この気持ちは『好き』じゃない。僕はあなたを「愛してる」。

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表題作てのひらの温度

妻を亡くした二人の子持ち 本多浩司 29歳
理由ありホームレス 加納貢 19歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

事故で妻を失い、残された子どもたちに手を焼いていた浩志の元に、突然一人の青年・貢が現れる。心優しく健気な彼を見込んで、住み込みのベビーシッターを頼んだが、一緒に過ごすうちに、貢が隠している素性が気になって……。

(出版社より)

著: 七瀬ひいろ
イラスト: スゥ

作品情報

作品名
てのひらの温度
著者
七瀬ひいろ 
イラスト
スゥ 
媒体
小説
出版社
ムービック
レーベル
DolceNovels
発売日
ISBN
9784896018578
2.3

(3)

(0)

萌々

(0)

(1)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
5
評価数
3
平均
2.3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

ドルチェ最後の本はシングルファーザーもの

ムービック第六営業部解散にともない、このまだ1年にもならないドルチェレーベルはこの本で最後になります。
他にルナノベルスがあり、こちらは読み応えを重視した大人のうんたらなんたら、、で発足したレーベルでしたが、その差別化は、確かに良作もでましたが難しかったようです。

お話は、妻を事故でなくし、それまで家庭を顧みず妻任せにしていた夫が、気軽に2歳と4歳の子供を自分で育てると、いきまいたもののその厳しい現実に疲れていたところ、
大学受験に失敗し、”異常な性癖”と信頼していた兄にののしられ家出した19歳の青年と出会い、
青年が家事が上手いこともありベビーシッターを依頼し、その中で自分に今までの至らなさを実感し、青年を好きになっていく展開です。

一読したとき、主人公たちにイラついて放棄しました。
一体、この作者さんはどんな人なんだろう?とこれは今までなかったことですが、思わず作家さんの状況を推理していましたw
①既婚で子持ちの30代女性  ②未婚で20代の働く女性 ③既婚で子無しの働く女性
子育ての描写を見るに、これはこんなに大変なんだと訴えたいのだから作者もそういう境遇にあるのか?
しかし、恋愛描写としてはかなり夢のある甘い展開(多少のトラウマありだが)は、そういう夢のある部分も持っている。
多分、こんな作品と関係ない作者さんの事を考えること自体、作品に共感できないということです。

再読して、何げに違和感がわかってきました。
妻をなくして子育てに奮闘する攻めの父親としてのありかたの部分
受けを好きになっていく攻めと、攻めを好きになっていく受けの部分
この、二つの要素の交わって1作品になっているのですが、その結合部分が不自然でなめらかでないのです。
攻めのシングルファーザーは一応父親として再認識してはいますが、あくまでもスタンスが妻がいたときとあまりかわらない。結局任せきりなんですよ。
お前それで、よく二児の父親やってたな!っていうくらいに、未熟すぎます。
そして、男を好きになるのに、妻との恋愛や結婚はどうだったのか?そういう比較を持ってきて、妻が結婚と子供にこだわり、自分はそれに流されて、という回想は何だか後付け臭い感じがします。
一方受けは優しいのはわかりますが、性癖あればこそのなのはわかりますが、あまり自己主張がなく、100%シングルファーザーを受け入れている、こういう健気系が苦手でした(涙)

素性もわからないものを家に入れるときいくら切羽つまっているからといって、何も話し合わないのはないでしょ!?
たった数日ホームレス生活しただけで、夏ならまだしも3月なのにまるで半年以上ホームレスのような風体の描写はありえないでしょ!(靴に穴があいてるとか、真っ黒とか)
やっぱり、二人の恋愛過程を楽しむには、シングルファーザー設定の描写と在り方が不自然すぎて入り込めませんでした。
切り離せば、それはそれで受け入れられなくはないのですが・・・

新人さんで初作品だそうですが、申し訳ない、作品としてはまだバラバラな感じがして未熟な感じがします。
結局、受けちゃんを勘当する兄は超ブラコンだった(これは最初から見えてる部分ですが)それだけは悪くなかったです。

2

疑似家族ものですが・・・

この作家さんのデビュー作になるようですが、感想は可もなく不可も無くかな。
特に感動するようなシーンも無く、まぁ、出てくる子供は可愛い(笑)
全体的な雰囲気としては、ギスギスしたような始まりから苦しさと切なさをチョイスして
ほんわか仕立てにして見ましたってところでしょうか。

交通事故で突然身重の妻を亡くし、残されたのは4歳と2歳の息子。
あてにならない遠い親戚とのぶつかり合いで、むきになるように一人で子育てすると・・・
しかし、直ぐに口で言う程簡単にはいかなくて、子供も父親の攻め様も心のゆとりを
無くした状態に陥ってしまったところに、浮浪者みたいな風体の若者の受け様登場。
苛立ちのまま不審者に詰問しながら、返ってきた楽しそうな声と言うセリフを聞いて
突発的に、代わってやると言い放ち家を飛び出してしまう攻め様。
しかし、冷静になった時に不審者に子供を預けるような形になったことに気が付き
慌てて家に戻るが、そこには小奇麗になった受け様と仲良く遊ぶ子供たち。
子供の面倒を見てくれる人を探していた攻め様と、行く当てのない受け様。
その日から受け様は子供たちのシッターとなり泊まり込みで生活を共にする。

父子家庭ものにとって珍しい設定では無いのですが、ゲイでもない攻め様が受け様に
心惹かれていく様子は、いかがなものかと思ってしまう。
妻が亡くなって1か月で、男の子に欲情込みの好意を持つ、それに子供たちに対する
愛情が、今一感じられない気がするのです。
受け様は兄の友人と自宅で抱き合っている現場を大好きな兄に見られ、嫌悪と侮蔑の
視線と共に出て行けと言われ、受け様は家を出て浮浪者みたいな生活をしてての
攻め様の家での暮らしになるのですが、これも今どきどうなんだろう?って言う設定。
それにラストの方で兄弟が仲直りするのですが、こんなに簡単に許せるなら
浮浪者みたいになる展開はオカシイって気がする。
上手くまとまっているような感じもあるけど、心に残るものが何もない作品かも。

1

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