歴史ものが好きな腐女史は特に♥ 海外小説の“BL超訳”第2弾！ 
海外の恋愛小説を翻訳し、日本の読者に届け続けているハーレクインのBL進出第2弾！ 今作では、十字軍の遠征が始まったころのイングランドを舞台に、騎士と領主の禁断の関係が描かれます。年上の貴公子に痺れるような悦びを刻まれて、彼の虜になる若者は……!? 12月25日発売、秋月こお先生によるBL超訳小説『美しい獣たち』。今回のインタビューでは、超訳の過程などとても興味深いお話をうかがえました！ それでは「801 AUTHORS 108」第504回、秋月こお先生どうぞ！
Q. 新刊の紹介をお願いします！
原作者はイギリスのBL作家。十字軍の遠征が始まったころのイングランド、ケント城を舞台に、騎士を目指す若者ウィリアムの“恋の冒険”の物語です。
短気で喧嘩っ早いウィリアムは、ケント城の問題児。でも彼がいつもイライラしているわけは、どんなに修行に励んでも後ろ盾のない自分には将来が見えてこない、という不安と焦りなのだ。
ところが、そんなウィリアムの日々が一変する日がやって来た。十字軍の遠征に赴いていたケント城の主ロバート卿が、五年ぶりに帰還したのだ。
殿の雄々しい凱旋姿に、ウィリアムは敬愛の念と希望に胸を膨らませたが、殿一行の帰還を祝う宴がはねた深夜、暗闇の中でウィリアムに夜這いをかけた男がいて……
野心に燃える若者と、熟年の攻めキャラが織りなす、タブーを超えた恋愛模様をお楽しみください。
Q. メインカップルはどんな攻×受ですか？ 主人公のウィリアムは赤毛の美丈夫。負けず嫌いで短気なのが玉に瑕だが、剣や馬術の腕は立つ。もう騎士になってもいい年頃なのに、ご主人が留守のせいで出世の道が閉ざされ、悶々とした月日を過ごしてきた。野心家で乱暴者だけど根は単純で純情、少しおっちょこちょいなところがある。喧嘩友達のジョンたちにも意外と愛されている。
攻めキャラのロバート卿は、渋い熟年領主。遠征に赴いたコンスタンチノープルで、古代ギリシアの秘儀を授けてくれる愛人(♂)と出会い、長年封印していた自分を解放できた。彼の目にウィリアムは、檻に閉じ込められて苛立っている若いライオンのように見えたらしい。手なずけ方がすごいよね、と秋月は思う。
Q. 今作のこだわりポイントはどのあたりでしょう？ 13世紀のイングランドの雰囲気を味わっていただけるよう、超訳に当たっては時代考証や描写に力を入れました。ケント城のモデルには、コーンウォール州レストメールのシェル型要塞を使いましたが、外観の写真が本に載っているだけで、くわしい構造は実は想像で描いてます。
Q. 苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください！ 日本語に訳された原作をもとに、主に歴史的な背景を書き加えたり、心理描写を厚くしたりといった作業をしましたが、元ネタがあるって楽でいいですね！ 癖になりそう。
ちなみにエッチシーンは充分スケベでしたので、ほとんど手を加えていません。
Q. 今作にまつわる裏話ってありますか？ ウィリアムくんって、けっこうお馬鹿だなァと何度か思ったのは、原作者様たちには内緒ね(笑)。
Q. 執筆中の、思い出に残る日常エピソードをご披露お願いします！ 執筆時期は残暑厳しいころだったんですが、今年は脳みそが煮えるほどは暑くなくて助かりました。暑さに弱い私は毎年、昼夜エアコンをつけっぱなしにした挙句、クーラー冷え症にやられて体調を崩すんですが、今年はそこまで苦しみませんでした。
Q. 今、何かハマっていることは？ 10月に子猫を拾って、お昼寝も夜も一緒に寝ています。前からいた2匹が《仲良くなんかしないにゃ！》と強硬なので、私の寝室に隔離してるの。拾う前の放浪暮らしで風邪を引いた後遺症で、鼻炎ニャンコなんで、くしゃみを顔に引っかけられるのが困り物ですけど。
Q. 発売前の今のお気持ちはいかがでしょう？売れるといいなァ……
Q. ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ！海外のBL作品は初めて、という方も多いかもしれません。しかも原作は男女ペアでの共作なので、特にエッチシーンが気になるんじゃないかしら？ 私も、お二人のどちらがその手のシーンを担当したのか、好奇心萌え萌えです。すいませんね、下世話な興味で。でも気になるんだもん。
ともかく手に取って読んでみてください。とくに歴史ものが好きな腐女史の皆さんには、楽しんでいただけること請け合いです！
ハーレクイン・ラブシック担当編集より『美しい獣たち』は、海外で話題の新ゲイロマンス＝MMブームの仕掛け人である
カリーナプレス(ハーレクイン電子書籍レーベル)からの作品となります。
MMってどんな内容なの？ と気になる方のためにご紹介しますと、歴史ものを中心に、ミステリや男娼館もの、両性具有ものやパラノーマルと呼ばれる人外超能力者もの(ケモミミも含む)などなど。日本のBL魂にも相通じるところはありますが、同性愛であることの葛藤、受け攻めどちらも貧弱じゃないので、余計に「男と男」という感覚が濃密だとか、やはりそこは本場らしく、毛色が違う気がいたします。
たとえば『美しい獣たち』にも、馬小屋Ｈがあったり(ちょっと本家ハーレクインの
ダイアナ・パーマーっぽい!?)、男前ではありますが四十路が受ける場面があったりと、相当型破りなところも!?
↓こんな感じ(^_^;)。
綴り直されて初めて伝わる、MM小説の真実の面白さ――秋月こお先生の<BL超訳>で、翻訳小説とは思えない滑らかさでBL小説のように楽しめる、海外BLをぜひご堪能くださいませ。
特典情報共通：
全国特約書店に相葉キョウコ描き下ろし四コマ漫画ペーパー封入
コミコミスタジオ限定：相葉キョウコ描き下ろしペーパー
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(c)秋月こお／相葉キョウコ／ハーレクイン
