自由闊達な新世界の王×不幸な奴隷皇子。自由の国で切り開く再生の物語!

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表題作スカイ・ジャンキー 奴隷皇子と空駆ける王

あらすじ

不幸な出自ゆえに、皇子でありながら愛玩奴隷のように扱われてきたヒスイは、ある時突然、遥か西にある小国ディーゼリアの王の許へ皇女として嫁ぐことに。しかし、過酷な旅路の果てに辿り付いた先は、想像を遥かに超える科学力と数多の海外領土を有する世界最大の強国だった。自由闊達な若き国王ヴィクターは、ヒスイの性別も過去も全て受け入れ、共に新たな人生を歩もうとしてくれて…。

作品情報

作品名
スカイ・ジャンキー 奴隷皇子と空駆ける王
著者
はみしろ 
イラスト
すがはら竜 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
発売日
ISBN
9784041091784
4.1

(6)

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萌々

(1)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
1
得点
24
評価数
6
平均
4.1 / 5
神率
66.7%

レビュー投稿数1

龍の国で交わした「月下の約束」を守る王子の物語

★架空の国の皇子と王子が、子供の時に交わした約束を果たす物語。
主人公は、龍弦帝国皇弟、輝夜宮 翡翠・・カグヤ姫?
婚約者は、ディーゼリア国の国王 ヴィクター・アレク・クリスフォード

★メーヴェと似た乗り物が、タイトルの「スカイジャンキー」
著者は、ナロウ出身の小説家。ナロウ系って、長いタイトルが多くて、内容と微妙にずれがある。→それとも、著者の推しは「月下の約束」じゃなくて「飛行船」だったのかな?
ナロウサイトで公開中の内容に、商用版は、挿絵、加筆、書き下ろしが追加されています。

★風の谷のナウシカのメーベと似た乗り物や、地下の貧民窟が九龍城と似ていて面白かった。
長篇を、三分割した方が良いんじゃないかと思った。せめて上下2冊にしたら、バックに入れて外で読めるのに。電子版の中文字で700頁ほどだから、紙版なら厚み3センチほどで、自宅で読むしかない厚み。HONTでセール価格+クーポン割引になっていなかったら、買わなかったと思う。

---粗筋
翡翠は、双子の兄=帝の霊威を守るため、国の奴隷となり死ぬ日を待たれていた。
ある日、皇弟の翡翠に帝(兄)から「皇女として嫁す勅命」を受ける。
身支度もなく、汚れたままほぼ食断ちで牛車に乗る「死人の嫁入り」、国外に出るまで「翡翠の死」を期待する帝国。
嫁ぎ先の西の果てのディーゼリア国に到着したときは、瀕死の状態。
介抱され、国外に出て1年間、色々な体験をして、人らしくなっていく翡翠。
---
皇子が皇女として嫁ぐ理由は、最終章の辺りに有ります。
「龍の国、弦月つきの都の最奥部。花咲き乱れる宮の、桃源郷の双子」
龍弦語で詩をヴィクターが口にすると、ヒスイは思い出します。
龍弦皇族の装束の七つくらいの幼い双子と、旅人の赤い髪の少年の会話。
「帝にならなかった方は、奴隷皇子と呼ばれ、死ぬまで辱めを受ける」
「尊い存在が二つあってはならないから」
帝と交わす、死を待つ制度から双子の片割れを救う約束。
---
幻影の「モノシリ」と名付けた翡翠の自我の分身(陰陽道でいう式神)を作ることで、悲惨な凌辱による自我の崩壊を防いでいた。幸せになって、話し相手の夫が出来た時、自我の統合を行い、モノシリは、見守るだけで姿を現さなくなります。

盛り上がりが乏しく感じるのは、「モノシリの台詞」がネタバレで、展開が簡単に読めてしまう構成だからかも。

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