愛させてください

信頼できる相手って、いいな。

前作の「うずくまりハーミット」が好きで、新刊も買ってみました。
今回はちょっとシリアスめですが、
可愛らしさとキュンが詰まった１冊になっていました♪
アパートのお隣同士、
律儀でマジメな大学生 × 精神障害ありのイラストレーター で、
１冊まるまるこのCPのお話になっています。


髪に金色のメッシュが入っていて一見チャラそうなんだけど、
実はものすごーーく律儀でマジメな大学生の攻め（表紙右）。
ガリ勉タイプとかではなくて、
何事にも手を抜くなと親から教えられて、
少し前まで３人のチビの弟たちと、ボケた祖父母の世話をしていた、
とても常識的で礼儀正しく一生懸命な子。

その攻めが、週７のバイトで疲れきってて寝たいのに、
隣の部屋から毎晩毎晩ＡＶの女の子のあえぎ声が聞こえてきて、
どうにも我慢ならなくて部屋の壁を蹴ったら、
その壁が崩れてしまって……！？
そんなことで知り合う、攻めと隣の部屋に住む受け（表紙左）。

その後、一緒にごはんを食べる仲になり、
攻めは受けのことを少しずつ知って、惹かれていきます。
でも、ある日、
受けが、見知らぬ男に絡まれたことで嘔吐してしまう現場を目撃。
実は受けは、過去のトラウマのせいで、
信用のない男に触られると吐いてしまう、男性恐怖症。
だけどその発作が出た時でも、
一見冷たいながらも、攻めを気遣う態度を取ってくれた受けを、
攻めは「好き…」と気付くのに、その直後に、
「俺に下心を抱いたら絶交だからな、俺を裏切ってくれんなよ」
と言われてしまって……


相手の力になりたい、信頼される存在になりたい、
そう純粋に願って出来ることをする、
心根が真っ直ぐで優しい攻めの姿勢にとても好感が持てました。
ふたりで前を向いて進む様子や、
その時の表情がとてもキラキラしていて素敵でした。

男性恐怖症が、意外と軽めだったのね…とは思ったけど、
暗くなりすぎずでよかったのかも。

エロは最後にほんのちょびっと、ですが、
信頼を得るってことがテーマの本だと思うので、
エロは入りすぎるとそれがぼやけそうだし、ちょうどよい印象。
受けのいとこの大家さんも個性的だし、
クスッとできるところも多くて、
やっぱり千葉たゆりさん、好みだな～と改めて感じた１冊でした☆