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モモ色の人生

自分が木原作品を初めて読んだのは「吸血鬼と〜1」でした。
好き嫌いの別れる作家さんだと聞いていて、いつもは置いていない木原作品を本屋でたまたま見かけ手にとってあらすじを読んだ(ちなみに「HOME」でした)限りではなんか嫌な話だわーと買わずに棚に戻しました。初めての作家さんは古本屋で試すことにしていたので、100円コーナーで「吸血鬼と〜1」を見つけた時は即買いでした。感想は・・・なにこれ、続くんじゃん。まだお話が始まったばかり・・・。しかも萌えも濡れ場も全くなく、かといって続きが読みたいと思うほど面白いと思えず(すみません)、それきり木原作品から遠ざかっていました。
・・・数々のBLを読み続けているうち、お気楽ハッピー設定に飽きがきて、このままBLを卒業してしまうんだろうかと寂寥感を覚えていたある日、そうだ!と思い出した木原作品。今度は代表作を読もう、さすがに面白いはずだ(失礼ですみません)と思い、こちらのレビューを参考にして、「箱の中」「檻の外」「美しいこと」を定価で(ここ大事)入手。・・・うわーん、なにこれ、涙で文字が見えない・・・。速攻で手に入る木原作品の大人買い(もちろん定価で)をしたのはいうまでもありません。部屋に積み上がった本を見て興奮したのは子供の時に買ってもらった横溝正史の角川文庫以来でした(笑)。

この作品は、読んでる途中から怖くて怖くて、だって百田にフラグ立ってんだもの。
BLでしにネタは苦手でして・・・。
やだよ、怖いよとびくびくしながら読み進んで、百田が助かった時はほんとに安堵で気が抜けました。
そして百田の人生が不憫すぎてあまり感情移入できなかったのに、ロン視点の「年上の恋人」で、
「好きだと言ってもらえて嬉しいと、一生分の運を使い果たしたと、自分の前でしゃがみ込んで泣きだしたいい大人を、浜渦は心の底から好きだと思った」の部分でぶわっと感動の涙が。この二人が幸せになってほんとに良かったともう心の底から。
ラストの三人揃った挿絵も和やか?で完璧!です。こんな作品に出会えるなんて、生きてて良かった。

これは挿絵が神

お兄ちゃんの痛さに、うわー、この設定で、どうBLになっていくのだろう・・・と思い、
ぞくぞくしながら読んでいきました。
中身は6歳でも下の事情は大人ですからってとこから急展開!
弟よ、最愛の嫁がいたのに、ノンケじゃなかったの?というツッコミはさておき。
本当の兄弟設定はあまり読んだことがないので抵抗がなかったわけではないけれど、
街子まどか先生の神業といえる挿絵のおかげで、素直に物語に入れました。
しかも、一粒で二度美味しい、兄だが中身が子供のショタ攻めと
中身も歳相応の大人兄の攻めという・・・。
記憶が戻った後の行為中、弟に「お兄ちゃん」って言わせるところが背徳感を感じつつ、
誰にも邪魔できないどうにもとまらない二人の世界にぐっと来るものがありました。

成長した城太郎と堂本先生の再会編が読みたくてたまりません・・・。

これは怖い

ぎゃー、甘いBLばかり読んでた自分には、あまりの衝撃です。これはホラーなり。
怖いよう、とえぐえぐしつつ読み、読んだ後もえぐえぐが止まらない。
高校生の時読んだ「家畜人ヤプー」「悪徳の栄え」に衝撃を受けた時でさえ、こんなに怖いとは思わなかった・・・だってこれ、BLだと思ってたからっ。まさかのショックが大きかった・・・。もともとホラー好きな人じゃないと無理かもしれません。
文字通りの弱肉強食・・・。逃げ場なし、希望なし、男しかいないので、個体数は増えない。しのぶの強さが紙一重なのがまた、怖い。デパ地下の屠殺場に入ってからのくだりは、夢に出てきそうなほどです。
例えばそっち系の映画「悪魔のいけにえ」にしても「ハンニバル」にしても、鬼に差し迫った食欲は感じられないし、世界はまだ機能していたので逃げ切る事もできたが、今回は世界がまず消滅していて、そして実際問題「食べなきゃ死んじゃう」んである。生命を繋ぐため、究極の選択をしなければならない、そこに「萌え」はない。サイコパスが道楽でやっていた事をごく普通の人間が生きるために実行するもんだから、もう怖くてたまらない。
ヒトはヒトである前に動物であり、生き物であり、それは真理だけど。
平和な日本でぬくぬくと生きる事がどんなに幸せか、いやでも実感してしまう、そんな作品です。