佐藤さと先生インタビュー

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佐藤さと先生インタビューギターボーカリスト×ベーシスト！ふたりぼっちの不器用すぎる愛物語♥初コミックス『666DOPES』

2025/11/12 17:00

好きなほど傷つけあってしまう2人から目が離せない♥

BL作家インタビュー「801 AUTHORS 108」第4152回
佐藤さと／KADOKAWA／B's‐LOVEY COMICS
コミックス『666DOPES』11月14日発売
サイン本プレゼントあり！詳しくはインタビュー後に！

STORY
傷まで愛して。それはとてつもなく強烈な一目惚れだった。
リングにチョーカー、黒い爪、耳には無数のピアス──
売れないバンド666DOPESの破天荒なベーシスト・茜。
彼に惚れて付き合っているギターボーカル・柊生。
自傷を繰り返し、痛いセックスを求めてくる茜に戸惑いながらも世話を焼く柊生は、茜の心を知りたいと願っていた。けれど、いつも煙に巻かれるのでつい口を滑らせる。
「心配させたいだけならもうやめてくれよ」
それを聞いて茜は寂しそうに笑った。
「俺のことそういう風に見えてんだな」
好きなほど互いを傷つけてしまう柊生と茜。タナトスとエロスの間でふたりぼっちの愛をかき鳴らすセックス、ラブ&ロックンロール!

――作品紹介をお願いします
インディーズパンクバンド「666DOPES」のメンバーである2人。
自傷が辞められないベーシストの茜と、彼に振り回されながらも理解したいと思うギタリストの柊生が2人で生きていくための物語です。

――主人公たちはどんな攻×受ですか？
自分を傷つけ、衝動的・刹那的に生きる茜(受け)と、そんな茜を恋人として理解したいと思いながらも振り回される柊生(攻め)…という感じです。

――当て馬や重要な脇役は？
お気に入りの脇役はドラムの良樹で、柊生と茜の出会いのきっかけとなった人物です。
彼はふたりの大切な友人であり、世話焼きでありながらも適度な距離感を保ってくれる優しい人です。

――今作のこだわりはどのあたりでしょう？
受けの茜は猫のように自由に生きながらもどこか影を抱えているという設定なので、細かい表情や言動の衝動性からその性質を感じて頂けるように頑張りました。
皆さんの目にも茜が刹那的で、でも目が離せないような人物に映っていたらとても嬉しいです。

――苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください
私自身インディーズパンクが大好きなので、ライブのあの空気感、演者と観客の物理的・心理的な距離の近さや熱狂的ファンの存在、ライブパフォーマンスの自由さなどがどうしたら伝わるかとても考えました。
少しでも伝わっていたら嬉しいです。

――執筆中の思い出に残る日常エピソードなどうかがえますでしょうか
何回か好きなバンドのライブやフェスに赴いたのですが、その中の1つにステージがなく床と地続きで小さな柵のみが施されたライブハウスでの公演があったことです。
最前でパフォーマンスを観たためあまりにも轟音で、ライブ後3日くらい耳がまともに聞こえなくなりました…！すごかった……。

――今、何かハマっていることは？
音楽ライブのほか、度々プロ野球観戦に行っています。
野球は家で見る分にも作業用BGMとして優秀なので、漫画やイラスト作業との相性も良くてシーズン中はずーっと作業のお供です。

――BL作家になったきっかけを聞かせてください
もともとはイラストオンリーで活動していて、今の担当さんからお声がけ頂いたことが挑戦のきっかけでした。
漫画は好きで憧れがありましたが、自分が1冊分の漫画を描けるのだろうか……と思っていたので、こうして本が出るのが夢のようです。

――発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう？
初めての長編漫画、初めての単行本と初めてだらけで心臓がバクバクです。
不安もありましたが、担当さんや応援してくださった皆様のおかげでこうして出版することができました。感謝でいっぱいです。

――ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ！
インタビューを最後まで読んでいただきありがとうございました。
柊生と茜ふたりの物語が、少しでも皆様にとって楽しんで頂けるものでありましたら幸せです。

◆担当編集より
666DOPESはバンド、トラウマ、自傷など、ファッションとして消費されがちなテーマを大切に描いたオルタナティブな作品です。
ミニシアターの映画のような生々しい質感と、鋭いシャッターで切り取られた美しいコマ、そして胸を掴まれる力強い台詞が特出的な本作。部屋に散らばったゴミまでもが描き込まれていて、その美学がとてもかっこいいんです。
私と同じ音楽オタクは、部屋にあるポスターやCDから連想して、いろんな曲が鼓膜の内側に流れてくるかもしれません。
ですが本作の一番の見どころは、これらのテーマを希望をもって描いているところです。暗い過去や心の問題があったとしても、柊生と茜はひらむきに未来へと手を伸ばします。
「この設定でハッピーエンドなの？」と気になる方は是非、漫画を読んで確かめてみてください！　ライブ後の余韻のような読了感があなたを待っています。