灰の月 下

hai no tsuki

灰の月 下
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神85
  • 萌×25
  • 萌3
  • 中立7
  • しゅみじゃない10

115

レビュー数
30
得点
461
評価数
110
平均
4.3 / 5
神率
77.3%
著者
木原音瀬 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
梨とりこ 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイノベルズ
シリーズ
月に笑う
発売日
ISBN
9784799742082

あらすじ

嘉藤が惣一の傍を離れて2年――
組長が倒れ、久し振りに会った惣一は以前のように冷徹でカリスマのある人物になっていた。
嘉藤がこの世界でたった一人と決めたボス。
だが惣一はその座を降りようとする。
引き留めるために惣一の願いを聞き、今夜だけと抱いた嘉藤だったが
惣一の涙に嘉藤の気持ちは変化していく。
しかし組の抗争が激化し、惣一が行方不明になってしまう!
激動な2人の歪な愛の結末は静謐で穏やかな日々に――。
本編大量改稿&その後の幸せな書き下ろしショートを収録。

表題作灰の月 下

嘉藤、本橋組若頭
本橋惣一、本橋組組長

その他の収録作品

  • 灰の月 最終章(書き下ろし)

レビュー投稿数30

惣一の地獄と嘉藤の涙

上巻の惣一拉致暴行事件から始まり、
品川会長葬式爆破事件までの数々の死線。
嘉藤に認められるためだけに、
アメリカ行きを断念し、
組長として部下をまとめ、金を稼ぎ、
空白の2年の間には肉体まで改造した。
逃げて、逃げて、闘って。
嘉藤に抱かれれば雌犬、口淫が下手だ、声を出すと萎えるなどと叱責される。
井内に拉致された後は性的暴行のみならず
クスリ漬けにされ、訳もわからず
SMレイプ物のAVに使われ。
嘉藤が見つけ出したその時、
惣一のペニスは切断されてしまう。
瀕死の状態なのに、何度も言わされたのであろう、
「ちんぽ すきぃ」のことば。
救出後も完全に復活することはなく
脳の萎縮で記憶障害が残るようになった。


一連の激動。
これまで惣一の負った苦しみの負債。

そして北海道に移り住んでからの2人の生活の静けさ。
負債に対し、なんて小さすぎる日常の穏やかさ。


もう、わたしの心臓は
持ち堪えることができなかった。

正負の法則というものがあるのなら
惣一の負債はどういうエンディングで
回収出来るのだろう。
物語のその先に、これ以上の幸せがあるのか…?


しかし惣一はもう、この負債を忘れている。
代わりに、嘉藤がその負債と記憶を負う。


嘉藤は負債を追うことで
はじめて愛を知ることになったのだ。
「……私の名前を知っていますか?」
「私を好きですか?」
「あなたが私を忘れても、傍にいますよ」

一度は風前の灯となった惣一の命に与えられた
残りの人生を、想う。

あんまりじゃないか!
勘定が合わないではないか!

もう、どれだけ愛しても、愛しても、
不憫で、悲しくて、苦しい。

0

愛だけが貫かれ、愛だけが残った結果

下巻では、愛だけが残る、というのがキーワードなのかと。上巻もかなりハードでしたが、下巻の最後はもう、どひゃーな展開からのはぁ~~~…と、まさにジェットコースターでした。

以下ネタバレありますのでご注意ください。

ある事件をきっかけに嘉藤は東京へ戻り、再び惣一のもとへ。下巻はヤクザならではの抗争や裏切り、粛清、とにかくバイオレンス満載です。私は小説は創作なので、バイオレンスでもバッドエンドでも作品である以上まったく気にならないのですが、苦手な方はいるかもしれません。

そんななか、惣一は嘉藤への愛だけは貫いているんですよね…離れていても、決定的な決別の言葉を投げかけられても、ただひたすらに嘉藤のことを好きでい続けている。

身内の裏切りを粛清して一段落つき、神戸の隠れ家的宿に惣一を迎えに行く嘉藤。その夜、惣一は嘉藤のひどい言葉の凌辱に耐えながら、嘉藤にお願いしてまで抱いてもらうんです。

この痛々しさったら…もう筆舌に尽くしがたい。こんなにも心をくれない相手に、泣きながら心を傷つけられながら抱かれる描写が痛すぎる。

でも、嘉藤も嘉藤で、もう惣一を自由にしてやれよ…とか思うんだけど、絶対に惣一には組長になってもらうと惣一を手放さないんです。違う意味なんだけど、二人の執着のベクトルは同じ…。

しかし、惣一を抱いた嘉藤にも少しずつ心境の変化が訪れ惣一が組長に就任してからの二人の関係は以前とは違うものに。嘉藤は惣一を愛してはいないんだけど、欲情はする。嘉藤自身もこの不思議な気持ちを消化できずにいるんだけど、暗雲立ち込めていた過去の関係に一筋の光が差される。

順調に進んでいたかにみえたが、最後の最後、バイオレンス、凌辱、クスリ、もうありとあらゆる痛々しさを含んだ大事件が起きて、どひゃー、うひゃーとページめくるのも怖くなるほどの徹底的な描写に、もはや心はお許しくだせ〜状態に。

誘拐・監禁されてクスリ漬けにされた惣一の性器切断という途方も無くキツイ描写は、これはもはやBL小説なのか?と思うほどに、徹底的で容赦がない、ここまでするんかい?と思うほどでした。

でも、この描写。あとから、これ必要なものだったんだと思いました。

嘉藤は異性愛者で、嘉藤は惣一に対し、愛に応えられない理由として、女を抱きたいから、ということを言っていました。そのため惣一は自分が女のようになれば、嘉藤は自分を抱いてくれると思い、豊胸手術をするんです。でも、ペニスは残ったまま。

その後、性器切断されるという痛ましい事件となり、クスリの影響で廃人同然となった惣一だったけど、事件のあと、惣一と嘉藤と二人だけで漁村で慎ましやかな暮らしをする中で、惣一が言うんです。「ペニスもなくていいと思ってたら短くなった」と。

つまり、ずっとなりたかった「女」になれた。やっと嘉藤に自分を愛してもらえる、抱いてもらえる。

そして最終章、ついに二人の愛は結実します。

クスリの影響ですべてを忘れても、すべてを失っても、嘉藤の名前と存在だけは覚えていた惣一。ただひたすらに嘉藤への愛だけを貫いた。なりたかった「女」にもなれた。そこまでに惣一の嘉藤への愛は揺らぎないものだったんだなと思いました。

そして、すべてを失っても自分への愛だけが残った惣一を前にして、男とか女とかそんなものは超越して、これからの自分のすべてを惣一に捧げようと、ついに惣一の愛を受け入れ、自らも惣一への愛を認識した嘉藤が描かれていました。

惣一は自分のすべてを引き換えに、1番欲しかった嘉藤の愛を手に入れる。他に何も要らない、という惣一の言葉には泣けてきました。そして凄惨であまりにも過酷な過去はすべて忘れて、今、目の前にいる嘉藤だけが現実であり、嘉藤の愛に包まれていることが、惣一のすべてとなったことに、惣一は唯一無二の幸福を手に入れたのだと思いました。

他の人からみたら大きすぎる代償だけれども、惣一はそれしか、嘉藤しかほしくなかったわけだし、嫌な過去はすべて記憶からなくなり、ただ嘉藤との穏やかな日々だけが続いていくのだから、惣一にとっては代償を払ってでも欲しかったものなのだと。

そして嘉藤はすべてを失ってもなお、自分を好きでいる惣一に、ついに愛を認識するんだけど、愛してるとか言葉で言うのではなく、惣一の中で自分が忘れ去られた存在になることへ恐怖を感じるんですよね。もちろん、こんな状態の惣一を見捨てられないという気持ちもあるんだと思いますが、惣一に自分を覚えていてほしいという、本当に純粋で無垢な気持ちを持つに至るんです。

もはや究極の愛。まったく汚れのない愛だけがそこに残る。

読了後、すごすぎて、なんも言えねー状態に。でもここまですごいからこそ、絶対見届けたいと思うのかもしれません。

これは人を愛する究極のカタチなのかもしれない…。
すごい作品に出会ってしまった…神以外の評価はできませんでした。

4

読む人は心を傷つけられる覚悟で読んで下さい

私にとっての商業BL小説デビューが木原先生でした。
そのあまりのえぐみのある展開に心打たれ、一気にファンになりました。

何冊か一般文芸を手に取って、そして辿り着いたのがこちらの本でした。

読む人を選ぶ、というのを小耳に挟んでいたので、まずKindleで冒頭を試し読みしてから紙本で購入しました。届いた本のカバーイラストが素敵すぎて、美しすぎて、しばらく二冊並べてじっくり眺めてしましました。紙本で購入してよかった、と心の底から思いました。

正直、冒頭の惣一の陵辱シーンも読む側として全く問題なく(しんどい展開好きなので)、すいすいと読み進められました。

嘉藤視点で語られる、惣一の淫乱な姿ですが、木原先生の手にかかるとものすごく痛々しく映ります。愛のないセックスを描くのが本当にお上手だな、と内心ものすごく感動してしまいました。(肉棒、や、雌犬といった言葉を主語として使うあたり)

私は不憫な美人受けが好きなので、そんな惣一にもかなり唆られるところがありましたが、下巻に入ってもなお、嘉藤が依然惣一に全く唆られないどころか嫌悪と性欲が入り混じった苛立ちと興奮に、これまた木原先生らしいな、と、普通のBLならこんなに美人な受けがいたら、ほだされてすぐ惚れるのに、頑なにそうならないところに木原先生のお約束をガン無視する残酷さが見えて、暗い話が好きな私としては興奮しました。

そして、中盤明かされる、嘉藤への想いを募らせるあまりに惣一の下した決断というのは、読者の私もさすがに驚きました。こうくるかー、と。やっぱり木原先生すげぇやー、と。

そして、終盤、ついに行方不明になっていた惣一を嘉藤が救出するシーンで、嘘やろ……と頭を抱え、本を閉じたくなりました。正直、ここまでの展開で心が痛むことはほとんどなかったのですが、これはやばかった。しんどい。しんどすぎます。これを書いているのは読了した翌日なのですが、後遺症がものすごくて、日常生活に支障きたしていくレベルです。誰か、救済を、救済を……と、空に手を伸ばす始末。

最後、惣一と嘉藤の二人だけの、穏やかで、しかしどこか狂った世界も、見たいけど、見るのがしんどい、でも読まなくちゃ……そんな気持ちで最後まで読みました。嘉藤は惣一を連れてどこに行ったのか。どこか不穏さを残しつつ、読者に想像を委ねるラストも、お見事です。

どこまでも一方通行な二人が、同じ箱の中に収まるにはこのような展開でしか手に入らないものだったのでしょうか?あまりに残酷すぎて、もうちょっとどうにかならなかったのか、と頭を抱えてしまいます。

雌として嘉藤をどこまでも貪欲に求める惣一と、そんな惣一をボスとして尊敬し、どこまでもついていくと決めた嘉藤。お互いが、お互いに対して確かに愛はあるはずなのに、その方向性が違う、中身が違う、種類が違う。それだけでこんなに残酷な物語になってしまうんだな、と読み終えた私は呆然としています。

闇に耐性あると思ってたし、そういう展開ウエルカム!なはず……だったのですが、まだまだ修行が足りなかったのかもしれません。己の甘さをこの本で痛感させられました。

BL初心者はもちろんですが、中級者にもなかなか勧めにくい。それだけ読む人を選ぶし、終盤のあの展開に辿り着く前に心が折れて本を閉じてしまう人も多くはないのかな、と。

ただ、それでも読み進めた最後にあるものは、桃源郷のような、儚くて切なくて、偏った愛に満ちた、どこか空虚な世界。これを何エンドと評せばいいのか分かりません。くっつくとかくっつかないとか、そういう次元を超えたところに、この物語の、そして惣一と嘉藤の関係性に答えがあるような気がします。

ぜひ、これから読むぞ、という人は、確実に心を傷つけられる覚悟で読んだ方がいいです。それぐらいパワーとえぐみのある物語です。

木原先生って、ほんとうにすごいな、と言葉にならない絶望と感動が私の身体の中でひしめき合っています。

気軽に読み返すことはできませんが、確実に私の心を捉え、そしてどこまでも抉っていったことを、私は忘れません。すごい読書体験でした。ありがとうございます。

2

完全にノワール小説だった

上巻とガラッと変わってヤクザモノ!って感じのお話で、ずーっと続いていって誰が裏切り者なの?何が起こるの?ってところにドキドキしながら読む。忠実な部下は死んでほしくないなと思ってるのにじゃんじゃか死ぬわ、リンチするわ、殺すわ。
ハードボイルド!

惣一が嘉藤と離れてた2年間のうちにまさか豊胸手術してたなんて超絶ビックリ。(扉絵でのネタバレはやめて欲しかった)
ともすれば、笑いにもなりそうなビックリ展開。
組長の豊満なおっぱいを隠す為に翻弄する嘉藤のやれやれな日々、みたいな。
もちろんそんなドタバタギャグにはなりません。

最悪な事態に巻き込まれていくし、この身体のお陰で堕ちるとこまで堕ちてこの身体のお陰で嘉藤達に見つけてもらって救い出される。(ほぼ手遅れ)

上巻では、惣一ワガママすぎる!許せんな、懲らしめてやりたい!なんて思ってたけど、
下巻に入り同情してしまった。
惣一は、ただただ嘉藤に愛されたかったんだな。
大阪のホテルからの脱出大作戦で、女装しての逃避行はとても良かったです。田舎のラブホでのプレイにエロスを感じた。

ヤク漬けの上ハードな裏ビデオ出演、性器切断となかなかハードな描写で心抉られます。
でも、裏社会ではこんな悲惨な事もあるかもしれないなんて思いながら読んでしまった。

ラスト、どうなったのかハッキリとは描かれてない。だけど、あとがきに[二人は何もかも捨てて愛に生きるのかな]と書かれていたので死エンドでなくてよかったと思いました。

ヒリヒリするし読むのしんどいんだけど、先が気になるし中毒性があるのが木原作品だなーと思います。
BLなのか?とは思う。

1

愚かさに泣く

「自分の頭の中まで他人の価値観に支配されるなんて、生き地獄そのものでしょう」と木原さんの『ラブセメタリー』にありました。その言葉の牙を久々に向けられ、自分の予想を超えるどころか滅茶苦茶にされ、嫌悪と衝撃に暫く頭痛で放心状態でした…ネタバレなしで読めてよかった。
惣一が嘉藤を求める余り行動に移す愚かさ馬鹿さを、誰も辿り着けない境地まで読ませる力が凄い。こんな想像力を世に出せるって恐ろしいし、刊行と読者に許される(烏滸がましい言い方だけれど)のもまた稀有な事だと思いました。

「余りにも愛がない」と一度ボツになり、元々同人誌で描き続けたものをまとめた上下巻とのこと。嘉藤も惣一に対する気持ちを考えるシーンもありましたが、これはBLなのか、愛と括るには暴力的すぎる気がします。
嘉藤が求める惣一は理想の組長、惣一が求める嘉藤は性愛のみで、それは揺るがないように見ていましたが、惣一のどんな事をしても嘉藤が欲しい気持ちは容貌を変え、慈愛と悲哀を纏ったようでした。

嘉藤が離れた時に惣一はいつも危険に冒されて(それはもうフラグが立つほど)きたので、共に居るこれからはずっと安泰なのでしょう。

心を削がれる凄い疲れた読書でした。ネタバレはコメント欄に書きます。

0

ひみた

上巻の最後に、秋の訪れに蝉の死骸を思う一文がありました。音でしか感じない生命の始終。
惣一の中で勝手に生まれて死んだ生命に憤る嘉藤。彼は妄想に付き合いつつ、男の惣一が自分との子を愛おしく思う様を眺めてどう思っていたのか。嘉藤の為に作れ変えられた身体。良いように考える惣一。余韻が凄い。
出来れば惣一は記憶を思い出しているのにそれを言わない設定が良いのだけど、そんな分かりやすい着地は木原先生は用意しない。
ヤク漬けでも「カトウ」と呼ぶ惣一…(余韻が凄い)

ひみた

記憶が殆どなくなりボーッとしている時でも、惣一は異形の自身を見て発狂せず、欲しい形だと言える惣一がどれだけ嘉藤を欲していたか分かる。大阪に行った嘉藤と会わない2年間、その前にバッサリ振られた惣一は乳房をどう思いながら身に付けたのか考えると切ない。そして一度触れられたから切除すると言葉にする彼に泣ける。女々しくてみっともなくて純粋過ぎて愛おしい。
嘉藤に対して、性別が違うだけでここまで絆されないものかと、他のBLを読んだ後には思ってしまうけど現実的にはそうだろうと。

純愛という言葉に納得

※ネタバレ&考察があります。

最初にこの作品を読んだときは、嘉藤の行動がひどすぎてびっくりした。

惣一の気持ちを知っていながら、彼を絶望させるような言動をとる。
すべては自分の理想のために。なんで身勝手な人だろうと思った。

しかし、これも一つの愛の形かもしれない。
愛=性愛ではないし、愛にも色々な形がある。彼の愛は敬愛に近いもので、惣一の望む愛ではなかったという、ただそれだけのこと。
想いの強さは同じくらいだったと思う。

現に惣一がいなくなったとき、周りはほとんど諦めていた状況で彼だけが惣一を諦めなかった。これが自分のためと言えばそれまでだが、この「周りと違う行動をとる」というところで、彼の強い想いを感じた。(愛という響きよりは想いのほうが合う気がする)

言ってしまえば、惣一の愛もかなり一方通行的なもので、自分を愛してほしいという気持ちが前面に出ている。
お互いが利己的な愛を相手に向けていると言ってもいい。
それがとても人間くさくて、たまらなく愛おしい。

自分の寂しさを埋めて欲しいから。
理想の組長になって欲しいから。
こういった気持ちが非常に生々しく描かれている。

最後の展開には賛否両論あると思うし、実際未だにどう捉えたら良いか迷っている。
最初は、今までの惣一が事実上「死」を迎えたということに非常にショックを受けた。
しかし、その後のことは明らかになってないので色々な想像もできる。
こういう考えさせられる作品、大好き。

もし記憶が戻ったら・・・
惣一はそれを隠すだろうか。嘉藤に知られたら組に戻らなければいけない。
今のような、自分がずっと望んでいた生活が送れなくなる。
それなら最後まで何も知らないふりをすればいい。そういう結論に達するだろうか。
それとも嘉藤のために理想の組長になり、彼の理想を叶えてあげるだろうか。
彼なら、もしかしたら組に戻る選択をするかもしれないと思うと、すごく胸が熱くなる。

もし死ぬまで戻らなかったら・・・
嘉藤はどんな気持ちで彼の世話をするだろうか。
罪滅ぼしもあるとは思うが、それ以上に惣一を想う気持ちがあるから手放せないと思う。誠実な彼なら最後の最後まで惣一の傍にいるだろう。
そして、できればハチとは交流を続けてほしい。この作品の唯一の良心と言ってもいいので笑

惣一の気持ちを思えば、今までの辛かったことを全部忘れていられる今の状態がベストなのかなとも思う。
しかし、あんなに頭が切れていた惣一がすべてを失うという結末はあまりにも惨すぎる。報われなさすぎだと思った。
やっと嘉藤と一緒にいられるというのに、なんて皮肉・・・このもやもやだけはどうしても消せないでいる。

自分の中にまだ消化しきれてない部分はあるが、何回も読み返したい名作。
こんなに互いを強く想い合える関係があることにびっくりした。

1

甘さは一切ない

この数日間で「月に笑う」から「灰に月」まで一気読みしました。
「月に笑う」で読むのが辛いと感じた方は正直、本作は読まない方が良いと思います。
でも、どんな展開でも読める!!という方は読んで全く損はないと思います。

木原先生の作品は何作か読ませて頂いてて
他のBL作品にはないズンとくる読後感に衝撃を受けつつ
あまりに過剰摂取すると精神が持たないとも思っていました。
なので、前々から読みたいと思っていた今作品を今更ながら読破しましたが…
本当、軽い気持ちで読む作品じゃないです。涙

他の方のレビュー通り
ここまで受を痛めつけるんですか、木原先生っっ!!!
というくらいの絶望を受に与え続けてからの
2人で過ごせることに完全は幸せを感じさせない残酷なラスト。
もう頭痺れました。
もう2人で一緒に死ぬのが1番幸せなんじゃないか
と思うほどの残酷な終わり方だと私は感じました。
でもそれが堪らなく良いです。

多くあるBL作品に耐性がついて、飽き飽きしている方には衝撃的な作品になると思います。

1

痛い!辛い!哀しい!希望の光!

木原先生、惣一さんをこんなに
痛めつけないで…
万全の精神状態で読んでも
痛すぎます。
刺さります。
辛すぎます。
哀しすぎます。
胸がギュッとします。

嘉藤、惣一さんを幸せにしてあげて。
こんな酷く辛い目にあっても
惣一さん薬〇にされても嘉藤のことは忘れない程の執着
その執着があったからあの男に
〇〇をザックリと切られてしまったのだよ…
ここまでするのね木原先生(>_<。)
せめて
誰にも知られない場所で
穏やかとはいかないかもしれないけれど
仄暗い世界に少しの希望の光を
見つけて生きていて下さい。



休日前の夜に
読むことをオススメします。
次の日が仕事だと
精神状態やられて役にたたないかも…

1

読み終わり放心状態

一人にして。探さないでください…と書き置き残してさ迷い歩きたくなりました。
ハピエンでもありメリバでもありバドエンでもあった…が率直な感想です。

後半は物凄い顔して読んでいました。
三回涙出てきたし思い出し抉られが…
心にダイレクトアタックされっぱなし。

惣一さん…それでも木原先生作品の受けキャラ二推し…です。
ちょっともう…結末を知った後の私はなんかもう…息吸うのも辛いんですけど。
久し振りにこんなに全身でお話にのめり込みました。


何も知らない初期の私の殴り書き感想とか酷いですよ?これ↓

バイブ相手に壊して壊してと自分で手を動かしながら懇願する惣一さんがやっぱり不憫可愛い…
ドア開いてることも気付かず夢中になっちゃうのも。
2年経っても性欲フルパワーでうれちい。

自分が女の姿に憧れていたわけでもなりたかったわけでもない
けれど体を変えて
いつ帰ってくるかも分からない、結ばれる保証なんてないに等しい
それなのに
嘉藤が好きな体の一部をもっていたかったのかな…


旅館のシーンは特に胸にきました。
命令が懇願になって拒否され錯乱して最後のお願いだと縋って…ほんと心臓を雑巾のように絞られていたかんじ。

優しくしてって言えば良かったのに、惨めなセックスさせられて…。
嘉藤の鬼畜加減たまらなかったです。

謝罪は認められず不満ばかり押し付けられて…ただただ傷付きつつも愛しい男の体を感じながら涙ポロポロ流している惣一さんが辛くて辛くて…
その泣き顔が明らかになるシーンはとても印象的で目の中にテレビがあって映像を観ている気分でした。
切なくて、苦しくて、辛くて、でもこういうの好きーーーーーってすぐさま読み返しましたとも。

異形…と称されるのは複雑な気持ちですが愛にひた向きな男のまっすぐな姿だったと思います…。


惣一さんって、人に弱みや無様な姿見せそうじゃないイメージあるのに、このさらけ出し具合だったり必死さが痛くて痛くて。
デリヘルの女としてでもいいから抱いて欲しいって…そうまでしても体を重ねたいという気持ち…ピュアな一途さにはやられ続けました。

嘉藤も組のトップとして求める…そうあってほしい惣一の姿が揺らぐことなく…だからこそ悲恋状態で…。


全てを知った今はもはや「もー」「あー」「うー」くらいしか言えないです。

すっごく個人的好みな話ですが、惣一さんの脳内ボイスは野島健児さんでした。
これはもうぴったりでしょ。
上巻読んだ時点でドラマCD化頼むよ!!諸々異論は認めん!!と一人楽しんでいましたが、下巻読んでまず無理だなこりゃ…と撤回しました。
自分の耳の中で楽しむことにします。

でもでも、この作品に出会えて良かったです。
心が元気を取り戻したらまた読み直したいし大事にしたいし何ならコールドシリーズと一緒にお墓まで持って行きたいです。

3

重苦しくも、余韻を残す作品

木原先生の作品は、大好きなのですが…こちらは好き嫌いがハッキリと分かれる作品ではないかと思います。

私は、途中から読むのをためらってしまいましたが、何とか上下巻読み終えました。ずっしりと重く、すぐには消えそうのない余韻が残る作品でした。

全体を通して重苦しく、甘さは感じられませんでした。攻めが、ノーマルな人間という事もあり、そのあたりの描写などはリアリティが感じられましたが、攻めの嘉藤を愛しすぎての受けの惣一の、突拍子のない行動・言動、どうにも私的にはダメでした。そこまでするのか?!ってほどの行動に出るのですが、私はそれが受け止めきれず。
ですが、そこまでするほど、攻めを好きで好きで、どうしようもなかった惣一を想うと、心が締め付けられます。
攻めの嘉藤は、バイでもゲイでもなく、女性を好む普通の男。惣一の気持ちを知り、苦悩する姿はリアルに伝わりました。実際、そうゆう事が現実に起きたら、ノーマルな男性はこんな感じなんだろうなぁ…と。

そう簡単にいかないところが、やはり木原先生の作品だと思いました。



攻め苦悩、受けの苦しみ、壮絶な紆余曲折ありながら、最後の最後に見いだした2人の答えには、納得はできました。それが、ハッピーエンドかは別ですが。

ただのBL小説でしょ?と気軽に読もうと考えている方には、あまりオススメできません。初心者向けではないです。

3

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