俺は買われたのだ。あの男、蝙蝠に――

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表題作華と蝙蝠

妓楼「蝙蝠」の楼主 蝙蝠の旦那
蝙蝠の用心棒剣士 士郎 23

その他の収録作品

  • 華と蝙蝠
  • 華と蝙蝠 したたりの剣
  • 鬼ごっこ
  • あとがき

あらすじ

「……閨でだけ、呼ぶのを許してやるよ、俺の本当の名前を……」
江戸・吉原。遊郭の主・蝙蝠のもとに売られてきたのは武家の青年・士郎。美しい顔に何かを秘めた瞳を持った士郎に興味を覚えた蝙蝠は、その無垢な躰を散らそうと考えるが、いきなり手合わせを申し込まれる。そこで、勝てばお前の躰を好きにすると蝙蝠は言い放ち、向き合うが!? 互いに何か秘密を抱え、永き孤独に生きる彼らの、切なくも不器用なほどの烈火の恋!!
出版社より

作品情報

作品名
華と蝙蝠
著者
墨蜘ルル 
イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
アスキー・メディアワークス(角川グループパブリッシング)
レーベル
B-PRINCE文庫
発売日
ISBN
9784048679213
3.3

(3)

(1)

萌々

(0)

(1)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
9
評価数
3
平均
3.3 / 5
神率
33.3%

レビュー投稿数3

すごい!

遊郭ものということで飛び付いてみたけれど、“よくある遊郭もの”とは全然違う!

萌えももちろんあるけれど、それ以上に世界観を伝えることにウェイトが置かれているような感じを受けます。なんていうか、萌えを無理矢理作ってそのための設定にしているのではなく、物語は物語としてちゃんと成立している感じ。

この作家さん、すごくうまいと思います。細かい時代背景等は故意にでも変えているところがあるでしょうけれど、全体的な空気感や味はとてもよく伝わってきて楽しい!本格的です。

あとがきを読むと、『幼少の頃から時代劇や時代小説が好きだった』とあるのでそれも納得でした。

萌えの面でも、攻め受け両者ともに、とても魅力的な男性なので大変満足しました。

バガボンドとまではもちろんいかないけど、男気・プライド・辛さ などちゃんと伝わってきます(;_;)

というわけで、かなりの高評価です。

でもね、でもですよ、

すっごく好きなんだけど長いんですよ!もっと展開をスピーディーにして短くまとめてくれたら良かったかと思います。

読みはじめてすぐに、上手い!って感じたので、長くてもダルいとかはないのですが、重要な出来事と出来事の間にある日常風景の描写が有りすぎではないかと思います。

BLで288ページとなるとどうしてもね。間伸びしちゃったところがありました。

これからのこの作家さんが楽しみかなー。
新人さんで初読みなので、ちょっとオマケの神評価。

1

たまには嬉しい時代物

時代物。たまにはこういうのもいいなぁ。
吉原のはずれにある遊郭・蝙蝠の主とそこに身売りしてきたワケありの美貌の武士・士郎のお話。

吉原の遊郭ということで、これはまた嫌々身体を売るお話なのかと思っておりました。
しかし、カバーイラストにもあらすじにもそんなニュアンスは無く・・・
それもそのはず、身売りはカモフラージュで実は敵討ち目的なのです。
ワケありも承知の上、蝙蝠の旦那は士郎を用心棒として買い取ります。

彼らの出自、現在置かれている立場、それぞれの心の隙間などが交錯して、お互いを必要とするようになり、心を許し身体を開くまでのお話が1話目です。

2話目は公儀隠密としての蝙蝠の仕事が軸になっています。
恋人同士になったもののまだまだ初心な士郎のツンツンした態度、行き詰っている蝙蝠が士郎を求めてきても、素直に受け入れられなくて後悔したり。
それぞれがお互いを思いながらも、思うがために先へ進めないもどかしさを感じられます。

お話そのものは、敵討ちや暗殺などを絡めた“江戸の暗闇”を感じられるような仕立てになっていて、親の無償の愛に泣かされる人情話でもあります。

また、「蝙蝠」の遊女たちの可愛さと開けっ広げなところがなんともいえない癒しにもなっています。
そして、1話目も2話目も、我慢に我慢を重ねたあとのエッチなので、回数は少なくても濃厚です。

書き下ろしは、忍術修行。仲間に士郎を自慢したかったのね?

また、時代物書いてください。

0

時代劇BL!

 行きつけじゃない書店で、密封された状態で買ったので、完全な絵買い。だって金さんだったんだもん!(言い訳になってない)

 ワケありっぽい遊廓の昼行灯旦那×美人系堅物用心棒

 なにやら裏のある旦那・蝙蝠と、訳あって用心棒を務めることになった青年剣士・士郎のお話。
 遊廓モノというのだから士郎も花魁の格好なんかしちゃうのだろうかと思ってましたが、意外にも全くしてませんでした。いや別に期待してたわけじゃないんですけどねとか言ってみたいけど実際は期待してましたすいません。あ、でも出てくる遊女のたてはさんとかみつばちちゃんとかがきゃあきゃあしててすごく可愛かったです。
 話を戻して。
 作者の墨蜘さんがどうやら時代劇が好きな方らしく、話も全編通して一時間の時代劇を見ている気分でした。話の流れとかも。大岡越前とか出てきます。話は割りとさっくり、いろんなところに小粋な雰囲気が溢れていて、良くも悪くも人情溢れた時代小説を読んでいるなあと。ざっくりばっくり、男らしい蝙蝠は格好いいし、真面目な士郎の無骨さというか純粋さが可愛い。ただ少し、蝙蝠の裏の顔の方がもうちょっと出てくればよかったかな、あっさりし過ぎてる感があるなあと思ってしまいました。続刊なんか出たら、どんどん深くなっていってくれるかなー…?
 あと、個人的に…章ごとに視点が変わるのが、少し読みにくかった。文章が一人称なので、蝙蝠視点の章なら『蝙蝠』、士郎視点の章なら『士郎』と書いてあるんですが、意識があっちこっちに行って定まらない感じがして、話に没頭できなかった…orz
 まあ、慣れだと思いますが(なんてあっさり感)。

0

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