• 紙書籍【PR】

表題作その唇にも光はやどる

土岐勝巳 カメラマン 29才
天辻司 高校生 17才

あらすじ

人気カメラマンの土岐に食事に誘われた司。なぜ彼が姉ではなく男の自分に近づいてくるのかわからず__

作品情報

作品名
その唇にも光はやどる
著者
麻生玲子 
イラスト
日下孝秋 
媒体
小説
出版社
オークラ出版
レーベル
アイスノベルズ
発売日
ISBN
9784872788013
2.7

(4)

(0)

萌々

(0)

(3)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
10
評価数
4
平均
2.7 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

こんなにエロかったっけ…

発行年2001年。ちょっと(?)前。
当時、日下孝秋さんがイラストだったので買いました。
読み返してみての感想は「こんなにエロかったっけ…」です。まずはじめっからえっちシーン。挿絵の半分がえっちシーン。話の要所要所でえっちシーン。そして最後もえっちシーン。とにかく、やっている内容がエロエロというより回数が多い。

高校生の司が姉に連れられて来た写真展でカメラマンの土岐と出会い、やがて恋人になり、スキャンダルに巻き込まれ…と、ドラマちっくな展開をまっしぐらなのですが、どうも、テンポの良さに要所要所のえっちシーンやら土岐の愛情表現はすっかり霞み、結構な感動ものとして記憶していたようです。

(たぶん何度目かの)再読をして、やっぱりえっちシーンよりも、子供であるがための台詞だったり、大人だからこその愛情の深さに目がいきます。やっぱり最後はえっちしてるのに感動するんですよねぇ。

なんだかんだ手放せない本の一冊です。

1

一年のインターバルが良かったなぁ

12歳の年の差カップルのお話です。
気持ちが通じてめでたしめでたしな話じゃなくて、付き合ったあとの困難を中心にストーリーが構成されてました。
しかもその困難を克服するためのやり方が、離れる、という消極的なもの。なにげに新鮮でした。

読みながら改めて思ったんですが、やっぱ男同士の恋愛って、あるていど秘するからこそ面白さがあるんだよなァと。
ホモ当たり前な世界観で作られてるお話もたくさんありますが、やっぱ私は当たり前じゃないほうが萌えるんだな~と。

一年のインターバルが、二人にいい影響を与えてたのにもほっこりしました。
受けは勉強を頑張るようになり、攻めは仕事に対する姿勢が変化し。
ドラマティックなお話じゃないです。当て馬が登場するわけじゃないし、二人の気持ちははっきりしてるし。
地味です。でも、地味だからこそ優しい気持ちになれる小説。

1

どちらが大人?

カメラマンと高校生の恋。

司の姉(馨)がファンだというカメラマンの写真展に姉弟二人で出掛けた会場で、司の方が土岐本人から声をかけられます。姉弟をお茶に誘い、それぞれに名刺を渡した土岐の目当ては司でした。

当時司はまだ中三で、写真にも土岐にも興味がない子供子供した少年でしたし、土岐もなぜ司と話をしてみたいと思ったのか不思議でしたが、司が高校生になってからも何度か会ううちに二人は大人の関係になっていきます。

セックスしている最中に相手を被写体にする、カメラマンあるある、、。司も後々その恥ずかしい代償を払うことになるとは想像だにせず、自分の写真を公開することを土岐に許してしまいますが…

本作は「大人の恋」特集の雑誌掲載分に書き下ろしを追加したもの。今読むと「大人」の解釈が面白いです。麻生作品に出てくるDK受けって、年上の攻めよりめちゃくちゃ考えが大人で、肝が据わっている子が多いんですよね。年齢らしいガキっぽさはそのままなので、恋愛によって急に大人になっていく様が切なくて危うい。

翻って司より一回り年上の土岐は、自分が芸術家として譲れないところは我儘を通し切ります。その自己表現のために17歳の未成年を犠牲にするなんて、全く大人げがないとしか…

今作では未成年淫行が二人にとっての試練となります(今さら?感が笑)。司が18歳になるまでの一年間お別れすることになるのですが、司は転んでもタダでは起きないと受験に励んだりするところがしっかりしてる笑。土岐の方も仕事に関するこだわりを捨て、願掛けとしてタバコをやめたりするんですけど、結局司の方から土岐に会いに行くっていう…、、大人なはずの攻めの方がほんと情けないんだよなー。

土岐のエゴイスティックな信念に振り回される司が、早く大人になってその腕と同じくらいの強さで土岐を抱き返してやりたいと焦る気持ちに胸がギュッとなります。その年齢を感じさせない度量の大きさはどこからくるのだろう。土岐も司との将来をちゃんと考えているあたりがニクいんですけどね。

姉弟仲が良いのも魅力です。司と馨は土岐のことで大ゲンカするけれど、姉は弟の唯一の味方だとわかる最後にもまた胸にグッときて。

ちなみに日下孝秋さんのイラストは後半、ほぼ裸だらけです笑

0

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP