sereさんのマイページ

レビューした作品

女性sereさん

レビュー数0

ポイント数0

今年度--位

通算--位

  • 神0
  • 萌×20
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0
  • 絞り込み
条件

指定なし

  • レビューした作品
  • 神作品
  • 萌×2作品
  • 萌作品
  • 中立作品
  • しゅみじゃない作品
  • 出版社別
  • レーベル別
  • 作品詳細
  • レビューした著者別
  • レビューした作画別
  • レビューしたイラスト別
  • レビューした原作別
  • レビューした声優別
媒体

指定なし

  • 指定なし
  • コミック
  • 小説
  • CD
  • DVD
  • ゲーム
  • 特典
発売年月
月 ~
レビュー月
表示モード

ベタですが、安心して読める作品だと思います。

BLにおいて、傲慢俺様タイプの攻めは多々みかけます。もはやテンプレといってもよいでしょう。今回はタイトルに入っているくらいですしよっぽど・・・と思いちょっとわくわくしながら読み始めたのですが!いや、まあ確かに傲慢ではあるし不埒ではありましたが・・・傲慢というよりどちらかと言えば子供っぽい、不埒・・・は思ったほどでは。
メインの二人は歴史はあまり長くない強国の殿下(攻)とその隣国の真面目な学者様(受)。視察に来た殿下の案内役になった学者様との間に恋が芽生え(といっても、例のごとく我儘子供っぽい態度の殿下に学者様がキレ、周りにいるただ媚びへつらって傅いてる者たちとは違う!と殿下が惚れちゃうというもはやテンプレ)その日のうちに手籠めにして半ば拉致同前に国に連れて行ってしまうという。いやもう、正直これだけだったら王道ベタ過ぎて本放り投げちゃうくらいなファンタジーBLあるあるでした。
でも、そうならなかったのは今回受けの学者様が持っていた特殊能力。相手の心の声が読めちゃうという、この能力のお蔭で新鮮味がありました。ところが、この特殊能力は陰謀渦巻く王宮で大いに波乱に展開になるかと思いきや、実際多少そういった風味はあったもののぶっちゃけ二人の恋のスパイス(能力のことを殿下に知らせるきっかけ)くらいにしかならなかった。能力の告白に関しても、葛藤も何もなく殿下受け入れちゃったよ!自分だったら、口説いてる相手に心の声が筒抜けとかもう恥ずかしすぎて死ぬ!いや、でもまあそこは自信家の殿下なので自分の心の声が聞こえようと平気なのでしょう。そしてそのまま波乱の展開も特になく二人は心身ともに結ばれハッピーエンド・・・えーなんか物足りなーい・・・というのが正直な感想です。
まあでも、こういったお話で見かけるあまりにも非道な行いをする攻めに怒りを覚える事もなく、よくわからない当て馬にやきもきすることもなく、こう安心して読めるお話も偶には良いのではないかなあと思いました。
あ、最後に。触れた相手の心の声が聞こえちゃうこともあって、濡れ場のシーンは読んでるこっちまで恥ずかしくなってしまうほどでした。

BLと割り切った方がいいと思いつつも・・。

まず、時代背景、当時の描写が色々とツッコミどころ満載で・・・。
例えば受け様と攻め様の出会いのきっかけ、幼い頃に描かれた風景に登場する「防空壕」
本土空襲が本格的に始まったのが終戦の1年ほど前、サイパン島を米軍に奪われてからです。
10年以上前、アメリカとの戦争さえ始まっていない状況で防空壕・・・??
と、この時点でううう・・・と思ってしまったのが正直な感想。
細かいところかもしれませんが、こういった時代を書くのだから出来れば詳細に調べて欲しい。

次に、他の方も触れていますが特攻を各家から出せって(苦笑)
色々言われてはおりますが、あくまで特攻は志願制だったということになっています。
(勿論、志願と言いつつ志願せざる得ない状況だったと言われることは多いですが)
とりあえず、赤紙じゃないんだから召集令状ならぬ特攻礼状なんてものはありません。
この設定があまりにも強引で、こうなんとかならなかったかなあと。
文章がとてもきれいで(情景の描写が特に、素敵だと思いました)読みやすいのにとっても残念な気持ちになりました。

もっと言わせてもらえば、自分の息子を殺したくないがために他の人間を身代りにする・・・この人が海軍のお偉いさん??
旅順で二人も息子を失くして、それでも気丈に振る舞った乃木大将もそうですが、基本的に自分の身内だからこそエコ贔屓することなく前線に送るのが立派な軍人さんだと思うんですけどねえ。
いや、そりゃあ昭和の軍人は悪く言われることも多いですけど、これはいくらなんでも・・・。

ちなみに受け様の希君のお家柄も決して悪くないっていうか、当時帝国大学の研究者なんてもう本当のエリートですよ。
陸軍士官学校や海軍兵学校はお金がなくても入れましたが、帝大はそうじゃなかった。
ある程度の学がなければ希君の手にある星の説明も出来ないので、そういった設定になってるのもわかりますが、
もうなんか色々と無理がありすぎる気がしました・・・。
キャラクターもね、なんか当時の青年の潔さとか清廉さが残念ながら伝わらない。
そりゃ「学鷲は一応インテリです」みたいに希君が言っても違和感ありますが。
今時の大学生みたいなメンタルで、こんなゆとり世代の日本軍人嫌だなあと思っちゃいました。

色々とダメだしばかりしてしまいましたが。
でも、敢えて「シュミじゃない」にしなかったのは文章自体はとてもきれいだったのと、キャラクターも嫌いじゃなかったからです。
(いや、繰り返すようですがどっちもその当時の日本男児には見えなかったですが)
あと、やっぱり現代日本ってこの時代の事をBLで書くのってある意味「タブー」になってると思います。
BLではなく少女漫画なら、昔は里中満智子大先生等が書かれてましたがそれでも少数派ですし、BLの場合はそれこそ滅多にお目にかかることはない。
戦国時代をテーマにしたり、江戸期をテーマにすることは稀にあっても「あの時代」は書かれない。
だからこそ、敢えて先の戦争を背景に書かれた作者様に敬意を表したいと思いました。

最後に肩透かし感はあれど、終わりよければ全て良し?

これぞBL大河といってもいい大長編シリーズ。
10年ほど前の作品ですが、古臭さは全く感じません。
現代ものはやっぱり小道具等で時代を感じることもありますが(でもそうゆう懐かしさも好き)ファンタジーにはそれがありませんね。
9巻まである作品ですが、シリーズトータルとしてのレビュー・感想とさせて頂きます。

まず、設定だけで見るともう主人公のイリの流転する人生の壮絶さにびっくりです。
滅亡した王朝の末裔で、奴隷として貴族に売られ、その後は王様に身請けされ・・・って。
実は読む前は、どれだけアレなシーンばかりでご無体な目に合わされるのがドキドキしてたのですが。
読んでみればそういったシーンは多々あれどそこまで凄惨ではありません。
なんといいますか、一部の方は除きますがイリのお相手は皆さんちゃんとイリを愛してるんですよね。
ちょっと歪んだ形でわかりづらくはありますが、イリの事をちゃんと想ってる。
イリも最終的にはヤンアーチェと生涯を共にすることになりますが、愛とは言えないまでもそれまでの相手にも情を持っている。
だから、複数と関係を持つ受けはあまり好きではないのですが特に不快にも思えませんでした。
あと、攻め(最終的な)が女性とも関係を持ちますがその女性は嫌な女性でもないのも良かった。
女性が魅力的なBLっていいですね。

国家間の事情もきちんと書かれているところもすごく面白かったです。
勿論あくまでBLなので、政治面はそこまで複雑ではありませんがそれでもBLでここまでしっかりした設定を書かれてるのはすごいなあと。
テンポも良いので、大変ボリュームのある作品ですがスラスラ読めました。

ただ、最終的にはハッピーエンドだし後味も決して悪くないのですが。
ラスボス(?)との最終対決があまりにも呆気なかったかなあと。
この風呂敷どうやって畳むの!?っといった感じだったのですがあっという間に畳まれてしまって。
いや、細かいところは突っ込んじゃいけないとは思うのですが。
そして最後のイリの奇跡は二形設定というところからもある程度は予測してましたし、
物語の結末としてのよかったとは思うのですが。
BLってやっぱり子供を産めない所に物悲しさとか葛藤があると思うので、幸せな結末ではありますが、少しだけ複雑でした。

青の王を好きになれるかどうかで評価が分かれる作品。

試し読みしたところ、世界観がすごく素敵で思わず3冊一気に買ってしまいました。
最終的には、ハッピーエンド・・・でいいんでしょう。
小説としてはすごく読み応えがあって面白いです。
設定もよく練りこまれてあるなあと(伏線も多いため)わかり辛い点も時折ありますが、
気になるほどではありません。
舞台が華やかな宮廷だけでは終わらない点もまたよかったと思います。
良い意味で、色々と裏切られる作品だと思いました。

ただ、ここからはちょっと自分的にはダメだった点を。

まず、このお話って青の王がダメな人、好きな人で大いに評価が分かれると思います。
見目麗しく、ドSで鬼畜な攻めが好きな人にはたまらないのかもしれませんが、私にはあまりにも愛が感じられなくてダメな方でした。
変な話、全く愛がない身体だけの関係のBLというのも世にはたくさんあると思いますし、むしろ私はそういった話はそういった話で面白いと思えるし受け入れられるのですが。
正直この話にはもうちょっと愛が欲しかった。
ルリの妊娠に関して「宮廷物、ファンタジー王宮ものなら仕方ない」という意見もあるとは思いますが、世襲制でもなく、世継ぎの必要のない王様になぜ子供が出来る必要があったのか。
セージを精神的に追い詰めるために必要だったのかもしれませんが、愛もないのに子供を身ごもることになったルリにも、兄との約束を何をも優先した青の王に対しても正直なんとも言えない、まあはっきり言ってしまえば後味が悪いなあと。
いや、別に大切なお兄さんとの約束を自分の大切な人(って書くのもすごく違和感)より優先するって悪いことじゃないと思うんですよ。
ただ、BLの攻めにはして欲しくなかった(笑)
攻めや受けがお互い以外に大切な人がたくさんいるっていうのは悪いことじゃないと思いますけど、そっちの→ばかりが目立ってしまって肝心の青の王からセージへの気持ちがいまいちわからない。
もっと言ってしまえば、セージも正直健気すぎてついていけなくなりました。
何より、なんでセージはこんな青の王のことが好きになったのかもよくわからない。
(立派な王様だと評価しようにも、諸外国の事情が文字の説明のみで具体的に書かれていないため、薄っぺらい)
まあ、BLなので恋愛関係にならなければ仕方ないのかもしれませんが、二人の関係性はしっかり書かれてる割に思いを育み伝い合うって過程が全くなかったような・・・。

まあでも、青の王は大切な大切なお兄さんとの約束も守ることができ、可愛らしい健気な
年下の恋人もでき、ついでに子供まで出来たと。
もう、青の王にとってはとってもハッピーエンドなお話だったんだろうなあと。
というわけで、青の王に萌えられる人にとってはより楽しめる作品だと思います。