BL百名山

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第二回「それから、君を考える」

2016/04/02 18:09

今日のレビュータイトルは
「それから、君を考える」(小松/プランタン出版)


通り過ぎた思い出ほど、美しい。

小松先生のデビュー作かつ、4作品を収録した短編集です。
いやーなんだろう?なんかどのお話も眩しいです(笑)
大昔に失くした青春を提示されているような……
もちろん、個人的に、こんな素晴らしい青春おくっておりませんが。
どの作品もグッとくるのですが、
表題作である「それから、君を考える」を紹介してみましょう。

高3の夏。幼馴染みの同級生。口にできない想い。娯楽も何もない退屈な田舎町。そんな町で幼い頃から共に過ごしてきたタカシとヤスは、高校生になった今でも一番の親友同士。しかし、ヤスはタカシに友達以上の感情を抱いていた。想いを口にできないまま季節は受験シーズンへ突入し……

画が美麗なのもそうなのですが、漫画表現であることを
最大限に活かしていて、セリフがないコマ、また特に
気取ったセリフに頼ることなく淡々と心情を描写していくのが
凄いです!!王道かつありがちな物語なのに、ここまで
グッと気持ちを掴まれるのは、
小松先生の演出の巧みさと言い換えても良いかもしれません。


また、本作に収録の他3作品も叙情的で気持ちをもっていかれます。
個人的にヤンキー×隠れオタクな少しコミカルな「Young oh! oh!」が
小松先生のひきだしの広さを感じて、
次作への期待を膨らませてくれました。

それにしても、本作がデビュー作というのが、一番の読者の驚きだと思いました。


貴方が少しでも良い作品に出会えますように。

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