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表題作バック・アップ

常葉木梓弓,医師
水原結弦

あらすじ

予知夢によって、幼い頃から周囲に疎まれ続けてきた水原結弦は、何度も夢の中で慰めてくれた暖かい大きな手の持ち主・常葉木梓弓と出会う。病院では冷酷と噂される医師の梓弓だが、結弦に対しては『運命だった』のだと、優しく癒してくれようとする。やがて2人の間に新たな能力が現れ、それは事件に関わることの多い梓弓の仕事に結弦を巻き込んで行くことになり……!?

作品情報

作品名
バック・アップ
著者
文月小夜 
イラスト
桜城やや 
媒体
小説
出版社
桜桃書房
レーベル
Eclips romance
発売日
ISBN
9784756713797
3

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萌々

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中立

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趣味じゃない

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レビュー数
1
得点
3
評価数
1
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

超能力系のお話

ミステリーだと書かれてましたが、ミステリーとはちょっと違うかな…と思います。予知能力を持った主人公が警察に手を貸して事件を解決していくサスペンスドラマでした。
設定がすごく面白いと思います。
でもイマイチそれを活かしきれていなかった、とも。少し勿体ない作品でした。

主人公の結弦は予知能力があって、そのため長年苦しんで来たのですが、今は彼の力を理解するよき恋人、梓弓のおかげで精神の安定はとれています。二人はケンカなんてしない、まさにラブラブの幸せカップル。
最初から恋人で同棲中で始まってるので、それが少しというか、かなり物足りないというか・・・。
本当にお互いが大好きで大事で仕方ないというカップルなんです。
結弦は自分の力に苦しんでいて、梓弓に会って救われた、これは運命の出会いだという事が何度も何度も台詞として出てきます。一方、梓弓のほうもかなりシビアな過去があり、彼もまた結弦に救われたのですね。
その二人の出会いがさらっと回想で流されてるのが何とも惜しい。

どうせなら出会いを描くとか、事件を通じて二人が知り合う、など思い切ってしてみたほうがドラマチックな気もするし、こちらもそういうのが読みたいかも。
ドラマチックな壮大なラブストーリ、の、その後のおまけを読んでいるような気分でした^^;

この小説は短編形式なのですが、結弦が予知夢を見る→事件が起きる→二人が警察に頼まれ出動、というパターンで、ずっと続けられそうな形です。
梓弓は医者で周りからは冷たいと噂され、手術マシーンと呼ばれています。冗談でなく、ほんとに昔はそんな感じで、結弦と出会って変わったのですね。
その、どうかわったか、なぜ変わったか、昔はどんなだったかも文章で過去のこととしてさらっと説明されてるだけです。
何度も書いてしまいますが、肝心なところが文章の短い説明のみで物足りない。

そして、結弦というキャラが主人公なのになぜか存在が薄く感じてしまいました。バスジャック、銀行強盗、誘拐など様々な事件が起こります。起こったら結弦は予知を駆使して警察に助言をしますが、中には入れないので外で見守るポジションというか、中に入ってあれこれ奮闘するのは梓弓の役目です。
結弦は外でハラハラ…という、せっかく能力があるのに動きが少なく、ちょっとポジションが弱いかな?(お姫様ポジションというか)と感じます。
その分、梓弓はとてもかっこよく見えるのですが。

結弦がとても女性的というか、はかなくて壊れそうで、守られてばかりで、梓弓が無事に帰ることを必死で願っている立ち居地も、もしかしたら男女でも成りたってしまうかも…

ですが、個人的にカップリングは好みでした。
守る側と守られる側がはっきりした王道カップルが好きな方、超能力ものや歳の差カップルが好きなら楽しめると思います。

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