
今回、ラヴィノベルズ様より配信して頂く『百日後、溺愛狐に嫁入りすることになりました』は、受けを溺愛するワンコな狐の半獣×拾い物体質の愛され健気な大学生による、男性妊娠アリの和風ファンタジーとなっております。所謂オメガバースものとは違う形での男性妊娠、嫁入りものです。

主人公の緋唯斗(ひいと)は、拾い物をよくしてしまう体質。
ある日ケガをした銀狐を拾い、看取った緋唯斗は、その晩、銀髪の狐耳の青年に『百日後、あなたを嫁に迎えに行く』という不思議な夢を見て、その後、夢で見た青年にそっくりな不思議な銀髪の男性・紺(こん)を拾ったことで、思いがけない甘い生活が始まります。
しかし突然、金路(きんじ)という男が現われて「緋唯斗を嫁に迎えに来た」と言い始めたことにより、紺が緋唯斗に「種をつける」と言い出し、二人が肉体関係を持つことで事態が急転して――というお話です。

今作は、私が初めて挑戦してみたファンタジーものです。着想は「よく拾い物をする身内」のエピソードから着想を得ました。
そこに、更に私が好きな「和風」「ケモ耳」「きつねの嫁入り」「男性妊娠」などの要素をふんだんに詰め込んだ末に出来上がったのがこの物語となります。

――主人公たちはどんな攻×受ですか？
・愛され健気な拾い物体質の受け(緋唯斗)
20歳だけど幼い顔立ちをしていて、小柄で華奢。
「袖振り合うも他生の縁」をモットーとしているため、拾いものからの縁を大切にしているが、お人好しなところがあり、それゆえのトラブルも多い。
ポヤポヤの髪とやわらかい雰囲気をまとう愛されキャラな大学生です。

・緋唯斗を溺愛するワンコなケモ耳攻め(紺)
実年齢は200歳くらいですが、見た目は25歳くらいの青年。長く美しい銀髪とお揃いの耳が特徴です。
わけ合って人間界でキツネ姿で迷った時に緋唯斗に出会ったことのきっかけに、惚れ込んで嫁の迎えに来るほどの情熱な一面も。
普段は誰にでも丁寧な敬語で接してくる穏やかで、緋唯斗が大好きなワンコな性格ですが、いざという時は雄々しくなります。

――当て馬や重要な脇役は？
・金路(きんじ)
ある日突然現れた、一見チャラそうな謎のイケメン。緋唯斗に会うなり「嫁になってくれ」と言い出すような、油断のならない人物。紺に関係のある人物らしいのですが、どういう関係なのか、何故緋唯斗を嫁にすると言い出したのかは物語を読んで頂けるとよりおわかりいただけるかと！

――今作のこだわりはどのあたりでしょう？
今作は「嫁入り」、「男性妊娠」を扱う作品となっているため、嫁入りシーンは特に力を入れて書かせて頂きました。
「オメガバースではない男性妊娠」設定を扱っているうえ、「溺愛」もコンセプトにしているため、紺と緋唯斗の甘い関係の描写に注力しつつ、何故そこまでするのか？ という理由やそれにまつわるエピソードなどにもこだわって書いた作品となっております。

――苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください
初めてかいたファンタジー作品でしたので、どの辺りまで設定を考えて詰めていくのか、という匙加減がちょっと苦労しました(慣れていなかったので)。
楽しかったのは初夜のシーンです！ とにかく甘い甘い雰囲気でありつつも、神聖さもある様な感じを出したくて、実際の妊娠状態との兼ね合いなど、色々考えながら書くのがとても楽しかったです！

――今作にまつわる裏話はありますか？
元々は緋唯斗と紺の関係は一夜限りの悲恋物となる予定でしたが、それでは読んで頂けないかもしれないというアドバイスを頂き、兎に角甘いストーリーを目指しました。

――執筆中の思い出に残る日常エピソードなどうかがえますでしょうか
今作を執筆するにあたり、とあるコミュニティで色々な方に相談に乗ってもらいました。紺と金路に関わる設定のことや、ストーリー展開など、ファンタジー垣としては初心者だった私には有難いアドバイスをたくさんいただき、今作をきっかけに和風ファンタジーをもっと手掛けたいと思うようになりました。

――今、何かハマっていることは？
20数年推しているバンドが、今年は10月まで毎月1回ライブをやってくれるとのことで、推し活に力が入っています。日々増えていくグッズの管理に頭を悩ませております……(笑)。

――BL作家になったきっかけを聞かせてください
元々は漫画家を目指していたのですが、全く絵心がなくて(苦笑)。じゃあ文章ならどうだろう……と、書き始めたのが作家を志したきっかけでした。何故BLなのか……恐らく家族からの影響が大きいのだと思います。我が家は家族みんなヲタクなので、抗えなかったですね(笑)。

――発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう？
正直すごく緊張しています……！ 読者の皆様に楽しんで頂けたらな、と思っています。和風や男性妊娠、嫁入りなど、私の好きを詰め込んだ物語を、こうして形にしてお届けできる機会を頂けてとても感謝しています。
投稿サイトに投稿していた作品でもあるので、以前今作を読んで下さった方もお楽しみ頂けたらと思い、今回は書き下ろし短編を収録して頂いています。そちらも本編と合わせて楽しんで頂けたら嬉しいです。
できることなら、紺と緋唯斗の甘いあまいその後の生活をもっと書いていけたらなと思ってます。

――ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ！
少しでも多くの方に手に取って頂けたらと思っています。
和風好きの方、ケモ耳好きの方、溺愛好きな方に、特に喜んでいただける作品に仕上がっているのではないかなと思います。
(自画自賛になり恐縮ですが)私の作品は、濡れ場が特に自信を持ってお届けできるかなと思っているので、そちらも楽しんで頂けると嬉しいです！

◆ラヴィノベルズ編集部より

伊藤先生は漫画原作などを手掛けている作家様です。
弊社にお声がけくださり、ラヴィノベルズに作品を預けていただけることになりました。

『百日後溺愛狐に嫁入りすることになりました』は、タイトル通りとろりと甘味のある溺愛が楽しめると思います。

嫁入り×男性妊娠×和風がお好きな方にはたまらない作品に仕上がっております。
狐男子がお好きな方にもおすすめです！

また、ヘンリエッタ先生の繊細で美しいイラストが作品のすばらしさをさらに引き上げてくださっております。

是非沢山の方に読んでいただけたら幸いでございます。
またこちらの作品でショート動画も作成予定です。
よろしくお願いいたします。

小説『百日後溺愛狐に嫁入りすることになりました』

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(C)伊藤あまね・ヘンリエッタ／ラヴィノベルズ