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簡単にサラッと読める類の作品では無いですね、主人公の受けになる渉の視点で
淡々と内面心理を綴っているような語り口。
渉の一方的な感情論が殆どなのですが、まさに反抗期なのかもと思える内容。
そのお相手が両親の死後引き取ってくれた不惑、それも血の繋がりが無いはとこの関係、
24才の学生起業した青年実業家ではあったが、小学生の子供を引き取るなんて
凄いとしか言えない設定であります。
内容的には渉が幼い心を守ろうとする防衛本能が誤った記憶をいつの間にか
形成してしまった故の誤解と擦れ違い、でもそこにはいつしか不惑に対して
育っていた別の感情を閉じ込める意味合いも出てくる内容でした。
かなりの年の差カップルで、後半あたりに不惑のショタ疑惑まで出てくるのですが、
不惑の不器用すぎて、解りにくい愛情の示し方は、相手を理解出来なければ
傲慢で冷血な捻くれた男にしか見えないくらいでした。
それを理解するには渉は子供だったということなのでしょう。
それでも、受験を控え年齢的に大人に近づいているので、冷静に自己分析したり、
自分の内面を見つめるようになると、思い違いに気がついていくのですが、
それを素直に出すにはなかなか勇気がでなかったりと、流石不器用な不惑に
育てられたことが分かるくらい共に暮らしているだけに何処か似ている二人。
読み終えてみると、これは溺愛系の甘いお話だった気がすると思える作品でした。
6歳で両親を亡くした歩は、遠縁の血の繋がらない24歳の不惑に引き取られ、愛情を感じられない生活の中ですっかり物事をナナメから見るスレた性格となる。
そんな中、高校三年生の進路問題で不惑と喧嘩をしたのをきっかけに、愛情を感じられない生活と思ってたのは、実はそう思うことで両親に愛されていたと信じたかったのと、不惑の不器用な優しさだったりとに気付き、不惑も自分のことを想っていてくれて、むすばれる…という話…?
そう、私としてはいつの間にラブが出てきたの??というかんじでした。
話の7割くらいが、不惑に疎まれている、じゃあなんで自分をひきとったのんだ、ってことはやっぱり愛されている?いやいや、あいつのあの態度ほそんなことない、でも…というようなひたすら歩の葛藤で、イライラさせられます。この葛藤が、不惑を好きだけど認めたくなかったゆえの葛藤と言えばそうなんだろうけど。
そして残り一割くらいで急にラブが出てきて、しかもすぐHって…ついていけませんでした。
もちろん不惑も少しは歩のことが好きそうな描写があったけど、普段が傲慢な感じすぎて、そこにラブを感じるのが難しかったです。
でもこれもツンデレといえばツンデレなのかなぁ?
榊さんのは好きな作品が多いのですが、珍しくハマれなかったです。