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表題作恋は雪に舞う

ヴィルヘルム,28歳,侯爵
見城莉人,25歳,ミュージアム館長秘書

その他の収録作品

  • 愛は雪を溶かす

あらすじ

〈西洋芸術ミュージアム〉で館長秘書として働く見城莉人は展覧会用の作品の貸し出し許可を得るため、フィルネーデン王国を訪れる。所有者はヴィルヘルム・キール・リングドレーン公爵。王立学校時代の先輩で、互いに恋心を抱いていたが、ある誤解から莉人はヴィルヘルムを裏切る形で日本に帰国していた。十一年経ち、ヴィルヘルムに再会した莉人は、彼から作品の貸し出しに驚きの条件を突きつけられて…。
(出版社より)

作品情報

作品名
恋は雪に舞う
著者
伊郷ルウ 
イラスト
東野海 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラノベルスHYPER
発売日
ISBN
9784778110321
2

(2)

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萌々

(0)

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中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
2
評価数
2
平均
2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

ザ・BL!という感じなんですけど・・・

ヨーロッパのとある国の王族と、日本から来た学芸員の主人公。
海外セレブとの身分差、外国が舞台のBLは大好きなので期待に胸をふくらませて読みましたが…ずっとヤッてました。
もちろんストーリーはきちんとあるんですが、朝から晩までヤッて、食堂でヤッて、部屋でヤッて、乗馬に出かけては外でヤッて、パーティに出かけてはそこでヤッて…それ以外のことはしないのか!という感じで途中からもうやってるシーンは飛ばそうとパラパラ読みになってしまった…。
なんでこんなにずっとヤッてんだろうかと疑問に思うほど…。

お話は、日本の美術館で展示するために美術品を借りに来たリヒトが、代わりに奴隷になれとに言われて身体を好きにされるという、かなりスタンダードなお話です。
自分はそういうスタンダードさも好きなので読みましたが、もともとこういうのが好きでなければかなり真新しくない、悪く言えば使い古された展開のため、BLを数読んだ方には退屈に感じるかもしれません。
そしてこの2人は昔恋人で、ひどい別れ方をしたという過去があります。
リヒトがヴィルヘルムの兄とベッドインしているところを見つかってしまう、というものなのですが、リヒトが主人公なのにリヒトの考えは最後まで読者にも明かされません。それがどうにも焦れったいというか…。

これはもし男女であっても別の男とベッドインしてるところをみつかり、「浮気じゃない、でも理由は言えない」とか言われたらは?!て怒ると思います。
リヒトは自分1人が一生苦しめばいいんだ…という感じでヴィルヘルムのもとを去るのですが、苦しいのはむしろヴィルヘルムのほうではないでしょうか^^;
健気に見えて理不尽な受けだなあ…と思ってしまった。

そして読者にはその理由を早い段階で明かしても良かったのではないでしょうか。でなければリヒトに全く好感が持てず…
しかも、その理由が何だかんだでヴィルヘルムの兄に脅されてベッドイン、というまあそれしか無いだろうという理由で、何をそんなに(読者に)焦らしているのか、と…。そしてヤッてるシーンを省くと3分の1くらいでストーリーは終わってしまいそうな感じでした。
ある意味王道、しかしどうにも退屈に感じてしまう一冊でした。

1

愛が・・・・・・(なかなか)見えない!

積ん読本の中で何かないかなーと探っていたら出てきた作品。
タイトルも表紙もこの時期にはぴったりな感じということで読み始めましたが、心が温まるどころか冷えた。
愛が見えないのです。
痛い話ではないのだけど、愛が見えないんです。
愛・・・どこに転がっていった?早く拾って!とずっと読みながら思ってしまった。
愛するがゆえに辛く当ってしまう攻と、愛するがゆえに奴隷扱いされても耐える受。
時折り見せる優しさ、という一文があってもそういうシーンが見えない。
そういうシーンがあったとは思うけれど、辛い仕打ちの方がページが割かれていて、ちっともお約束の『一時はお互いの心が通じ合って甘い雰囲気に』というシーンが見あたらないんです。

寄宿学校(日本で言う中学ぐらい?)の頃、先輩と後輩の学年違いが寮で同室になるという決まりで、同室になったふたり。攻のヴィルヘルムと受の莉人は恋心をお互いに持ち、甘い秘密を共有する恋人同士だった。
けれど、そんな両思いの筈の莉人がよりにもよってヴィルヘルムの兄と校内で淫らな行為をし、しかも学校側に見つかってしまう。
莉人は問題を起こした生徒として放校処分にされてしまう。何故兄と!と責め詰め寄るヴィルヘルムに莉人は頑なに理由を明かしませんでした。
何故かは後々に語られるのですが、理由としては辛くも麻ないながら好きな人を慮っての気持ちで一杯で、莉人は本当にヴィルヘルムの事が好きだっただな、と思わせられる。
しかし、ヴィルヘルムの兄は王族に連なる次期公爵ということもり、処分されなかった。
それは何故か?この部分も後々に他者の口からいとも簡単に語られます。
え、そんな簡単にあかされちゃっていいの!?と思わないでもなかったのだけど、莉人が語らない以上こういう形でヴィルヘルムの耳に入るのがベストに思えた。
・・・これについて、当時ヴィルヘルムが兄を責めていれば莉人との関係がこじれなかったはずと思わずにはいられないんです。
やはり、次期公爵として育てられる兄と次男では逆らえない何かがあるのかな。

全てはこの寄宿学校での出来事が発端で、ヴィルヘルムは愛情を踏みにじられ裏切られ傷ついた、でも愛しい思いは捨てきれない、愛しいけれど憎いという気持ちが強く。
莉人は理由はどうであれ、愛しい人を傷つけ裏切ってしまった負い目がある。辱めを受けても愛しい人は愛しいままで、ヴィルヘルムが自分をいいように扱うことで少しでも気が晴れれば、と耐え自己犠牲的な部分がある。
二人がお互いに今も恋心を抱いたままだからこそ、すれ違い傷つき傷つきあっているところが辛く、ゆえに甘いシーンが殆どなく心が温まらない。
誤解や、莉人が何故兄との出来事に口を閉ざしていたか?など本当に最後の方で明かされるので、読むときは是非暖かいお部屋で読んで下さい。

伊郷さんの本はけっこう好きで色々読んでますが、これは久々に、駄目だと思ってしまった。
しかし、本編終了後のショートが凄く凄く凄く甘く幸せそうな二人だったので、このショートのおかげで、すっきり読み終えることができました。
糖度低めのすれ違い話が読みたいときにはおススメです。

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