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BLでカップルが一時的に親戚の子供を預かる子育てもの。子供が実のバカ親達に振り回されて可哀想。言葉が出てこないって相当深刻じゃないか。でもこの出来事がきっかけで長い長い友達期間から恋人関係へと抜け出せた主役2人。攻め視点と受け視点と章ごとに変わっていくスタイル。
幼い頃から実は両片思い状態で30近くなってから「やっぱり俺にはお前しかいない!」と大人になってから恋心が溢れまくるのって王道だと思うし私も大好き。王道をどう料理するかは作家さんの腕ですね。
この話はキャラクターが良くて攻めと受けのバランスがとても良いと思います。受けの那由多はゆるふわ系のイケメンで仕事もファッション関係なのでとてもオシャレ。天真爛漫な性格で子供にも好かれ天使っぽい人です。
対して攻めの和真は真面目な堅物イケメン。しかし…世話焼きオカン属性もある。オカンっぽい攻め大好き!2人が恋人になってからも後先考えず快楽に夢中になってしまう受けのために「やりたいけど…那由多が仕事で忙しい時は無理させちゃダメだ」と涎を我慢して自分で待ての出来るワンコでもあります。朝ご飯の時も全身真っ白でおしゃれな服を着てる受けに向かって「大丈夫か?こぼしてないか?」と心配している。まさにオカン。
シリアスとほのぼののバランスもちょうど良い良作、美味しくいただきました。
長い長い準備期間を経てやっとくっついた二人。
小学校から知り合ってかれこれ20年。
同居を始めて5年。
付き合ってはいない二人、和真(攻め)と那由多(受け)
なんとなく怪しげな雰囲気になったことはあっても頑なに友人付き合いを続け、性欲に突き動かされる年齢も過ぎ、このままずっと穏やかに二人で過ごしていけるといいと思っていた二人。
そんな毎日に一石を投じたのが、和真の甥っ子・世志輝。
和真の姉夫婦のごたごたで預かることになった世志輝の面倒を見ているうちに二人の心境に変化が・・・
表題作と書き下ろしの2編で、表題作は二人がやっと付き合うようになるまで、書き下ろしは付き合いだしてからの更なる心境の変化でこれからもずっとを誓い合うまで。
両視点で書かれているのでそれぞれの心境がわかります。
だからこそ、完全に両片想いだったんだとわかります。
和真の方は男同士に禁忌を感じていたこともあり躊躇するうちに女性と付き合いだし、頻繁に彼女が変わる経験をしたことで、那由多とずっと一緒にいたいと思うあまり何度もあった誘惑を乗り越え友人として適度な距離をもって接しています。
那由多の方は和真がヘテロだと思っていて友人としていることを選びます。
二人でいることが自然で年齢も重ねたことで性欲も落ち着いたしずっとこのままでいるだろうと思っていたのに、世志輝を預かり世志輝の成長を間近にみることで変わらない保証なんてないということに気が付いてしまいます。
二人そろって同じように焦って告白する時も一緒って本当に息ぴったりな二人でした。
書き下ろしでは、友人の破局を聞き、高校時代の友人たちを会い、お互いの元カノと再会したことで、ずっと和真が危惧していた恋人は別れたら気まずくなるということに那由多は改めて気付いて焦ります。
結局二人で話し合い、今までが今までだったからこの関係が終わるなんてことは絶対ないと確認して終わるというなんともラブラブな話でした。
二人の穏やかに流れる空気に新しい風を入れたのは甥っ子の世志輝でした。
元々の性格や環境やらの要素が絡まって言葉がなかなか出ない子でしたが、、一生懸命で賢くてとてもかわいい子でした。
固定観念にとらわれない自由な那由多が側にいることが、大人の思惑に振り回されている世志輝にはいい環境だったのだと思います。
そして、二人がずっと積み重ねてきた下地に世志輝が種をまいてやっと花を咲かせることができたんだなと思いました。
きっと二人がお互いを意識しだしたころに勇気をだして告白したとしたらきっとうまくいかなかっただろうと思うし、遠回りに見えてもこれが一番の近道だったのでしょう。
燃えるような激しい恋というのはないと思いますが、穏やかで温かい二人らしい関係がとても「らしい」と思います。
和馬と那由多の関係性が、とても心地よかったです。
章ごとの両視点なので、二人が両想いなのは、最初から丸わかりなのですよ。
小学校で出会い、中学、高校、社会人と「幼なじみで大親友」という位置をキープし続ける二人が、それぞれの時代で、ゆっくりと互いに惹かれていく様子がね…まー見事に描写されているんです。
その気持ちを押え込む様子も。
だから、安定していた関係を変えようかと悩む二人の背中を、そっと押してあげたくなるんですよね。
アナタたちなら、大丈夫だよー、って。
和馬の甥っ子、世志輝はかわいかったー。
子どもが出てくるBLは、どちらかというと苦手でしたが、この世志輝は、まさに存在が輝いてた。
いいコ。
この作品は、那由多と世志輝二人の癒しキャラの存在で、読後、ほわほわ〜っと温かい気持ちになりました。
攻めと受け、
視点が交互に描かれるお話がとても好きです…!
(小説だと特に!心理面の理解が深まる気がする)
出会って20年、同居して5年。
当たり前のようにずっと一緒にいる彼等ですが、
その内面は…というと色々抱えているものがある。
なんとなく気持ちは一緒なんじゃないか?とふんわり意識しながら、
今の関係を崩さないようギリギリの線で留まる描写にめちゃくちゃ萌えました…!
感想は大きく3つに分かれました。
①幼馴染み関係……大好物!萌えた!!
②子供ちゃんの健気さ…何度ももらい泣き;;
③子供ちゃんの親……中立~趣味じゃない。
萌えて・泣いて・苛ついて、感情が忙しかったです。
評価は真ん中の萌え×2であげます。
さてさて。
親友で、家族みたいで、この世で一番信頼している心地いい相手で。今でこそ一定の距離を保ちながら安定した暮らしている和真と那由多ですが、思春期は情欲を抱えてしまったり、ウッカリ一線を越えそうな時期がありました。恋心を意識したけれど選択したのは『親友のまま一緒にいること』。いつしか恋心を抑えることにも慣れ、バランス良く暮らしていました。
そんな中、和真の甥っ子・世志輝を預かることとなり転機が訪れます。
子供と優しく接している姿を見ると新鮮さも相俟って1度は抑えることに成功した恋心がムクムクと湧き上がり、意識し出すと止まらない。「親友ならずっと一緒にいられる」と漠然と信じてた基盤が揺らぐ。本当にこのままの関係でいいのかと自問自答を繰り返し、少しずつ恋へ動き出すお話です。
何度も泣いたんですが、それは世志輝があまりにいじらしくて可哀想で可愛くて堪らなくなったとき(;ω;)。ええ。BL部分とは関係ないとこです…;親のゴタゴタに巻き込まれながらも泣くのを我慢してるとことか。小さく「まま」って呟くのとか。言葉が上手く話せないんですが、見守る那由多&和真の大らかさと優しさがホッと出来て良きでした…!
少しずつ那由多に懐きだして「な、ゆた」と名前を呼んだ時は嬉しくて嬉しくて感動でジワ~と涙がこみ上げてくる。(何度も書くけどBLとは関係ない涙です)。もぅもぅッ!世志輝が可愛いくて可愛くて……!!
なので親の身勝手さにはウンザリしました。親と言えど1人の人間。色々あるのはわかる。けれど子供と約束したことすら反故にして預けたまま会いに来ることもなく、めっちゃイライラした。ちゃんと子供への愛情はある人達なんですよ。それはわかるんです。でも世志輝があまりに可哀想で腹立たしさが…(;`皿´)gグヌヌ
そんな中のBL面はめちゃくちゃ良かったです。上にも書きましたが両側視点ってのがすごく良い。2人とも同じコト考えているのがよく伝わるんですね。(性格はちがうけれど根本は似た者同士なんじゃないかと思う)
思春期に恋愛を選択しなかったのは、臆病だったから・関係を壊すのが怖かったらーーーというよりは、単に"親友でいること"への比重が大きかったのかな?とも思いました。どちらかに彼女が出来ると気持ちに歯止めがかかった安心のほうが大きいんですね。恋よりも友情の方がずっと大切なのです。
けれど大人になってからは彼女がもし出来たら…と不安になる。元カノに嫉妬する。この対比が自然とストーリーに組み込まれているのがとても良かったです。きっと思春期に一線を越えていたら今と同じ結果じゃなかったんだろうな…って。踏みとどまった過去があるからこそ"今の関係"があるんだろうなとシミジミ実感してジーンと来ました。
そんな恋と友情のギリギリな一線の上で安定した生活を送る彼等の盤石さには、幼馴染み萌えが爆発しました(∩´///`∩)相手を理解しきった阿吽の関係が大好物なのでニヤニヤニヤニヤ。いつ恋に転じてもおかしくないギリギリのところっていうのが更に良い。両側視点なのでドキドキハラハラはなかったですが、友情から恋に転換した瞬間はヾ(*´∀`*)ノ ヒャッホー!!ですよー♡
親友から恋人の顔に変わっていく。
良い意味で変わらない慣れもある。
幼馴染みで親友で恋人の甘さが堪能出来て良かったです。
『子育て』特集で書かれた作品だそうです。
知り合って20年の両片思いの友人二人が、甥っ子を預かった事を機に膠着状態を抜け出す……と、いうお話。
この関係が壊れてしまうなら、ずっとこのままでいいと思っている二人。
真面目で硬派な和真と美人なのに天然の那由多は、一見すると相性が悪そうに思えました。
それでも二人でいることが当たり前で、離れることなんて考えられないほどピッタリくる相手なんですよね。
バラバラになりそうな家族を繋ぎ止めようとする和真の甥っ子・世志輝がめちゃくちゃ健気。
上手く言葉が出ない中で、必死に伝えようとする頑張りに心打たれました。
そんな世志輝の姿をみて、二人は勇気をもらったんだと思う。
電車のホーム、入ってくる特急電車、かき消される那由多の姿……と、告白の状況が目に浮かぶような描写が素晴らしく、和馬の焦燥を直に感じることが出来ました。
そして、臆病な二人が一歩踏み出す勇気に感動しました。
最近読んだ安西先生の作品の中では一番好きです。
20年も友人という関係を築いてきて、今更変えるのは相当勇気がいった事だと思います。
「変えられないものを受け入れる冷静さと、変えられるものを変える勇気」
これは、私も持っていたいなあ。