【特装版】おじさんとリコ

ojisan to riko

【特装版】おじさんとリコ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神3
  • 萌×21
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
3
得点
19
評価数
4
平均
4.8 / 5
神率
75%
著者
宇佐木城 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
DeNIMO
レーベル
Liamコミックス
発売日
価格
ISBN

あらすじ

獣人と人間が仲良く暮らすとある国――。
ICM(国際民族移住機関)で働く鳩堀(ハトホリ)は、戦争で難民となった一人の獣人少年の一時預かりを命じられた。
人間に対して激しい警戒心を持つ少年に困惑する鳩堀だったが、少年は悲しい過去を抱えていて――。

●特装版限定の12ページのおまけ漫画を収録!●

表題作【特装版】おじさんとリコ

鳩堀(国際民族移住機関職員)
リコ(獣人の孤児)

その他の収録作品

  • 描き下ろし

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レビュー投稿数3

そこには愛しかない!

B Lであるかどうかは分かりませんが、
確かに愛を感じるお話です。
愛って言葉は広いですね。
本作では、家族愛・博愛・恋愛……色々な愛が当てはまると思います。

難民でハーフの獣人・リコを預かった鳩堀(おじさん)。
リコは耳としっぽ以外は、ほとんど人間です。
だけど人間から虐待されていたため、
臆病で警戒心が強く世間知らず。
鳩堀はそんなリコに名を与え、心の交流をはかっていきます。
リコの背中が傷だらけでビクビク怯えていて、
その背中を見て謝りながら泣く鳩堀ーー
と、一緒に泣くわたし(´ฅωฅ`)‧º·˚.
まいったなぁ……
序盤で泣いてしまったと思ったけど、
終始泣いてしまう結果にーー

〝おじさん〟の鳩堀が心底優しくて心穏やかなんです。
やっぱり親がいいと子も良い子に育つのねーって感じで、
リコもとてもいい子に成長していきます^^
鳩堀を思って空回りするところも、
〝おくさん〟になりたくて悩むところも全てが愛おしかった。

鳩堀に恋するリコの気持ちを受け取った上で、
自分が先に逝く事を思ってリコの自立を促す鳩堀に涙腺崩壊.°(ಗдಗ。)°.
そして、同性婚が認められたニュースが流れ、
未来に希望を残すラストだったと思います。

唇を合わせるだけの軽いキスだけですが、
それ以上なにも望みません。
そのくらい清く尊かった……

その後の二人をみてみたいーー
いや、ぜひ見守らせてほしい!



0

ハンカチ要

分冊版がまとまり描き下ろしがついた電子限定の特別版です。
分冊版で何回も泣いた作品で、色んな涙でグジュグジュになりました。

獣人と人間が仲良く暮らす国で、
戦争難民の半獣人の少年リコを一時預かりすることになった、
ICM(国際民族移住機関)職員の鳩堀(おじさん)。
人間への警戒心が激しく問題行動が多いことから、里親の引き取り手がいない状態ですが、
虐待されペットにされていた、痛ましいリコの背景と現状を目の当たりにしたおじさんが、
リコの里親となり成長するリコと生活を共にして2年。

もうすぐ17歳のリコは笑顔で元気、おじさんとの生活は幸せそうですが、
他人とコミュニケーションも取れず、一人で外にも出れない状態。
そんなリコが発情を迎え、おじさんに守られながらも、
おじさんに喜んで貰いたい、ずっと傍にいたい一心で、虐待のトラウマを抱えながら成長していく。

虐待されたリコが寄り添うおじさんに癒され、
忙しい毎日の中、リコの世話と仕事でクタクタのおじさんも、リコの存在に癒されている。
リコが自分の居場所を見つけるという救済物語がメインですが、
おじさんもリコによって、仕事一筋の荒んだ人生が温かいものになってます。

そして、多種多様な生物が共存を目指す社会が描かれていて、
人間、獣人、半獣人、獣頭、オス、メス…
それぞれの目線での考えや価値観、色んな角度で共存の理想と苦い現実が描かれてます。

凄く印象的だったのが、セリオン(獣)であるリコが、
人間に「犬らしくしろ」と言われて虐待され、
保護されたら「ヒトらしくしろ」と人間に求められる。
社会で生きる為のヒト的教養は不可欠、せめて私のもとでは獣らしくてもいい…と、
本来の半獣人であるリコを理解して守り続ける、おじさんの言葉に涙です。

自立支援が必要なことや、オクサンになりたいというリコの想いを知って、
動揺し葛藤するおじさんが、リコの想いを受け入れながら自立を後押しする姿は感動。
あんなに上手く言えないよ。
おじさんの精一杯なチュには泣き笑いでした。

描き下ろしは里親になって落ち着いても、おじさんの側を離れられないリコが、
おじさんと一緒に生活する為に留守番ができるようになる。
リコがいじらしくて可愛くてキュン。匂いって大事です。

おじさんの「ここ」にいれば大丈夫。このシーンも涙が止まらなかったわ。

虐待場面やトラウマ描写が痛ましいですが、
リコがおじさんに癒されていく描写は、温かくて優しい。素晴らしい作品です。

1

私たちを隔てているもの。

ケモ耳愛溢れるフェッティッシュな作品かと思ってました。思ってましたよ⁈
ナニコレBLなの⁈ 道徳か⁈ 道徳の時間なのか⁈ と、ちょっと驚かされてしまう。

戦争が終結し(いきなりだなっ!)獣人を迫害する国から、子供たちを保護するICM(国際民族移住機関)の職員である鳩堀は、ほぼ野生化した獣人の子供を預かる事になる。
人間に虐待され、傷付いた子供は鳩堀に怯えるが、その優しさに触れて徐々に心を開いて行く。
狼少年が人として成長して行く、という様な冒頭。
フツーのBLならば、発情期を迎えた子供にムラついてエロエロめでたし!なんだが、そうはいくまいよ。というのは読み進めるウチに気がつく。
鳩堀という男、まぁ絵に描いたような無欲な、まるで菩薩の様な男なのだ。
独身なのだが、何歳になるのか。子供に「おじさん」と呼ばせ、親の様な心持ちで接する。
子育てなんてしたことが無いのに、いつも穏やかで、子供の為に何が出来るのかと考えてばかりいる様な男だ。
鳩堀は、子供に彼が生まれたであろう地名・リコと名付け、彼が受けて来た虐待の痕を見て涙する。リコが社会で生きて行く為にと教養を身に付けさせようとするのだが、ふと。迫害する側は動物である事を強要し、また今は、ヒトである事を強要する。それは彼等が生きて行く上で必要であっても。「文化的ふるまいを求められる場以外では、獣の習性を無理に抑え込ませることはせずにおきたいと思っているのです。」鳩堀は移民局の大使に告げる。話を聞いている大使も獣人であったりする。むしろこの移民局でのびのびと働く同僚の殆どが獣人だ。
私はふと思い出す。過去、戦争で植民地化された国々の言葉狩りや、思想や文化の異なる二つの国の血を継いだ子供たちの事を。彼等のよるべ無いアイデンティティを。
意外にもシリアス展開に涙しました。

途中、移民局で異種間結婚を申し出るカップルが登場します。リコとは違って、毛並が美しく甘やかされて育った獣人ノア。里親として育てたというイケメンとの間に愛情を育み、めでたく結婚するという。それは隷属じゃ無いのかと読み手側を少しハラハラさせたりもするのですが。彼等が本当に愛情で結ばれている事が後に分かる。イケメンだと思っていたノアのダーリンは女性⁈ 詳しくは描かれていないんですが、異種間の結婚というだけでは無くて。彼女がジェンダーをも超えた存在である事も匂わせています。
またノアがリコとは違い、ケモ耳なんて可愛らしいものでは無く。首から下が人間というミックスであるのに対し、「獣頭」というのが蔑称となっている。
彼等が幾つもの障害を乗り越えている事がチラリと垣間見えるのです。
幸せそうな2人を見つめて羨ましがるリコ。「おじさんのおくさんになりたい。」

そんなリコにも巣立ちの時。
鳩堀は親として、リコが生きて行く為にリコを独り立ちさせようとします。ただリコの為に。
もちろんおじさんを愛してしまっているリコは抵抗します…。ここ涙無しでは語れません‼︎捨てられる、と勘違いしたリコは虐待されていた頃を思い出したのか「おじさん、リコ、ぶってもいいから。捨てないで…。」
『なんて事を言わせてしまったんだろう。リコを守り幸せにするべき立場の僕が…。』
鳩堀はリコに向ける愛情ゆえに手離す時が来たのだと、そっとリコに告げるのです。
リコが自分らしく生きられる様にする為に。
そしていつか、2人で共に暮らす未来の為に。
リコもおじさんの愛情を知って、巣立ちを受け入れるのです。

鳩堀は、リコを隷属させたりしない。一己の者として認め、敬い、愛するのだと。
ラストには同性婚を最高裁が認めたというニュースがラジオから流れていて。リコが一己の者として、鳩堀と肩を並べて共に生きる未来を予感させてくれるのでした。

作品を貫ぬく思想のようなものが重く、その割にエピソード事態は軽いので、子供に読み聞かせる様な雰囲気を持つ作品なのですが、ずしりと胸に刺さりました。

描き下ろしは甘あま後日談などでは無く。リコを預かってまだ2週間の当時のお話。
まだおじさん以外の人が怖くて、ベッタリ職場までついて来ていたリコでしたが、同僚たちの話を聞いておじさんの迷惑になると気付き、嫌だけど、すっごく嫌だけど、頑張ってお留守番をする健気な様子。

そうそう、物語の特性上、エチはありません。発情期を迎えたリコのソロプレイのみ。

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