灰二先生インタビュー

声も好き、顔も好き、歌も好き、…全部好き！
虎太郎は高校3年の受験生。塾の帰りに見かけた、ストリートライブをしている大学生の司に一目惚れします。その日以来、彼のことばかり考えてしまう虎太郎。毎週会いに行くようになり、勢いで受験勉強を見てほしいと口にしたら、OKしてくれて……。12月15日発売、灰二先生の初コミックス『もっと、いっぱい、ぜんぶ、ちょうだい！ 』。がまんできずに、告白した虎太郎！ 司の答えは、なんと無言のキスでした!! 高校生のまっすぐな恋は、見事成就するのでしょうか!? それでは「801 AUTHORS 108」第788回、灰二先生どうぞ！

Q. 作品紹介をお願いします！
表題の作品は、駅のロータリーで歌う路上シンガーに一目惚れをした高校生男子が初めての恋に喜んだり悩んだり迷ったり突っ走ったりするお話となってます。
その他、大正時代を舞台とした書生と跡取り息子の切なめのお話や、同棲している二人の想いやすれ違いといったお話の計5本を収録していただいています。

Q. メインカップルはどんな攻×受ですか？
表題になっている作品は、言葉にするのは少し苦手なおっとり系優男×好きなことには一直線押せ押せ系元気っ子といった感じです。
Q. 当て馬や重要な脇役は？
『もっと、いっぱい、ぜんぶ、ちょうだい！』では影響されやすい虎太郎が周りの言葉にもんもんと悩む展開となっています。
その他に短編においては実姉に恋をする親友を好きになる弟や、家の決めた婚約者との結婚を強いられる一人息子など…女の子の名前は出てこなかったりするのですがちゃんと名前があったりします…(笑)
Q. 今作のこだわりポイントはどのあたりでしょう？
表情はとくに頑張りました。切なかったり嬉しかったり、キャラクターがどんな感情でその言葉を呟いているか少しでも表情で読み取れるような描写が出来ていれば幸いに思います。

Q. 苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください！
一喜一憂して表情がころころ変わるようなキャラクターを描くのはとても楽しかったです。また『もっといっぱい～』を描いている時には司の髪を描くのに苦労して何度切ってやろうかと思ったかわかりません。
Q. 今作にまつわる裏話ってありますか？
表題の『もっといっぱい～』の司の性格については作品上はわりと優男重視となっていますが、結構いい性格してそうだなぁ…と思います。
本当に口下手なのか…ただ策士なだけなのでは…なんて。
カバー裏にはそれぞれのお話についてのコメントを載せて頂いておりますので、そちらにも目を止めていただければ嬉しいです。

Q. 執筆中の、思い出に残る日常エピソードをご披露願います！
絵を描いている時に愛猫にひたすら邪魔をされつづけ、しまいにはお気に入りのマグカップを割られてしまいました…。しかし可愛いは正義ですね怒れませんでした。

Q. 今、何かハマっていることは？
作業BGM収集するのが好きです。歌詞を見るのが好きで鬱曲収集するのにハマってます。大体明るい原稿中のBGMはお気に入りの暗い鬱曲聴きながらやってます。
Q. BL作家になったきっかけを聞かせてください！
漫画を描きたいという夢は中学時代にあったのですが、親の反対もあり一度は諦めた夢でした。それから普通に資格を取って就職して…といった感じで漫画もほぼ描いていませんでしたが、その後二次創作にハマり漫画を描き始めたのは二年ほど前です。
そこからふつふつとやっぱり好きなことを仕事にしたいという思いが募り、一年前に初めて創作BLを描いて持ち込みに行ったところで担当さんに目を止めて頂けたのがきっかけです。
初めての持ち込みに、緊張で心臓が止まるかと思ったのと、担当さんに「そんなに怖いところじゃありませんよ」と笑って声を掛けていただいたのがいい思い出です。
持ち込みさせていただいた作品『冬に蛍』もコミックス内に収録していただいております。初めてづくしで戸惑いつつ拙い点も多いですが、今こうして漫画を描くことが出来ているきっかけとなったとても思い入れのある作品です。
Q. 発売に関しての今のお気持ちはいかがでしょう？
ほんとのところ、まだ実感が沸いていません…

Q. ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ！
初めまして、灰二と申します。
しっとりだったり甘かったり切なかったりどれか一つでもお好みの作品となっていればと思います。
どうぞよろしくお願いします！
一迅社 担当編集より
灰二先生、待望のファーストコミックスは、全5編を収録した短編集です。
表題作『もっと、いっぱい、ぜんぶ、ちょうだい！』は男子高校生・虎太郎の一目惚れから始まるお話。大学生の司がストリートライブをしているところに偶然通りかかった虎太郎は一瞬で恋に落ちます。司の歌声も顔も何もかも大好きになった虎太郎のまっすぐすぎる行動は見ていてくすぐったいほど。ピュアで元気いっぱい！
そのほか4編は幼馴染みへの片想いを歪んだかたちで伝えてしまう『この距離は髪一重』、隣に住む年上大学生と恋の予感が描かれたデビュー作『冬に蛍』、同棲中の二人が悩みながらも新しい一歩を踏み出す『ただいま、いってきます』や、大正浪漫＆許されない恋で切なさ100％の『雪ぞ溶くなむ』などなど！
バラエティ豊かな作風で、どのお話も心をあたためてくれることと思います。ぜひぜひご堪能ください！

(c)灰二／一迅社