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表題作トパーズの翅

元№1ホスト 一之瀬翔音
美大志望の新人ホスト 工藤優矢

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

翔音はかつて店のナンバー1ホストだったが、転落。住む部屋さえなくした翔音は、後輩のホストでふしぎな雰囲気を持つ優矢の部屋に転がり込んだ……。
(出版社より)

作品情報

作品名
トパーズの翅
著者
草川かおり 
イラスト
タク 
媒体
小説
出版社
講談社
レーベル
X文庫ホワイトハート
発売日
ISBN
9784062866910
2

(4)

(0)

萌々

(0)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
1
得点
6
評価数
4
平均
2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

迷子が道を見つける話し・・・かな?

デビュー作品は遊郭モノでちょっと自分的にはムムムな部分があって強烈なインパクトということはなかったのですが、2作目はホストが主人公。
ホストの割にイラストがとっても優しいんです。これがまず意外!
きっとお話や主人公達がが優しかったからかな~と、これは雰囲気に会っていたと思います。
そして、1作目で結構痛いお話ではあったという印象があるのですが、やっぱり痛いところありました!
でも1作目ほどキツイ痛さではなくて、現代設定でもあるせいか、自然と受け入れられるものでした。
やはり全体的としては、しっとりゆったりふんわりと、ちょっと辛いけど前向きなお話は受け入れやすかったです。

ホストを辞めて恋人になってという太客の願いを断った為に、売上が落ち、そして悪い噂もついてあっという間に№1を転げ落ちたホストの翔音(しょおん)
太客から与えられた部屋を追い出され、入った寮や店でも蔑んだ苛めに会い、転がり込んだ新人ホスト優矢の部屋。
それでも店を辞めず、癒しの雰囲気を持つ優矢と過ごすことで翔音は自分を見つめ直すことが出来る。

この翔音、本人も言っているが太客があったからこその№1だったんですよね。
ただ、彼のホストとしての魅力がどこにあったのかは、わからなかったのが残念。
そして、落ちてもまだ頑張る彼にネイルサロンの女性が「スポ根よね」と翔音の事を評している。
確かに苛めにあってもめげない、なにくそー!ってほどじゃないけど責任を他に転嫁せずに自分のうちで治めている姿は、ある意味スポ根なのかもしれないけど、それは誘導のような気もしないでもない。
優矢は、美大を目指してホストのバイトをしながら頑張っている青年。
でも、彼には複雑なワケアリなものを匂わせている。
優矢は、決して売上のよいホストではなく、太客ではなく細客を沢山持っていて、客に無理をさせない。
客数だけなら№1に近い程だという、その彼の癒しの雰囲気と姿勢に女性達は癒されに来ているという設定だ。
この優矢と一緒にいることによって、翔音は自分が一体ホストとしてどうだったか、ちゃんと反省して新たな目を開かせられると共に、優矢に惹かれていくことになるのですね。

しかし、とんでもない出来事に思わず驚愕する展開が!?
それは優矢の抱える苦しみ、辛さ、悩み、そしてコンプレックス。
翔音は、決してそんなつもりじゃなかったのに、優矢を意識してしまったことから出たそんなほんの一言が、そんな事態を生むなんてーーー!!!
ああ、ここが草川さんだな~とほのかに思わせる展開です。

確かに№1を落ちた翔音に対する仲間のしうちは酷いものでした。
でも、すごく苦しいとか滅茶苦茶酷いというものではなく、想定内の範疇。
熾烈な争いの世界の中では誰もが次はオレが、と狙っている世界だからそういうのはあって当然だと思う。
むしろ、全部読み終わると、何だー!結構まっとうなホストクラブでみんな悪い人じゃないんだよ、、ってちょっと翔音寄りの気持ちになって、彼等を許せる自分がいます。
結局のところ、皆イイ人にして終わりがきたのが幸せな気持ちにしてくれる原因でしょう。

優矢には目標がある。
翔音にもかつて追いかけた夢があって、今回の事があって初めてもう一度自分の夢を追ってみようという気になる。
二人が出会って、癒されあって、新たな道をきちんと進めるようになる。
そういった成長物語を成すのは、読み手にも気持ちがよいものでした。

ラストに二人の初エッチがちょっとあります。
優矢の「たすけて、、、」という言葉が何か新鮮でよかったんですよーv
何か切羽詰まった感が、この一言に凝縮されて、すごくいい言葉だなってw
やっぱり希望のある終わりは読んですっきりしてこれもまた良しですねv

2

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