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女性いちご狂さん

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真夏に読み返したい!

廃品回収屋、ハレノヒ。
壊れたものを魔法のように直してしまう晴仁だけど、直せないものもある。
それは桜次郎の心。
冒頭から、桜次郎が晴仁のことを好きそうで。
晴仁が、にこにこした気のいいおじさんっぽいのに悪い大人感もあって、ちょこちょこ方言?が混ざるのがとてもいい。
もしかしたら方言というわけではなくて、言い回しの癖みたいなものなのかもしれないなと思ったんですが、あとがきのキャラクター紹介で私の感じたことがそのまま書いてあったので、やっぱり!伝わってきました!!!となりました。
訛りのすごい方言だとまた雰囲気が変わっていたと思うんです、加減が絶妙。
読んでいるうちに色んな場面からどんどん晴仁という人が見えてきて、読んでいるこちらにもその魅力が伝わってきました。

桜次郎の心を直せないって、桜次郎が晴仁のことを好きなのを治せないってこと?男同士なのに好きなのを病気みたいに言ってるのかな?とか、そんなことを言いながらも思わせぶりに晴仁になつっこい仕草や距離感を取られる桜次郎を見て、生殺しだ~!とか、そもそもこの2人どういう関係性なんだろう?年齢差もあるし、気になる.........!!!とか、色々ワクワクしました。
なるほどそういう出会いだったのね...!そういう意味の言葉だったのね.........!と判明するんですけど、晴仁ってば人たらしだぁ~~~~!!!!
その上この包容力!これは桜次郎が惚れるのも分かる!

なんでも買い取るというのでとあるもの(物ではないんだけど)を回収させようとしたお客さんのシーン、それ自体も怖いけど、流れるテープの音(廃品回収車がスピーカーから流して走るあれ)が不気味さを助長していてとてもお上手だなと思いました。
桜次郎の回収シーンの時もですね。
うるさいはずのスピーカー音、なのにあの音のせいで逆に世界からそれ以外の音がなくなったような感覚になりました。
壊れているという表現が、胸糞悪くなったり色々考えさせられるのだけど、この表現が廃品回収屋さんという所とハマり合っていてよくできていると思う。
あの瞬間藤太が目覚めたことと、あんなに胸糞だった父親がすんなり非を認めて謝ったところは少し都合がよく思ってしまいモヤッとしたけど、晴仁さんの言葉と桜次郎の言葉で現実と向き合えたということなのかな。

桜次郎が自分のことを好きなのは感じていただろうに、時計を弄って気持ちを紛らわせながらあの関係性を大事に何年も待ってた晴仁にじわぁっと。
こういうのがいい!
すぐ寝ちゃってあーだこーだエロに走られるより、2人の気持ちや行動に心を動かされたい。
タガが外れたあとはそれまで我慢した分積極的になっていて、またおいしい。
桜次郎は見た目のイメージと違ってピュアで一途で可愛いし、晴仁もチャーミングで可愛いし。
最後のえっちシーンも可愛いかった~~~。
余裕がないの萌える!
積極的な晴仁にも萌えた!

上手い!と思うところがいっぱいあって、それはタイトルもしかりなんですが...上田先生のセンスのよさを噛み締めています。
夏のジリジリ暑いあの感覚が読みながらとても伝わってきて、もうちょっと暑くなったらまた読み返そう、と思いました。

Kindle→白抜き

蛇喰い鳥 コミック

芽玖いろは 

サラッと読める

芽玖先生の初コミックスだそうです。
この頃から絵が魅力的です。

居酒屋のトイレで男同士でヤっている声を聞いてしまい、どんなやつかと思えば見ただけではゲイとは思わない男(千鳥)で、二条の通っている大学の職員だと分かる。
真面目そうでまともそうな千鳥が肉欲を抱くのを想像するとなんだか気になって、話すごとに千鳥の色気や笑った時の可愛さに気づき...。
もっと色んな顔を見てみたい─── 。
気になって気になって、ついにオ〇ニーのおかずに。

千鳥が美人眼鏡さんでとても好み。
自分に気のある人を利用する小悪魔さもあって、ずるい...!となった。
二条は、こんな風に好きな人でエッチな妄想してしまう男性って実際いそうだな...という男子脳っぷりで、お馬鹿だなぁと思うんだけどリアルな男子像だなと感じました。
千鳥を喰ってやりたいと思っていたけど、喰われたのは二条の方で。
でもね、千鳥はずっと二条のことが好きだったんですよ。
好きな人がいるのに行きずりの男と寝るのが...なんか千鳥だなぁと。
狡い大人感と、女物の小物に嫉妬する可愛さが混在しているんですよね。
二条は千鳥のことを“千鳥さん”と呼ぶけど、千鳥は二条のことを“君”としか呼ばない。
好きなのはわかるんだけど、なんだかまだ心の距離があるような。
いつか名前で呼ぶ日が来るのかな。

表題作は115P程あるんですが、1話1話のまとまり方が短編っぽいのでサラッと読めます。
あまり読書時間がない時に中断してまた読み始めたとしても入りやすいまとめ方というか。
その分一気読みしなければ気になって気になって仕方がない衝動とか、物語に深くまで没入した時のあの感覚は感じられなかったのだけど、読みやすいお話でした。
表紙の2人にビビっときたなら読んで損はないと思います。

もう1作『噂のふたり』という作品が収録されています。
モテモテで王子様みたい、それ故に尾ひれの付きまくったろくでもない噂を持つ仲のいいツレ、毛利と由良。
あの2人はデキてる──デタラメだった。
でも、由良にキスされて.........あれ?俺も好きだと気づく。
毛利も『蛇喰い鳥』の太一と同じような妄想をしていたので、芽玖先生は男子のこういうところが好きなのかな?
入れるのはナシと言って寸止めさせた由良が、今度は入れていいと言うのでどういう心境の変化かと思ったら嫌々言ってるけど嫌じゃない、要するに嫌よ嫌よも好きのうちだったらしい。
こちらもサラッと読める作品でした。

Kindle→白抜き

常に挑戦されているのが伝わってきた

カラーページが美しい...!
そして見開きの香が、、、エロい……!!!
あと、海香が相変わらず好みすぎます。
かっこいい...髪を伸ばしたら益々色気が。
そんな海香に連れられて髪を切り、可愛いのがダダ漏れになった司之介。
あぁ、これは絶対香が大変になるやつだ...と思いました。

『冷たい猫が鳴く エピソード0』編で新しく監督に抜擢されたのは坂場。
ツーブロ強面のガチムチさん(水泳選手体型だそう)なんだけど、コミュニケーションが上手で場の雰囲気も和やかで見習うところが多くて。
香の隣に立つのに相応しい人に、パートナーだと認めてもらえるようにと奮起する司之介は、坂場を見て学び、スタッフとも仲良く、雑用もするようになる。
髪を切って可愛らしさがダダ漏れなので、その上に笑顔まで見せて「妖精」と言われていたんだけど、言いたいことはわかるけど妖精って……と思ってしまった。
ちょこちょこコメディ(笑いどころ)を挟んでくる玲文先生らしいところだと思うんだけどなぁ、クスッとできなくて。
頑張りすぎた司之介は、また違う人間を演じているのではないかと気づいて、過労とストレスで倒れてしまう。
誰だって凄いなと思った人の素敵なところを真似するし、そういう人との出会いと努力が自分を成長させてくれると思うんだけど、司之介の場合やり過ぎてしまう。
自己評価が低いことといい育ち方の問題が大きくて、司之介は悪くないんだけど。
でも、それらもミイノの演技で消化されたよう...。
切々とミイノを称賛する司之介に嫉妬&隠し事にモヤっとして、香がバスタオルぐちょぐちょになるくらい楽しいことしようと言うんだけど、たくさんイカせるのかな?と思っていたら潮の方で、水気の描き方が大変お上手でした。
あの水溜まりエッチすぎた。
肩の力が抜けた司之介は、人たらしに進化───...喜ばしいことなんだけど、司之介の魅力が周囲に伝わる度に香はやきもきもするはめになるんだろうなって。
ラブラブ故にというやつですね。

本作の1番の目玉はプロポーズ(ペアリング)だと思うんですが、2人だけで盛り上がるんじゃなくて海香のことも大切にしているのがこの作品らしいなぁと思いました。
刻印は私の笑いには刺さらなかったんだけど、香には大刺さりしていたのでなによりです。(でもこういうのを一緒に笑えたらよかった。)
後のセッで再び潮吹きが見れるんだけど、飲〇にビックリ!
飲〇っていうか、舐めた感じなんだけど...でもその前に出したのも口に入ってしまってると思うんですよね。
私にはちょっとハードルが高くて滾れなかったけど、想像の上を見せてもらえました。
攻めの潮吹きを描いた玲文先生らしい挑戦を見れた気がします。
どんどん色んな挑戦をしていただきたいし、見せていただきたいです。
期待しています。

シリアスで陰があって好き

『陰と日向のボーダーライン』
他人に優しさを差しのべられる清らかな柴村。
その柴村が憧れる丸山課長は、実は柴村を組み敷いて好き放題する妄想をして興奮している。
最近セッしていないから欲求不満もあるので、一夜限りの相手を適当に見繕ったら公園で青姦を求められて、萎えながらセッしていた。
しかし相手の喘ぎ声をうめき声だと思い、親切な柴村が大丈夫ですか!?と心配して声をかけてきて───あの丸山課長が男と青姦...!
でも柴村は幻滅なんてせず、自分も多分ゲイだと告白してきて。
認めるのも怖いし、田舎ですぐ噂が広まってしまうのもあり誰にも言わず抱えてきたという柴村を慰めて、お持ち帰りした丸山は、組み敷いた柴村の反応が妄想以上で付き合おうと言う。
晴れてお付き合いした2人。
青姦を萎えると言っていた丸山が、柴村相手では自分から提案してるのが恋は盲目だなと。
あと、ヤるだけとかヤってばっかりは柴村じゃなくても不安になるし不満にもなると思う。
モテるだろうしお付き合いも手馴れてそうなのに、感覚の違いなんだろうかと思ったけど、違うわ、丸山は柴村を試したいんだ。
そんなにまでして自分を受け入れてもらいたいのは、家庭環境や生育環境のこともあって...。
きっと心に穴があるんだろうな、それを埋めてくれるような相手を求めていて、柴村がそうだったんだろうな...だから試してしまったんだと。
これからも丸山は柴村を試してしまうんだろうけど、柴村のお陰でいつか安心できる日が来るんじゃないかなと思う。来ればいいな。

『街角のプロローグ』
イタリア人ロベルトの孤独で心地よい生活は、母親が勝手に語学留学している日本人のユースケを下宿させることを決めてしまったことで崩壊しようとしていた。
陽気でお喋りでルーズで女好き...イタリア人のイメージとは真逆に仕事熱心で女より1人で音楽や映画を楽しむのが好きなロベルト、一方日本人と言えば勤勉で静かなイメージなのにユースケは明るくて声がデカい。
アパートは親の持ち物で格安で借りている立場なので、ユースケが帰国するまでの半年間我慢するしかない。
嫌々だったけど、ユースケの一生懸命仲良くなろうとする姿勢に絆されて食事に行くように。
ユースケがイタリア語を学ぶ理由は映画で、2人とも趣味が被っているんだなぁと。
夜遅くまで勉強するユースケに、「さすがやっぱ日本人だな、勤勉で」と褒めると、ユースケは日本人だからじゃない、俺が頑張ってると訂正してきて。
怒ったんだろうか?と思うのだけど、なぜ怒ったのかロベルトには分からない。
話を聞いてみて、ロベルトは嫌われたのではないとホッとしている自分に気づく。
ユースケがロベルトのことを好きそうな描写があって、ロベルトもユースケに別れ際キスするので両思いじゃん!となるのだけど、イタリアでは別れの挨拶でも口にキスするのか?という問いに少し迷ってそうだけど?と返したので、それ以上発展することはなく。
しかしユースケが帰国したあと、快適だったはずの1人が落ち着かない。
メールしてねと言われたのに、1か月後にようやく「挨拶で口にキスなんてしない」とメールをしたあたりがロベルトらしい。
返信は来たのだけど、どんな内容が書かれているのか恐ろしくて読めずにいたのは振られたらと怖かったんじゃないかとなんだか愛らしくて。
今までは返さなかった日本語の挨拶を返すのも、最初の日本語が「オカエリ」だったことも、じわっと幸せな気持ちにさせてもらえた。
あの笑顔で「タダイマ」と言うユースケが素敵。
メールの返事の内容が想像出来た。
因みにエロはなかったです。

『雪の夜』
陰と日向のボーダーラインの描き下ろし。
丸山課長の雪解けの春は近い。

Kindle→修正なし(濡場はあるけど修正不要な描き方)

あれ…?こんなはずでは…

昔、片山の武者修行先で一緒に働いていたという寺島登場。
もう一人増えた職人に、今度こそスーツ萌えがあるか?!と思ったけど、なかった...。
スーツを着た人が着こなしについて語っているけど、その人たちも別にスーツを素敵に着こなしているわけじゃない。
いいスーツらしいんだけど、シルエットが美しいとは感じられず、見る限りいい物に思わない。
画力の高さがこれだけ優れていても、スーツを格好よく描くのってそれだけ難しいんだなと思いました。
唯一目を引かれたのは高宮がバイト先の女の子とその子の父親へのプレゼントを選びに行った店で寺島と片山と鉢合わせる時の寺島と片山が着ている柄物スーツ。
2人とも柄×柄でちょっと賑わしいんだけど、あのスーツが出てきたスーツの中では1番目を引いた。

そして、恋愛面もじれっっったい。
なんなんだろう、片山が素直じゃないのかな?
口数も少なすぎるのかな?
別にセフレがいいというわけでもなさそうだし、これだけ仲良くしておいてまだ付き合っていない理由を教えてほしい。

高宮にとっての当て馬は寺島だけど、寺島にとっての当て馬は高宮のバイト先の一緒に買い物に行った女の子だと思う。
彼女について特に何も話していなかったけど、モヤッとしたんじゃないかな。
こういうのをちゃんと言葉にしないから進まないのかな。
大人だからって飲み込まなくていいのに。

片山が寺島の元で仕事することに決めてイギリスに旅立ってしまうんだけど、いやいやいや、旅立つ前にあなたたちの関係をはっきりさせて?!と思ってしまいました。
嫌だこんな宙ぶらりんで遠距離なんて。
1年離れて、高宮が会いに行って、寝て、片山は安堵のため息を零したそうなのだけど、……………うーん?
だからなんでなんだ...なんでもっと早い段階で付き合わなかったのか教えてほしい。(因みにまだ付き合っていない)
高宮が片山のことを好きなのは十二分に分かるし、片山も会う度に安心した顔をするようになったけど、でも君たち付き合ってないんだよね????ってモヤモヤモヤモヤッッ。
そしてラスト、えっこれで終わり?!
付き合わずに終わった??????
安心したいくせにはっきりさせないでいいんだ?
両思いなのは伝わってくるのに、このモヤっとさせながら進展して纏まった感じが好みじゃなかったです。

あと、寺島は仕事もできるいい男だけど当て馬としては物足りなかった。
もしかしたら画面外でアプローチをかけていたのかもしれないけど、牽制シーンとなるものがあまりなく。
片山をイギリスに呼び寄せたことで高宮から遠ざけてはいるけど、奪った訳ではなく仕事をしに行ったんだし。

1巻でもなんだかノリが合わないと思う箇所があったけど、ロブスターを料理した高宮が褒められて「目玉焼きを焼くくらい簡単」と返すところにえぇ...となってしまった。
さすがにそれはないんじゃないかな。
私は料理は得意な方だけど、比較的簡単な料理でも目玉焼き程楽とは思わないしそうは言わない。
余計な一言というか、なんか嫌な言い方だなぁと思ってしまった。
偏見かもしれないけど、高宮が料理出来るのが私には意外でした。
お坊ちゃんで、寝込んだ時にお母さんに食べさせてあげなくて大丈夫?的なこと(うろ覚え)を言われていたから、どちらかと言うと何でもやってもらっていて、料理も出来ないイメージでした。
バイト先の役割がホールじゃなくて厨房だったなら納得できたんだけど...ギャップ萌えするところだと思うのにしっくりこなくて萌えられなかった。

絵の上手さと好きな作家さんだからということを加味して萌かなぁと読んでいる間は思っていたんですが、ラストまでには付き合うと思っていたのに言葉にしあわない結末にモヤつきすぎたので中立に。

余談ですが、私が初めて読んだ大島先生のご本は、かの有名な人気作『チキンハートセレナーデ』です。
しかし世間の評価とは逆に全然刺さらず、合わない作家さんなのかな?としばらく距離をおき、ちるちるさんで『オフステージラブサイド』が大人気なのを見て、悩みながら再挑戦。
今度は大ハマりし、続いて読んだ人気作『コントラディクト』にもハマり、これからは作家買いすることに決め、全作読みたい!と未読の既刊を読み進めているのですが、どうも私はハマるハマらないの差が激しい作家さんなよう。
ちるちるさんの評価を信頼しているので、きっと私に何かが足りないんだと思う。
何が足りないんだろう...悔しい。

スーツを魅力的に描くのって難しいんだな

短編集ではないんですが、区切りよく描いてあるので読み心地は近かったです。
子供の頃、父に連れられて行ったテーラー片山(オーダーメイド専門店)で飴をくれた片山に一目惚れした高宮。
20歳になったから勇気を出してずっと好きだと告白したけど、知ってるよと言われて───?!
はっきり言われたわけではないけどその表情から振られたと思いつつ、めげずにアタックする。(プレゼント攻撃)
片山が欲しがっていたカフスがあり、もうすぐ片山の誕生日なので初めて好きなものを贈れるとバイトして手に入れたのに、他の常連客が同じものをプレゼントしているのを見てしまい...。
落ち込む高宮に、片山は先程貰ったものは貰う義理がないから返すと言う。
高宮からは貰う義理があるということか───喜びのままキス。
ん~...だったら最初からOKしてあげればよかったのにと思ってしまった私は無粋か。
なんだかモヤッとしていたら、片山は寝たのに付き合ってないよと言う。

ある日父親の仕事関係のパーティに出席することになった高宮は、そこで片山のお店の話題になり店主(片山)が金払いのいい客を常連にしたくて男と寝ていると聞いてしまい……。
上手くいったかなと思ったら突き放されるのがこの作品のテンプレなのかな?
でもつれない片山だって、高宮が友人(女)の前では自分に対するのとは違う素で接し、じゃれついてるのを見て嫉妬してる感じなんだけどな。

高宮が13際の頃の話。
父親がゴルフクラブを忘れて届け物に行ったのは、片山がいると聞いたから。
片山が着ていたゴルフウェアは白のパンツ、眩しかった。
確かに白をカッコよく着こなす人ってカッコイイよね。
女性の下着が透けるシチュエーションや男性でもトップスが透けるのはよくあるけど、ボトムスなことにおっ...と。
豪雨=びしょ濡れだろうし白かったら透けるよね。
透けている下着を見てビキニ?と思ったら、時は現在に戻って履いているのはボクサーで、あれ?ボクサー派なのかな?と思ったんだけど、高宮が触れてくれていた。

テーラー片山の40周年記念。
またバイトを増やしてお祝いを贈る高宮。
片山は貢がせたいわけじゃないし、貰えるからどうこうってタイプじゃないけど、このプレゼント攻撃どうなんだろう...。
気がない人でも貰うために気のある振りをするかもしれないし、気があったとしてもあまりにプレゼントが当たり前になるとそれはそれで難ありなんじゃないのかなって、心配が先立ってしまう。
贈り物代の為にバイトしてやつれて、ついには倒れた高宮だけど、片山に貢ぐようなことはやめてと言われたのにその意味を理解しきれなくて。
高宮の父親づてに高宮が疲労で倒れたことを聞いた片山は、40周年記念のお祝いのお礼とお見舞いを兼ねて高宮のためにシャツを作ってお見舞いに行く。
無理をしたのが分かる片山の姿を見て言った言葉がブーメランとなって、やっと片山の気持ちが分かる。
お坊ちゃんだから仕方がないと言われればなんとも言えないんだけど、世間知らずで思慮に欠ける高宮にモヤモヤモヤモヤ。
確かに片山も口数が少なくて分かりにくいけど、プレゼント攻撃はあまりよろしくないことくらい普通に考えたら分かると思うけどな。
好きを伝えたいから何かしてくれようとするなら、物より行動の方が喜ぶし迷惑にもなりにくいのに。

祖父の元で2ヶ月間経営の修行をしてくるように言われた高宮。
片山に、連絡が取りたいから携帯番号を教えて欲しいと言うが、持っていないと言われる。
えっそんな人いる?
何か拘りがあるんだろうか...。
そんな訳で、手紙を書くことに。
それを読んだ片山が訪ねてきてくれるんだけど、おじいちゃんキャラ変わった?
なるほど身内に厳しいタイプ...。
片山の話を聞かずにあれよあれよと泊めさせる祖父と高宮に、似てるな...と思った。
いや、携帯持ってるじゃん!!!!
なんかなぁ、ノリとキャラにハマりきれない。
これでもまだ付き合ってないんだろうか。(モヤモヤ)

あと、テーラーのお話なので素敵なスーツが沢山見れて萌えれるのかと勝手に期待したんですが、あまりそういうシーンはなかったです。
高宮がカッコよくスーツを着こなせない子なので、上手く活用しきれていないというか。
あまりお仕事BLは期待しない方がいいし、スーツ萌えを期待して読まない方がいいかも。

描き下ろし『ある日のふたり』
眼鏡片山が見れたのでよし。

Kindle→修正なし(濡場はあるけど修正不要な描き方)

イケメンナルシストくんと地縛霊くんの攻防ラブコメ

引っ越した部屋に地縛霊がいて、お願いを聞いてくれたら成仏出来ると言うので願いを叶えることに同意したのだけど、その未練というのが男の人に抱いてもらうことで───。
男に抱かれないと成仏できない地縛霊と早く一人暮らしを満喫したい男の攻防戦。
昴じゃないけど私も後輩くんの好きな人って月尚なの?と一瞬思ってしまったよ、ごめん後輩くん!
ポルターガイストに憑依、幽霊のおいしいところ(?)はしっかり盛り込まれています。
でもそのポルターガイストに阻まれてなかなか進展できないのでやきもきなのですが。
わちゃちゃ賑やかハイテンションラブコメです。
このテンション感が私にはちょっと元気がよすぎて、厘先生の他作品ほどハマれなかったんですが、お好きな人には寧ろこの感じが好ましいのだと思います。
あとは、申し訳ないけどツッコミどころが何点か。
まずベランダから落ちるところ。
足をひっかけたまではいいんだけど、それで柵を乗り越えて落ちますかね…ちょっと首を傾げてしまって。
あと、元の体に戻ったあと。
5年寝たきりだったんですよね?………………え?無理では????
たった4日で普通に歩いて尋ねてくるの到底無理では???
現実的なことを言うと普通は何ヶ月もリハビリしてようやくのことだと思うので、んな馬鹿な…!!!と突っ込んでしまいました。
早く会わせてあげたかった気持ちは伝わってきたんですが、ちょっと駆け足すぎたんじゃないかな。
少し前の作品ですがやっぱり絵がお上手だったのと、こういうタッチの作品も描かれるんだなぁと知れたことが今回の収穫でした。
あと月尚のお顔が好みです!

Kindle→白抜きだけどなぜか1箇所だけトーンだっ

おかまワルツ 電子 コミック

山田すぽこん 

だからワルツなのか…!

おかまちゃんの喫茶店マスターは、昔からの常連さんの爽やかな大学生優介が好き。
ある日優介が女の人と会っているところに遭遇してしまい、失恋したと思って泣くのだけど……。
わざわざお祝いを選んで持ってきてくれるってかなり思い入れがないとできないことだと思うので、この時点でなんとなく両想いなんじゃないかなそうであればいいなと。
そして同じくお祝いをくれた常連のサラリーマン桜井さんはマスターのことが好きで。
桜井さんと優介がマスターに気に入られようと競い合い密かに火花が散っている...しかし、桜井さんがいい人なんですよ。
好きな人の幸せのために優介をけしかけて自分は身を引く。
みんな恋してるなぁっていうお話でした。
3人の恋のお話だからワルツなんですね。
これで終わりなのかな?合本版を読んだんですが、続きが読みたいな。

勿体ないなと思うのがタイトルです。
ワルツは素敵だと思うんですが、おかまが……。
あまりいい言い方ではないワードだと思うので、せっかく絵も綺麗でほんわかと可愛らしいお話だったのに他に案はなかったのかなと思ってしまいました。(作中もおかまという呼称をマスターが自分で使っていますが、それは別に気にならない。)

永遠に焦がれ狂え麗しの主従

ブラッドは性悪ビッチ御曹司です。
莫大な資産を持った祖父に可愛がられています。
ブラッドの審美眼に適ったボロだった野獣(地下格闘技場の闘士)を買い取って教育し、従者にすることに。
退屈しのぎの賭け事...ただの遊びのつもりだったけど─── 。

最初は美人×野獣、のちは美人×紳士。
ヴィクターは、ブラッドにだけ性的興奮を覚え野獣となりますが、他の人間にはセッ〇スの何が楽しいの?何が気持ちいいの?という感じでまるで機械のような無関心さなので、そのギャップがいいです。
ブラッドへの絶対的崇拝と絶対的存在感を感じられます。
性的なご奉仕は最初の方からあります。
鹿島先生の緻密で麗しい絵柄の力も相まって画面が非常に耽美です。
ブラッドは祖父が亡くなったあとは多額の遺産を残され、配分に異議のある一族たちに次から次に命を狙われます。
ヴィクターがボディガードも兼ねていて、ブラッドを守った末に記憶喪失になってしまったりもするのだけど、誰かを守れるだけの力と、その辺の人間では死んでしまうようなことでも乗り越えられる強靭な肉体と運を備えていて、元闘士の設定が生きていました。
記憶を失っても、体と心に染み付いたものが自分はブラッドのために造られたものだと認識し、とあることがトリガーとなり記憶を思い出すのだけど、覚えていなくともブラッドへの従属に突き動かされるヴィクターは真の従者だなぁと思いました。
ブラッドは所有者として所有物としてヴィクターを思っていたのだけど、その思いはいつしか形を変え、本人の無自覚な所で執着愛となるのもよかったし、最後には愛を自覚していてめでたしめでたしでした。
(これからも命を狙われるだろうからめでたしではないんだけど、ブラッドがいれば何とかなるだろう。)

《オススメの方》
・耽美、麗しい絵がお好きな方
・主従萌えさん
・ツンでエッチな受けがお好きな方
・受けが優位な物が読みたい方
・受けが華奢じゃないのが読みたい方
・肉体美がお好きな方
・褐色肌萌えさん

Kindle→白抜き

ダークな作品と聞いて飛びついたものの…

短編集です。
病んでるのとかサイコとかメリバがお好きな方向けの仕上がり。
私は病んでるお話もメリバも属性なんですが、それでも1作も共感できる作品がなかった……。
そういうのが好きな人でも人を選ぶ作品たちな気がします。

『残骸はあさってのほう』
沼田が自作のみぃたんグッズを鞄に付けたり面と向かっては藤原さんとしか呼べないのに勝手にみぃたんと呼んで友人にもみぃたん呼びして誰それってなってる感じがサイコっぽくて怖い。
その怖さを裏付けるようにみぃたんの持ち物を盗むしストーカーする。
これどうBLに展開するんだろうと考えたらみぃたんの彼氏(?)のぎゅうちゃんしかいないよな……と思った通りなんだけど、こいつもこいつでなんでタンポンなんて持ち歩いてるの?キモイ。
あとこの歯はどうなっているんだ???
ともあれ、みぃちゃんが好きすぎてぎゅうちゃんと竿兄妹になったことすら嬉しいイカれた沼田くんなのでした。
これはBLなんだろうか...究極のみぃたん愛(?)を見せつけられただけなのでは?
大体ぎゅうちゃんはなんで沼田を犯したんだ???普通そうはならないよね...実は男に興味があるのか???謎……。
でも頬染めてるし...今後もこういう関係が続きそうだし、このまま本当に寝とっちゃうのかもしれない。
イカれたお話は好きな方なんだけど、ついていけなかった。

『東校 Go to hell!』
これまたツッコミどころの多い...!
勢いは強いのでその勢いで読んだ。

『カトルフィッシュ』
カトルフィッシュって何ぞ…と思いググッたら「コウイカ」または「モンゴイカ」のことらしいです。
いじめられっ子でイカ好きな智、なんでイカが好きかというとその生態が自分の境遇に勇気をくれるから。
いじめでゲイAVを万引きして、それが店員に見つかり見逃す代わりに自慰させられる。
智はいつも同じ男優のAVを借りていて、その人は実は近所に住んでいて...その人のことが好きで。
でもレンタルショップの店員に色んな意味で目をつけられてしまっていて、弱みに付け込まれて犯され、その店員は実は───。
うーん、これ智が折れるまでの過程を店員に遊ばれるお話?
イカ=智なのは分かるしこの相関図はわりと好きだけど、いまいち言いたいことが分からない。

『へんてこな校歌』
失恋して長い髪を剃っている(切ってるというより剃ってない?)へんてこな人から始まり、そのへんてこな人に声をかけるあたりヤバそうな人と思った通り、髪フェチ?毛フェチ?の変態。
デブの次は変態に好かれ、3年もなし崩し...の、へんてこな人とへんてこな関係……。
何やこの変な人たちついてけへんわ。(突然の関西弁に対する突然の関西弁返し)

『私鉄 “GOTTA GO TURN”』
教職員が生徒に手を出すのも無理だけど、校内でヤるのが私は無理で。
何が痴漢プレイよってドン引き。
「???さん」って友達ってことでいいの?え???
車内でヤるのもアウトだけど、あの露出は何?白昼夢か何かですか?何これ通報されるでしょ……。
は???の連続。
しかし気持ち悪いなこの教師。

『土曜、木曜、カトリーヌ』
オカマちゃんと優しいけど温かみがない精神科医の恋のお話。
アクが強い……。
え?あなたアナ○ーしてたんじゃないの?抱かれる側なんじゃないの?tn切り落としてもいいって言ってる癖に抱く側なんかい。

『チキンレース』
残骸はあさってのほうの続き。
え?これはぎゅうちゃんは男と付き合ったことがあって、女と付き合ってみたのがみぃたんだったということですか?
それともそういう意味じゃなくて、女と付き合うより普通に男とつるんでる方がめんどくせぇって意味ですか???
描き方が分かりにくかった。
「キモいんだよっ!」にあなたもねと思ってしまったんだけど、ちゃんと自覚してたみたいでよかった(?)...。
なんなんだろうこの2人。
あとがきのイラストを見るに、こんなだけどみぃたんを挟んで両想いな2人なんですかね……。

絵が好みじゃなくても面白かったら気にしないタイプなんですが、合うものが1つもなかった.......。
辛口でごめんなさい。