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エキスパートレビューアー2025

女性いちご狂さん

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今年度36位

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エロスと伏線と急ハンドルと(訳:面白い!)

デビュー作とは思えない画力とストーリーでした。
濡れ場はちん…も穴の描写も精密でどえっち、タイトルも相まってエロに振り切ったお話かといえば、そうじゃない。
エロスとストーリー、両方満足できました!

後半、急ハンドルを切られます。
衝撃の展開!
構成がとっっってもお上手!
作中お仕事もちゃんとしてるし、方言(吉井)だし、エロいし(血管の浮き出たカリのあるしっかりしたちん…大きいんだけど(Lサイズ)どちらかというとずしっとしてて陰毛もしっかりしてるのとか、蒸れた表現とか、リアルでどすけべ。かと思えばもう一人はパイパン…癖の緩急よ!両方違って両方いい!玉袋の蟻の門渡りもしっかり描写、もちろん行為も丁寧で性癖が詰まってる。熱く語ってるけど、ほんとえっちなので見てください!)、ストーリーもしっかりしてる、コスチュームプレイや女性下着プレイ等、色んな方向の層に刺さると思います。

作中の小説記事もちゃんと作られていたり(あれを土倉さんが書いたと思うとなんかくるものがある)、攻めが受けのために爪を短くしたり、長与先生のこだわりを感じます。

爪を短くしたことにもだけど、「この人俺の尻の穴に指入れるために準備してきたんだ」っていう吉井の台詞になんかグッときました。
「俺の腹の中で土倉さんの大きくなって精子上がってきてる…やばい…ナカ開いちゃってる」とか、実況中継台詞がえっちです。
吉井側の台詞を挙げましたが、土倉の台詞もすごくいいです。
「「お前が」「俺に」そういうこと聞くの?」、(自分の部屋は洒落てないし男二人だと圧迫感が…と言った吉井に対して)「誰か他の男連れ込んだことあんの?」
………嫉妬心…!!!!
他にもピックアップしたい台詞があるんですが、抜粋しすぎると楽しみを奪ってしまうので堪らえます。
台詞選びがお上手なんですよ、きゅんって萌えるんです!
本気なんだか遊びなんだかまだよくわからない段階での行為中の何気ない仕草もいい。
背後でイキながら耳元にキスしてくるってよくないですか?バックハグ強め付きですよ!
愛を感じる…!
手練手管感つよ…!
攻めからの事後ちゅっちゅも好き!

そして、性病検査結果を見せてくる攻めに出会うの初めてなんですけど…!?
安心感ありすぎじゃないですか???
しかもこれが後々のストーリーにも関わってくるんですよ…伏線回収がうまいッッッ!
うまいッ!が実は各所に散らばってるんです。
読み終わったあと最初から読み返すとまた違う目線で楽しめます!

大好きなご本で定期的に読み返すのですが、まだレビューしていないことに気づいたので遅ればせながら書かせていただきました。
まだ読んでいない方がいたら損はさせないので是非読んでみてください!!!!

紙→白短冊

人気作だけど相性が…

無印の時もそうだったんですが、カズマがソロプレイをおっぱじめるのに萌えられなくて。
なんでやねん!!!!ってなってしまう。

あと濡れ場の勢いが凄かった。
勢いって書き方では読んでいない人には伝わらないかな、躍動感?
集中線とかブレとか画面効果の勢いが凄いんです。
激しすぎて笑ってしまい…。

横田くんが「異常すよ」って言葉を放つんだけど、それをあなたが言う?って思ってしまって。
そりゃあ噛み跡やら痣やらキスマやら凄い体見たらすごい人と付き合ってるんだなとは思うけど、横田くんだって普通じゃないで悩んだことがあるだろう人だろうに、異常とか簡単に言ってほしくない。
あわよくばそんな相手じゃなくて自分が、自分ならもっと大事に…って話なんだろうけど。
冒頭の年季の入ったぬいぐるみを大事にしていた女優さんのように、見た目が酷かろうが形が歪だろうが自分の大切を他人がわかるはずがないし、とやかく言われる筋合いもない。

しかし、しかしだよ、暴力はよくないよカズマ…正直引いてしまった。
横田くんもよくないけど、手は出してないのに口だけじゃ駄目だったんだろうか。
口だけでも勝てるだろうに。

そして、お風呂場でナオトの服をおかずにソロプレイしてるカズマを見てナオトが漏らすんですが、全くついていけなくて。
なんで?????
興奮したのは分かる…でも漏れないよね、漏らさないよね?
いやいやいや………何が起きた???なんでそうなる??????
この辺について触れている人がいないので、みなさんはついていけているんだと思うんですが…私は状況に置いていかれてしまいました。
更にはカズマがその状態のナオトのものをフェ○してあげようかと言い出すので、えっ汚い…って思ってしまって…。
人気作で高評価だらけの中水を差して申し訳ない…。

なんだろう、カズマって執着攻めなんだけど、ちょっと毛色が違う。
萌えというよりなんか怖いというか、只管ヤバいというか、萌えるとはまた違う方向性というか。
で、ナオトにもついていけなくなってきて。
興奮して漏らしたり鼻血吹き出したり、申し訳ないけど突っ込みしかない。
血を舐めるのはやめたほうがいいよ…。
骨○も、ギャグじゃないのはわかってるんだけど、ぶっ飛んでてヤバいし怖いし。

これだけ評価が高い作品なので私が少数派なんだと思うんですが、画力の高さは評価しているんですが中立です。

もうあなたも普通じゃない側

カメラマンの横田くんが当て馬に。
そういう目で見ていたのか。
カズマがあの手この手で横田くんとナオトの接点を阻止してきます。
俺がやっと手に入れて、どろどろに愛して作り替えた体を横田なんかに触らせるなって。
あいわらずの執着攻めです。
しかし、こんなに思い通りにお客さんを寝落ちさせられるものなんですかね…。
私も整体にはよく行くし有名店にも色々行ったんですが寝れたことは一度もないので、こんなに思い通りに寝かせられる整体師が存在するなら是非とも施術を受けたいですよ…!
アロマもなぁ、いい香りには癒やされるけどだからといって寝れたことはないんだよなぁ…。

deeper上巻では、カズマがナオトに会うまで、どんなふうに過ごしていたか、どれだけ我慢して頑張ったのかが明かされています。
若干ストーカーのようなところもあるんだけど、一途さと自分の決めた地位まで実力をつけるまでは絶対会いに行かないというあの執念。
セッ○スすらカズマにとってはナオトのための経験で、恋愛感情なしで只管ナオトのために経験を積んだとかもう…。
うん、すごい努力だと思うよ。
思うんだけど、何でも思い通りに行くもんじゃないし、それだけの想いで努力したって駄目な時は駄目だし、拒否された場合は只管思い込みの強い怖い人でしかないよなぁと冷静に思ってしまって。
カズマの全部はナオトのためにできていると言っても過言ではない。
性格も、体型も、技術も、評判も、ナオトを手に入れるため。
手に入れられた時は何より自分のためになるんだから、うまく行ったときは全部自分のためになるのかもしれないけど、カズマの努力って自我が強くて尽くすとはまた違うものだなと感じます。
愛が重いのはもちろんなんだけど、独特な怖さがあるのはそういうところも影響しているのかな。
自分がどれだけナオトのために我慢したか、頑張ったか、過去を打ち明けちゃうのもなんだか納得というか。
カズマの行動言動には、受け止めてもらえなかったらどうするのと度々思ってしまうのだけど、引かれた時は引かれた時であの手この手でどうにかして手中に収めそうなのがカズマのすごいところだなぁと。
激重な愛の普通じゃなさに、こんなの他の人なら受け止められずに引いて逃げるぞ!って思うナオト。
そういう世間一般の“普通”の反応は分かるけど、もうナオトもその愛に浸ってしまっているので受け止めることしか考えてない…落ちている。
もうナオトも普通じゃない側になってしまっていた。
「早くここまで来てね」
もう、すぐそこまで来てると思う。

相変わらず画力が高くて濡れ場もえっちでした。
ただ私は根本的なところで萌え躓いているので、総評すると萌以上にはいけなくて。
前作がお好きな人は今回もとても刺さると思います。

まさかこの子達の恋愛まで見守ることになるとは

レムナントシリーズの双子ちゃんの恋愛編です。
カドル単体で読める作りなのですが、一応シリーズものなので、まだ他の作品を手に取ったことがない方向けに個人的なおすすめ情報も書かせてもらおうと思います。
シリーズ既読の方は★〜★までを飛ばしてください。


羽純先生の獣人オメガバースシリーズはペンデュラム、レムナント、ガーランド(葵居先生著の小説)、プチミニョン…と世界観とキャラクターがつながっているのですが、特にレムナント(双子の両親カプのお話)とガーランド(双子の父親の両親カプのお話)とプチミニョン(双子が小さい頃のお話)はその繋がりが深く、どれかを読むと全てを読み返したくなる作りで、時代を経て受け継がれる愛情と血の繋がりを感じる作品たちです。
なのでシリーズを手に取ってきた人は、既刊未読の方にはカドルを読む前か読んだあとにはぜひプチミニョンを!レムナントを!と薦めると思います。
私もその気持ち、すごくわかります。
ただ、この手に取る順番によってはシャイアヒューゴを子供を見守るような視点で見てしまうことになる可能性もあるので、純粋にカドルという作品のシャイアとベリルに萌えたい方はあえてカドルが完結するまで他には手を出さず様子を見る楽しみ方もありだと思います。
あの子供たち…という親のような視点で読むのも楽しみ方の1つなんですが、シリーズ既読勢とは違う未読ならではの読み方ができるのは貴重だと思います。
発売順で手に取るならレムナントになりますが、時系列的にはガーランドが1番時系列が古いので、あとで時系列順で手に取られるか、発行日順に手に取られるか、お好みで通して読まれる楽しみを残しておいて一気に読んで、カドルも読み返すのが私のおすすめです。


本題に戻ります。
あの双子ちゃんたちの恋愛まで見守ることになるとは思っていませんでしたが、描いてくださるなら読むしかない!
常に一緒で喧嘩するほど仲がよかったシャイアとヒューゴは本作では少し距離感が生まれてます。
シャイアは俺様気質がある美男子(子供の頃もちょっとその気はあったけど!)に育っているので、ヒューゴとの距離感に一瞬戸惑わされましたが、読み進めていくと安心しました。
考えているのは家族のことばかり。
両親とは違う守り方だけど、やっぱりあの2人の子供だと思いました。
未だに従者のテオと双子は好意の三角関係が続いているみたいなのに、いつも一緒に行動しているのはヒューゴとテオでヒューゴはよく言えば自立、悪く言えば別行動です。
テオ自体は相変わらず双子推しの強化ファンでしたが、なにかのきっかけでシャイアはテオから関心がそれてヒューゴが独占することになったのかな?と想像しながら読みました。
まだそのあたりの事情は深くまで分からないのですが、家族を守ること(子孫繁栄)をしなければならないジークフリード家の者としての責任を長男であるヒューゴが担っていて、家族を守るために身を引いた感じなのかな、そしてヒューゴ以上にシャイアのテオへの独占欲と愛が強すぎるのだなと汲み取っています。
そんな風に、実は今でも家族思いなヒューゴの婚約者(候補)としてトネリア卿が選んできたのが運命の番を病で亡くしたベリルでした。
トネリア卿、相変わらずだなぁ。
ほんと陰湿タヌキジジイだよ。笑

シャイアとベリルは利害関係の一致で一緒にいることになるので、しばらく恋とか愛とかはなく反発があるのかな?と思っていたんですが、大切な人を守るため…という動機が2人には共通していて。
和やかでかわいいシーンもあったり、1巻から案外お似合いです。
今までのシリーズが辛いことがあるお話だったから、今回はラブイチャを描きたいというような内容の羽純先生のお話をどこかで見たのですが、本当に割と早い段階から恋に進展しそうです。
シャイア、スキンシップ多めだし!

私だけ思っていたらすみません、ベリルってちょっと雰囲気がカイに似ていませんか?
性格は違うし、顔もそっくりではないんですけど(個人的にはベリルが好み)、なんか小さいころから知っているカイに対してシャイアがいい印象(変な意味でなく)を感じていたことをそこから感じるというか、無意識に親しみがある雰囲気の人というか…全くの無関係とも思えない小さなつながりのようなものを感じてしまい。
勝手に妄想してグッときました。

評価は現時点では萌2寄りの萌(どうしても子供を見守る気分になってしまって)、次巻に期待。

あと、特典と修正について。
アニメイトで小冊子付きが販売されていますが、こちらの作品はアニメイトオンラインの方で遅れてにはなりますが配信されるそうなので電子派の方は参考にどうぞ。(現在出ている巻は全て小冊子付きが手に入ります。)
この獣人オメガバースシリーズは紙でも白抜き修正なので、電子で買ってもあまり差はないかと思います。

紙→白抜き

春に凪ぐ青 コミック

依波きさ 

アオハルBL

青い目をしていて、その上泣き虫で引っ込み思案だった颯和。
子供の頃それらを理由に虐められていて、やっとできた友達も本当の友達ではなく離れていき、その記憶がトラウマになって、ずっと独りで過ごしてきた。
独りでいると態度が生意気だと絡まれるようになって、喧嘩が好きなわけではないけど喧嘩三昧。
いつものように喧嘩して、公園のベンチで休んでいた時に声をかけてきたのが匡士郎。
匡士郎は颯和の目を青く澄んでてすげえキラキラしてるいい目だと褒めてくれて───。

匡士郎の距離感が近いっ!!!
そして顔がよくて背が高くて運動もできて弟の面倒見よくて家族仲良し、キラキラしてるなぁ。

気にならない人は気にならないんだろうけど、こういう急に誰かを連れてきてご飯を食べさせるシチュ、なぜ都合よく余分にあるんだろう?って思ってしまうのは私だけかな。
私はいつも人数分しか作らないし買い置きも人数分だけだから、こういう急な来客の時はパニックになるし作る側の気持ちも考えずに勝手なことを…!ってイライラするんだけど、全然気にしてなさそうな優しいお母さんですごい。
作るところだったから大丈夫って言ってくれていたけど、まず買い出しに行かなきゃ足らないよ。
匡士郎が知隼をしょっちゅう連れてきて食べさせているみたいだから、いつも多めに買い置きしてるのかな?
おかわりしていいって言ってくれるくらい沢山作ってくれていて本当にすごいんだけど、ほんとなんでそんなに用意できるの。
私が母親なら頻繁に誰かを連れてこられてご飯を作ることになるなんてキレそうだなとか思ってしまい、匡士郎が颯和にまた食べに来いとか言ってるのにもお母さんの了承も得ずにそんな勝手にとか思ってしまい…サラッと読むことができなかった。
細かいことを気にしてすみません。

匡士郎はとってもモテるけど、まだ誰かを好きなったことがないです。
好きって気持ちがよく分からないんだけど、クラスメイトが好きだとずっとその子のことを考えて会いたい触れたいって思うと言っていて、颯和のことをそう思うなって気づく。
皆から親しまれているけど、他人に関心を持たない一面があって、匡士郎と颯和は誰も気づいていない一面を互いに持っている子たちだなと思いました。
颯和も匡士郎に懐いていくんだけど、女子に嫉妬するような行動を取っていて………君たち両思いでは???
なんていうか、すごくトントン拍子に進んだように感じてしまって、私には少し説得力が足らなかったです。

キスを遠ざけるためにしたと拗れた解釈してるのもえ?ってなってしまって、独りで可愛そうだから構ってきたと誤解するのも、いや喧嘩三昧の子に可愛そうだからとか構わないよって思ってしまって。
颯和がそういう風に思うのは過去の記憶のせいだって分かるんですけどね。
男女ならこの流れで両思いになって結ばれるのも納得できるんですが、同性となるともうひと押しほしい。

お話はそこまで刺さらなかったんですが、これは私の好みの問題もあるかもしれません。
絵柄が素敵だったのでつい引き寄せられて手に取ってしまったけど、DK物は普段なら手に取らない系統なんです。
そんな者の感想だと思っていただければと思います。

絵が好みで素敵なのと、匡士郎の首のホクロがフェチなところが好きでした。
初コミックスだそうですが、from REDさんらしい作家さんだなと思いました。

兄結い 2 電子 コミック

青木ガレ 

いくつか疑問が残ってしまった

ヒノエが生きていてよかった...!
そして、よくこの内容を2巻で纏めあげたなと思います。

ただ、よく分からないことがあって……。
御前は兄のことが好きだけどヨダカのことも好きになっていたの?
結局あの儀式はなんだったの?
部品を集めても復活なんてしないって分かっていたの?
ゲンジョーと御前の関係性って?
なぜヨダカの身体腐敗してないの?
ヨダカはいつからナギのことが好きだったの?

私の読解力不足かもしれないんですが、それらの疑問が評価を下げてしまう結果に。
1巻が期待以上の面白さだったので自ずと期待が高まっていたのですが、ちょっと消化不良でした。
でもなかなかお目にかかれない作品なのは変わりません。

1巻での髑髏に縄をかけるシーンで、だから『兄結い』なのかな?と思いましたが、2巻でタイトルの意味が分かった気がします。
縄は解かれたけど、今もしっかり結ばれているんですね。
緊縛を絡めてくるのがフェチだなと思います。
ナギの成長、仲間との関係性が熱かったです。

シーモア→修正不要

兄結い 1 電子 コミック

青木ガレ 

すごい作品に出会ってしまった

10に満たない歳の頃、大怪我をしたナギ(弟)を助けるため、そして子供2人で生きていくために菩提御前の元で奉公することになったヨダカ(兄)。
綺麗で、格好よくて、優しいあにぃ。
離れ離れな中、1年ぶりに会いに来てくれたヨダカに喜ぶナギだったが───。

なぜ子供2人で生きていかなければならないのか、両親はどうしたのか...その答えもしんどいし、ヨダカのこともしんどいし、ヒノエの想い人のこともしんどいし、ヒノエのこともしんどい。
その上カニバがあるので苦手な人は不向きかと思うんですが、復讐あり戦闘あり鍛錬あり、宗教的な要素あり、本当に面白い作品なので是非読んでみてほしいです。
カニバが無理な人に無理に勧めることはできないけど、そんなにグロい描き方ではないので、いけそうなら挑戦してみてほしい...それくらいお話がいいです。
どこか手塚治虫を彷彿とさせる作風といいますか、こういうBLはあまりないのでとても刺さりました。
デビュー作とのことですが、素敵な作家さんに出会えて嬉しいです。

ナギはヨダカのことが好きです。
兄として以上に。
その愛の重さは時に狂気を孕むほど。
ヨダカの人形に囲まれながら眠るシーン、「返して...俺のかみさま......」というセリフも相まってゾクッとしました。
血肉にして弔うのも、想いの強さと狂気の加減が私は好きでした。
仲間を作れというけどヨダカみたいな子がどうやって作るの...と思っていたら、こんなところに繋がりが。
涙腺が緩んでしまいました。
胸熱です。

シーモア→修正不要

君を見送る コミック

緒川千世 

前作より好きだが、モヤモヤもあり

大学時代同じ映画部だった藍と柳。
柳は華やかで目立つ存在で、ポートフォリオを作って業界に売り込みたいので映画を撮ってくれないかと藍に頼む。
その映画は小さな賞を獲り柳はスカウトされ、大学を辞めて芸能界へ。
その後10年音信不通。
華々しく羽ばたいた柳は人気を得て活躍したのだが、消費され尽くして疲れ果て、空っぽになって藍の元に帰ってきた。
目に光はなく、あの頃の拙いながらの輝きも失ってしまった柳は、俺をまた撮ってくれと言う───。
帯に「遺作撮ってよ俺の」「終わりのための逃避行」とあったので、余命が近いのかな?と思っていたんですが、なるほどそういうことかと思いました。

『青葉杜の幽霊』の撮影の合間のワンシーンで柳と藍の顔が近くてキスしそうな距離だったコマはありましたが、したわけではなかったし、そういう関係だった描写はなくて、同じサークルのカメラマンと演者としての関係性しか見せられていないのに、再会後流れるように寝ていたことに取り残されてしまいました。
ゲイとかバイとかそれらしい情報も特にないので、余計に男同士で流れるように寝るということに違和感を感じてしまって。

逃避としてのセックス…男女ならそういうこともあるかもと思うんですが、男同士となるとノーマルではそんな逃避の仕方は選ばないし浮かばない気がする。
柳は『青葉杜の幽霊』の時の顔の距離の詰め方があったのと傷心で慰めがほしいのかもしれないという点でまだ分かる…のだけど、藍は?
『青葉杜の幽霊』は人物(柳)を魅力的に撮れていたけど、その後は人間に興味がないのが伝わってくる映像しか撮れなくなっているらしいことから、藍が柳に興味があったというのは分かる。
でもそれで=好きとは私は汲み取れなかったです。

柳いわく、周りと協調せず一匹狼的な藍が柳を見る時は瞳が揺らぐらしく、それを見て「俺は行ける」と確信していたみたいなんですが、もう少し説明以外の部分でそれらを感じ取りたかったなぁと思います。
あと、この場合の「俺は行ける」って、押せば藍のことを落とせるという意味か、自分に魅力があると思わせてもらえて役者として行けると思えたという意味かどちらで取ればいいんだろう?

最後の方までこんな感想でもやもやしていたんですが、最後の最後に柳が撮った藍の映像が出てきて、そこにいる藍の表情からは藍の気持ちが伝わってきました。
そして、柳もその顔に唆られるのだとあります。
ということは学生時代から互いに密かに気があったということかと、ピースが繋がっていきはしたのですが…。
あの映像にインパクトを残すために気持ちの描写はあえてラストまで触れない構成にされたのかもしれないんですが(もしくは「カメラの前では嘘はつけない」というあの台詞を生かしたかったのかもしれない…)、読みながら状況に取り残されてしまい気持ちよく読めなかったもやもやは残ってしまい。
前半中盤は情報足らずだったというのが私の感想です。

あと気になってしまったのは映像といいながら写真用カメラに見える物を構えているところ。
最初は写真を撮っているのかと勘違いしてしまいました。
私が無知なだけだったら申し訳ないんですが、こんなカメラにしか見えないビデオカメラがあるの???ともやもや…。
動画撮影できるデジカメもありますが、コンクールに出したり遺作として残すような作品を撮るには簡易的すぎる気がするし。

余談ですが、緒川先生は長年大好きな先生だったのですが前作『vs.LOVE』が全く合わず、次回作で考えようと不安に思う気持ちがありましたが、ひとまず前作より好きでした。
でも萌えたかというと…中立に近いかも。
前作より上の評価にしたかったので萌としました。
また緒川先生との点と線が合致する日がくるといいな…。

アニメイト特典リーフレット→蚊の話
紙修正→局部の線は片側だけや下方だけなど部分的に描写してある感じ。

また会えて嬉しい

9巻がりつまふが主役なはずなのに他キャラにスポットがあたった感じで、りつまふのラブシーンもおあずけを食らった感じで纏まったことも含め、個人的にもやもやするところがあって。
それから何度も読み返すうちに抱く気持ちが変わってきてはいたんですが、補足というか、続きが見たいなぁと願っていたので、10年後の彼らにまた会えて嬉しいです。

まず、立夏まだsyhのサポート続けてたの?!ってビックリしました。
私は音楽事情にあまり詳しくないんですが、プロとしてバンド活動しながら別のバンドのサポートを続けているアーティストさんって実際いらっしゃるのかな?
かなり珍しい気がするんだけど、それを言うなら秋彦も二足の草鞋ですもんね。
一本に絞る決意も見てみたかった気持ちもありつつ、片方を捨てられないのも諦めない信念がすごいなと思います。
現実はなかなか二兎は追えないと思うんですがみんなが成功し夢を叶えている内容だったので、ある意味この夢がてんこ盛りされた感じがギヴンらしいのかもしれないと思いました。
変わらないなぁと思ったことといえば、秋彦が変わらず春樹にコーヒーを奢っているのが微笑ましかったし、レコーディングで揉めるりつまふも微笑ましかったです。
笑ったのは秋彦が未だに貧乏だったところ。

真冬と立夏が同棲していて、同じマンションの上階には玄純と柊が同棲していること、秋彦が大阪と東京の春樹の元を行ったり来たり通い婚してることには、おぉ〜!とテンションが上がりました。
あと毛玉が可愛いよ〜!!!!
同じ子だと思っていたんですが、先代は亡くなっていたことに月日の流れを感じました。
言われてよく見るとお顔が違う。
同じ名前をつけるのが真冬らしいなと思いました。
雨月は浮名を流しているらしくて、そういうのも雨月らしいと思いつつ、いつかこの人と添い遂げたいと思えるようないい人が見つかればいいなと思います。
主要キャラ以外に、タケちゃん弥生板谷植木のその後も見れます。
変わったもの、変わらないものそれぞれ。

結論から言うと、りつまふのラブシーンは10年後の数コマ(露骨な描写なし)と卒業式後の回想1コマ(匂わせ程度)だったんですが、あの「帰ったらエッチしよっか」のあとちゃんとしたんだなと分かってよかったです。
あの1コマで妄想を膨らませようと思います。
ただ、私は邪なので10年後である本作ではそういうシーンをしっかり見れるのかも?!と期待していたところもあって、そういう意味では願望は叶っていません。
でもこういうさり気なくて綺麗で空気感を味わう感じがキヅ先生の持ち味なのかもしれない(既刊含めて)と思います。
そんな矢先、出されるご予定の薄い本にR18の文字を見て衝撃を受け、再び邪な願望が発動しているところなんですが。
叶うのかな願望…?!

何はともあれ、10th mixありがとうございました!
そして、松元さんのご冥福をお祈りします。
素敵な作家さんを見つけて支えてくださってありがとうございました。

至高の三角関係!!!!

拾はタケと幼馴染で、好きなものをタケと共有したがる。
タケは拾から分け与えられるものは好みではないこともあるのだけど、拾が喜んでくれるのが嬉しくて拾の体の一部にされているような感覚が好き。
拾の共有癖は物だけでなく人でも同じで、恋人ができるとタケと3Pする。
拾とタケとミネは高校が同じだけど、ミネは拾としか喋っていない。
高校を中退したミネと同窓会で再会した拾は、ミネから好意を持たれているのを察して付き合うことにするが、幸せに浮かれるミネに待っていたのは拾と付き合うためにタケとも寝なければならないという歪な三角関係で───。

3P好きな私の中で一二を争う大ッッッ好きな三角関係BLが新装版になって登場です。
これを機にチョベリバ沼に堕ちる方が沢山いらっしゃるといいな!
もうね…チョベリバからしか得られない感情が沢山あるんですよ!

拾が歪な価値観を持っていることから始まっているけど、タケの拾への愛も普通じゃないしタケだって歪んでる、そんな2人に共有されることになったミネは可哀想なんだけど、拾への愛が深かったことでやがて3人で馴染み合い混ざり合っていく。
初めは拾を中心に動いていた関係だけど、いつしかミネが中心になるところが…いいッッ!!!
そして拾とタケの関係が稀有で興味深いんです。
特別な存在として想い合っているんだけど、いつもどおり好きな人を共有しあったのにミネには互いに初めて芽生えた独占欲があって、なんて言ったらいいんだろうちょっとNTRみたいなところもありつつ、芽生えた感情に苦しむんですが、ミネの一言で最善を見つける最高の三角関係です。
3人一緒半分こ萌える…!

私はミネとタケが好みなので2人がいちゃついていると顔がニヤけるんですが、拾も絶ッッッ対いてくれなきゃいけない。
3人セットで大好きです。

まさか同人誌が収録される未来があるなんて想像もしていなかったので、薄い本もしっかり購入したファンとしてはちょっと悔s…新装版から入った人が羨ましい気持ちですが、収録されていないお話もあったのでよかったです。
特典もあとがき部分はカットされていたりしたので、旧版から好きだった特権が残されていました。

旧版との違いは、本編のあとに『チョコストロベリーバニラ・ビフォア』『チョコストロベリーバニラ・アフター/灰皿』『チョコストロベリーバニラ・アフター/バランス』『チョコストロベリーバニラ・アフター/10年後』『チョコストロベリーバニラ・アフター/ホーム』他50Pの追加と、小冊子、同人誌、付録各種特典が収録された小冊子100Pの付属です。
ボリューム満点!

表紙が新しくなっていますが、カバー下に旧版表紙がカラーで刷られているので、デザイン最高!!!と思いました。

先生もあとがきに書かれていらっしゃいましたが、ドラマCDも最高なので、お好みにあった方はそちらも是非聴いてみてください!

紙修正→白抜きというよりは部分的に線を消してある感じ(旧版部分)+トーンとぐしゃぐしゃ(追加分)