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表題作スロウライフ

八代鴇(とき) カンヌ受賞か?の映画監督
堤五十鈴 恋人の鴇に手を焼く公務員

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

『お前とは別れる!!』人目を引く華やかな容貌とうらはらに、短気で情の深い五十鈴は、恋人の鴇と出会ってからの十数年間、喧嘩のたびに別れを突き付けてきた。
糸の切れた凧のような鴇を相手にかんしゃくを起こしては、一瞬で元の鞘に戻るいつもの痴話喧嘩だったハズなのに、今回はどうやらひと味違うようで…。
周囲を巻き込み、思わぬ大騒動に発展した二人の喧嘩の行く末は…。

作品情報

作品名
スロウライフ
著者
谷崎泉 
イラスト
唯月一 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
発売日
ISBN
9784773002645
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萌々

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中立

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趣味じゃない

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レビュー数
1
得点
0
評価数
1
平均
1 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

こういう攻キャラクターが大ッキライなので・・・

読んでてとにかくイヤ~な気分になってしまいました。ただひたすらに苦痛でした。

よく考えれば五十鈴(受)も決して好みのタイプじゃないんですが(ツン過ぎる受は苦手なので)、そんなの気にならなかったくらい鴇(攻)がイヤで堪らなかったんです。さらに言うなら他の脇キャラクターも全滅。

私はとにかく、どんなに才能がある素晴らしい(という設定の)キャラクターだろうと、こういうあまりにも非常識というか規格外で日常に置いて無能な生活破綻者(としか思わない)が虫唾が走るほど大キライなんです。←谷崎作品には結構な確率でいる気がする・・・

この鴇が、まったく魅力を感じないどころか生理的に受け付けないレベルで、ラブに共感するどころじゃなかった。

その時点でストーリーがどうだろうともう興味の持ちようがなかったんですが、実際ストーリーというほどのものは何もないんですよね。
読後に思い返しても、癖の強い・強過ぎるキャラクター連中以外には何も浮かばなかった。非常に散漫な印象を受ける作品でした。

ちょっと横に逸れると、脇キャラクターが(重要度はそれぞれとしても)ぞろぞろ出て来るんですが、中でも五十鈴の弟・嘉津の尋常じゃない忙しさの描写はストーリー展開上必要だったんでしょうか。強引にでも『(この作家恒例の)忙しく働くキャラクター』を入れたかったのか?
各作品にひとりは仕事に追い立てられるキャラクターがいないと気が済まないんですか?と思ってしまいました。

なんというか、もうストーリーが始まる以前にラブについては(メイン2人の間では)完結してるとしか思えないんですけど。

『2人が分かち難く結びついてる』のは語られるんですが、何故・どうしてがまったくわからん。ホントに自己完結としか感じられなくて『・・・はあ、そうですか』という感じでした。

仮定になりますが、これが鴇が五十鈴を一方的に好きで好きで好きでとにかく執着して、五十鈴はまあ謂わば絆されて仕方ないな~的な流れだったら、もしかしたら違ったかもしれないんだけど・・・
とにかく、私には鴇の魅力がまったくわからんので、結局は鴇一途の五十鈴に共感のしようもなかったなあ。

う~ん、言ってしまえば痴話喧嘩の話?←とにかく、ラブ面では完全に出来上がってる2人なので、表面上は揉めてるように見えてても単なる(それこそ)痴話喧嘩としか感じられなかったんですよね。

いったい自分が何読んでんのかさえわかりませんでした。ガッカリしかないです。

あと気になったのがカラー口絵(と裏表紙)なんですよ。

読む前、(口絵イラストが裏表紙に来るので)本を手に取った時点でも『・・・まさか』とは感じましたが、読み終わってまず思ったのが『この口絵はないだろう!?』でした。
さらに、クロスノベルズは口絵に該当部分の本文抜粋が入るから余計に。

決して『H度MAX』という方向の『マズい・ヤバい』ではありません。絵そのものはむしろピュア~ですし、唯月さんのイラストもとても綺麗で素敵です。でもそういう問題ではないんです。


【口絵について書きます。ネタバレ注意!】





え~、端的に言えば『鴇が五十鈴に薔薇の花束抱えてプロポーズ(ご丁寧に『五十鈴、結婚しよう』を含む文章も入ってる)』です。

つまりは『表紙捲ったら(あるいは裏表紙見たら)いきなりネタバレ』なんですね。ちょっとコレはどうなんですかという気になりました。

いくらハッピーエンドはお約束でわかってるとしても、最初にコレ見せられた時はもう本文読まなくていいんじゃ?とさえ思ったんだけど。←いっそ読まなきゃここまでイヤな思いしなくて済んだんだよね・・・




なんでこんなの読んじゃったんだろうと気が滅入るくらいに後味悪い作品でした。

ただ、こういう一種破天荒なキャラクターが平気なら、破れ鍋綴蓋バカップルが痴話喧嘩してる軽~い(アホな)コメディとして面白く読めるのかもしれません。

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