只今、24本目の当選が出ました!

この作家に聞きたかった

紹介文

リーマンものや専門職ものを数多く発表されている西田東先生。このたびリリースの新刊『まだ愛が足りない』は、部長×課長のリーマンど真ん中です。先生がリーマンものを描くのはナゼ? また、ほかのジャンルになるときは? 新刊リリースのチャンスに、お話をうかがいました!



Q. 西田先生、10月1日リリースの新刊『まだ愛が足りない』は、リブレ出版で初めてのコミックスですね。リーマンもので、人事部に異動&離婚したばかりの部長・井上×チャラいけど仕事はデキる別部署の課長・北原。BLファンに「西田東先生と言えば!?」と質問すると、おそらく「リーマンもの!」という答えが多く返ってくる気がするのですが、先生がサラリーマンのお話を多く描かれるのは、ずばりナゼでしょう?

A:私自身にサラリーマンに対して特別な思いいれはありませんが、多く描いているとすれば、学生よりは大人を描きやすいこと、大人の男性として会社員というのは一般的な職業であり、漫画を描く上において職業的な描写が比較的容易であること、そして読者さんから描いて欲しいという希望を聞くこと、によるものだと思います。

Q. ちなみに、オヤジの魅力も聞かせてください!

A:夢と希望に満ちあふれてないところですかね……。

Q. 『まだ愛が足りない』は部長・井上×課長・北原のまさにリーマンもの。世間一般的に見れば、サラリーマンの生活なんて平凡も平凡というイメージがあると思うのですが、ところがどっこい。物語の冒頭では北原が若い彼氏とベッドにいたり、井上は離婚した元奥さんや娘さんとの関係があったり、海外との取引で……。『まだ愛が足りない』で力を入れて描かれたポイントなど、教えていただけますか?

A:連載だと会社行って帰っての繰り返しで単調になってしまう可能性があるので、多少変わったところがあったほうがいいかと思い、そこそこ発展しやすい枝葉を作りました。

Q. 井上と北原の関係が深まるのは、北原のセクハラを告発する匿名メッセージが人事部長の井上のもとに届いたことがきっかけですね。この告発からのナゾ解きのような展開に引きつけられました。『まだ愛が足りない』の着想や、キャラクターはどんなところから生まれたんでしょうか?

A:とりあえず離婚直後の人とちょっと変な性格のゲイを描こうと思いました。
謎解きはとりあえずそれで話の主軸は引けるかな的な感じですね。というふうに今強引に考え出しましたが、だいたいアイデアのきっかけは覚えてません……。

Q. 短編集『好きになるとこわれる』(竹書房刊)にも、オフィスの机を開けたらアヤしいメッセージが……という展開がありました。思い返すと先生のお話には、こういったメッセージやメモなどが、物語のキーだったり何気ないシーンに使われている印象があります。

A:特に深い考えはなく、おそらく物語を展開させるのに便利なアイテムだったんだと思います。

Q. 西田先生の作品でウマいな~と感じるのが、女性の脇役です。ふとした会話の中で、メインのキャラに“気づき”を与えたりするシーンにグッときます。新刊『まだ愛が足りない』でも、井上の元奥さんや娘さんが登場しますね。女性キャラを使うこだわりのようなものはありますでしょうか?

A:それまで女性を抱いたり子供を作ったりしてた人が男性と関係を持つ、というのがたぶん私的には重要な萌えポインツだと思うので、それまで抱かれていた女性や存在している家庭はそれなりにきちんと存在していて欲しいという感じです。

Q. リーマンと関連しますが専門職もの、あと裏社会や中世ものも描かれていますね。それぞれの舞台に先生が引きつけられる理由など、教えていただけますか?

A:二人の関係性や場面を先に思いついて、その関係性や場面に必要な環境や設定を考えると中世になったり専門職になったり、という感じです。

Q. たとえば『LIFE,LOVE』(芳文社刊)ではマフィアの下っ端アメリカ人×日本人の政治家秘書、『天国も地獄も』(竹書房刊)は高校教師×元同級生のヤクザの物語です。こういったカップルを描く原動力というのは、やっぱり先生ご自身の「見てみたい!」というような気持ちが強かったりするのでしょうか?

A:見てみたいというより描きたいという気持ちですね。
ヤクザは怖いし嫌悪してるし政治家もどうなのという感じですが、描く対象としては惹かれるものがあるのは否めません。

Q. 西田先生は、絵的に青年誌の匂いがするのですが、絵や漫画を描き始めたきっかけはなんでしょう? 影響を受けた漫画や、漫画家さんはいらっしゃいますか?

A:『ドラえもん』と『こち亀(こちら葛飾区亀有公園前派出所)』の影響は強いと思います。コマとコマの間の何かとか、空気みたいな感じが。でも、基本的には少女マンガの影響下にあると思います。
『はいからさん(はいからさんが通る)』と『カリフォルニア物語』の影響が強いかな。

Q. ペンネームの由来や、込めた思いなど聞かせていただけますか。

A:あとでちゃんとしたペンネームを考えようという思いです。

Q. リーマンものと並んで、私が西田先生の“裏代名詞”と思っているのが、いろいろなコミックスの巻末に収録されている、いわゆる不条理ギャグ的な「おまけ漫画」です。描いてらっしゃるときの、先生の頭の中はどうなってるんでしょうか?

A:コミックス描き下ろしはコミックス作業の最終段階なので、とにかくコマが埋まってページが埋まって作業が終わっていったん眠りたいという気持ちです。

Q. 今後、チャレンジしたい作風やストーリーは?

A:これは本当にそうなんですが今までに展望的なことがあった試しはなく、今やってることが自分のすべてという感じですね。

Q. プライベートで実現させたい目標や野望は、なんでしょう?

A:南の島を満喫したいです。

Q. 最後に、ちるちるユーザーのみなさんにメッセージをお願いします!

A:ちるちるユーザーのみなさんこんにちは! いつもありがとうございます!
『まだ愛が足りない』はなかなか面白いんじゃないかなあと個人的には思ってるのでぜひぜひよろしくお願いします。

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