リバーシブルが好きな私。そこから派生して「攻めが受けに転向する」のも好みの設定です。
ただ、このテのは私が苦手な「攻x攻攻防」系が絡むことが多くて。
本作もそんな感じ。
主人公はタチ専のゲイ・豊。
仕事のストレスでEDになってて、バーでヤケ酒。
酔ったはずみで好みでもなんでもない若いノンケと寝た⁉︎何も覚えていないが、俺は勃ったのか⁉︎
ワンナイトと思ってたのに、次の日その相手が職場にバイトとして入ってきて…
…と始まります。
このノンケ・芸大生の爽太は悪びれもせず平然と接してきて、休日前に宅飲みにも誘ってくる。特に警戒もせずに爽太の家に行くが、急に手錠をして「思い出しました?」と言いながら組み敷いてきて。
このノンケ。躊躇なく後ろに指も入れ、豊のtnkも咥え、キスもしてガッツリ挿入も。相性がいいから付き合いましょう、とも。
豊は気持ちでは抵抗しまくるけど〜…
ただし、このノンケはちょっとタチが悪いよ。
Hを隠し撮りしてたりさ…
そんな性悪のところがやっぱり障壁になるんだけど、それも豊への必死さの裏返しとも取れるわけで。
一方豊の方も自分の内面に向き合う素直さがいい。
2人の恋心が花火みたいに輝くシーンがいい。
ケンカップルというより精神年齢が同じ感じ?これからもぶつかったり悩んだりしながらしっくり馴染んでいくんでしょうね。
49歳x50歳のラブストーリー…これは読まねば!ですよ。
さて、本作は一冊の長編というよりも現在や過去のエピソードを連ねるオムニバス的な。
そして絵柄とか設定とか、いにしへのかほりが。だから私には読みやす〜い。
絶交して25年。再会してブランクなど無かったように燃え上がる恋…いや違うな。
消えたことなど無かった想いが目を覚ます、ような感じ?
それでも49歳イケおじ俳優の方ははじめちょっと気まずさがあるんだけど、50歳優しげ映像作家は全く屈託がない。ケロッとしすぎ。
そもそも「絶交」ってのが昭和以前ぽい。
出会いの頃(大学生)の禮司はキリリの剣道青年。
雪比古はその益荒男ぶりにビビッときたんでしょうねぇ。
なら、禮司の方は雪比古のどこに惹かれたのかしらん?やっぱり才気なのかな。
実は禮司はバツイチで、息子あり。
その息子も俳優になって、彼とのギクシャクした関係性なんかも描かれます。
新たに恋人としての関係性を構築していく禮司と雪比古だけど、ふと自分たちの年齢も気になる。
フワフワと軽やかな自由人・雪比古の心の中の不安や弱さを受け止める禮司は、さすが経験を重ねた包容力を見せてくれます。
恋人から伴侶へ、の一層の結びつきを読ませてくれる熟年愛の良作。
絵柄的には禮司の渋さが良い。
エロはほぼなしで読みやすいです。「萌x2」で。
ニッチでマニアックなアンソロジーといえば「性欲図鑑シリーズ」!
6作品収録。
以下、収録順にざっと。(作者様敬称略)
「先輩に催眠術を試したらエッチなことになりました」KAZZU
憧れの先輩社員がプレゼンが苦手と知り、思わず「催眠術で暗示をかければなんとかなります」と口走った早川。
でまかせで術をかける真似をしたら、上手くいったから他のも試してよと言われたので、リラックスして寝る前です、みたいな暗示をかけたら…
力が抜けてボーっとしている先輩がいきなり自慰を始めて、興奮に巻き込まれて〜のはずが実は!
…というこれぞ「淫乱リーマン」の幕開け。
「淫乱先輩の性欲、マジ底無し!」碓井はる
こちらも先輩社員もの。
今日OKの日はスーツ、のルール。
翻弄される佐々野を面白がるようなスーツ姿の上岡は、もう社内のトイレでもちょっかいを出してくる。そして皆が帰った後の社内で…
スーツの下の極エロなレースのひもパンが超エッチいです。
「知らないと恥ずかしい枕営業のコツ教えます。」ゆんぐ
院卒エリートの月崎は、同い年の先輩・向井と営業成績を比べられて気まずかったが、向井は明るく営業に同行させてくれた。だが行ってみるとそこはラブホ内で枕営業の乱行パーティーだった‼︎
向井のポジティブさがこれから月崎を救っていく…ような気もする。
「社畜さんは絶倫隣人にイカされたい。」沙井桃ゆゆこ
一見大人しそうな高林は、実は元カレに開発されすぎた性欲過多人間。
会社に家の鍵を忘れ、泊めてくれた隣人の伊藤の部屋でオナニーが止められない。しかし伊藤は気付いてるどころか下心ありだった!
この伊藤もかな〜りトンデモで、スリルを追求するベストカップルですね。
「気になる上司の服の下」キタヤマ
主人公はシステム管理業務をしている森村。
ある晩システムエラーが発生し、サーバー開発部の真崎と対応するが、真崎が服の下に拘束具を付けているのが見えて…
煽られて深夜の社内でのHバトル⁉︎ これから2人はライバルっぽい恋人になりそう。
「24歳会社員、妄想えっちが止まりません⁉︎」澤ノ遼
朝の通勤電車で見かけるイケメンとのエッチな妄想をするのが趣味の陽大(ひなた)。
今日初めて帰りも一緒になって話しかけられ、自分の妄想を思い出して勃ってしまい…
「俺も君を見てたんだ」と願いが叶って初H。しかし恥ずかしくなって逃げてしまう陽大だったが…
逃げてもご縁の方から陽大を追ってくるようなハッピーエンド。
どエロ受けが多い印象。お題がリーマンなので社内Hも多い。
ゆんぐ先生は設定すごい。キタヤマ先生は絵もストーリーも好き。澤ノ遼先生作品は陽大が幸せになれそうで読後感が良いです。
「離婚しやがれ、α様 love nest 番外編」となります。
本編内でβに逆戻り⁉︎の危機を越え、無事にヒートが来て妊娠、そして女の子の双子を授かったレイ。
本作は、出産後2ヶ月目のお話。
さて少しずつ育児も慣れてきて、思い出したのはお互いの「性欲」!
…というテーマです。
イヤイヤ…リアル現実問題、出産後2ヶ月でHはキツかろうよ…と思いつつこれはBL、これはファンタジー、だからこれでいいのだ。
ともかく、レイも天星も、日々の工夫や都合合わせを一生懸命して、絶対セックスするんだ!という決意。
もちろん赤ちゃんたちはそんな事はお構いなしだ。だから延々できない!ハハハ!
そこでお手伝いにシッターをしてくれるのがなんと。
天星兄!
ぷぷ。しかも双子ちゃんはすぐ懐くのだ。
これ、兄が本当にいいひとになった証拠ですかね。
で、兄が一日遊んでくれて双子ちゃんは今夜はぐっすり。
やっとHできました。
…というお話でした。
だから第3子もすぐ、ね。
娘たちとレイを見つめる天星の目が優しい〜!もうすっかりスパダリですね。
地固まった天星とレイの、遅ればせ甘々新婚生活の始まり〜編。
といってもただ甘々のラブラブだけでは終わらない。
だって続巻だもの。波乱はあるあるでしょう!
とは言え、続編イコール波乱イコール当て馬or遠距離orアレコレ、だったらウ〜ンという気分もありつつ。
さて、本作。
冒頭は超甘々の南の島ハネムーンから。
溢れる想いと溺れるほどの快楽、もっと結びつきたいという本能か。
「子供 作らねーか」
自分が産める性である幸せを感じるレイ。だがしかし…⁉︎
…という感じで、不穏が忍び寄ってくるわけです。
最も大きな不穏は…
レイがβに逆戻り⁈
そんなのアリ⁇ βに戻ったら子供は産めない。天星の家族を作れない。
天星に言えず、一人で不安を抱えて。
…と、「波乱/ドラマチック展開」はそれだけではなく。
お決まりの当て馬風人物や、天星の兄に起きた事件など盛り沢山です。
まぁ…天星の深い愛情がありますのでね。まるっとハッピーエンドですけど。
途中のタカラの思わせぶりは一体なんだったのかとか、ちょっと曖昧な部分もあり。
さて、お子も無事産まれもう何の心配もない天星xレイは置いといて、「天星兄」が超気になってるんですよ…
そんな事になったお相手はどんな奴なのか。これからどうなっていくのか。
知りたい知りたい!
「離婚しやがれ、α様」単行本版特典ペーパーとなります。
電子1p。
以下、内容となります。
↓↓↓↓
タイトル「高校時代の天星とレイ」
レイ「またケンカか?それ」
天星「いや 女にフラれた」
頬に打たれた跡のある天星にニヤつくレイだけど、「お前のせいだからな」と言われて…
つまり、お父さん用に「Fight」と書いたメッセージ弁当を間違って天星用に持ってきてしまい、それを見た天星の彼女が他の女から!と勘違いしてフラれたらしい。
…というのも納得の素敵弁当で、天星はオレのにもファイトって入れてよ、などと言っております。
(ならLOVEって入れたろ、なんて考えるレイだけど、嫌がらせのつもりがやっぱり今のLOVEを暗示してるのかもね)
「離婚しやがれ、α様」商業番外編同人誌となります。
本編後、つまり離婚を回避した天星とレイのラブラブデート風景です。
行き先はウニバーサルスタジオジャパン。
そして、天星はレイに高校時代の思い出を話し出します。いわく。
「あの頃は言い出せなかったんだけど」
絶対似合うと思ってた、と言いながらクマ耳カチューシャをレイにかぶせ。
バース別クマチャーム、クマぬいぐるみも買って、一日過ごした楽しいデート。
…の翌日。
早めにヒートが来るかも、ということでレイは一日休養。
誰もいないなら巣作りしようと思ったのに。天星が洗濯しちゃってて!
何も無いから買ってきたクマのぬいをぎゅ〜っとするレイ。
そのあまりにも可愛らしい光景とフェロモンに辛抱たまらん天星は…
やっぱり描き下ろしや番外編はラブラブで甘々なエピソードがいいですね。
天星の優しいまなざしがgood。