灰の月 下

hai no tsuki

灰の月 下
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神36
  • 萌×22
  • 萌1
  • 中立5
  • しゅみじゃない5

1

レビュー数
18
得点
196
評価数
49
平均
4.2 / 5
神率
73.5%
著者
木原音瀬 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
梨とりこ 
媒体
BL小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイノベルズ
シリーズ
月に笑う
発売日
価格
¥1,120(税抜)  ¥1,210(税込)
ISBN
9784799742082

あらすじ

嘉藤が惣一の傍を離れて2年――
組長が倒れ、久し振りに会った惣一は以前のように冷徹でカリスマのある人物になっていた。
嘉藤がこの世界でたった一人と決めたボス。
だが惣一はその座を降りようとする。
引き留めるために惣一の願いを聞き、今夜だけと抱いた嘉藤だったが
惣一の涙に嘉藤の気持ちは変化していく。
しかし組の抗争が激化し、惣一が行方不明になってしまう!
激動な2人の歪な愛の結末は静謐で穏やかな日々に――。
本編大量改稿&その後の幸せな書き下ろしショートを収録。

表題作灰の月 下

嘉藤、本橋組若頭
本橋惣一、本橋組組長

その他の収録作品

  • 灰の月 最終章(書き下ろし)

評価・レビューするAIの精度がアップいたします

レビュー投稿数18

スジモノに愛はいらない

もちろん、読み終わった日は夢見が悪かったです。それでいいんです、木原先生なので!!

上巻の帯に「純愛」とありますけど、純愛ってなんだか不幸なものにつけられがちですよね、悲恋とか。木原先生の作品って、この二人はこれで幸せなのか…?っていうような終わり方でも力づくでハッピーエンドだす〜!って言い包められちゃって、さいですか〜って引き下がるしかないというか…笑
だから色んな妄想ができて木原中毒になるポイントなのかなとも思います。

下巻では最後に穏やかな日々が描かれてはいるので、そこが救いなのかもしれないです。二人で一緒に生きている、といった意味で。

さて、嘉藤に抱いてもらってからタガが外れてしまった惣一は、実父である組長からも見放されて、嘉藤と引き離されてしまいました。血を分けた息子ではなく嘉藤に跡目を継がせる組長の心づもりから、二年ばかり大阪の芦谷組の預かりになっていた嘉藤が本橋組に呼ばれ、組長から直々に今後についての相談を受けます。

その直後、手術入院中だった組長が殺害され、報復を巡り不穏な抗争劇が展開していきます。この組内部のゴタゴタが表向きのストーリーを引っ張ってはいますが、やはりお話の核は惣一と嘉藤の関係性だと思います。

組長の死後、惣一も弔い合戦の決着がつくまで組長代理として指揮をとることを公言し、惣一のサポートとして嘉藤が本橋組に戻ることとなり、二人は再会。

ところが嘉藤を銃撃から庇って負傷した惣一の体には、女みたいな胸の膨らみが。彼は既に壊れ始めていました。

一度だけでいいから女のように抱いて欲しいと惣一に懇願され、嘉藤が拒否すると惣一は発狂しかけます。結局、惣一を宥めるために嘉藤は抱いてやるのですが、この時の嘉藤の心中はいかなるものだったのかと想像します。既に惣一にほだされていたのか、組のために自己を犠牲にした諦めのようなものだったのか…。

惣一の秘密に気づいた当初、嘉藤は早急に胸を元に戻させようとしたけれど、なぜかそのままにさせておきました。それが更なる悲劇を呼ぶとは思いもせずに。

嘉藤と離れていた間に、トラウマのせいで一人でいることを恐れていた惣一が、身軽に外に出られるようになっていました。その表面的な惣一の変化を嘉藤はどう受けとったのかも気になります。それは自分が期待する惣一のあるべき姿だったのか、それとも彼を信頼していたがゆえの責任放棄となったのか。

本橋組と同系列の会長の葬儀と別の会長の一周忌が重なり、前者には惣一が、後者には嘉藤が出席した際、惣一が参列した葬儀会場で爆破事故が起こり、行方不明になります。それから約一年後、変わり果てた姿で惣一は発見されることになるのですが…。

最終章では、脳の機能が壊れて記憶も定かでない中、惣一は自分がこうなりたいと思った体になったと無邪気に喜ぶシーンがあって、嘉藤は何を思っていたのだろうと思います。泣けます。

嘉藤の惣一への思いがわたしには謎で、知りたくて仕方がありませんでした。様々なエピソードや描写から推察するしかないところも手強くて面白いし、最後の最後に嘉藤と惣一はどうなったのかも果てしなく妄想が膨らみます。謎だから益々惹きつけられるのかもしれません。

これは壮絶な恋の物語です、惣一にしてみれば。愛としかいえません、嘉藤が最終的に選んだ道は。だけどスジもんに愛はいらないのです。似たようなものがあるとすれば情しか許されない世界でしょうから。

この作品は、徹底的に愛のない世界を描くことで純度の高い愛を表現する、木原先生の真骨頂だと思いました。あとがきで、先生が惣一だけ「さん」付けしているのを目にした時、惣一に対する先生の愛着というか労わりのようなものを感じられて、なんだか嬉しかったです。

4

BLの最北端

ずっと同人で追いかけてて、読み返すのが辛いので買ってからも次の日の休みこそ、、、とそれを繰り返し、放置していました。ついに覚悟を決めて読んでしまったら1日で目を話すことなく読み切ってしまいました。

1日たったけどまだ心をじくじくと蝕んでます、、置き場がない。
惣一がひたすらえげつない目に合うし、嘉藤さんは感情はあっても情がないし。でも、木原先生の作品で共通しているものって(あくまで主観ですが)理不尽なことをするものには相応に痛めつけてプラスマイナスゼロにするといつか、、それにしても惣一はマイナスよりですが笑

不均衡で歪。また木原先生は歴史に残るものを作ったなとしみじみ感じています。
任侠モノですが任侠萌えとは一切関わりがないので、今後読む方は覚悟をお持ちください笑

5

そこまでするかっ!

受けの惣一の健気さ、一途さに胸を打たれたので神評価です。

いやー、それにしたってここまでする!? 木原先生! ってくらい惣一がひどい目に合います。バイオレンス耐性がない方にはオススメできません。いや、ほんと。

あらすじは他の方が書かれているので割愛します。なのでレビューというか感想です。
そんなにしてしまうくらい嘉籐が好きなのね。嘉籐好みに体をかえちゃったり、どうしても抱いてくれないからお金で買おうとしたり、なりたくもない組長になったり。惣一のその気持ちだけなら純愛なんだけども。

これでもかってくらい酷い目にあった惣一ですが、救いは薬の影響で記憶が曖昧になっちゃったこと。本当、忘れて良かったです。
どうしても惣一を見捨てられない嘉籐。それはやっぱり愛なんじゃないのかなあ。想像妊娠までしてしまう惣一。そしてなかったことになったお腹の子供。がっかりしたのは嘉籐の方じゃなかったかと思えてほのぼのしました。

どうか末永くお幸せに。

3

目を背けてしまう…

私にはまだ早かった…月に笑う、までだなと。闇社会モノBLに耐性はあるつもりでしたが、正直読んでる途中で何度も本を閉じてしまうくらい、読み進めるのがキツイ描写が多かったです。上巻は、惣一の加藤への想いを拗らせ過ぎて色々やらかしてる痛い受けだなぁという印象止まりだったのですが、下巻の怒涛のバイオレンスな展開に、私は今何を読んでいるのか?と分からなくなるほどでした笑

この物語全体を通して、惣一をあそこまで痛めつけないと、その先の加藤との穏やかな生活は得られなかったのだろうか。。嫌な雌なんですよ、惣一、感情的だし、自分の思い通りにならないとヒステリックになるし、奇声を上げて全裸で外に飛び出すし笑笑、
決して惣一に好感は持てないんだけど、ちょっと同情しました。

木原音瀬作品史上最も嫌な受け、そして哀れな受けだと思いました。

4

痛かったりエロかったりするけれど最後は純愛、なのだと思う

『月に笑う』のスピンオフ
前作がそれほど痛かったり苦しかったりしなかったから(木原作品比)大丈夫、と大して覚悟もなく読んでしまったことを反省しています。
木原作品の中でもトップレベルの痛い展開だらけではありますが、切なくて続きを読まずにいられなくなる作品でした。

裏社会物は好きで、バイオレンスで血と暴力もありとは思っていましたが想定以上でもう許してほしいと懇願し続ける展開が多くて長くて大変でした。

個人的にはこうあってほしいという方向からどんどん離れて行ってしまい予想外の結末でした。
もちろん可能性としてはあり得るものでしたが、惣一の願いが叶うといいなとか、もう嘉藤から解放されたほうが幸せになれるんじゃないかとか勝手に考えていた者としては、救いのない世界のように思えて重い気持ちになりました。

評価としては萌えのレベルでいうとあまり高くはないのですが、いい作品で読むことを勧めたいかどうかの基準であれば高評価にしたいと思います。
ただし読み手を選ぶし覚悟も必要ですが…。
ボーイズがラブする楽しいお話や、苦労や痛みはあってもハッピーエンド、最後はすっきりとカタルシス、と読んで癒されたい楽しみたいというときには不向きなことは確かです。

3

のたうちまわりました。

本当に生半可な覚悟で読んだことを後悔するくらい壮絶な”純愛”で…、日曜の夜にこれを読み終わり、明日からの仕事大丈夫か??と思うくらい、理性も感性も徹底的に打ちのめされました!!!この深すぎる衝撃からどうやって立ち直ればいいんでせうか??
(誰か助けてーーー爆発するーーー!という気分です。)

エロい描写が多くても、その行為に耽る惣一という人が淫乱だという印象は全くなかったです。むしろ行為がエスカレートすればするほど、嘉藤への気持ちの高まりが感じられました。終始、惣一が嘉藤に望むことよりも、嘉藤が惣一に望むことのほうの大きくて重く、結局はそこにこたえようとしている惣一という人の健気さが切なすぎます。。やはりこれは狂おしいほどの”純愛”なのです。

それぞれが望むかたちではなくても、嘉藤と惣一は相思相愛だったという印象を受けるのですが、それがあまりに違う方向なのでもどかしいのです。そしてそれを、ああいうかたちで昇華させる、これが木原先生流だな、さすが…という気持ちと、もっとなんとかならんのかーい(;;)というどうしてもなんとかしてやりたい!気持ちと、いろいろごっちゃになっています。失踪後は、期待と不安(不安やや上)から頁をめくる手が震えるほどドキドキしまくり、”嘉藤、早くなんとかしてーーー”と(心の中で)叫びながら読みました。こんなに興奮しながら小説を読んだことはありません…。

おそらく木原先生を熟知されている方だったら”まさか!”はないのかもしれないのですが、主だった数作品くらいしか読んでいない初級者レベルの私は、最後の数ページで何回か悶死しました…。ですが、これ以外(以上)にしっくりくる二人の末路はないのでしょう。壊れてしまってもなお残る”すき”という言葉が、物語のすべてを表現しているような気がしました。美しさと哀しさと優しさと、同じくらいの絶望感があります。
他では得難い体験のできる作品でした。しばらく眠れなくなりそうです…。

7

いやいや…え?

最後まで読んで思ったのは、わたしだったら惣一さんをアメリカに行かせてあげたかったな。
もう周りの目とか気にしないで、嘉藤のことも捨てて好きに生きて欲しかったな。

でも、本当に惣一が求めていたのはラストのような嘉藤と自分だけの生活だったっていうのもなんとなくわかるんです。
そこにたどり着くまでに、自分で身体を変えたり、薬で頭の中も変えられたり…。そのまんまの惣一を愛してあげてよ!って思ってしまうのですが、
2人はこれからゆっくり穏やかに幸せになっていくのかな。

ラストの方でただ純粋に「好き」と言葉にしてる惣一は、可哀想なんですけどかわいいなと思いました。

下巻は特にですが読んでいて、「え?いや…まじか…」と思うところが度々。

こんなに、心が動かされるBLってないですよ。
キュンキュンだけじゃなくて、ズキンズキンする時もありますが…笑
一筋縄ではいかないし、読んでいて思い描くパッピーエンドには辿り着かないことの方が多いけど…
ほんの小さな幸せだったり、キュンとする気持ちが芽生える瞬間はたしかにありますよね…
木原先生の作品は、それがリアルだから面白いのかなー??









5

痛いけれど、まさに純愛を描いた作品

『灰の月』の下巻。

木原作品は容赦なく痛い展開のものは多いですが、そんな木原作品の中でも群を抜いて、痛く、そして切ない作品かと思います。

「ヤクザ」という世界がバックボーンになっているために、殺し、暴力、レイプが当たり前のように登場します。女性との絡みを彷彿とさせる描写も少なくありません。

この作品は、読み手を選びます。

が、個人的に心を鷲掴みにされました。
紛れもなく、「純愛」を描いた作品だと。

もともと同人誌として刊行されていた今作品ですが、商業誌で発売した版元に敬意を払いたい。それだけ、衝撃的な内容です。

上巻は嘉藤のことが好きで、でもどうやっても嘉藤に振り向いてもらうことのなかった惣一が空回りしている、というところまでが描かれていました。

下巻は、大阪に行っていた嘉藤が惣一の父親でもある本橋組の組長に呼び出されるシーンからスタート。
そこで嘉藤と惣一が再開し、二人の時間が動き出すが―。

本橋組組長が何者かに襲撃され殺害されるという事件が勃発。実行犯を見つけ出すべく惣一は本橋組の指揮を執るが、男漁りが過ぎたために組員たちから人望がなかった惣一。けれどもともと頭の回転が速く、物事を冷静に判断できる惣一は、徐々に組に受け入れられていく。

そこには、嘉藤が心酔した「惣一」という男の姿があって―。

視点はほぼ嘉藤で進みます。
が、彼の目を通して描かれているのは「惣一」。

頭が良く、お金稼ぎが上手で、組を背負って立つのに相応しい器を持つ男。
けれど、その表の顔の裏に隠したのは嘉藤に愛されたいと願うただの男。

惣一の、嘉藤に愛されたいと一途に想い続ける恋心が切なく、そして哀れでした。

男を抱くなら、どんなに不細工でも女が良い。

かつてそんな言葉で嘉藤に拒絶された惣一。
そのために惣一が取った行動は…?

惣一の行動の全ては、嘉藤のためだったんじゃないかな。

冷静で、親である組長の敵を討つこと。
組のために、お金を稼ぐこと。
そして、アメリカに行くこと。

全て、嘉藤にとっての理想の「惣一」であるために。

今回も惣一は敵対する人物に拉致られます。
この凌辱シーンはかなり凄惨です。
痛いものもどんとこい!の私ですが、正直飛ばし読みしました。

何故、ここまで惣一を追い込むんですか、木原先生…。
と思いつつ読み進めました。

最後の結末は、賛否両論かと思います。

が、あれこそ、惣一が求めていた嘉藤との関係だったんじゃないかなあ…。

組は関係なく。
お金なんかなくても良い。
嘉藤がいてくれれば良い。
嘉藤に、「組のトップ」としてではなく、「惣一」を見てほしい。
女のように、嘉藤に抱かれたい。

じつは、惣一は、意識が戻ってるってことは…、ないですかね。
ってちょっと思ったりしました。

でも、理想の「組長」ではなく、「ああ」なってしまった惣一を捨てられない嘉藤も、惣一を愛しているのでしょう。

完全に好みが分かれる作品だと思います。
優しく、温かなストーリーではありません。

が、「愛すること」とはどんなことなのかを問うた、壮大なストーリーだったと思います。

木原作品の真骨頂といえる、素晴らしい作品でした。

6

惣一はきっと幸せ

でもどうしても不憫でならない...。ここまで傷ついてぼろぼろにならなきゃならないのか?と思ってしまって。他の方も書かれているが、やっぱり覚悟が足りなかった...。唯一無二、BL界の極北。木原音瀬さんの作品で何度こんな思いをしているのか!!でも新刊がでたら懲りずにまた手を出してしまうのだろうな...。うぅ、好きです。ショックが抜けきらないので大変申し訳ないけど評価は中立で。

5

ま、じ、か。


最後の畳み掛ける怒濤の展開にただただ戦々恐々としました。

公式のあらすじを読んで、本編の「月に笑う」や「美しいこと」みたいな物語と思っていましたが…いや、なんか違う。あらすじは何一つ間違ったこと書いてないのに、あれ?おかしいぞ?
なんの心の準備もせず読んだら、大火傷をしました。

久しぶりにしんどかったです。色んな意味で。
綺月さんの「背徳のマリア」を思い出しました。

物語の始めとか途中でなんとなく結末の雰囲気が分かると、読み進めるにつれて耐性がついて今回みたいなラストでもこんなに衝撃は受けないように思います。けど、木原さんの物語は耐性がつくどころか読み進めるにつれてチラチラと希望が見えて心が無防備になったところで一気にラストまで転げ落ちていくので、分かっていたはずなのに…やっぱりしんどかった。

しかし、きっと、そのしんどさがないと惣一と嘉藤の二人が色んな柵を捨てて、穏やかな関係を築くことはできなかったのかもしれません。
色んなものを失ったけど、惣一にとってただひとつの願いが叶ったのが、唯一の救い。

確実に好き嫌いが分かれる、というか、読める人と読めない人に分かれる話だと思います。
人によってはBL?と疑問に思う人もいる内容だと思いますが、私はBLの一つなんだと思います。
男子二人(以上)がイチャイチャしてるのもあれば、こういうしんどいのもある。
久しぶりにBLというジャンルの奥深さを感じました。

人によってはトラウマになりかねない話だと思いますし、木原さんの痛い話が好き!って方の中でも人を選ぶ作品だと思いますが、愛や人生について考えたい方は、ぜひ!

5

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