1740さんのマイページ

レビューした作品

エキスパートレビューアー2024

女性1740さん

レビュー数37

ポイント数398

今年度31位

通算--位

  • 絞り込み
条件

指定なし

  • レビューした作品
  • 神作品
  • 萌×2作品
  • 萌作品
  • 中立作品
  • しゅみじゃない作品
  • 出版社別
  • レーベル別
  • 作品詳細
  • レビューした著者別
  • レビューした作画別
  • レビューしたイラスト別
  • レビューした原作別
  • レビューした声優別
媒体

指定なし

  • 指定なし
  • コミック
  • 小説
  • CD
  • 映像
  • ゲーム
  • 特典
発売年月
月 ~
レビュー月
表示モード

ネタバレなしで泣きましょう!

たまたまツイッターで流れてきた試し読みを見かけて「ぜったい好きなやつ!」と思って1話を購入しました。
1話を読んで「すごくすごくすごく好きなやつだった!!」と大興奮してすべて単話を購入!
運命のαを探すΩ×片想いし続けているβの物語なのですが、ほぼ泣きながら読み進めなくちゃいけません。
嘘でしょ?そんなのってある?え?マジで?やだ!!そうだったの?そうだよね!ああ、そうくるか!ああああああああ!!!……と、4話ずっとジェットコースター並みの物語です。

これはネタバレなしで読むべきです。
切なくて苦しくて、でもすごく楽しく読めためちゃくちゃドストライクの物語でした。電子単行には後日談などの描き下ろしもあるとのこと。楽しみに待っています。

不器用なふたりの共依存

生まれた時から人より運がいい人気上昇中の若手俳優の尭良と、生傷の絶えない不幸体質の司。ふたりが大学で出会うことから物語ははじまります。

自分と一緒にいれば怪我もしなくなる、自分は今までにない刺激が手に入るという互いの体質による利害関係によってふたりは友だちになります。でもずっと一緒にいるわけにはいかないので、もっと近くなるためにセックスをする仲になっていきます。
「俺のものになれ」と言う尭良に勘違いしたくないと思うものの、司はドキドキします。尭良はバイト先で周りの大人にかわいがられている司を見て、自分から離れてしまうのではないかと不安になります。
もうそれって互いに恋をしているんだろうと読んでいて思いますが、ふたりともまともに恋愛をしてこなかった感じがするし男同士だから恋愛感情を認めたり口にしたりするのができなそうです。不器用なふたりだなと思いました。

タイトルの「かわいいはいとしい」は「かわいい、かわいそう、いとおしい、いとしい」でもあるんじゃないかと思います。
不幸体質の司は子どもの頃から親から見捨てられたり、母親の彼氏に慰み者にされたり、自分の近くにいる人がきずついたり、幸せは一瞬にしてなくなると幼い頃から知っています。でもきっと誰かに愛されたいし愛したいってずっと思っていたはず。
人生イージーモードと思われながらも生き辛い尭良も、誰かに本当の自分を見つけて欲しい自分だけを求める相手がほしいと思っていたはずです。

ふたりの体質だけでなく、求め求められたい共依存の関係は上手くいっていたかのようですが、尭良が司を庇い怪我をしたことによって司は尭良から離れようとします。でも尭良はぜったいに離すつもりはありません。

実は尭良と司は高校時代に出会っていました。司の人生の悪いループを止めたのは尭良でした。
最後のセックスシーンはすごいです。長い。そしてふたりのいろいろな感情が描かれています。裸のふたりがすべてをさらけ出して身体で、言葉で語り合っています。
おもい央先生の絵柄は美しいので妖艶なふたりのキャラもとてもよかったです。
複雑なふたりの人生と体質は正反対のようだけど、根本的にふたりはそっくりだったようです。
最後にふたりの体質はちょっとずつ中和されていきます。自然に自分らしく生きていく、そんなふたりの未来が見える終わり方でした。

答えは?

くらのね吉先生は、飾らない人物像と穏やかに流れる日常にあるような派手じゃないけれど良質な物語を描かれている先生だと思っています。
「甘えさせ上手×口下手の人見知り、親友同士のセンシティブラブ」というキャッチコピーを見て、今作もきっと間違いないだろうと思い、すぐに購入しました。

物語は人と喋るのが苦手ななおと、なおの気持ちをいつも察してくれる親友の圭悟が引っ越し前にお店でご飯を食べるところからはじまります。
なおの過去やふたりの関係性がわかりやすく伝わります。「10年分の答え合わせ」とはなんだろうと思いながら読み進めていくと、どうやら圭悟がなおが圭悟を好きな気持ちに気づいているとわかります。なんとかなおに「好き」だと言ってもらおうとするのですが、いつも圭悟に甘えていたなおにはちょっと難しくて。いろいろといっぱいいっぱいになってしまったであろうなおが泣いてしまうのですが、それを見て焦る圭悟の様子とふたりの会話がすごくよかったです。ふたりの間に会った10年が語られているんだろうと感じられました。
もともと1話読み切りだったのが後で連載になったようで、この1話の中にとてもよくまとまっているなと思いました。

2話は1話から3か月後、ずいぶんとふたりが恋人らしくなっています。キスやエッチもあります。なおは社会人になり一人暮らしをして、慣れない接客業と苦手な同僚の加藤におどおどしながらも仕事をがんばっています。電車で2時間の長距離恋愛のふたりは、穏やかにいい関係になっているようでした。
そんな中、ちょっとした事件が起こります。なおが同僚の加藤と仲良くなったり、加藤に圭悟とのツーショットを見られたりします。なおに自分以外の友だちができたことは嬉しいものの、変わっていくなおに対して寂しい気持ちになる圭悟。そうですよね、やっぱりちょっと嫉妬しちゃいますよね。側にいられないのは。自分以外の誰かに懐いちゃうのは。そんな気持ちが態度に出てしまって、圭悟となおは喧嘩になってしまいます。
ここで問題なのはやっぱり長距離だということ。謝りたくても顔を見たくてもなかなかできないし、時間が経つほど謝りにくくなります。
しかも加藤もゲイだったんですよね。ここで当て馬になっちゃう?と心配もしましたが、なおの友だち以上にはなりません。
もちろん最後は仲直りしますが、今度は圭悟が泣きます。まだふたりは大学卒業したばかりだから、22歳とかなんですよね。若いからこその苦しさだったり葛藤だったり、そして嫉妬や悩みだったりして気持ちが溢れて泣いちゃうのっていいなと、感じました。等身大の人物像が無理なく描くのがくらのね吉先生らしいですよね。

結局「10年分の答え合わせ」の答えは明確には示されませんでした。(わたしが理解できなかっただけかもしれません)
10年分も中、高、大の付き合うまでの10年の答えが、付き合ってからの日々ってことなのかな?と勝手に解釈しましたが、どうなのでしょうか?
まあ、それはわからなくてもこの作品は楽しめますし、いい作品をまた読ませてもらえたなと感じられました。

とにかくかわいい!

家庭の事情で引っ越して行った幼なじみの和真と凪が高校で再会してからのふたりの物語です。
幼い頃は母親の趣味でかわいい「ナギちゃん」だった凪ですが、ヤンキーに、そんなナギちゃんを守ってくれていたかっこいい「カズくん」は、かわいくなっています。それでも子どもの頃のようにふたりの関係は変わらないまま、いちゃいちゃ。その様子がとてもかわいいです!
凪が和真の前でぶりっ子しても他の人にはキレ気味なギャップも、大人っぽくなった凪にドキドキしている和真のかわいさも、キレイな絵柄なのでより堪能できます。
子どもの頃の初々しさもそのまま仲良しのふたり、和真の友だちの宍倉に「ボーイズラブってやつなん…?」と言われてから自分の好きが恋なのでは?と気づきます。こうなるまでのラブコメ具合がわざとらしくなくて、かわいくて久しぶりにキュンキュンしました。高校生のピュアなラブストーリーの良さですよね!
ふたりは互いに相手にいいところを見せたい、カッコ悪いところはバレたくないとがんばってみたり、小さい頃の相手のかわいいところを思い出してほのぼのしたり、ずっとかわいいが続いていていきます。(このレビューもかわいいしか言ってませんよね笑)
子どもの頃のふたりと現在のふたりの物語が出てきて、ほんとにずーーーっとかわいいです!

途中で冴という凪にケンカを吹っ掛けていた他校のヤンキーが出てきます。その冴も実は子どもの頃に優しくしてくれた和真のことがずっと好きで、和真と凪にとっての当て馬のようなキャラになります。嘘や暴力で和真を手に入れようとしますが、結局、みんないい子でした。優しい和真のそばには優しい世界が似合うんですよね。よかったよかった!
とにかくかわいい!かわいい!かわいい!ではじまって終わりました。いやー、かわいかった!

まだまだ先が楽しみ!

2巻の終わりは椿がトラックに撥ねられたシーンで終わります。その衝撃のシーンから待ち遠しかった3巻。
病院の前で椿の父親の心無い言葉。「誰にも理解されない」
ずっとひとりでいた椿だから、きっと家族とも上手くいっていないんだろうとは思っていたけれど、高校生相手に父親の言葉はきつかったです。でもそんな椿の父親に大声で言い返す兜。もちろん椿以外には聞こえませんが、椿にだけ届けばいいんですよね。たったひとりでいいので自分を信じて好きだと言ってくれる人がいれば。
椿と兜の心の距離が近づいていってよかったと思っていけれど、どうやらイビツが何かに気づいたのか企んでいるのか?そんな怪しげな様子を見せてきます。

この交通事故によって椿はクラスにも少しずつ受け入れられ、今までに見せてきてないような微笑みや笑顔さえ見せてくれるようになります。
また椿は、兜に触れるにはどうしたらいいのかと悩み、兜は自分が消えるまで自分の気持ちを伝え続けると願います。

椿がだんだんと人間らしくなっていく中、また事件が起こります。椿にリンクした兜によって起こっていたことなどがイビツによって知らされます。そして姿を消した兜。最後に黒板に書かれたメッセージによって、まだまだつづきが楽しみな「モンスターアンドゴースト」3巻でした。
早くつづきが読みたい!

ビャクがかわいい

この作品は「サハラの黒鷲」シリーズの最新刊になります。
「サハラの黒鷲」は2巻+小冊子などのまとめ本1冊で3巻あり、黒鷲とアルキルの物語です。
「サハラの隻眼狼」は1巻のみで、イングルとビャクの物語ですになります。
今作の「サハラの幸福者」は2巻目で、1巻ではアルキルと黒鷲の話が中心でしたが、2巻はイングルとビャクの話が中心になります。

このシリーズは、幼い頃から本当の名前を隠してきた黒鷲が雪の国からやってきたアルキルと恋に落ち、集落の長として暮らしていく中で起こる集落の外の人たちとの関りや問題などが描かれています。
いろいろな事件や苦労があったけれど、みんなが少しずつ関係を進めていく中、幼い頃の黒鷲の父親を殺した呪い師が外国へ逃亡しようとしているのが発覚します。その呪い師は今までのシリーズに何度も登場し、黒鷲や仲間を危機に陥れてきました。黒鷲たち以外もその呪い師を巡り、様々な思惑が交差していきます。
ここまでが1巻までのお話です。

そして2巻では、イングルとビャクが中心となって墓荒らしと占い師のことを探る監獄のマダムたちよりも先に占い師を探すように動き出します。黒鷲の母親を溺愛していたマダムや過去に因縁があった王子なども絡み、物語は複雑なものになっていきます。
メインストーリーの中に、黒鷲と幼馴染のイングルとトールの話や黒鷲がアルキルの溺愛に慣れていた様子がわかるかわいい話などのみんなの日常の話なども描かれています。そしてその中で一番テンションが上がったのが、イングルがようやっとビャクを好きだと気づくところでした!
相棒として、ビャクに恋するゼバドゥを諦めさせるため、ふたりは身体を繋げていてもずっとビャクの片思い状態でした。イングルは「恋はわからないけど、恋するならビャクがいい」と言っているので、ほぼ両想いなんですが、やっと「好きだ」って言ってくれるんですよ!
ツンデレなビャクがだんだん素直になっていく様子やザザのかわいい姿、そして優しい表情は甘い行動をビャクにするイングルが最高によかったです!!
このシリーズの中でビャクがキャラの中で一番好きなので、2巻は待望のイングルとビャクがやっと両想いになるのでとてもうれしかったです。
それだけで2巻を読めてよかった!!甘いイングルと嬉しくて泣いちゃうビャクはめちゃくちゃかわいかった!!

まだ物語は続きます。どこまで続くのかわかりませんが、メインストーリーの謎解きだけでなく、個人的にはずっとそれぞれのキャラの物語を読んでいきたいと思います。

めちゃくちゃおすすめです!

神波先生の作品の特徴と言えば、美しい瞳の不憫な受けに執着・溺愛するスパダリ攻め、切なくて胸が苦しくなる繊細な物語の中に時々見られるコミカルでかわいい若い青年たちの楽し気な表情が魅力的です。この作品も過去に辛いことがあって、攻めの「特級α」礼の側から離れていくΩの司との10年越しの再会ラブストーリーになっています。

特級αとしていつも注目され続きてきた礼にとって、普通の高校生でいられるのは司の側でした。ずっとひとりでいた司にとっても礼と過ごす美術室での時間は特別なものになっていきます。αとΩだからこそ安易に近づけない様子も見られるし、初恋だからなかなか先に進められないときめきもすごくうまく表現されていると思います。あと少し時間があれば、ふたりは付き合うことになったかもしれないのに…!

ふたりが過ごして高校時代ってたぶん1学期ぐらい?そのたった数か月を10年経っても忘れられないふたりは、運命だったんだと思います。(この物語では「運命の番」は出てこないけれど)だからこそ再会して司は元の自分に戻れたんですよね。
礼の目線や記憶の中でよく司のうなじが出てきます。そして10年後の司はそのうなじを隠す襟足の長い髪型になっています。また礼が司と会う時以外は、めがね(たぶん伊達めがね)をかけてい他人を拒絶しているようなのも、またいいですよね。

そしてこの物語のいいところは、女性が素敵だということ。バース研究所の住友さんや礼と司の同級生だった高橋さん。ふたりはきちんとした考えを持って、「友人」として礼と司の近くで見守りながら、時にはアドバイスをして味方でいてくれます。高橋さんから語られる高校時代の礼と司がすごくいいです。特に最後の高橋さんのヒーローっぷり!礼より先にありがとう!と誰もが思うはずです。高橋さんの啖呵、世界中に伝えたい!!「あんたみたいなやつ、一生教育現場に戻って来るな!」
BLで女性が悪く描かれないで素敵に描かれていると読んでいてもっと嬉しくなります。

あまりネタバレなしでこの物語を読んで浸ってほしいです。すごくすごく素敵なラブストーリーなのでぜひ読んでもらいたいと思います。めちゃくちゃおすすめです。

楽しくてかわいい作品

羽毛先生は前作の「察しが良すぎる小野センパイ」がとてもかわいくて楽しかったので今作も発売後にすぐに購入しました。期待通りに今作もかわいくて読んでて楽しくなる作品になっています。

メンズ地下アイドルにハマっていた会社員の辰巳が、突然アイドル活動を辞めた推しのこたろーを忘れられずに数年過ごしていたら、ある日スーパーでこたろーとこたろーにそっくりな息子慎太郎に出会うところから物語ははじまります。

特に辰巳はゲイやバイであるとかは描かれていないし、女性と付き合った過去もありますが、こたろーへの態度を見る限りかっこいい男の人が好きなんだろうなと感じました。その代わりに男同士の恋愛だからという重さや暗さは物語に入っていません。
とにかく辰巳がめちゃくちゃ乙女なんですよね!羽毛先生が得意とするメロメロになっちゃう赤面の受けちゃんでとってもかわいいです。
推しを愛する辰巳の様子は、グッズを捨てられないことやそのグッズの収納など、同じオタクならではの笑っちゃう小ネタも楽しく、「そうだよね!」とうなずくことが多かったです。

こたろーと慎太郎もご飯を食べる時のリスみたいに膨らんだ頬や笑った顔や困った顔などもそっくりでかわいいです。それにシングルファーザーと幼い息子というちょっとかわいそ気で庇護欲をかき立ててきて、辰巳をまた沼へ落とします。ほんとに笑っちゃうくらいチョロい辰巳がかわいいんです。「何で忘れさせてくれないんだよ」って辰巳の心の叫びは少しかわいそうですが、そこで終わらないんです。そこからがはじまりです。

数日後に会社へ行くと、こたろーが辰巳の会社に入社していて、前より近くでキラキラしているこたろーに毎日会うことになっちゃいました。もう沼にハマるしかない。ここでタイトル「もう一度推したら破滅するっ!」がひびきますね。後戻りできない沼ですよ。
そしてこたろーも辰巳が今でも自分を推してくれていることに嬉しく思っていました。実は辰巳がこたろーにとっても特別なファンだったことが描かれます。
それからふたりはあっという間に両想いへ!こたろーと辰巳が再会してからどれほどの時間が経ったのかちょっとわからないのですが、2話ほどの間でしょうか?あっという間にこたろーが辰巳を恋愛的に好きになってしまう感じはしてしまいます。
ただ、すごく上手く物語が詰め込まれているので、それほど無理やりに気持ちを持っていった感じはしませんでした。そこはやっぱりプロの技なのか、上手だなと思いました。
息子との3人の絆もシングルファーザーとの恋愛には大事なハピエン要素ですよね。コミックス1巻に収めるには仕方がないのかもしれませんが、そこはもうちょっと詳しく読みたかったなとは思いました。

それでもやっぱり最初から最後までずっとかわいい!!とにやにやしながら読める楽しいラブコメになっています。また、無駄な物語やキャラもいないのも読みやすさの要因のひとつであり、安心して楽しめる作品になっています。

2話の後から「こたぬいの大冒険」というイラスト?ミニマンガが描かれています。辰巳が作ったこたろーのぬいなんですが、それがまたかわいいのでコミックスならではの楽しみになっています。
とにかく楽しくてかわいい作品(これしか言ってない気がしますが)になってますので、ぜひお楽しみください!

なんども読みたい

椎名の卒業後にどうするのか、モラトリアム期間が終わろうとしています。

椎名の人となりを知って憎しみも薄れていき、燕は椎名との身体の関係も心地よくなっていきます。でも椎名は燕に謝り、自分が海外へ留学すれば燕を自由にできると思い込み、燕から離れようとします。そんなことを望んでいない燕は椎名の手を掴んで、学園の外へ連れ出します。

お金もない高校生が「楽園」の外へ行っても暮らして行けるわけもありません。それでもふたりはできる限りの時間で外の世界を楽しみます。そして椎名は自分の過去について詳しく語り、燕は椎名のことと自分の親との関係を知ります。
椎名よりも肉親からの愛をたくさん貰っていた燕は、親の気持ちがよくわかったのかもしれませんね。高校2年生なのに大人のように椎名を抱きしめて、すべてを受け入れます。

結局、ふたりはすぐに補導されてその後、会うことも話すこともないまま10年の月日が経ちました。

大人になってふたりは再会します。ふたりの職業はなるほどね、と思うものになっていました。自分だけが過去を引きずってずっと好きなのではないかと互いに考えていましたが、音信不通になっていてもふたりは相手を求めて、ずっと愛し合っていたのだと感じられました。
タイトルの「渡り鳥」がここで回収されます。「ネバーランド」を出た「渡り鳥」の椎名が「家族」である燕の元に「帰巣」します。

親や社会的クラスに振り回された幼い子どもたちにとって、一番欲していたのはやっぱり側にずっといてくれる人からの愛情だったんだと、この作品を読んで痛感します。
青梅あお先生の絵柄と描かれる空気によってストーリーがふんわりと流れているように感じられます。無駄な熱さがない分さらりと読めてしまうのですが、逆になんども読み直したくなる作品になっています。再読しながら、ここはそういうことかな?と毎回楽しめます。
全寮制の中で男子高校生の大人とも子どもとも言えない時期のふたりのアンニョイさがよく描かれていると感じました。

めっちゃスイート!!

めちゃくちゃかわいい!!
初kanipan先生ですが、こんなにかわいい作品を描かれているとは思っていませんでした。めちゃくちゃかわいいのでぜひぜひ読んで欲しいです!
入学説明会で出会った光希に一目惚れした恭也が、禁止されているバイトをしている光希を見かけるシーンからふたりの物語がはじまります。
金髪に近い髪色にたくさんのピアスがついた耳、目つきの悪そうな眠そうな目によってあまり友だちがいない光希と、学級委員になってみんなに好かれている優等生の恭也は、だんだんと仲良くなっていきます。

光希がとにかくかわいいんですよ!光希は人見知りなだけで、友だちになれば距離感ゼロになってくっついてきたり抱き付いてきたりしてくるし、笑顔も行動もかわいいし。友だちになった恭也がそのたびにドキドキするのもうなずけます。
恭也がかわいくて思わずキスしそうになっちゃうのも、「もしかして俺に気があるかも?」って誤解しちゃうのも仕方がない!それほど光希はかわいいです。

物語の流れも自然だし、ふたりの間の楽しさや微笑ましさはとてもかわいいし、高校生の純愛青春ラブストーリーを読みたい方にはおすすめです!ふたりがとても楽しく学校生活を送っているのを読みながら、読者もきっとニコニコ笑顔になること間違いなし!
ずっと光希がかわいいしか言っていませんが、ほんとにかわいいので読んで光希のかわいさを確かめてください。ほんとにタイトル通りめっちゃスイートです!!

ふたりはキスのみの関係ですが、それが恭也と光希らしくてよかったので、大満足の1冊になっています。もしかしたら続編を描いていただけるのなら…光希がどれほどかわいくなってくれるのか見たい気持ちもあるので、ちょっとエッチも期待しちゃいますね。

恭也を好きな女の子が出てきますが、きっちりと恭也は牽制するので当て馬ほどの役割にもなっていないので安心してください。