山藍紫姫子先生インタビュー

BLニュースは標準ブラウザ非対応となりました。Google Chromeなど別のブラウザからご覧ください。

山藍紫姫子先生インタビュー 三人の男たちの、それぞれに対する執着が悲劇を生み、暗い情熱へ変わる… 小説『蘭陵王』

2014/10/28 18:07

90年代の名作BLが、新レーベル「ハーレクイン・ラブシック」で復活!
刑事の桐生は、とある事件で妻を失います。彼女が死ぬ間際に口にしたのは、天才的バレエダンサー、土御門玲司の名前。彼は不幸に生まれ、歪んだ環境の中で育ちながらも、有名バレエ団の花形となった19歳です。桐生は、妻と玲司の関係を探るべく玲司に近づきますが……。長く絶版となっていた山藍紫姫子先生の名作BL小説『蘭陵王』が、新レーベル「ハーレクイン・ラブシック」から復活! 桐生の親友で、彼に密かな想いを抱いてきた刑事の佐野も絡み、物語が行き着く先は!? それでは「801 AUTHORS 108」第461回、山藍紫姫子先生どうぞ!

Q. 新刊の紹介をお願いします!
強盗殺人現場で巻き添えとなって殺された桐生の妻が、死ぬ間際に口にした名前は、夫ではなく、土御門玲司の名だった。
キドバレエ団の花形ダンサー玲司の十八番は、『陵王』。
あまりに美貌であったために、恐ろしい龍頭の仮面をつけて戦に出陣した蘭陵王長恭の武勇伝に基づいて創作されたバレエだ。
妻との関係を知りたくて玲司に接近した桐生勲だが、妖しい花のような美青年に、やがて惹かれてゆく。
そんな桐生を見守る親友の佐野清孝。
みなが心に秘密を隠していたが、舞台で蘭陵王を踊る土御門玲司もまた、もうひとつの顔を持っていた。
という話で、当時のコピーが、『その秘密を識った者は、死なねばならない。花闇に戦く禁断の果実は罪の快楽に爛れて堕ちる。バレエ団団長と女性後援会長殺人事件を追う刑事を虜にした蠱惑の舞い』でした。

素晴らしい挿絵もお愉しみに!!

Q. メインカップルはどんな攻×受ですか?
不幸な生い立ちながら、取り巻く人々の心を騒がさずにいられない美貌と、バレエの才能に恵まれた青年土御門玲司(十九歳)。

「日本的な顔じゃないのよね。でもハーフって感じじゃない、眼なんかスッと切れ長の二重で、口唇も薄くって怜悧な感じでしょう? オリエンタルな、神秘的な美貌とでもいうのかしらね、見詰められているとゾクゾクしびれちゃうわよ」桐生恵理子談。
「あんなにスゲェ綺麗な顔してるやつ男は見たことない。異常だよ。奇形だ。それに顔がキレイでも心の中も同じキレイとは限らないんでね。あのガキは蘭陵王と同じかもしれない」ルポライター友田談
「美しい顔の、ぞくりと、背筋から頸骨をぬけて脳髄に突き刺さるような、悪寒の走るような美貌の中の、悪魔のような瞳だった」桐生談。

そんな玲司に惹かれた桐生勲(三十二歳)。

「どういう職業なんだろうね。でも金は持っていそうだね、着ている物なんかも結構いいものだし、第一、履いてる靴が高級な靴でさ、安い靴はいてる男にゃろくなのがいないからね」三又敏子談

そして、桐生に密かな想いを抱いてきた刑事の佐野清孝(三十二歳)。

佐野清孝は、恵理子に似た、ハンサムな男だ。育ちの良さと、暴力団相手の捜査四課の刑事になるほどだから、ある種の凶暴さのようなものを秘めている。
「悪魔的な魅力がある」婦警談

三人の男たちの、それぞれに対する執着が悲劇を生み、暗い情熱へ変わる。

Q. お気に入りの脇役は?
やり手婆役の三又敏子。

Q. 今作のこだわりポイントはどのあたりでしょう?
皆さまはとっくにご存じだったかも知れないのですが、当時、私はようやく、『愛情』の反対は『無関心』なのだと気づきまして、『無関心』ではない話を書きたかったのです。

Q. 今作にまつわる裏話ってありますか?
当時は続編を考えていまして、この後、佐野と玲司はコンビを組んで、法で裁けない犯罪者を処刑していく話になる予定でした(笑)。なので、私が他社で書いている『背徳の聖者たち』シリーズの原点に近いかもしれません。
そして、玲司の本名が、現在のあの方と一緒というのは、ほんとうにまったくの偶然です。
なにしろこの話を書いたのは1990年で、その頃、陰陽師にも興味があったので、そっち方面も取り入れたかったのです。
それと、なぜバレエかといいますと、実は、大昔、漫画家の山岸凉子先生の『アラベスク』に影響されて、私もバレエを習っていたからでした。
ところで、猫の銅像はまだ大井町駅近くにあるでしょうか?

Q. 執筆中の、思い出に残る日常エピソードをご披露お願いします!
執筆中のことですが、偶然読者さんからバレンチノの着せ替え紙人形という本をいただきました。裸でパンツ一枚のバレンチノに、いろいろな着せ替えが出来る本なのです。そこにはかの有名な、牧神姿もあったり、シーク姿もあったりで、眼福でした。そして、そのPAPERDOLLS本で遊びながら(笑)、『蘭陵王』は書き上がりました。

Q. 今、何かハマっていることは?
ウオーキングです。
勢い余って、今度はトレッキングに挑みます。

Q. 発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう?
今までになく緊張しております。この『蘭陵王』は書いた当時のままです。未熟な気がします。と同時に、私の内側からあふれてきた言葉などがそのままですので、勢いで読んでいただければ――と思います。

Q. ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ!
いつもありがとうございます。
過激な愛の形を書いてみたかった『蘭陵王』を、愉しんでいただけますよう、願っております。

『蘭陵王』担当編集より
『蘭陵王』は発売当時、文学BLとして、某大手新聞の書評欄にも紹介された異色のダークサスペンスです。主人公は強烈なスポットライトの陰で、残酷な運命に弄ばれ続けた孤児のバレエダンサー。生まれて初めて優しくされて、心が引き裂かれるほどの至福を得ますが、恋人に真の姿を知られたときに運命の歯車が軋み始めます。
さて、この作品は発表当時一般書として刊行されたため、ほとんどのボーイズラブ読者さんはご存じない作品だと思います。ながらく絶版本として眠っておりましたが、このたびハーレクイン・ラブシックにて刊行の運びとなりました。
山藍先生は、ハーレクインロマンスのファンでもいらっしゃいます! 圧倒的美麗イラストで贈る、和と洋の融合――ハーレクイン・ラブシックをどうぞご堪能ください。

ハーレクイン・ラブシック 公式サイトオープン

(c)山藍紫姫子/座裏屋蘭丸/ハーレクイクン

関連作家・声優

コメント1

投稿順|最新順

最近やってるドラマを思い出した。

PAGE TOP