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エキスパートレビューアー2023

女性ぱるりろんさん

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全5話じゃなく7話とかだったら

「恋をするつもりはなかった」の続編。
大学生だったロウが就職し、新社会人としてのスタートを切る。
教育係についた先輩は、ロウと同い年のニコ。ツンケンとげとげしているニコと仲良くなりたくて、ロウは必要以上に絡みウザがられる。
一方でよしのは、なかなかロウとの時間が取れなくて淋しい思いをしていた、というお話。

学生から社会人になると生活環境が大きく変わります。職場では一番下っ端で経験したことないことばかり。仕事も思うようにできないし、職場環境にも慣れないしで、自分のことばかりでいっぱいいっぱいになる時期です。
ロウの悪戦苦闘や、一癖も二癖もあるニコという先輩との関係性が丁寧に描かれていて、ちょうど春に読むのにぴったりな設定でした。
一般的に、仕事が忙しくなったことがきっかけで別れるカップルも多い中、ロウとよしのの二人の関係にも影が。
なかなか会えない、すれ違い。ロウからのラインで、一生懸命働いているのは知れるものの、よしのは頻繁に登場するニコが気になって仕方ない。性格もそうだし、年上だしで自分からは言い出せず、不安を募らせていきます。
一冊に5話しかない中で、ロウがニコに構う場面が分量的に多くて、淋しそうなよしのの表情が随所に差し挟まれるので、誰と誰の物語でしたっけ、と思うことも多かったです。それだけにラストシーンも唐突に感じたので、あと2話くらいあれば、印象もまた違ったかもと思いました。

可愛すぎました。

「ブラットテイマー/キング」の続編。
続編として完璧でした。拍手喝采です。
前作も可愛くて幸せで大好きでしたが、本作は甘々がアップしてて、二人とも可愛いし、もう言葉もないです。
ほっとくと「可愛い」しか出てこない、語彙が死んでます。
推しCPを愛でるフロラとおんなじ気持ちで二人の関係を眺め応援し、終始多幸感にあてられていました。
お互いがお互いを大切に思う気持ちがたまらないです。
尖って登場した孔雀さんも普通にいいひとだったし(他人との距離感がバグってるだけの人なつこい兄ちゃんだった)、しれっとみんなの中に混ざっているのも面白いし、フロラとの仲も微笑ましい。
カバー裏まで続く皆さんのわちゃわちゃも良かったです。
それにしても、もぎとって勝ち取った夏休みの過ごし方、富豪過ぎて素晴らしかったですね。あんな一週間を過ごしたら確かに満員電車との落差が激しくて病みそう。末永くお幸せに!

恋愛面が薄かったかも

人気ラノベ作家の灰汁島先生と2.5次元舞台や声優としても活躍する瓜生衣沙くんのシリーズ2冊目?ですかね?
(なんかもっと読んでいる気もします。同人誌か?)
「ぼくは恋をしらない」は灰汁島視点でしたが、こちらは衣沙視点。
俳優さんなだけに、出演する舞台(劇場や楽屋や稽古場)やテレビのお仕事など、華やかな要素がちらほらでてきます。
衣沙が、高校の時に付き合いのあった当時人気絶頂アイドル今は落ち目さらに犯罪方面に片足突っ込んでるという、ヤバめのお方に目を付けられ、ネットで絡まれリアルで絡まれ、事務所や現場をあげてのトラブル対応に終始するお話でした。
このトラブルメーカーである五十公野(いずみの)氏が、ヴィランを気取りつつもあまり賢くなく底が知れてるようであり、でも事務所に所属していないので歯止めをする手立てが無い(無くはないけど面倒くさい)ことから、読みながら、衣沙が個人で抱える範囲を超えているなと思ってしまい、もやもやしました。
所属事務所が衣沙の前に立ちはだかって、後はこっちに任せなさい、となった瞬間に、五十公野氏トラブルが本人の手から一旦離れたので、良かった良かったと安堵するのと同時に、お話運びとしては疑問も感じました。
五十公野がおバカで、性懲りも無くおかしな行動をしたから再び表面化しましたが、なんともすっきりしない顛末でした。

共演者のベテラン俳優の水地さんがとてもステキでした。
衣沙が仕事に懸命に向き合って高みを目指して日々邁進している姿が良く分かり、そりゃ近くにこんなお手本のような人がいたら刺激を受けるよね、と眩しかったのですが、その分、恋愛面が薄く感じてしまったのが全体のバランス的に残念でした。
出来上がっているカップルだから仕方ないのかもしれません。
この二人の場合、衣沙が灰汁島のファンなので、ファン心理と恋愛感情が別個のようでもあり混在しているようでもあって、私の中ではしっくりと来ていないということもあります。
先生も人気作家ですし、実際に会うより二人の交流がSNSメインになると、ストーリー展開させるのも難しそうだなと思いました。

後の人生が幸多からんことを

「吸血鬼と愉快な仲間たち」のスピンオフ。暁の子供時代の話。本編前日譚。
暁がどうしてあんなに頑ななのか、極端に自己完結型なのか、蝙蝠を好きなのか、高校時代にゲイビに出たのか、エンバーマーになったのか、すべての裏打ちが詰まっていました。いちいちなるほどと思わせられます。
高校時代の話も出てきますが、忽滑谷は登場しません。忽滑谷との関係性は別途語られるのでしょうか。忽滑谷は暁が蝙蝠を好きなことを知っていたのだから、やはり他の人達とは関わり方がだいぶ異なると想像します。
それはさておき、苦労ばかりの壮絶な半生で、これからの暁の人生がすべていいことで埋め尽くされるように祈ります。
こんなに小さいうちから、物わかりのよい子供でいなければならなかった。自身に向けられる好意に疑念をもち、あらゆる関係性を拒否せざるを得なかった。子供は無力だとつくづく思いました。
特に最初の家族については、本当に残酷でした。なまじ叔母さんが暁に優しく接していただけに、それが逆に作用した結果になってしまいました。叔母さんの言動にも端々に布石があります。甥なのだと訂正したり、年末に暁を家に置いて行ったり(暴力が続いていると絶対に気付いているはず)。
ただ、施設の方は、諫早視点の語りを知りたくもありました。リチャードからの送金を暁に内緒で施設運営に回していたのはおそらく事実であろうと思います。でもリチャード側に、嘘を言って暁を会わせなかったり(お葬式で渡米するのは別なのか)、プレゼントを渡さなかったり、(おそらく暁が最初に英語で書いた手紙も転送してないと思う) そうしたことも全部悪意ゆえなのか。理由がどうあれ悪行に変わりは無いですが、知りたくはありました。
再会した海斗が諫早をあしざまに言うのは、おそらく海斗も暁と同じような気持ちを味わっていたからなのだろうと想像します。
諫早の述懐で、父の後継ということがあったので、その辺りの鬱積なども知りたいと思いました。

こうして暁のこれまでの人生に触れると、否応なしにアルのことを想起します。
考えてみると、アルは暁の心を苛立たせるのと同時に、欠けているところ、敢えて欠けたままにしているところを埋めたり引っかけたりして、爪痕を残しているのだと気付きます。
なりが蝙蝠であること、愛してると何度も伝えること、「ママのだっこ」と言って抱きかかえたこと、ほかにもたくさん。
これまで様々な人の好意を叩き落としてきた暁が、自分にとってこんなに大きな存在になってしまったアルを、そのままにしておけるはずがなかったのでした。
手の込んだ、ものすごい嘘をついてまでアルを遠い地に置き去りにした理由も読み解けました。

そう、暁は、大人の嘘に振り回され、嘘を吐くことを嫌悪しているのに、自分も盛大に嘘を吐くのです。
諫早はじめ施設の人達にも、イングリットにも、リチャードや真人にも。
後天的なものだと理解しましたが、その辺りのことも今後の展開で変わっていくでしょうか。

喜ばしいよりも心配

美容師の久瀬はバイセクシャルで、女の子とは誘われるまま誰彼ともなくエッチするが、男は高校から付き合いのある鳴町だけ。鳴町とはセフレ関係のただの腐れ縁なのに、高校の時の「男は俺だけにしてほしい」という彼の希望を受け入れ、以降もなんとなくその約束を守り続けている、というお話。
真面目で有能できっちりとした会社員の鳴町と、チャラくて適当でふらふらしている久瀬。
真逆といってもいい取り合わせな二人で、特に前半の久瀬が、自分のモテにあぐらをかいているような様子だったので、どんな風にまとまるのかな、と気になって読み進めていきましたが、久瀬のことをずっと一途に思い続ける鳴町の、押し続けた上での忍耐勝ちでした。
鳴町的には長年の思いが叶ってやっとちゃんと恋人になれた(ていうかそれ以上)というところですが、久瀬がいい加減過ぎて、鳴町は本当にそれでいいの?などと喜ばしいよりも心配そして疑念が先に立ってしまいました。
こんなスパダリならもっと相応しい優良物件がそこらじゅうに転がっているはず。初恋にとらわれているのが勿体ないです。
作中に登場する「キャッシング枠は貯金じゃない」という言葉の意味がよく分からなかったのですが、久瀬が妹への結婚祝いを考える上で、カードのキャッシング枠を最初の資金源としてカウントしているのを見て、これのことか、と理解しました。

安西先生の御本を読むの4作目ですが、やはりこれも3分の2が本編で、3分の1が後日談でした。
あとがきを読むと、そういう構成が多いようですね。
この本の後日談「ホリデイ・シーズン」では、明かされていなかった鳴町の家族のことが出てきます。
物語だからある程度は仕方ないですが、仲のいい大家族で育った久瀬が立ち入っていく展開はちょっと、私には無理でした。

永遠に見ていられる可愛い二人

可愛い二人でした。
地方の小さい会社に勤務する園田は、本社から出向で来た年下の上司である藤木のサポートを任される。というところから始まるお話で、上司(といっても25歳)とそのサポートという立ち位置から親しくなって、恋愛に発展します。
このお話のキーは、主人公の園田が子供の時、親が転勤族で引っ越しばかりだったために友達ができてもすぐにお別れだったことや両親が離婚したことが、その後の性格形成に大きな影響を及ぼしていた、ということです。
どんなことも受け入れて、その場を和やかにする。「いつもにこにこ、ふんわりやさしく」という藤木の弁がよく表しています。「にこにこ攻撃で相手を無害化する」とも。(羨ましい)
一方で執着を持たない習い性から、告白されて付き合っても相手の方から離れて行くばかりだったり、家に遊びに来る三毛猫をかまって餌をあげたりしても、名前も付けないしそれ以上は近付かなかったり。
そこへ藤木が「それでもいいから」と粘り強くアタックしてデートして恋人関係になって、徐々に園田の気持ちが変化していくのがすごく丁寧に描かれていました。
一番顕著だったのが嵐の夜のエピソードで、ここの場面は本当に大好きで繰り返し読みました。
この時に園田は自分の気持ちの変化に気が付くのですが、それを受け入れたくなくて、いつか東京に帰ることが分かっている藤木と別れるのがつらくて、シャッターをおろすように態度が硬化します。この辺りは本当につらかったですが、前述のように園田の生い立ちや性格等理解できるので、反発は感じず見守るように読んでいきました。

「嫌いな男」「隣の男」に続いて、安西先生の本を読むのは3冊目になるのですが、いずれも本の3分の2が表題作(本編)で、残りの3分の1が主人公を本編と入れ替えての後日談、という構成になってます。たまたま? 毎回?
本書は「彼のいる場所」というお話がそれに当たりますが、あとがきの後ろに「新しい部屋」というSSが付いてました。
後日談の後日談ですが、このSSが良かったです。
この二人はとても可愛くて、永遠に見ていられるなと思いました。

のんびりほのぼのリラックス

「嫌いな男」のスピンオフ。ちらっと登場した、向居の仕事上のパートナーである伊崎が主人公。
位置づけ的には後日談なので、向居と南のCPもちょこっと出てきます。相変わらず仲良し。
伊崎も向居と同じでノンケがタイプであり、しかもちょっと無理目(背伸びしても届かないくらい)の高レベルの年上が好み。これだけでも難儀なのに、学生の頃からくっついたり離れたりを繰り返す好みドンピシャの男がいて、一途というか足下見られているというか、負のスパイラルの匂いがします。
本書は伊崎が全然好みじゃないはずの安原と恋に落ち、この腐れ縁的な各務と別れるお話です。
「嫌いな男」と大きく異なるのは、前者がお仕事BLの要素もあったのに、こちらはプライベートに全振りしている点です。
普段なら絶対に入らない居酒屋で知り合い、なんとなく気に入ってその店に通う。何度も会って飲み友達になり、おうちを行き来するようになる。そうして関係を深めていった安原は、起業家で24時間仕事に充てることも出来てしまう伊崎にとって、リラックスできるかけがえのない相手であると読んでいてわかります。
彼は伊崎の安全地帯にいつのまにかなっていて、別れても時が経てば各務になびいていたスパイラルをソフトに断ち切るなど、徐々に存在意義を増していく、その流れが自然でした。全体的にほのぼのしているのは安原のキャラクターかもしれないです。
各務との別れは結構唐突で、いったん執着を見せながらも急速に冷めていった(賢者タイム的な)ので、更なる一波乱を期待しましたがそれはちょっと肩透かしでもありました。
伊崎の過去と家族、安原の過去と家族が丁寧に描かれていることで立体的になるものの、リアルに寄りすぎて萌えからは離れて行った印象です。
本書の3分の2が伊崎視点の「隣の男」、3分の1が安原視点の「今夜の月は」。
イラストの安原さんはだいぶかっこよすぎかな。

もう目が離せない

シリーズ4冊目。
なんと振り幅の大きい1冊なんでしょう。
もうタイトルの「愉快な」がまったく似つかわしくない、急転直下のシリアス展開。
特に最後の方なんて、いつもの木原先生キター!(古い)によりスパイス効き過ぎてひりつきが治まりません。
甘くやさしく残酷な嘘。
キエフは一番割に合わない役目を引き受けたんですね。
続きが非常に待ち遠しいです。続き出てくれて良かったです。
(情報ではあと2冊は出そうですがその先は……?このお話完結してる?(不安))

暁はもとからコウモリが好きだって言っていて、アルのことを手が掛かるからほっとけなくて世話を焼いている、というところから始まり、ペット愛から派生した愛情はとどまることを知らず母性愛に匹敵するくらい膨れ上がっているな、という印象です。
もともと一人で、生きることと孤独がセットで、おそらく淋しいと認識したことがない人だったのではと思うのですが(過去編が今後出るらしく未読なので違っていたらすみません)、成り行きとは言えアルと暮らすようになり、一人ではなくなった。そのことに自身すごく戸惑っていると思う。
「不機嫌」と他人から表されることが多い暁の表情だけど、ただ機嫌が悪いのではないと思っています。
とくにアメリカに来てからは、暁はずっとアルとの別れを意識していて、実行に移すべく様々画策し、一番いいと思われる方法を見つけて実現に向けて邁進していったはず。
その渦中でアルが暴漢を追いかけていったり、二人ともハイジャックに巻き込まれたりいろんなことがあり、アルを心配して守らなければと思う中で、一番いいと思っていた「別れ」が逆に自分にのしかかっていったんじゃないかと。
自分で決めたこと。アルにとって最良の方法。なのにきっと思っていたよりもずっと、暁はその日が来るのが淋しかったんだと思う。
貧血で運ばれるまで血を飲ませますか。これが無償の愛でなくてなんなんでしょう。
自分が愛情深い人間だということを、暁はきっと夢にも思っていないと思うんです。
アルと共に過ごしたことで、本当は心の奥底にあって自分でも知らなかった愛情が溢れてきていて、それが暁を苦しめていると思います。

それと、スタンが気になります。
銀の食器の描写あたりで、この人はもしやバンパイアハンター?などと思ったことは内緒です。

本物吸血鬼と中途半端吸血鬼

シリーズ3冊目。例のドラマの続編撮影のためにアルがアメリカに帰国(っていうか密入国)することになるお話。
3巻のポイントは、アルの帰国に伴って暁も休暇取得で渡米すること、そのため暁の過去が少し判明すること、それから本物吸血鬼のキエフの登場でした。
キエフ。本物吸血鬼。何百年も生きている先輩なのです。
そうか、これがそうなのか! と目を瞠る思いでした。
アルは昼間コウモリ、夜は人間という時間縛りがあり、キエフにはそれがなく自在に人間とコウモリどちらにも擬態できるとは知っていましたが、霧状にもなれるとは!
他人の記憶操作ができるとは!
受けた銃弾をその場で身体から排出できる!(アルみたいに怪我しない)
なにそれ最強じゃないの。しかもある意味ストーリー展開で結構都合よく動かせそう。
しかもですよ、キエフとアルが交流することによって、アルは記憶操作という技を会得しました。まあ5回に1回という成功率のようですが。
今のままでは生きづらいだろうから吸血鬼の血を飲んで血中の成分量を増やし、もう少しまともな吸血鬼に近付いてはどうかという魅惑的な申し出がキエフからありまして、アルは拒むわけなのですが、理由が「誰の助けも必要としなくなったら、(暁は)きっと僕を遠ざける。一緒に住んでなんかくれないし、優しくもしてくれない」ていうところに、私はすっかりツボを突かれて床の上をゴロゴロ身悶えてしまいました(あくまでも脳内で)。
我が儘だけど、このこじらせっぷり。
アルについてはあまりにも物を考えずに行き当たりばったり過ぎたり、イライラすることも多いのですが、こういうところがずるいと思う。
片言日本語で「こわいえいが こわい」とか言うのもずるいと思う。
こんな感じで「あきら ごめん」とか言われたら、そりゃあとげとげイライラしている暁も結局は折れたりほっとけなかったりするのも分かる。
そしてこの巻のパワーワード。
「俺の蝙蝠」
はぁぁーーーー、所有格やばすぎますね。
わかってます、暁的にはこの愛情はペットに向ける愛情とほぼ同類項だと。
人間になったりコウモリになったりするアルに庇護欲をかきたてられてるのは、ペット愛なんだと私は解釈しているのですが、向けられるアルにとってはただただ嬉しいことだろうし、恋する気持ちも分かる。

巻末の「恋とラーメン」で、スマホ画像の手のアップだけで暁の手だと見抜く室井も、相当こじらせています。何度振られても、恋情は無くならない。事故みたいなキスもしちゃったし、ますます今後どうなってしまうのか気になります。

暁のモテは罪深い

2巻は暁の魅力が炸裂した巻でした。
それどころか、とにかく総モテです。本人はそんな事態を1ミリも望んでいない。だからなのか余計にモテ期でした。
分かる。暁がモテるの分かる。荒くれてるけど実は優しいし、美クールだけど熱いし真面目だし。
(やむにやまれず)コウモリ飼ってるし、美的センスも必要とされる技術職。自分のこと語らないからミステリアス。
そりゃモテますわ。
2巻では、困っている人をほっとけない暁につけこむ人が多数現れて、読みながらやきもきすることが多かったです。
最もイライラさせられたのがアルでした。「ぼく?」などと目を丸くされそうですが、そのたどたどしい日本語がまたあざとい。コウモリ可愛いから余計にずるい。
そもそも不法滞在者だという自覚が無いんですよ。目立ったらいけないし、コウモリになったり人間になったりコントロールできないのに、なぜそんなリスクを冒してまで撮影スタジオに行くのか!
というわけで、アルの浅はかな行動に目くじらを立てつつ、暁に切ない眼差しを向け続ける室井に同情しつつ、暁のモテに大きく頷き、暁と忽滑谷の関係性に思いを馳せた2巻。たいへん楽しかったです。
1巻も2巻もアルが身体的に無残な目に遭っているのですが、続巻もずっとこうなのでしょうか。気になります。
そして、裏表紙のあらすじや帯のテンションにはやはり慣れず。