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北見がものすごくいいやつなのに、噛ませ犬のままフェードアウトしてしまったのが残念でした。
いっそのこと、乃木と北見がくっついて、奏くんがひたすら不憫なまま終わったほうがしっくりたき気が。奏くんごめんなさい(笑)
奏が女装したり、学校で外されてるのに抵抗しなかったりするのは、全部乃木の気持ちを慮ってのことなんでしょうが、小学生男子にしては健気すぎる気がしました。中学でも友達つくらなかったんだろうか…。壊れてないって作中では言われてましたが、ちょっと普通の域からは出てしまっているような気がしました。
一方で、乃木。学校ではハブっといて、放課後は普通に遊んで、それなりに楽しかった、とは。独占欲にも程があるぞ!さらに本人はそのことに無自覚で、性格もひんまがってるわけではない。もうそこは、いっそのこともっと歪んだ性格になって、自覚的に奏のことを囲い混んでいたほうが、何かすっきりした気がします。おまけに、北見に目移りしたりして。
最後は、あっさりと両想いになってハッピーエンドをむかえてしまって物足りなかったです。 二人が幼少期から培ってきた暗くて粘着質な過去を生かしてもっとどうしようもないかんじにしてほしかった。
ただ、最後に女装していた奏のほうが攻めに転じたのには、むはっとなりました。(笑)
『初恋』という名の禁じられた遊び。
どうにも乃木が好きになれなかった(泣)
乃木は幼なじみの奏が別の友だちと仲よくすることに嫉妬し独占欲からイジメまがいの行為をして奏を孤立させますが、そこまでして手に入れた奏を、とある事件から置き去りにします。
心が壊れて奏(かなで)という別人格を演じるようになった奏と夜の物置で罪悪感を纏う逢瀬を重ね乃木は同級生の北見に惹かれるように。
幼さゆえに弾みすぎた乃木の感情(独占欲)が思わぬ方向に飛び、それをまともに喰らった奏が哀れでした。
彼にとって乃木への想いは進行形です。
自分でありながら乃木に好かれるハズの自分になれると女装というチャンネルを切り替えているのに、それは好きな人には『奇異』に映る。
奏(かなで)にチェンジしている時の彼は全身で寂しさを訴えかけているのに。
暗く執着する奏と明るい北見との対比が効果的で乃木が罪悪感から解放されたがっている姿がわかりやすい。
乃木の初恋は北見だと思うんです。
明るい北見と一緒にいると楽しくて嬉しい。
でも日だまりのようなあたたかい存在の傍にいても『過去の戯れ』を引きずる乃木のどうしようもない不器用さに私はイラだちすら感じてしまい最後の選択をした乃木には思わずため息をついてしまいました。
北見に「逃げてきただけ」と言われ恋心を否定された乃木は可哀想だけれど彼のどっちつかずな中途半端な感傷(或いは干渉)が周囲を振り回し傷つけているのだから、仕方がないですよね。
あのカップリングに着地したのは作者さんが奏を救いあげたい一心で紡いだ結果のような気がします。
けれども一緒に暮らす彼らに苦い味わいを感じずにはいられなかった。
幸せそうな姿を見てもなお、諦めたら楽になったんじゃないの?…と。
そのモヤモヤはもうひとり、とばっちりを喰らった北見が原因。
彼は本当にいい子で乃木の隣にいる風景は可愛いらしく、それを自ら手放した後ろ姿に涙が出そうになりました。
カバー下で救済された彼こそ幸多かれ!と祈ります。
このカバー下がなかったら評価は中立でした(笑)
おそらく誰の心の奥にも潜んでいるであろう独占欲にフォーカスを絞りつつ真逆の明るい柔らかな色合いの金木犀をモチーフに描かれた、表紙から受ける印象より痛い話でした。
咲人さま
こんばんは~(`∇´ゞ
コメントありがとうございます。
やっぱり?
乃木の印象、悪くなっちゃいますよね(笑)
スマートな対応なんて子どもには無理だとわかっていても!
表紙で肩にもたれかかる奏はとても儚げに見えますが、実は乃木より男らしかったですよね。
乃木を自分につなぎ止められない、と悟った時にわざと突き放されようとすることができる強い子でした。
好きな人には笑っていてほしい…って実に原始的な想いですもん。
結局のところ、彼らは高校生でうまく立ち回れるわけないのは当たり前の話なんですが(笑)
あまりにも奏が切なく乃木の幼さゆえの身勝手さに大人気なくイラついちゃいました~。
北見もあのまま知らんふりして乃木とつきあっても上手くいかないことがわかっていたから(奏の想いの強さを目の当たりにしていたし)振り返らずに歩けたんですよね~。
あ~ホント、北見くんにはあの彼と幸せになってほしい!
スピンオフがあったら絶対に読みたいっス!
怖いと感じました。
カナデこと奏にもですし、あっちゃんにも。また周りの大人やそれぞれの母親も。
唯一、北見だけがまともに見えました。やわらかいタッチで歪曲した世界を描いているからこんなにも怖いのかもしれません。
KUJIRA先生のBLを読むのははじめてですが、「よっつの季節」は拝読したことがあります。すごく好きな作品です。青々としていて、すこしもどかしくて、はがゆくて。
ただの一読者がこう評するのはおこがましいのですが、KUJIRA先生には確実にストーリーを紡ぐ力があると思うのです。だからこそ、今回この「金木犀にさようなら」も怖く感じたのかもしれません。
奏もあっちゃんも、ふたりともを好きになれませんでした。あっちゃんが金木犀を潰したのも【好きな子ほどいじめたい心理】とか、その辺りや魅力は分かるのですが、自分のなかではどうにも巧く昇華できませんでした。
あっちゃんが北見と付き合うとか付き合わないとか、そういう曖昧な態度をとったから…かもしれません。高校生なのですから、色々なことに迷って当たり前だということも分かっているのに…、奏を選ぶ理由を見つけられないからでしょうか。
もしかして自分のなかでは女装ネタ(おねぇキャラは大好きですが)がNGなのか…それとも女装する理由づけに納得できなかったからなのか…。
しゅみじゃない、ではなく中立評価なのは、描き下ろしのふたりが可愛らしくて好感が持てたこと、そしてカバー下の北見についてでホッとしたからです。
今作はハマりませんでしたが、機会があるならばまた、KUJIRA先生のBLを読みたいなと思います。
表紙が超ー好み!で買って失敗。
奏の女装がキモチワルイ!
思いつめて変な方向に走っちゃったじゃあ説明つかないよ。
奏って頭良さそうなのに、
そこんトコの行動だけ頭パーで落差が激しいのが変。
無理ありすぎ。
やることがチグハグだよ!
こういうのヤンデレって言うんですか?
完全に萎えた感じです。
BLを読んでいるのになんで少女マンガを読まなきゃいけないんだろう
と思いました。
キャラが受け入れられないと、
絵が良くてもお話が良くてもダメになっちゃうんですね。
話し合っている三人がただただ気持ち悪かったです。
私には理解不能でしたごめんなさい。
とてもドロドロしていて、重くて痛くて、
引っかかりの多い作品でした。
読後も考えさせられるというか。
ハッピーエンドなのだけれど
評価がまっぷたつになるのが
分かる気がした。
かくいう私はというと、
読んで泣きました。
感情移入も応援したいとも思わなかったけれど、
気持ちが奏に寄っていんだと思います。
だから、実際は最大萌えポイントであろう、
北見と乃木のキスシーンを読みながら
涙があふれて止まらんと言う状態に。
単純に状況考えずに見たら、
あれほどの萌えシチュは無いだろうに…
クリーム指で押しこんでそのままとかあんた…
でも実際、ココが評価というか
印象・感想を分けるカギになると思ったのです。
私は特別奏が好きではなかったし、
北見はめっちゃいいやつだと思ったけど、
3人で話した後~北見からの告白までが
なんかもう遣る瀬無いというか
諦めへのもどかしさというか
そういうのでいっぱいになってしまった。
気持ちが奏に持ってかれてたのです。
ココで北見の男前さのほうに気持ちが寄ってれば、
乃木が北見を選ばなかったことが
全く腑に落ちなかっただろうと思う。
そして、全体的に息苦しさが連続していくので
途中まで、最終的に誰と誰がくっつくのかが
本当に見えないのも苦しい。
奏が「女装」を手段としたことに関しては
私個人的には、それほど拒否反応出ませんでした。
「別人格」は逃避の一種、
「女装」は乃木の独占欲が恋愛感情だと気付き
自分も乃木を恋愛感情で好きだと
思ってると気付いたからという幼い思考の結果。
3人でいる時、あくまで奏は冷静だし
恰好は女の子ながら男として話してる。
分別はあるだろうし、おかしいと
自分でも思ってるんじゃないかな。
でも乃木への執着が分別を越えてしまった。
だから気が済んだ、と言って消えて
そこで乃木を開放しようと思ったから
女装を解いたんだろう。
あくまで全部推測ですけれども。
最後の乃木の気持ちの自覚が
駆け足だったのは確かに残念だったので
「萌×2」にしてますが、
「神」に近い感じです。
ただ、万人に勧めようとは思わない。
乃木のかわいい小動物系ルックスと
物語の執着、歪み具合のギャップが激しいので。
そして、「女装」が単に「イタい」と
思ってしまう方もいると思う。
シリアス系の話が好きな方は
一読してみては、と思いますが
納得いかない感情を残す可能性も高いです。
奏を心が受け入れられなければ、
理解し難く拒否反応が出ちゃうと思う。
本編ラストにその後が少し描いてありますが、
奏寄りに読んだ私でさえ、
「幸せになれよ」というよりも、
「ちゃんと上手くいってんだろうか、
あんなドロドロがあって」
…と少し心配な気持ちにはなっています。
良かれ悪しかれ、
読んだ人になんらかの爪痕を
残すような作品だと思う。
金木犀で埋め尽くされた美しい表紙、
暖色で日射しある中なのに
そこはかとなく痛みがあって、
読む前からストーリーの重さを感じてました。
心に残ったけれど、
何度も読み返したりはしないと思います。