ボタンを押すと即立ち読みできます!
まごうことなき"偏屈"であることがうかがえる大我の態度からは
恋愛の予兆が感じられるところがなくて、
大我の気持ちが動くときは本当にくるのだろうか?とちょっぴり疑いを持ちつつ。
突然甘さを見せたりはしないんだろうなーと思いながら読み進めました。
やはり予想通り、というか予想以上に大我の態度は最初から最後まで目に見えた変化はなく
リオンの想いを受け取っても、さらには自分の気持ちを明かしてもなお淡々としていて
その徹底された熱量の低さは感心してしまうレベル。
でも平常運転がそんな感じだからこそ少しの感情の揺れからリオンを愛おしく想っていることがダイレクトに伝わってきて、
細かい部分からわかる愛が本当に素敵でめちゃくちゃキュンとしました。
お互い、振り回したり振り回されたり…という感じでしたが
一つひとつを振り返ってみれば何もかもがぴたっとはまっていたなと感じます。
出会うべくして出会ったふたり。というところに着地してくれてすごく嬉しかったです。
スキャンダルで芸能界を干されたリオンが洋裁店店主の大我に拾われるところから始まります。
リオンが過去に共演者の木島に抱かれていたことがあり、大我はバツイチなので苦手な方はご注意下さい。
誰かに愛されたい一心でリオンが取った言動がすべて裏目に出てしまったことが不憫でしたが、大我と一緒に過ごしていくうちに心の傷が癒え、優しい人達との触れ合いを通してリオンが元気になっていって良かったです。
しかし、ずっとリオン視点で大我が何を考えているのかよく分からなかったので、大我視点のお話もあったら良かったなと思いました。
イラストの優しい雰囲気とストーリーがマッチしててとても素敵でした。
攻めの大我の、大人で包み込むような愛情が
とても素敵で最高でした!
仏頂面の大我が、少しずつリオンに気持ちを開いて、いつも一歩ひいたところから、リオンを見守るその様子には、そこかしこに好きが溢れていて。
リオンがくれたシンブルをネックレスにしたり、さりげなく庇うところが素敵。
リオンは不遇な生い立ちと、芸能界から追放されてしまった過去があり、人を信用することができない。大我のところに来てからも迷惑をかけない、早く独り立ちをしようと頑張ってる様子が健気。
有菜や麗子など、優しい人たちに可愛がられて、少しずつ再生していくリオン。
1番大事な大我のため、好きな気持ちを抑えて、迷惑をかけないように、大我の元を去ると決めた覚悟が健気で。姫を持っていくリオンがかわいい。
"おまえが勝手に幸せそうにしてるのを見ていられればそれでいい"
最高に痺れました。野良猫リオンへの愛が溢れていて、ほんわか温かいストーリーでした。
推しポイント、年上×年下。ゲイ×ゲイ。
誰にも心を預けられず、顔色を窺い、人に気を遣って生きてきたリオンが、出会ったばかりの年上の大我に砕けた口調で接する自分に驚きながらも、過度に期待しないように戒める姿が可愛い。
大我の行動をポジティブに捉えては、いやそんな訳ない、期待しない甘えない信じない……と抑え込むのが涙。
兎のお手製ぬいぐるみをきっかけに、大我のことが好きだと自覚してからがも〜可愛い!!!
大我の罪作りなボディタッチや言動にドギマギするリオン、末永くお幸せになれ。
大我は元妻帯者(バツイチ)
チルチルのキャラ欄にゲイだとあったので、元妻が出てきた時はリアルに、は? って出た。
あと出番が多い。
攻め受け関係なく、ゲイに女のパートナーがいることが地雷な同士のためにネタバレを。
結婚のきっかけは、大我の親友が病気で死ぬってときに最期の頼みとして「妹と結婚してくれ」と言われたから。
決して好き合っての結婚ではないし、勿論手も出てないと明言してたので安心してください。
早めに引っ込んでいれば星5評価だった。
大我とリオンが付き合ってからも家に来るのはどうかと思う。さすがに来ないで欲しい。
月村先生の初期作品を思わせる、こんな作品を待ってました!また読めて嬉しい〜!
最初に読んだときは良かった…!とただただ感じ入ってましたが、二巡目読んだときにはシーンの一つひとつから登場人物の想いが伝わってきてもう泣けて仕方なかった。
ミシンの音、料理の音、レモンの香りなど、丁寧な暮らしの中で物語が紡がれるのもたまらなくいい。『すみれびより』を思い出しました。
リオンが攻の無骨な優しさに触れて、誰かに気に入られるためではなく、自分の恋心と想い人、何よりも自分自身のために立ち上がるのがイイ。
リオンだけでなく攻の大我、攻の元妻、お得意様の夫人、登場人物皆が傷を抱えていて、それでも前を向いて生きてゆく姿に号泣。
月村先生の著作『それは運命の恋だから』で、ロマンス小説好きの受が「カップルだけでなく、家族など周囲の人達を含めて丁寧に紡がれる物語が好き(うろ覚え)」と述懐していますが、それは月村先生のポリシーでもあるんだろうなと思っていて、本作は正にそれを体現するストーリーでした。
世界に二人きりじゃないからこそ抱える痛みもあれば、二人きりじゃないからこそ得られる喜びもある。
読後、登場人物達の幸せな気持ちがしみじみとこちらにも伝わってくる、文句なしに素晴らしい作品でした。
転生ものやファンタジー設定で面白い作品はたくさんあるけれど、やっぱりこういう現代設定の小説が何度も読み返したくなっちゃうな。
月村先生の過去作品もまた読みたくなった〜!