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群馬県が舞台のお話です

東京に進学してもいいけど、家の事が、と考え閉塞感のある地元に残る主人公。
同じような田舎で育った私にはああ、わかるわかるとうなずける所があり読んでいて嬉しかったです。

お話は冒頭の主人公の内に溜まった不満や、耕平(攻め)と触れ合い、彼の言葉によって変わっていく視界などがストレートに伝わってきます。月村さんのこの感情の素直な書き方は、自分にはちょっとこそばゆい位です。

中盤から、耕平(攻め)と過去関わりのあった松尾という人物が出てきます。
読んでいてすごく人間的に肯定しがたい、わかりやすい悪役かと思いきや意外な展開で、私には一番の萌えキャラになりました。
くっそーこいつむかつくなーと思って読んでいたらあれ?実は? となり、え、何これこいつ可愛い…! に(笑)

春が来た、のタイトルどおり主人公と一緒にだんだんすっと心も素直に、軽くなれるようなお話です。

人と人の関係、思いに真摯なお話

前半が菅野彰さんの「アンソニーの憂鬱」
:洋館の主人 アシュレイ×転がり込んできた大学生 明生
後半が月夜野亮さんの「メランコリーの繭」
:おおいぬ荘に下宿する事になった大学生 堂嶋×八潮
巻末に南野ましろさんのおまけ漫画があります。

だだっ広い洋館に、誰かと暮らすのはごめんだと1人で暮らすアシュレイと、
人なんて誰かといた方が絶対にいい生き物だ、俺をここに置いて下宿も開け、とある日突然転がり込んできた明生。
自身の抱えるものに対して、真面目に悩んだり、諦めたり、返そうとしている2人が、また少し変わっていくのがカラッと明るい本文の中に優しく書かれていて思わず視界が滲んだりもしました。とても好きなお話です。

「メランコリーの繭」は、ピアノと幼い頃の思い出が交差していくお話です。
私にはちょっと説明不足に思えるというか、違和感を感じてしまう流れもあったりしたのですが、ラストの展開がとても綺麗で、幻想的で良かったです。
田舎だから、幼い頃だからこその独特の世界の空気をふと感じられるような気がしました。

ボーイズラブ、としては本当に穏やかな作品ですが、
「恋」だけではない人と人の関係、思い、そういったものがコミカルに暖かく、
時にしっとりと描かれている心地のよい作品です。
シリーズの続編も心に響くお話が多いのでまずはこれから、とオススメしたい一冊。