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表題作不器用な恋のルセット

藤堂直久,27歳,フランス帰りのシェフ
水瀬静希,24歳,従兄弟のレストランの店長

あらすじ

精巧な人形のような冴え冴えとした美貌の静希は、過去のトラウマから食べることの楽しさが分からない。美味しい時間をくれる隠れ家のようなレストラン「ラルゴ」の店主なのに。しかも、食べられる料理が極端に少ない。好き嫌いではなく“食べられる”料理がないのだ。そこに、新しくシェフとして藤堂が招かれる。己の料理へのプライドととびきりの腕を持つ強い瞳のシェフは、味見をしない静希に納得せず、初対面から最悪な関係に。更に決定的な事件がおきて!?
(出版社より)

作品情報

作品名
不器用な恋のルセット
著者
杉原那魅 
イラスト
香坂あきほ 
媒体
小説
出版社
大誠社
レーベル
LiLik文庫
発売日
ISBN
9784904835579
3

(2)

(0)

萌々

(0)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
6
評価数
2
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

卑下していた事が実は才能なのだと・・・

思っていた以上に楽しめる設定でなかなか良かったと思える
ストーリーでしたね。
受け様のダブル的トラウマで設定はシリアスだと思うのですが
受け様のクールだけれどどこか浮世離れした感じやわりと
ポジティブな切り替えの良さが重くなり過ぎない感じで
読み終わって結構すっきりしちゃうんですよね。
受け様の食べられる料理が無いってなんだろう?ってあらすじで
思ってたけど、好き嫌いでなければ味覚障害なのか?って・・・
蓋を開けてみれば物凄い才能なんですよね。
ただし本人は無自覚、逆に自分を卑下しちゃうんですよね。
小さな頃から一流料理人になる為の味覚から英才教育をされて
その為に発達しすぎた味覚の為にプロが作ったものしか
食べられないようになってしまう、プラス子供の時のある事件で
それが究極までなってしまう。
それにダメ押しのように火事騒ぎで怪我をしてから火を見ると
動けなくなってしまい、受け様を料理人にしたかった父親から
見放されるように絶縁状態になるんです。
そして大人になってからは趣味的なレストランを経営する従兄弟と
同居して海外頻繁に修行に出かける従兄弟の不在時の名前ばかりの
店長として店舗兼住居のレストランをやっているのですが
急遽やめる事になったシェフの替わりにつなぎのシェフの攻め様と
初対面の時から折り合いが悪く常ににらみ合いになるんです。
攻め様は受け様の事情を知らないので何かと誤解してしまう。
受け様も自分が何も言わないからと分かってるのに売り言葉状態で
険悪になっていくのですが、ちょっとしたきっかけで受け様の
事がわかり、互いに誤解しあったことが嘘のように和解。
しかし、折角和解しあったと思ったら突然直後に前触れもなく
攻め様にキスされて・・・
その日から攻め様は受け様の住居で受け様の為に食事を作るように
そして相変わらずキスやスキンシップが・・・
でも受け様はその事に怒りがわかない自分を不思議に感じながらも
あえて、深く考える事をしないようにしてます。
ハッピーになるかと思ってると攻め様の実家の過去と受け様に
ある繋がりがあって、それが二人のすれ違いになる。
感情面での行き違いや思い違いなんですが後半の更なるトラブルで
受け様が危ない所を攻め様に助けられ・・・・
最後は良い感じのハッピーエンドですので安心して読めます。

この受け様の才能は、本職がデザイナーなので視覚的な才能は
バッチリで、更に絶対音感みたいな感じで食べ物の詳細が全て
把握出来る素晴らしい才能があるんです。
でも、本人にすればかなり厄介な才能ではありますけどね。
なかなか面白い設定でしたね。

2

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