雀影
7巻は、前組長を撃った鉄砲玉の始末をつけたところで終わりましたが、この完結編では、嘉藤は惣一を次期組長にするべく、組内の裏切り者にも始末をつけます。
そして、嘉藤を庇って傷をおった惣一を、療養もかねて、襲撃から守るために隠した、山奥の高級旅館に迎えに行くのですが、、、。
嘉藤、この期に及んでも、やっぱりなのか、、、。
惣一がそこまで想っているなら、もうちょっとなんとか、、、、。
そして、次期組長として立派に勤めるようになった惣一。
どんなに歪んだ報われない関係だとしても、嘉藤さえそばにいてくれるなら、惣一にとってはハッピーエンドなのかな。
こんな救いのないハッピーエンドは、同人誌だからこそ。
これ、絶対商業誌では出さないで欲しいなぁ。
こうゆうのは、是非、同人誌のお楽しみにしておきたいです。
評価に迷います~。
中立?しゅみじゃない?神かと言われれば神です。
好きかと言われればもう、大好きです。
しかし読後、疲れた~。
もう七巻で衝撃のラスト、この巻で終わりで、ネタバレしたくないけど、何をどこからレビューしたらいいのか。
まずは表紙にビックリです!
通販で本が届き開けて思わず「おおっ!」と声が出てしまいました。
若い男の裸に免疫が無い私は動揺してしまいました。
そうです!
綺麗な若い男性の全裸の後ろ姿が表紙なのです。
目の保養ですよ。
内容と言えば、嘉藤らが組長を殺した大元を探し出し殺し、惣一さんと嘉藤の関係もとある形を向かえます。
木原さん的にはハッピーエンドということです。
そうです、木原さん的にハッピーエンドなのです。
ということは、くっ苦しい、甘いようでいて甘くない終わりがありました。
しかし惣一さん、ものすごく健気です。
泣けてくる程に健気…、嘉藤が「雄臭い」といえばシャワーに入ろうとあがき、「萎えるから、声を出さないで下さい」と言えば絶対に何としても声を発しません。
口に指を入れられ「噛まないでくださいよ」と言われれば、絶対に歯は立てないのです。
しかし、声は出てしまうので何とかしたくて喘いでしまうその声がとても色っぽく、嘉藤よ~、何故そこまでする惣一さんに嘉藤自身全部転ばないの~!と一人悶絶でした。
しかし、嘉藤もようやく目をそらして気づかないフリをしていた惣一さんの気持ちに向き合うのです。
そして嘉藤が発した言葉が大好きでした!
だけどこれは商業化なりにくい一冊ですね。
だって結局惣一さんは木原さんが過去にコメントされていた「どうした、惣一さん」のままなのですから。
嘉藤が好きで好きで、好かれる為にならなんでもする。
自分の体を変えることも、今の立場を失うことも、戸惑い無くやってしまう。
でも今の立場があるから嘉籐が自分の傍にいることも分かっているから、男として極道としての自分も保たなければならない。女として傍にいられるならそれでも構わないのに、嘉籐がそれを求めていないから頑張る。
部下として惣一の感情に困ってしまう嘉籐がまっとうすぎてもどかしいです。
惣一をもり立てていきたいから、その為に自分の出来る事をしようと開き直るまでの流れがリアル。
簡単なハッピーエンドじゃないのが好きです。