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表題作非常階段

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あらすじ

非常階段で出会い、非常階段で恋をした。 そんな場所で、あなたに犯されるなんて! !。エリートリーマンのセンセーショナルラブ。

作品情報

作品名
非常階段
著者
六本木曜 
イラスト
DUO BRAND. 
媒体
小説
出版社
オークラ出版
レーベル
アクアノベルズ
発売日
ISBN
9784775503379
3

(5)

(0)

萌々

(0)

(5)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
15
評価数
5
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数4

攻めが叫ぶ☆怒涛の「I love you!!」

2000年代初めのbl 小説を知人からいただきまして、その中の一冊です。奥付けを見ると2004年の発行、著者の六本木曜先生は複数の名義で書かれているようで、こちらも改稿版が別名義で電子ででていました。
ストーリーはですね、非常階段で出会い、犯され、ラストは甘々カッポーになる、という感じです。
主人公の佐藤雪也はとある商社のリーマン、飼料穀物を扱う、やや地味目なイメージの部署に所属してます。美人受けの趣きがありますが喫煙者であり、休憩時間にタバコを吸いに非常階段に出たところで、如何にも切れ者の男と出会い、名前も部署も知らないながらほのかに憧れ、タバ休タイムを何よりの楽しみとするようになるのです。
雪也が憧れる男は桧山といい、ちょっと「スーパー攻めサマ」のような感じです。部署は国際業務部。四カ国語に堪能、穀物部のピンチをさりげなくスマートに解決もしちゃいます。
雪也に会える非常階段は桧山にとっても大事な場所で、雪也とのタバ休タイムはいつの間にか、かけがえのない癒しのひと時になっていますが、ある時、嫉妬に駆られた桧山は非常階段で雪也を犯してしまいます。その後にニューヨークに転勤。雪也の前からいなくなるわけですが、この辺りで桧山の印象がスーパー攻めから、天然が入った不器用男へと大きく変わるのです。
クライマックスは雪也に会うために日本にトンボ帰りして、件の非常階段で叫ぶ「I love you!」です。季節は冬、雪がちらつく中で桧山は「I love you!」を大声で連呼し、思い通じてホテルへgo!
ホテルへ向かうタクシーの中で、「佐藤の下の名前は何という?」と聞いてきます。何と彼らはですね、互いにフルネームも知らなかったのですね。雪也だといい、母親の話をすると、「きっと彼女は降る雪に・・降り続く雪に永遠を見たんだ」なーんて、ありえないキザセリフをのたまう桧山。
私ならここでタクシーを下りてしまいそうですが、雪也は素直に付いて行き、ホテルで熱いエッチ。
甘々な将来を予感させるエンディングとなります。
えーと、正直ツッコミ所があちこちあるのですが、萌えもありました。
ど直球過ぎる「I love you!」が良かったかな。
非常階段レイプはありますが、痛々しくはなく、全体的に優しい雰囲気があります。
桧山視点の後半部分、ニューヨークの描写がなかなかでした。

0

なんて不器用な激愛

リーマン同士の切ないラブストーリーでした。
社内の非常階段で偶然出会った二人が、些細なことを切っ掛けに会話するようになり
互いに惹かれあいながらも心を通わせる前に攻め様からの一方的なレイプで
憧れがあったから余計に攻め様の気持ちが分からなくなり、傷つき、そして目の前から
姿を消してしまった攻め様。
そんな不器用な大人の切ないラブロマンスを描いた作品なのです。
3章から成り立っているストーリー構成で1章は受け様視点での出会いから別れまで
2章は攻め様視点でのストーリーで、攻め様の訳が分からない衝動が描かれています。
不器用すぎて逆に可愛く見えるから不思議です。
3章で、二人のすれ違ってしまった心が再生されていきます。
攻め様を信じきれなくなった受け様への攻め様の心からの叫びには胸を打たれます。
エリートリーマンなのに恋にはヘタレな感じも萌えますね。

1

レイプをしてしまったエリート(攻め)の心情

萌萌萌。(MAX:萌萌萌:神に近い)
エリートサラリーマン・桧山×新入社員・雪也の、非常階段で始まった不器用すぎる恋。

やばい。なんでしょうこの小説。面白い…。
ストーリー的には出会い、レイプ、和解、というBLでは珍しくともなんともないお話です。でも不思議な面白さがあります。
先のレビューの方と同じように、2話目の攻めの桧山視点で時間を忘れるくらい一気に引き込まれました。

物語は、雪也が非常階段で片思いの相手にレイプされるシーンから、唐突に始まります。
最初に述べたように、説明の必要がないほど余計なドラマはありません。
1話目は桧山に出会い恋を自覚するもレイプされてしまうまでの雪也視点、続く2話目では雪也を襲った後の桧山視点、そして両者で綴られる3話目へと繋がっていきます。
この構成がとてもいい。

心理描写が非常に巧いです。
うーん、心理描写というより独白に近いかも。
両者の独白で話が進み、ようやく想いが交差する終盤。
受け→攻め→両者という視点の流れのおかげで、二人の気持ちがようやく通じ合ったカタルシスを久々に味わいました。

特にレイプしてしまった側の攻め視点が秀逸で、桧山という人間がとても魅力的に映りました。
レイプですら愛情表現という方式が成り立つことが多いBLですが、このお話に関しては、レイプ=桧山という人間の不器用さ、という印象です。
理知的な人間が衝動的にレイプしてしまった後、どういう思いでいるのか。
読んでいるこっちが切なくなって泣きました。
咬み痕への執着の仕方なんて、あまりの純情に萌えすぎて降参です。
そして空に向かって叫ぶ男のくだりではズルイと思いつつまたしてもちょっと涙がでちゃいました。くすん。

くれぐれも言っておきますがこのお話クサいです。
あまりのクサさにひょーっ(赤面)となりましたが、それでもなお面白かった!でございます。
こうれはもう作者の力業の勝利!なんという直球なお方。

1

非常階段

古い本なのですが、これは面白いです。
泣けました。

三章で構成されています。
第一章は、受の雪也視点。社内で桧山(攻)を見かけ、憧れ、偶然非常階段で出会って言葉を交わし、少しずつ桧山に気持ちが傾いていきます。
非常階段で過ごす僅かな時間を繰り返すうちに、その場所が雪也だけでなく桧山にとっても大切な場所となり、親密さは増すのですが、やがて雪也は自分の気持ちが恋だということに気がつきます。そしてそれを隠しながらも非常階段で会うのを楽しみにするのですが、ある日…!

第二章は、第一章の出来事を桧山視点で追っていきます。
私がやられちゃったのは、むしろ桧山視点のこちらでした。
雪也も切ないんですが、桧山はまた…!
なんとまあ、不器用な男なんでしょう。

「一言言ってれば」なんの問題もなかったのに言わなかったからそうなった…というお決まりパターンなのですが。
消したくないから自分で傷を残すなんて…。
こんな純情みたことない。

第三章にいたっては、桧山の不器用さと純情さと恥ずかしさが可愛くてたまりません。
実際雪也の方が、しっかりしています。
桧山の告白は…。某有名人気ドラマの「僕は死にましぇん!」に匹敵する恥ずかしさじゃないかしら。
ある意味乙女の夢、少女漫画みたいです。

仕事のできる男の「弱さ」がたまりません。
第二章の「I LOVE YOU」のエピソードも、「ここは泣かせる場面だな」とわかっていながら、まんまと乗ってウルウルしてしまいました。

3

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