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表題作 銀の鎮魂歌

ルシアン → 森川智之

キラ → 石田彰

その他キャラ
ディラン[松本保典]/ サマラ[飛田展男]/ ジェナス[増谷康紀]/ イリス[岩男潤子]/ マイラ、小姓1[山崎和佳奈]/ アスナス[阪脩]/ シリル、声3[上村典子]/ ワイデル、衛兵[茶風林]/ アズリ[土井美加]/ 小姓2[小谷伸子(現:nobuko)]/ 小姓3[佐久間摩美]/ 声1、声[澤田健彦]/ 中年の女、声4[中川和恵]/ 酒場亭主、声2[うすいたかやす]/ ナレーション、初老の男[沢木郁也]/ 若い男、声[瀬戸公雄]

あらすじ

抜けるような蒼い5の月の西の下、二年ぶりの故郷(ジオ)に帰ってきたキラ。懐かしい故郷―そこは愛しい男がいる。男の名は、若き帝王ルシアン。二年前、愛しあうふたりをある出来事が引き裂いた。<愛>と<憎悪>が錯綜する、めくるめく愛の鎮魂歌。

作品情報

作品名
銀の鎮魂歌(レクイエム)
著者
吉原理恵子 
イラスト
小島文美 
媒体
CD
オリジナル媒体
小説
メーカー
マガジン・マガジン〈CD〉
収録時間
108 分
枚数
2 枚
ふろく
なし
発売日
JANコード
4571278170345
4.8

(40)

(35)

萌々

(3)

(1)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
12
得点
191
評価数
40
平均
4.8 / 5
神率
87.5%

レビュー投稿数12

皆さんのレビューに偽りなし

若き王は、子供のような一途さと独占欲で小姓を愛した。
小姓もまた、与えられる以上の想いでもって国王を愛し返した。
疑いようのない愛によって強く結ばれていたはずの二人の絆は一瞬にして断ち切られ、狂ってしまった歯車は哀しみの音を軋ませながら動き出していく。
美しい旋律に彩られた、切なくも狂おしいほどの愛の物語でした。

どっぷりとドラマに浸かりきった1時間半でした。魂抜けました。返してちょ。
前半途中からずうっと涙腺が緩みっぱなし(原作未読なので余計かもしれませんが)で、聴き終わった頃には鼻ガビガビでひどい顔に。
そのぐらい、全編通して絶えず切なさが付きまとい、悲劇の予感に終始怯えながら聴いていました。

愛の光は強ければ強いほど、落とす影もまた濃い。時の流れは取り返しようもなく、支払った代償はあまりに大きい。
すれ違った愛はやがて終焉を迎えますが、その最期もまた強烈なまでの愛の証でもあるので、やりきれなさの中にも一抹の満足感を得られます……ですが、皮肉で痛ましい鎮魂歌は、いったい誰の魂を慰撫するんだろうか。と、思わずにいられません。
たまらない余韻がいつまでもいつまでも、しこりのように胸に残りました。
ニクイぜ、そして上手いぜ、吉原さん。

声優陣も、皆さん好演しておられました。
怒れる若き王、全てを失った吟遊詩人、大儀を全うする者、大儀と良心の狭間でゆれる者、罪の重さに苦しむ者…主役&脇を含め、役割配分がきっちりしていてわかりやすい。
どの声優さんも、それぞれの想いと立場を反映したトーンでしゃべっておられて、会話がすっと頭に入ってきます。
どのシーンにも緊張感があって、固唾を呑んで聴き入り、時間どころか尿意も忘れてましたw
特に石田さん。
実は苦手意識があったのですが、それがふっとんじゃうほどに悲劇のキリ役を見事に演じきっていらっしゃってます。聴いてるこっちの喉まで苦しくなってしまうような「愛しています、愛しています」の絶叫が、もう心に痛くて悲しくて……うおー、すげぇよプロ!ぞわぞわぞわ…(鳥肌)

それから、BGMがほんっっとーにほんっっとーに素晴らしかった。
哀愁を誘う繊細で美しい旋律は、それ自体がまるでモノローグのよう。
彼らの心を映し、それでいて語り部的な距離感を感じるメロディラインなんですよね。見事に物語を盛り立て、聴き手と作品を繋いでいます。
この曲を聴いただけで泣ける自信があるぞ!

切ないお話を求めていらっしゃる方には問答無用でオススメ、そうじゃない方にもごり押ししてオススメしたい不朽の名作でした。
あー、鼻の下痛いぜ。(鼻かみすぎた)

8

儚くも美しい抒情的な世界

【銀の鎮魂歌】は吉原作品には珍しく、少女マンガ的な物語で。
最初から最後まで、ひたすら儚げで美しい。
CDでもその少女マンガ的な美しさが再現されていました。

悲劇のヒロイン(笑)である銀髪の少年キラを、
石田彰さんが超儚げに演じていました。
石田さんのBL作品、実はこれが初めて聴いたのですけど……
透明感のある喘ぎ声に、かなり萌えました。
初々しいやら痛々しいやら、ルシアンの寵愛が納得のキラでした。
後半の世捨て人風な美人声も絶品で、素晴らしかったです。

ルシアンはBL界の帝王・森川さん。
登場シーンの若々しくてやんちゃそうな声が、めちゃくちゃ可愛くてツボ!
『キラを寝所へ連れて来~い!』と、ダダをこねまくるのがたまらん。
そんな熱くて可愛いルシアンが些細な誤解で、
最愛のキラを憎悪し、追い詰めていく様子が怖いし、辛かったです。

メインカップルを取り巻く人々にも、それぞれ思うところがあり、
懸命に生きていて、濃密なドラマを繰り広げています。
個人的には飛田さんが好きなので、サマラがお気に入り
結末は分かっていましたが。やはりラストは切なくて。
キャスト・脚本・演出全てが良く、聴きごたえのあるCDでした。

7

藤棚

>かにゃこさん

石田さんが全盛期の頃、BLCDには全く興味がなくて。
私も石田さんの活躍を知らないのですよ。
このCD(しかも復刻盤)で石田さんのBL演技を初めて聴きました。
役柄のせいかもしれませんが、清楚な色気を感じさせるイイお声でした!

作品はファンタジーもので悲劇です。
主要キャラに女性もいます。
脚本がしっかりしているし、私は面白いと思います。

初Hのキラ(受)の年齢が13ですが、
しっかりした男の子なのでショタという感じはないです。
ちなみにその時のルシアン(攻)の年齢が17。
その後、二人が成長してからのお話なので、
ショタものではないですよ~!

BLクラッシックに涙する・・・

正統派、上質なお伽話。

戦で先王を失くした王国を継いだのは
15歳のルシアン(森川)
若くして王位を継いだため孤独で俺様な暴君
そんなルシアン(森川)の心のよりどころは
小姓のキラ(石田)で、キラ(石田)もまた
両親を亡くし誰も後ろ盾がいないわが身を
必要してくれるルシアン(森川)に
ただ純粋に親愛を寄せていたのに
ルシアン(森川)17歳のお誕生日に操を捧げることになる
伽を勤めて早3年が過ぎ・・・
ルシアン(森川)のキラ(石田)への寵愛は
より一層深まるばかりで臣下の者は頭を抱えていて
そんな折、妹姫イリス(山崎和佳奈)の恋が
大きな波紋になり二人を引き裂く・・・

と、いうお話。

身分違いの恋、せめてキラ(石田)が子供を生める女であったら・・・
こんなにも惹かれあう二人は、結ばれないわけですよっ。
たらればや、奇跡もなく、ただただ悲恋です。
あまりにも悲しい恋のお話に涙しました。

若き孤独な王ルシアン(森川)には、嘆いたり迷ったりすることは許されず
常に虚勢を張り暴君で居続けることで立っていられたんじゃないかと。
キラ(石田)を信じることのできなかった自分の大罪に
詫びて許しを請うことはせずに虚勢を張り続ける・・・もぉここで涙涙っ。
ルシアン(森川)は、王なんだもん。

キラ(石田)の奏でる旋律も美しくラストも良かった。

絡みについては、美しい石田喘ぎと控えめな森川攻め喘ぎ。
どこをどう触ってどうなってこうなってという言葉攻め的な
セリフは一切入ってないので、喘ぎのみで体位を想像するため
エロさはないですね、水音系のSEもないですし。
お伽話なので、そこに不満は感じませんでしたよ。

古典的悲恋に、素直に涙が溢れました。 

7

後の世で

聴こう、聴こう。原作を読んでから・・と思いながら
数年の月日が経ってしまいました(m´・ω・`)相変わらずな私であります
が、これは・・なんとも壮大なお話だった。
壮大というか、壮絶というか。
重く苦しい、だけれども世の断りは至極当たり前でもあるのかと思ってみたり。

お話は、とある国の王と乳兄弟とのお話。
17才の若さで王位に即した攻。
跡継ぎをとあてがわれる女を見るたびに、種馬的扱いに感じてしまう。
あてつけのように、抱いたのは「なんでもくれる」と言った乳母の子供である受。
しだいに、戯れではすまないほど深みに嵌っていった。
けれども、男に入れあげていく王を臣下はよしとしない。
唯一無二の王である攻がこのままでは跡継ぎを残せない。
そう悟った臣下は・・・という件なのであります。

“同じような条件であっても、子供を産めるというだけでゆるされる”

あ~・・・・・(´;ω;`)・・・・・
攻がかりに王でなかったならば許されたかもしれない
受がかりに女であったならば許されたかもしれない
そんなやるせなさがまた胸に痛かった。

受視点、攻視点ではなく、な描き方
これがまた実際はこういう気持ちであったのではないか
甘く、蜜月であっただろう3年感と絶望の2年
描かれていない空白の時を二人はどう感じ、どう思い、過ごしてきたのか。
いかんせん、女といただけで激高して酷い仕打ちをした王は安直でまだ子供的なのかなという感じがしていた。数年経ってもなおひどい仕打ちを向けるほどに
けれど、その空白の間に気持ちがどうであったのか、考えるほどに胸が苦しく
結末に向けて開けられていく鍵がとても痛かった。

刹那的ではあるものの、すごく良い作品でした。
原作の方もあわせて読みたいとおもまいます

5

大・号・泣!!ドラマCDファンなら聴いておけ!!いいから聴け!!

いや↑これ↑、某ブログでこのCDを猛プッシュされてた方が書いてらしたことの丸パクリなんですが、聴き終えて私も「その通り!!」と思ったもんで、そのまま使わせていただくことにしました。
吉原理恵子原作です。原作もかなり良かったんですが、完全に原作を超えてました。
隅から隅まで丁寧に作られたCDでしたよー。

攻めはルシアン@森川さん。わがままな暴君です。若き国王なのだ。
乳兄弟であったキラ@石田さんに夜伽を命じます。
原作での初夜は、キラにとってかなりキツイ初夜になるんですが、そのあたりはボカし気味です。
で、そのままルシアン@森川さんが、キラ@石田さんだけを可愛がって、嫁を貰おうとも他の女性を寝所に呼ぼうともしないもんで、世継ぎのことを考える重臣たちはジリジリしはじめます。
これが、その後起きる悲劇の伏線となります。

森川さんの声がかなり若いですw可愛さ余って憎さ百倍になっちゃう執着攻めのルシアンそのものでした。
で、石田彰さんの健気受けですが、ホントに良かった。上手い!の一言です。BLには最近あまり出演されてませんよね。もったいない~。

誤解があってルシアンとキラは悲しい別離を迎えます。離れる前に、怒り狂うルシアンがキラを鞭打つ壮絶なシーンがあるんですが、石田さんの絶叫が真に迫りすぎてて心臓がバクバクしました。
で、数年後、再び再会することになります。
でもそのときにはもう二人ともお互いに、引き返せない「事情」ができてしまっています。ネタバレになるので書きませんが、切なくて仕方がなかった。

で、ラストで号泣。
ここね、普通ならあるべきはずのシーンがないんですよ!!
原作も同じなんですが、誤解が解けた二人が愛を確認しあう場面が、ない!!
なくてあのラストをもってくるか!と。

ちょーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!

と思いましたが、この不親切さが逆に良かった。これ吉原理恵子さんの「見せない」という演出だと思うんですが、ピタッとハマってます、冴え渡ってます。
私またしばらく嗚咽が止まらなかったです。

ヤバイ、文字数足りなくなってきたので、あと一つだけ書かせてください。
このCD、音楽やSEも素晴らしかったです!
オススメ、超オススメ。

3

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