水名瀬雅良先生のファンです。新作ありがとうございます。
さて本作。
いつもの水名瀬ボーイズ。かっこいい攻めにちょっと可愛い受け。
そんな王道スタイルと今どきの推し活ブームが乗って、テンポの良い読みやすさを感じます。
主人公は、ある挫折ののち引きこもり経験、その後一本の映画に感動を覚え主演男優の天路夕星を推すことで元気を取り戻した…そんな青年の今井宙。
兄の紹介で夕星の所属事務所に就職した宙だが、入社早々夕星のマネージャーに任命されてしまい…!
…と始まります。
元々真面目な宙。推しであることは本人にも知られたけど、公私混同せずに仕事キッチリ。だがそんな時、夕星の次の映画に関連して宙にとんでもない事態が!
夕星は徹底的に役のリサーチ、実践を行うタイプ。そして次の映画では若い男性に惚れる役。だから宙と同居して恋人生活をしたい、と。
迫られて思わず承諾する宙だけど。
リアルを追求する夕星にどんどん惹かれる宙。でも(これは役のため、演技のため)と言い聞かせて…
水名瀬先生の良いところ、上品さが全体のポイントですね。夕星は傲慢なスターなんかじゃないし、宙は決して出しゃばらない。周囲も良識ある普通人。
いつしか本当に宙が大切になった夕星。真面目に生きてきた宙にご褒美がやってきたみたいです。
安心して読めるベテランの美麗王道。「萌x2」で。
「もののふっ‼︎」完結おめでとうございます!
「!」の後に「‼︎」を続けてくださった感謝の気持ちで一杯です。でも寂しい〜。
前半は「2」の続きで、まず一色が仲間になるお話。
そして完結巻らしく、「もののふっ」内での各CPの仲睦まじい様子が描かれます。
彼らを精一杯応援する菊三は、正に愛の神のよう。
十條寺の守り神・菊三は、皆を愛し皆に愛されて、愛がどんどん豊かになっていきます。
領の実りも豊かになって、お館様同様この幸せがいつまでも続きますように、と願ってやみません。
後半は現代パラレル?の「もののふっ‼︎HOTEL」開幕!
ナニコレかわいい。
チップは貰わないけどお菓子はもらうベルボーイの菊三。
なんて平和な世界なんだろう!
寂しいけど、誕生日おめでとう菊三!幸せ無尽蔵だね!
「もののふっ!!!」があったらいいな。
よしながふみ先生の2004年発表の短編集。
それぞれ設定やジャンルが違う短編たちだけど、全体にヒリヒリします。
「それを言ったらおしまいよ」
今でもよくある設定と展開。要は全く古びてない。
腐れ縁の2人、常識人の医師・耕平(ノンケ)と生活力ナシの作詞家・崇(ゲイ)。
耕平はいつも崇に毒づいているけど…結局は。
「私の永遠の恋人」
免疫不全で外に出られない少年は、一流の人形師である兄に理想のセクサロイドを造って、とおねだり。今度はこういうの、次はこういうタイプで、と次々と作らせるが…
これはどんでん返し系。私は全く想定外であっっと驚いた。渇望の塊だったのはどっち?
「おとぎの国」
終末系SFのおもむき。そしてラストは救いナシ。なぜ彼が選ばれた?
「ある五月」
これは…!普段BLばっかり読んでるからこのテの重さ忘れてた。で、食らっちゃいました。
一番キたのは教授がお弁当捨てるシーン。人は心が離れたらこういう事平気でするようになる。
しかし、幸子視点が無いからなんとも言えないけど彼女が後妻業目当てなのか、元の自分の性格なのか。後妻業ならこのラストは「次行こっ」だけどね。
「ピアニスト」
賞を獲ったが今は落ぶれたピアニスト。年をとって「受け」としての需要もなく。
落ちて落ちて落ちた先に、ま〜たガツッて追い打ちなのが逆に笑っちゃう。
20年以上も前の作品のせいか、今ある受け皿もマットレスもオブラートも無く、剥き出しなパンチとヒリツキがある。若い人は構えて読みましょう。
7作品収録のアンソロジー。
以下、収録順にざっと。(作者様敬称略)
すめし「相愛メロカウンター」
セフレだけど、本当はお互い本気で好きな両想い。あっという間に本心を明かしあってめでたく恋人同士になりました。
オードブル的な作品かな?
作画/延田拉麺、原作/マカダミアバニー「堅物リーマンの楽しい推し活。」
堅物な経理部のリーマン・九重には社内に推しがいる。それは営業部の八木で、実は高校時代から八木が組んでいたバンドの大ファンだったのだが。偶然八木が中途入社してきて!八木の歓迎会で酔った九重は…
バンド時代八木は九重を認識していたよ、というお話。
飴宮こあめ「同人作家のえっちなハウツー」
コミケ現地にて、初参加で色々緊張していた新人さんに「ファンです」と言われて思わず自宅に招いた腐男子の宗。寝室でエネマバイブやローションを見られて、シてるところ見せて、と…
絵柄は可愛い系なのにかなり激しい。
うじい「メロ堕ちリーマンはチョロすぎる」
下着メーカー社員の新垣は、連れて行かれたメンズストリップでダンサーのホマレに心を奪われるが、何故かホマレの方から新垣に接触してきて…
これは1話目という感じですね。で、非常に興味深い!絵柄が良くて、ホマレの目つきが素晴らしいです。うじい先生要チェック!
星た「筋肉系カレシに一生メロってます」
イケメンなのに、同じ社内のマッチョな恋人に超デレデレで残念な桐生。
会社の中でイチャイチャしすぎて残念を越えて迷惑人間だと思うー
ねぎし「深夜2時のバックヤード・ラブ」
バーのイケメン店長と人気バーテンは公然の恋人同士。だがクールなSと思われてる店長は実は甘くて優しくて…お互いラブラブだよというお話。
有馬かの「岬さんは広瀬くんに近づきたい」
岬は厳しい教育係で煙たがられていたが、後輩の広瀬は岬さんの指導はラッキーだ、と言ってくれてそれから気になるように。
接待の後酔い潰れた岬は、夢だと勘違いして広瀬に甘えて迫って…
アンソロのテーマ「メロBL」はそれほど合ってないかも。
うじい先生を見つけた事が収穫です。全体では「萌」で。
電子単話。
大好きなU先生の、強烈な「男の娘攻め」です!
主人公は、ヤクザの植松。
事務所に向かう途中でメイド喫茶のティッシュ配りの女の子にぶつかるのだが、なんとその子に上納金が入った封筒をスられる!
追いかけて凄む植松。しかしその子は全く動じず、逆に「ボク、組長の息子なんだ♡」ときゅるん。
その上「お兄さんみたいな怖そうな人見ると つい…イジメたくなっちゃうんだぁ♡」と、メイド服のスカートをめくって勃起中のパンティを見せてきて…
逃げようとする植松を脅してそのまま路地裏でイラマチオ、◯ナル指入れ、バックから挿入、そして前からも。
後日組長から呼び出された植松はなんと息子の送迎をしろと命令される。もちろん息子・健三(男の娘ネームはマナミ)のご指名。
顔も見ずに運転手に徹する植松だけど車内でまたマナミにヤられ、段々後ろを使わないとイケなくなってしまう。
恐ろしくなった植松は…
マナミは外見は完全に可愛い女の子。
性格は強引だけど可愛いところもある。ある?多分ある。
後ろの快感を拒絶する植松にごめん、と泣き、お前が嫌なんじゃないと言われて責任取る!と喜ぶ。よく言えば素直。
まぁ見そめられちゃった植松は初めは災難だったけど、一応玉の輿じゃん?
藤先輩のバレたら絶対ダメなとこ、それは…
人が誰でも必ず何かしら持っているコンプレックス。
イヤだ。
恥ずかしい。
みっともない。
隠したい。
誰にも知られたくない。
努力でカバーできるものもあるけど、努力じゃどうにもできないものもありますよね?
藤先輩のソレは、体に関するコンプレックス。
それも下半身関係。
そう。男のオトコたるシンボル、tnkが。
超小さい、という事。
…という事で、バスケ部の合宿でも嘘を重ねてお風呂の時間をずらしてもらいひとりで入っていたのだが、自分を慕っている後輩の相馬が後から入ってきて…
バレました。
しかし相馬は、先輩のtnkを大きくしてあげます、と言い出して!
つまり、Hな事をして勃起させて寸止め、を何度も繰り返したら大きくなるんじゃないか?と。
藤先輩はノンケ。元はと言えば彼女が欲しいのにtnkが小さいのが悩み。なのに相馬とそんな事を続けていくうちに好きになってしまい。
ところが、相馬は本当はバスケのコーチと付き合ってる⁉︎
相馬の気持ちがわからない…とすれ違う「転」やコーチが抱えていた苦悩まで組み込んでいます。
エロやtnkの事ばかりじゃなくて、心も描けています。
ただ、若干詰め込みすぎかな…「萌」で。
Dom/Sub大好き〜ということでこちら。
ブラック企業で、人手足りず、仕事多すぎ、残業と持ち帰りの嵐…
その上プレイもできず、イライラMAXの小鳥遊。
今日も部下の神崎がデータを消してしまい、もう限界!
思わず八つ当たりで神崎を蹴る!これは言い訳できない暴力ですねぇ。
すると、神崎が反撃してくるんです。強烈なグレアで。
すると、小鳥遊はDomなのに神崎のコマンドに逆らえず…
…と始まります。
Domのはずの小鳥遊がそのまま神崎のコマンドを受けてSubスペースに入り、初めての幸福感を得る、しかしDomなんだからそんなはずが無い!とずっと抵抗してるんですよね。
だけど理性以外の心も身体も、もう全部が神崎を求めちゃう。
そんな小鳥遊の、葛藤そしてイラつく姿とSubスペースでトロンとしてる姿のギャップがこの作品の面白さだと思う。
神崎が甘やかし系の強Domなところも良い。
要は、強すぎるDom性を持て余していた神崎と、元々弱めのDomでSwitch性が発現した小鳥遊がベストマッチングだったのね、というお話。
神崎の方の悩みの方も描かれていて、バランスも良いです。
赤星ジェイク先生の個性が光る、非常に独特なストーリー。
新人天使と、天使の教育係となった悪魔長が地上のマンションで同居する、というお話です。
なんだそれ⁉︎ でしょ〜。
どうやら2人は辺獄無断侵入の罪で地上に送られたようで、これは罰としてなのです。
悪魔のマークは初めから優しさが垣間見られて、天使のテンは可愛らしい。
はじめは単に同居人だったけど、「罪の浄化」としてテンがマークにキスしたり乳首を舐めたり色々と…
マークは天使とそんな事、と思いつつ、やっぱり気持ちよくて2人ともHでラブい関係になっていくわけだけど。
途中でビックリの真相が明らかになるのです。
んん〜⁉︎
だからマークは根本優しいのね。
そして、2人は結局運命の相手なんですね。
ストーリーは独特、エロシーンは非常にエロい。ここも独特な官能性があります。
マークの耐火ボディスーツ?の微妙な露出度や、着たままの描写なので修正ナシの部分も多かったりなど、独自の工夫が感じられます。
とにかく、この作者様でなければ描けない世界がある、というのが素晴らしい。
「萌x2」で。