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9

10のタカラモノ

10 no takaramono

  • 電子専門
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表題作10のタカラモノ

ライチ
25
10 (いお)
20

あらすじ

街で求人を目にし、高条件に飛びついて希望ファームに入社してきた男、ライチ。 働いていくにつれ、最初は気付かなかった希望ファームへの違和感を徐々に感じ始める。
そんな日々の中、周囲から孤立していた牛人の10(いお)と出会う。 小さく痩せ細り、寂しそうな瞳の10が、辛い過去の経験から酷く傷付き孤独を抱えた自身とどこか重なって見え、甲斐甲斐しく10の世話を焼くようになる。
希望ファームで産まれた、牛と人間のハイブリット10。彼はずっと、この狭い世界とそこに関わる人間の全てが嫌いだった。とある年の春、突然やって来た青年ライチと出逢うまでは。
ライチは10に生まれて初めての物を沢山くれた。優しさ、温かい気持ち、美味しいビスケット、10という名前。
ライチが来てから、10の毎日が輝き出した。今日はライチと何をして遊ぼう?10はそれまで憂鬱だった朝を迎えるのが楽しみになっていた。ライチを想うと胸が高鳴る。10の初めて覚えた恋心だった。
そんな10を揺るがすある事件が起こる──。
歪んだ環境に振り回され、翻弄される二人の運命は。
喪失感を胸に抱いて生きる青年×大きくなれない小さな大人の牛人の純愛BL。

作品情報

作品名
10のタカラモノ
著者
こぐまあぴぽ 
イラスト
かきぶた 
媒体
小説
出版社
夕霧文庫
レーベル
フリチラリア文庫
電子発売日

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9

4.6

(26)

(23)

萌々

(0)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
3
得点
118
評価数
26
平均
4.6 / 5
神率
88.5%

レビュー投稿数3

心温まる美しい純愛小説

主人公の2人がつらい思いをした今と過去を互いに支え合い乗り越えていく様、その中で生まれる初めての恋心が丁寧に綴られおりとても読み応えがあります。
エッチなシーンは少なめではありますが、愛情たっぷり濃厚な描写で満足感あり。
旅の中で出会う人々の優しさにも心打たれますし、温かい気持ちにさせてくれます。
主人公の2人はもちろんの事、それ以外の旅をする中で出会った人々の話も繊細に語られていてキャラクター1人1人に想いを馳せながら読み進める事ができる良作です。
中でもとても魅力的だった神父さまの話をもっと深く知りたいと思ったので、もし続編の予定がある様でしたら楽しみに待ちたいと思います。
表紙のイラストもとても美麗で2人の愛しい人を想い合う表情にも惹かれました。
読了後に表紙イラストを改めて見るとあぁ、ここはこう言った意味があったのか!と2度楽しめると思います。
こんなにも優しくて心温まる美しい純愛小説と出会えて本当に良かったです。

13

珠玉の名作

最初に、この人は天才だ。と思いました。独特な世界感と登場人物の作り込みが巧みで、どうしてこんなにも心が抉られる程の絶望の中に愛と希望、そしてあたたかい話が書けるのかと驚きました。
不器用だけれど優しい青年ライチと子供に見えて成人している10くん。一見おにしょた?と見間違えますが、二人は5歳くらいしか年の差無いんですね。
最初は10くんとライチは恋愛に発展するのだろうか?ブロマンス寄りなのかな?なんて思っていたら、物語が進むに連れてしっかりBLしている…というか自然にどんどんと互いに惹かれあっていく描写がお上手で、愛に満ちている。
ライチの過去は胸が苦しくなる程辛くて、弟分のユタが亡くなるシーン、そしてライチの助けたかったのに助けられなかった無力さ、悔しさに感情移入してしまい涙が止まりませんでした。読み進めて、彼のトラウマは計り知れないものなのだと知った時、登場時の印象とは大分変わりましたね。なんて人間らしいキャラクターなのだろう。
10くんの方は産まれた時から地獄の中で生活していた背景を考えると、ライチが来てからの毎日に少しずつ幸せを覚えていくシーンが愛おしく、尊かったです。希望ファームでの惨いシーンは目を瞑りたくもなりましたがライチが居てくれて、10くんは結果幸せだったなと思います。ライチが居なかったらどうなっていたことか…考えるだけで辛いので辞めておきましょう。
希望ファームを脱出してから10くんが少しずつ外の世界を知って、どんどん精神的に成長していく姿が微笑ましいです。外の美味しい食べ物や親切な人々に触れて、ひと皮もふた皮も剥けていきます。
ライチも純粋な10くんに触れていくに連れて、本当の自分を取り戻していく感じが伝わってきて、この2人のCP大好きです。なんて可愛いらしいのでしょうか。
他の登場人物もそんなに多くはありませんが、魅力的なキャラクターばかりで、そこも好きです。
慈愛に満ちた神父さんや10くんに初恋を抱くネリネちゃんも可愛くて皆、幸せになってほしいです。
神父さんの恋人の牛人…気になります。純愛の香りがするので過去編を書いて欲しいです。
そして、ライチの弟分のユタとライチの短くもかけがえの無い時間が愛おしかったです。ユタの分まで懸命に不器用に生きるライチに胸が締め付けられましたね。
瑠璃色の花は時期的にネモフィラでしょうかね?今後、ネモフィラを見るとユタを思い出してしまいそうです。
花といえば、10くんとライチの庭に咲く向日葵。そして告白のシーンは忘れられないくらい印象的なシーンでした。なんて甘酸っぱい。この話を夏に読めたことは感慨深いです。
エロは少なめですが、心配せずともしっかりあるのでストーリーもちゃんとしていて、ラブラブエッチも読みたい。という方にはオススメしたいです。
もしこのレビューを読んで購入を迷っている方がいたら、読んでみてほしいです。
私は何度も読み返すくらい大好きな作品になりました。

14

明るいけど実は真っ暗な闇を抱えてる攻×ちいさくてかわいいけど包容力ある受が刺さる人にはきっと刺さる

初見の作家さんでしたが、2人の穏やかな表情が印象的な表紙が目にとまり、配信サイトの試し読みを見て気になったので購入。
こぐまあぴぽ先生のデビュー作でしょうか?かわいそうでかわいい、が好きな私にはかなり刺さりました(*^^*)
受が可哀想な境遇にあり、更により悲惨な目に遭わされますが、相手側にちゃんと相応の罰が下ったので溜飲が下がってすっきり。
攻は攻で受に負けないくらい(むしろ受よりも?)悲惨な生い立ちで、一見明るいのに闇が深い所に泣かされました(; ;)
しかも両想いになってから受よりも甘えん坊というギャップ…。受も攻もかなり好きな感じでした。
途中で入る受が発情期を迎え、攻が手ほどきしてあげるシーンも、最後に入るラブラブエッチシーンも、甘々な雰囲気でやっと結ばれた感があって幸せでした(*´Д`*)
こちらでレビューを見ようかと思ったら、まだ発売されたばかりだからか?無かったので初レビュー失礼しました(*´ω`*)
これから注目したい作家さんです。

12

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