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第十一回「好物はいちばんさいごに腹のなか」

2016/04/11 19:23

今日のレビュータイトルは
「好物はいちばんさいごに腹のなか」(蔓沢つた子/竹書房)

猫耳&しっぽがカワイイッ! 
期待の作家が描き出す、猫が進化した特殊ワールドBL


猫を祖先に進化を遂げ、オスもメスも区別なく子供を産める世界。施設で育った過去を持つカズイ(サビの雑種)は、“父親はいなくていい。自分と血の繋がった家族がほしい”と、相手かまわず子種を漁っていた。ある日、バイト先の店長の伝手で、売れっ子モデル・ノア(メインクーンの純血種)の専属マネージャーとなることに。色んな場面で自分のことを気にかけてくれるノアとの日々に、カズイはいつしか “ツガイとの幸せな家庭生活”を夢見るようになる。

猫が人に進化したという世界観。しかも、オスもメスも区別なく子供が産めちゃうし、発情フェロモンが効かない相手は遺伝子レベルで相性が悪いので、つがいにはなれないという、ちょっとオメガバースが入っていますが、それもこれも吹っ飛ぶくらい面白いっ! 特殊な設定ながら違和感なく、いつしか物語へと惹きこまれてしまいます。それになんてったって猫耳&しっぽが超カワイイっ!! 表題作の受けのカズイは、あらすじだけ読むと“え、ビッチ?”と一瞬思ってしまいますが、それにはちゃんと理由があり、しかもその生い立ちゆえにちょっと切なくもあります。本当の彼は素直で健気でとっても努力家! そんな姿を見ていると、自然と応援したくなってしまうんですよね~。この世界観では他に2組のカップルが出てきますが、どのお話もキャラが立っていてストーリーもしっかりまとまっているので面白いし、なにより喉をゴロゴロ鳴らしたり、ピンッと立ったり腕に巻きついたりするしっぽ等、うま~い具合に猫特融の動きで感情を表現しているのが秀逸です。
本作がまだ2作目という蔓沢先生。画力も申し分なしだし、エロシーンもガッツリ、なにより2作目からこんなユニークな世界観で魅了してくれるなんて、本当にこの先が非常に期待できる作家さんです!

貴方が少しでも良い作品に出会えますように。

ライター:葉月瑛斗

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