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なんて愛らしく淫らな身体だ。声も潤んだ瞳も、愛らしくてたまらぬ
BLにおいて、傲慢俺様タイプの攻めは多々みかけます。もはやテンプレといってもよいでしょう。今回はタイトルに入っているくらいですしよっぽど・・・と思いちょっとわくわくしながら読み始めたのですが!いや、まあ確かに傲慢ではあるし不埒ではありましたが・・・傲慢というよりどちらかと言えば子供っぽい、不埒・・・は思ったほどでは。
メインの二人は歴史はあまり長くない強国の殿下(攻)とその隣国の真面目な学者様(受)。視察に来た殿下の案内役になった学者様との間に恋が芽生え(といっても、例のごとく我儘子供っぽい態度の殿下に学者様がキレ、周りにいるただ媚びへつらって傅いてる者たちとは違う!と殿下が惚れちゃうというもはやテンプレ)その日のうちに手籠めにして半ば拉致同前に国に連れて行ってしまうという。いやもう、正直これだけだったら王道ベタ過ぎて本放り投げちゃうくらいなファンタジーBLあるあるでした。
でも、そうならなかったのは今回受けの学者様が持っていた特殊能力。相手の心の声が読めちゃうという、この能力のお蔭で新鮮味がありました。ところが、この特殊能力は陰謀渦巻く王宮で大いに波乱に展開になるかと思いきや、実際多少そういった風味はあったもののぶっちゃけ二人の恋のスパイス(能力のことを殿下に知らせるきっかけ)くらいにしかならなかった。能力の告白に関しても、葛藤も何もなく殿下受け入れちゃったよ!自分だったら、口説いてる相手に心の声が筒抜けとかもう恥ずかしすぎて死ぬ!いや、でもまあそこは自信家の殿下なので自分の心の声が聞こえようと平気なのでしょう。そしてそのまま波乱の展開も特になく二人は心身ともに結ばれハッピーエンド・・・えーなんか物足りなーい・・・というのが正直な感想です。
まあでも、こういったお話で見かけるあまりにも非道な行いをする攻めに怒りを覚える事もなく、よくわからない当て馬にやきもきすることもなく、こう安心して読めるお話も偶には良いのではないかなあと思いました。
あ、最後に。触れた相手の心の声が聞こえちゃうこともあって、濡れ場のシーンは読んでるこっちまで恥ずかしくなってしまうほどでした。