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表題作Spring Has come!

神谷耕平、ある出来事から高卒後惣菜屋を営む青年23
鈴木大輔、親の離婚で仕方なく主婦業をこなす高三18

その他の収録作品

  • 春の嵐
  • あとがき

あらすじ

高三にして一家の家事全般を請け負っている大輔は、家族のことを考えると東京へは行けないと地元の大学の推薦をもらったものの、もっと別の人生を選べたはずなのにという鬱屈を溜めていた。ところが駅前の商店街で小さな惣菜屋を営む耕平と出会ったことから…!?表題作のほか、耕平の店でバイトを始めた大輔のその後を描いた書き下ろし「春の嵐」を収録。曇りのち晴れ、恋の季節のTeenage Precious Story。

作品情報

作品名
Spring Has come!
著者
月村奎 
イラスト
南野ましろ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403520396
3

(14)

(2)

萌々

(2)

(6)

中立

(3)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
5
得点
39
評価数
14
平均
3 / 5
神率
14.3%

レビュー投稿数5

読後もとてもほっこりさせてくれます。

主人公大輔は、離婚した母親の替わりに家事全般を切りもりしているけど、それは仕方ないからで、いつも不満を腹にためています。
勉強もそこそこできるのに、家庭の事情で地元大学にいかなくてはいけないとそれも不満に思っているのに、それも腹にため込んで。
イライラする大輔に手をさしのべようとする周囲の人間も、邪魔だとしか感じることができず・・
そんな時に出会った総菜屋の店主。軽いノリで、おばちゃん達をさばいているけど、その料理には一手間も二手間もかかった愛情のあるもの。
大輔は、自分に置き換えてみてそんな風に家族に愛情をもって接していなかったことに気付きます。
がんばっているねと認めてくれる店主の存在がだんだん大きくなっていく。
素直になれない大輔でも、大事にしてくれる店主との関係は、暖かく読んでいる方もほっとさせられます。
この作品にでてくる日常の些細なことは、そのまま読者そのままの生活ですよ。
でも本当に気持ちの持ち方なんですよね。同じ事象が起きても、それをどう感じるかという気持ちの問題なんですよ。
大輔は明るくなることで、家族との関係もよくなり、読後もとてもほっこりさせてくれます。

2

癒し系

ツンデレ高校生と、明るい総菜屋のお兄さんの恋の話です。
癒し系小説でした。

主人公は、高三にして家事全般を受け持ってる苦労人。手抜きできない性格で、イヤイヤながら完璧に主夫業をこなしつつ、日々のルーティンに鬱々とした毎日を送っている。
彼のスゴいところは、毎日きちんと手作り料理してるところ。いまどき専業主婦でもありえない。
手抜きできなかった主人公なんですが、とある総菜屋でオカズを買い、それが美味しかったので、ちょくちょく利用するようになる。で、そこの総菜屋の兄ちゃんと親しくなります。
明るいその兄ちゃんによって、トゲトゲしかった主人公の心がだんだん癒されていく。
優しいお話で、ほっこりあたたかい気持ちになりました。
美味しいお総菜っていいなァ…これぞ日本のお惣菜ってやつを、ぴかぴかご飯と一緒に食べたいもんだぜ。

2

むつこ

>>ルネさん
まさに庶民派ですw
月村さんの小説は地味ーなお話ばかりですが、じんわりくるものが多いです。
『家賃』とか『そして恋がはじまる』とかもオススメです。

ルネ

いい話だなぁ(ToT)
すごく庶民的BLですね

群馬県が舞台のお話です

東京に進学してもいいけど、家の事が、と考え閉塞感のある地元に残る主人公。
同じような田舎で育った私にはああ、わかるわかるとうなずける所があり読んでいて嬉しかったです。

お話は冒頭の主人公の内に溜まった不満や、耕平(攻め)と触れ合い、彼の言葉によって変わっていく視界などがストレートに伝わってきます。月村さんのこの感情の素直な書き方は、自分にはちょっとこそばゆい位です。

中盤から、耕平(攻め)と過去関わりのあった松尾という人物が出てきます。
読んでいてすごく人間的に肯定しがたい、わかりやすい悪役かと思いきや意外な展開で、私には一番の萌えキャラになりました。
くっそーこいつむかつくなーと思って読んでいたらあれ?実は? となり、え、何これこいつ可愛い…! に(笑)

春が来た、のタイトルどおり主人公と一緒にだんだんすっと心も素直に、軽くなれるようなお話です。

1

ほのぼの

月村さんお得意のグルグル後ろ向き思考の受けと、明るいポジティブな攻めのお話。これがけっこうよかったし、好きだったので、のちに出た「ビタースイートレシピ」はかぶりすぎで、ちょっと、という気持ちになりました。

0

商店街が舞台のヒューマンドラマ

商店街のお惣菜屋を舞台にしたほのぼのとした作品。
月村さんらしく、恋愛要素ガッツリというよりほんのり系のお話です。

どちらかというと家族がテーマのヒューマンドラマという感じでした。父子家庭の大輔は家事をとりしきり、妹と弟の面倒を見るため行きたい大学も諦め、鬱屈したイライラを抱えています。
近所のお惣菜屋の耕平はおおらかで優しく、耕平と知り合う事により、大輔は考え方を変えていく、というお話です。

大輔は嫌なことを文句を言いながらもやってしまう性格で、神経質で卑屈ですが、結局根底はお人よしで優しいんだろうなあと思います。
大輔の性格が変わるわけではないのですね。ただ、考え方が変わっていくことで今の生活も悪くないと思えるようになるわけです。

恋愛ものがメインのようでなかったので、最初はこれBLでなくてもいいのでは?と思いました。
耕平はゲイで大輔を気に入っており、たまにセクハラめいたことを言ってきますが、それも冗談なのかわかりかねる感じです。
耕平の緩い生活は恋愛ものとしては個人的にはちょっと物足りなくて、全体的にお話としてはよくてもカップリング萌えのようなものはあんまり感じなかったです。

後半は、耕平が高校のときに好きだった男性が表れ、二人の仲を引っかきまわす…という前半よりは恋愛ものぽいのですが、この人物が本当に意地悪でちょっとイライラ!^^;
どうせなら、第三者が入ってくっつくのでなく、ちゃんと二人で恋愛を築き上げるお話が見たかったなぁ・・・という意味で中立にしました。

最初は全くその気のなかった大輔が後半のお話で耕平を好きになっていく過程がちょっとわかりづらかったようにも思います。
恋愛ってやっぱり性的なドキドキを含んでいたり、きゅんとする感じを重ねていくものだと思うので、耕平に対しての「好感」は伝わってきますが、恋愛のドキドキ感ってもっとずっと特別なものでないかと思いました。

0

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