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ま、じ、か。


最後の畳み掛ける怒濤の展開にただただ戦々恐々としました。

公式のあらすじを読んで、本編の「月に笑う」や「美しいこと」みたいな物語と思っていましたが…いや、なんか違う。あらすじは何一つ間違ったこと書いてないのに、あれ?おかしいぞ?
なんの心の準備もせず読んだら、大火傷をしました。

久しぶりにしんどかったです。色んな意味で。
綺月さんの「背徳のマリア」を思い出しました。

物語の始めとか途中でなんとなく結末の雰囲気が分かると、読み進めるにつれて耐性がついて今回みたいなラストでもこんなに衝撃は受けないように思います。けど、木原さんの物語は耐性がつくどころか読み進めるにつれてチラチラと希望が見えて心が無防備になったところで一気にラストまで転げ落ちていくので、分かっていたはずなのに…やっぱりしんどかった。

しかし、きっと、そのしんどさがないと惣一と嘉藤の二人が色んな柵を捨てて、穏やかな関係を築くことはできなかったのかもしれません。
色んなものを失ったけど、惣一にとってただひとつの願いが叶ったのが、唯一の救い。

確実に好き嫌いが分かれる、というか、読める人と読めない人に分かれる話だと思います。
人によってはBL?と疑問に思う人もいる内容だと思いますが、私はBLの一つなんだと思います。
男子二人(以上)がイチャイチャしてるのもあれば、こういうしんどいのもある。
久しぶりにBLというジャンルの奥深さを感じました。

人によってはトラウマになりかねない話だと思いますし、木原さんの痛い話が好き!って方の中でも人を選ぶ作品だと思いますが、愛や人生について考えたい方は、ぜひ!