イラストあり・電子限定ショートストーリーつき
いや、、この感動と心の震えを、なんと表現していいのか、ちょっと言葉にできない…
というぐらい、読んでいて涙が溢れてきて止まらなくて、嗚咽を漏らして真夜中まで夢中になって読みました。
重厚な長編映画のような、深く深く沁み渡る愛の物語。
詳しい内容はきっと他の方々が書いてくださっているので、一番泣いて一番心に残った部分のみを。
都で大火傷を負い、長く美しかった髪は全て焼け落ち全身の皮膚も焼け爛れ、片目が見えなくなり、唇が黒くなってしまっても。
「番」であるアシュを愛し、アシュの死後は自分も後を負うことを、静かに受け入れ変わらぬ明るさで過ごしていたサージ。
そんなサージが最後に涙を流す姿に胸を突かれ、涙腺崩壊でした。ああ、、!!自分の貧弱な語彙力が悲しすぎる。。
そして、その涙と伝説との回収も本当にお見事、としか言いようがなくて。
全くもって文句なし、付けられるなら星を10個でも20個でも付けたいぐらいの、「神」作品です。
涙を堪えて、ぜひ読んでみていただきたい( ; ; )
表紙が素敵過ぎてずっと気になっていた作品。
汚い大人に虐げられてきた美人受けの中では、アシュは弱気なところがほぼなく、自ら行動して生き抜いていく力があって良かった。
そして同じ様に辛く苦しむ者を探し、助けようとしても助けられない悲惨な様子がショッキング。しかしここぞという時にタイミングよくサージが助けにくるというのは、ドラマティックだけれど都合がよいなぁと思ってしまった。
それでも大火傷を負って姿形が変わり、死に間際まで描かれるのも驚きました。
前半やクライマックスの悲惨な描写が印象的だったので、都合の良い(情景が浮かんできて素敵ではあるのだけど)場面があると、こんなに都合よくなくてもいいのになと欲張りにも思ってしまいます。
脱出までの苦しみや、サージを拾ってから成長して交わるまで、また番で成長速度が…まで、もっとじっくり読みたいなと感じました。想像力がないので、ドライトンが竜の様な生物として、どうして犬風??かよく分からない。
心揺さぶられました。
涙がポロポロこぼれました。
なんですか、この作品は。
痛くて、苦しくて、それを凌駕するキレイな世界がありました。
残念ながら私には、どんな言葉を弄しても、この世界観の美しさを表現することができません。
下で皆さんがとても素晴らしいレビューをされているので、こんなおポンチな感想文よりそちらを参考にしてくださいませ。
(他力本願ごめんなさい)
思えば、安西リカ先生の「バースデー」を読んでから、でした。
長らく離れていたBL小説を、また読もうという気持ちにさせられたのは。
その時の「頭をガツンとやられた感じ」を思い出しました。
未読の方は是非読んで!
この衝撃を体験してほしい!
ずっと気になっていた作品でした。
レビューを読んで怯み、なかなか購入できずにいました。性陵辱、痛さ、切なさ、瀕死……読むのが怖いけど高評価だし読んでみたい…でも…の応酬。ほんわか子育て小説を中和剤として一緒に購入し、読後気分が落ち込んだら2冊目ゴー!しようと思い、準備万端で臨みました。
あーーー…!!何だよぉ、いい話だったよぉ。
準備要らなかったー!
確かに上記描写はあったけど、安西先生の言葉選びのなせる技でしょうか。そこまで悲壮感を感じずサクサク読めました。でも悲しく痛いシーンは確かにあるので、読み流せない方はしんどいかもです。
ダークファンタジー。
そういうカテゴリーみたいですが、結末はウルトラハッピーエンド。魔法スパイスもあってアシュが元の姿に回復するというお土産付き。ファンタジー、バンザイ!
中身こそ性奴隷シーンもあり胸が痛みますが、あまり引きずらずに読めたのは、主人公アシュが強くて前向きな性格だったからだと思います。
文章も堅くなくてすごく読みやすいし、ストーリーがとても良いです。結末まで淀みなく進んで一気読みしました。登場人物のキャラクター、特にサージに惚れた読者も多かったはず。
大人の身体で幼い話し方(逆コナン状態)…これで性交、性交と連発するするもんだから、可愛いくて萌えます。
サージの思考が幼いからこそ、アシュが死の淵にいたとき、この状況が分かっているのか分かっていないのか…。普通に話している様子が、このシーンの悲しみを盛り上げていました。感情が揺さぶられたシーンです。鼻の奥がツーンと痛い……
とても幸せな気持ちになりました。痛々しいアシュの過去のことなど忘れるほどです。夜空をアシュとサージで飛び回る幻想的なシーンはまるでおとぎ話そのもの。
アシュとサージの恋人同士のようなやりとりが好きです。
サージが指輪を買ってきてアシュにあげたシーン。
アシュの長い髪が好きだと言って撫でてあげたシーン。
……アシュがほのかに頬をピンク色にして、はにかんでいる笑顔が目に浮かびます。どれも胸キュンです。
しばらくこの余韻を楽しんでいきたいです。
美しい物語です。
yoco先生のクリムトを思わせるような表紙が素敵ですよね。ファンタジー苦手科目なのですが、安西先生印なので購入、長らく積んでたのですが、読みはじめると引き込まれて一気…感情がボッコボコに抉られました。
ハンカチ必携です。
聖職者たちの慰みものとして不遇な少年時代を過ごしたアシュが、その知恵と胆力で脱走し流浪の生活を送っていたところ、聖獣の雛を拾い育てるところから始まる…愛についてのお話。子供が大人に搾取されるという描写はかなりしんどいものがありましたが、だからこそ、神の名を騙った権力者たちの醜悪さと、権力から離れた世界の美しさの対比が際立ちます。さらに、そこから這い上がって人生を切り開いたアシュの強さに圧倒されるのでした。
アシュが聖獣の雛に対して、”こんなにいたいけな生き物をなぜ殺さなければならないのか”と考える場面は、自分が大人たちにされた仕打ちと、幼いうちに殺される聖獣の宿命をかさねているようにみえます。今まで虐げられて社会の裏を見てきたから、一般常識じゃなく直感を信じて、聖獣を育てるという一種の賭けに出る行動がよくわかる気がしました。結果、アシュがこの賭けに勝つのも気持ちがいいです。
後半は成長した聖獣・サージの、一途で美しい愛情にやられっぱなしでした。番が死んだら迷わすに自分も死ぬという聖獣は、純粋で無垢な魂そのもの。恐ろしくて危険というのは人間の利己心から出たイメージだったのだなと思わされるのでした。
サージを育て愛を知ったアシュが、サージから愛を与えられるという流れがすごく効いてくるな~と思ったのは、えちえちではなく、瀕死のアシュをサージが献身的に看護する穏やかな日々の描写でした。二人の交流が美しすぎて涙が止まらず…。そして、”ええええ…この流れだと、もしかして…”と不安にかられたのですが、、この後の展開はいい意味で裏切られました。やっぱりファンタジーには救済がほしいですから。
語彙が豊富でないサージの台詞は、どれもシンプルに本質的なこと伝えてきて印象深いものがありました。
なぜか「俺は成体になったよ」がやたら好きだったんですけど、アシュへの謝意が含まれるような気がしたからです。あと「今、アシュと一緒に駆け抜けただろ」、えちえちの後の一言。日課の空中散歩をしなくていいのかと尋ねるアシュへの返しがかっこよすぎ、そして、どの言葉にも相手へのあたたかい気持ちが感じられて素敵だなと思ったのでした。
というわけで、神です。