吹雪く氷の大地で絶対零度の愛に灼かれる

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表題作白銀の虜囚

ツァーリと呼ばれるロシアンマフィア ユアン
国際犯罪特別捜査官 杉浦淳哉

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

盗まれた秘宝の行方を追ってロシアに渡った刑事の杉浦は、犯人と睨む宝石商・ユアンに近づいた。だが、冷静沈着な杉浦の更に上をいく謎めいた男は、杉浦を罠にかけ捕えると、絶対服従を強いてきて――!?
(出版社より)

作品情報

作品名
白銀の虜囚
著者
剛しいら 
イラスト
海老原由里 
媒体
小説
出版社
ムービック
レーベル
LUNA NOVELS
発売日
ISBN
9784896017878
2.2

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萌々

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(1)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
6
評価数
4
平均
2.2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

マフィアは侍が欲しかった

ロマノフ王朝の秘宝を巡った事件を追う国際窃盗担当の刑事がロシアンマフィアに拉致されて、
あらすじを見れば、服従を強いられて云々、、、などとあるので、よくあるエロエロ調教モノ?な匂いがするのですが、読んでみるとコレマタビックリ!
全然甘くな~い!!!
エロエロもな~い!!!
むしろ主人公、イけなくて不感症ですからw
硬派なお話だったのですよね。

秘宝展に展示されたアナスターシャの涙と呼ばれるペンダントがニセモノだった、そしてそれに絡む殺人事件も起き、ペンダントの鑑定をしたと言う、ロシアの宝石商ユアンと接触する刑事の杉浦。
謎を追う為ロシアまで同僚の前川と出向くが、杉浦はユアンによって拉致され、死んだことにされてしまう。

ユアンは、どうして杉浦に執着したのか?
彼はロシアンマフィアのドンとして常に命の危険にさらされている。
寝ている時も安全ではなく、いつもボディガードとベッドに入る習慣がついてついでにアッチもすませているのだが、何度か裏切られている。
彼が欲しかったのは、昔父親から聞いた主人の為なら命をも投げ出す武士の精神を持った侍。
杉浦との接触は数回しかなかったが、語学堪能で見目もよく、その潔い姿と頭のよさ、常に仕事を第一において仲間を大事にしようとする姿勢にどうしても自分のものにしたかった。
この時点で、彼は恋人を求めているのではなく、パートナーとなるべき忠実な部下が欲しかったのですね。
セックスはその副産物。
最後まで「愛してる」だの「好き」だのの言葉はありませんでしたから、その意図は貫かれています。
男との関係も、衆道的なものとしかとらえてなさそうでした。

杉浦は、実に潔い!
拉致られても落ち着いた行動ができる。
泣きわめきもせず、自分の現状をちゃんと受け入れてあきらめることができる。
かといって、すがったり媚びたりすることもなく、自分は裏切るつもりはないということを堂々と態度で示し、言葉で説得し、自分の為でなく、相手の、周りの為に動くことができる。
そうすることが、ユアンを苛立たせながらも、実に彼の求めているものだという、一層彼を杉浦に執着させることになっていっているのに、杉浦は気が付いていたのでしょうか?ww
頭がよく、冷静に分析し考え行動できるタイプなので、ロシア人にはないタイプなので、より信頼が増すのでしょう。

一冊の流れの中でさほど大きな事件もあるでもなく、ただこの二人のやりとり、そして杉浦の元刑事としての責務のまっとうという責任感の強さを表わすことで終始され、色っぽさの欠片もありません。
ユアンと杉浦は、恋人ではなくて、一応主従ではあるものの、対等に誓いパートナーになるという話でしたので、同士とか友情とかそんなもののほうが近いかもしれません。

最初読んだ時に、何て書けばいいんだろう?悩んで寝かせてコレですので、非常にレビュしにくいお話でした。
広い意味では愛ですが、色恋の愛とはまた違う、と言ってしまって終わるものでもなく、奥が深いんだな~と思う硬派作品でした。

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現在から過去、そして現在へ

丸ごと1冊表題作です。

警視庁の国際窃盗犯担当刑事である前川が、かつての同僚である杉浦を失った3年前を回想するところから物語は始まります。
捜査に来たところが、杉浦はマフィアのトップ・ユアンに気に入られ、死んだことにされて捕らえられてしまいます。
そして3年後、再びロシアを訪れた前川の前に、ユアンの片腕かつ愛人として杉浦が姿を現します。

という内容です。
前川(現在)→杉浦(過去)→前川(現在)+杉浦(現在)、という風にメインの視点は変わって話は進みます。

映画でも見ているような話の流れで、読みやすく分かりやすいですが、淡々としていてドキドキはありません。セックスもあるし、お互い両思いではあるのですが、なんと言いますか…仕事のパートナーとしての関係が強すぎて、恋人という甘さが印象に残りません。

杉浦もユアンも男前なのですが…どうにも萌えられませんでした。

1

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