すみれびより

sumirebiyori

すみれびより
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神128
  • 萌×269
  • 萌38
  • 中立14
  • しゅみじゃない6

250

レビュー数
32
得点
1044
評価数
255
平均
4.2 / 5
神率
50.2%
著者
月村奎 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
草間さかえ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403523724

あらすじ

淡い恋の記憶と思い出の本を大切にする芙蓉の前に、初恋のひと・西澤が現れたことから……?
ひそやかに咲く、一輪の可憐な恋の物語。

表題作すみれびより

西澤浩一郎,芙蓉の小6時の同級生で大学1年生
大町芙蓉,祖母の営む下宿屋で働く18歳

その他の収録作品

  • あじさいびより
  • ふようびより
  • あとがき

レビュー投稿数32

野花のようにひそやかで美しい初恋

何度も読み返して、何度読み返してもしみじみ良いと思える大切で大好きな本です。
『包容力のある攻め×不遇な生い立ちから自己否定しがちな受け』という、月村先生のライフワークのような取り合わせで、もう何度も同じような二人を読んできたのにそれでも新鮮に楽しく読めるのは長年BLを執筆している先生の力量なのでしょうか。
再会して、小学生の頃にぷっつりと途絶えてしまった想いを温め直す二人。
大切に包んで仕舞っていた初恋の思い出を優しく慎重に開いてゆくような月村先生の文章と、アクセントのように登場する野花の描写がとてもイイ…!
あまり対格差のあるBLを描かないイメージの草間さかえ先生と月村先生の組み合わせが意外だったのですが、草間先生の独特なタッチと草花のある風景に佇む二人のイラストもものすごくマッチしていて、紙の本でいつまでも大切にしたいと思える本です。

1

慈しみに溢れている作品

ボロボロ泣ける!みたいな派手な感情は引き起こさないんだけど、心のやわらかい部分にじわっと沁み入っていくような、そしてそれにつられて涙がじわじわ滲んで、しかもそれがなかなか引かないような感じ。

とにかく受けの芙蓉がいじらしくて、俯きぎみながらも健気に頑張っている姿には読んでてたまらない気持ちになるものがありました。
母親から育児放棄されて育ち、薄汚い風貌ゆえにクラスメイトからも疎まれて、「芙蓉は不要」と自分を茶化すことでやり過ごしてきたとか、攻めが所有していた雑草図鑑を唯一の宝物にして育ったとか、もうたまらない。

そして攻めの西澤は正義感溢れる優等生タイプなだけかと思っていたら、テレビにちらっと映った芙蓉の姿を追って下宿屋を選んだりという執着が見えるところがイイ。
六年越しの想いだと西澤から聞かされても、最初は芙蓉と同様に私自身もあまり実感が湧かなかったのだけど、読み進めるに従って西澤の気持ちはガチだ!と確信できるようになっていくところも良かった。

特に酔芙蓉のくだりときたら‥‥
「クールなインテリメガネ面して、パッションある(田上先輩ナイス!)」ってやつで、パッション野郎、最高じゃないか!と思わず泣いてしまった。
それに、ふ〜ん……と当初読み流していた冒頭の金子みすゞの詩が、こんなに感慨をもたらすとはねぇ。
これからもどんどん、芙蓉の前限定でパッション見せておくれ!

こんなに再び出会えて良かったなぁと思える二人もそうそういないような気がします。
西澤と出会えたから、それを支えに何とかやってこれた少年時代や、再会してから西澤の側で自分の生を肯定できるようになっていく姿が本当に良かったです。

私がいいなと思ったところは、西澤のお母さんと再会して手を握りしめてくれた時の描写。
「昔、体育の授業で西澤が手を繋いでくれたときの感触を思い出す、さらりと乾いた、やさしい手だった」というところ。
芙蓉の中で、それがどれほどのものだったのか、そしてそれをどれほど支えにして生きてきたのかが余すことなく伝わってくる。
そしてその手を産み出してくれた人であるということや、この人が気に留めてくれたから今の芙蓉があり、西澤もいるという優しさの連鎖みたいなものを感じることができて、ここの一文で泣きました。

そして誰も目にも止めないような雑草を一人慈しむ芙蓉の姿や、朝顔の数を数えることを楽しむ姿、細々とした日々の雑事(洗濯やらアイロンがけやら庭仕事など)に励む姿など、細やかな日常を慈しむ視線に満ちていて、とても良かったです。

9

フランク

シトリンさま コメントどうもありがとうございます!
あのおばあちゃんからの言葉には思わず泣いてしまいました。
いいですよね、あそこも。ジワっとなります。
そんな重要な涙目ポイントなのに、レビューに書くの忘れてました……。

こちらこそレビューを読んでくださり、本当にありがとうございます。

シトリン

フランクさま、こんばんは。
この小説は、何度読んでも涙目になってしまうお話です。
口下手なおばあちゃんと芙蓉が心のうちを話せて、堪えていた思いをぶつけられる西澤という存在があって、本当に良かったと思います。

素敵なレビューをありがとうございました。

よい話でした

一人で月村積ん読消化祭りをしていたところ、これを読んでいないのかと友人から突っ込みがあったので、探してみたところ、イラストが好みじゃなかったので購入していなかったんですが、おすすめされてたので購入。
確かに、月村テンプレの後ろ向きネガティブな自己評価の低い受けでしたが、生い立ちが悲惨なので、かわいそうなだけで、イライラはしませんでした。攻めのほうが、あざとかったかも。それでも、おばあちゃんとの関係とか、帰郷したときにあった同級生の女の子の告白や、それに対しての受けの独白には涙。確かに、よい話でした。BLとしてはイマイチですが、話としてはよかった。
でも、やっぱりイラストは好みではなかったです。らくがきみたい。

3

甘酸っぱい初恋っていいなぁ~

ハードな作品続きで食傷気味となり、たまにはちょっと優しい話が読みたいなぁ~と軽い気持ちで読み始めたこの作品。

母親には「産まなきゃよかった」と言われ、同級生からは「貧乏草」と蔑まれ、愛情に飢えた芙蓉の前に、ルックスも抜群で成績も優秀、運動神経も良くて、精神的にも大人な完璧な西澤が現れ、一端は離れ離れになりなからもなお、揺るぎない愛情を持って現れる…って一体なんなのよ、出来すぎじゃないっ、なんかの罠じゃないかってたじろぎましたが、そんな天邪鬼の私でさえいつの間にかきゅん…となってしまう程、あまりに二人が爽やかで優しくて、誠実に恋をするピュアな展開に最後まで一気読みしてしまいました。

芙蓉の視点で語られる中、少しずつタネ明かし的に西澤の想いが明らかにされるにつれ、ネガティブで何もかも自分のせいにしてしまう芙蓉が頑なな心を解きほぐし、一歩一歩二人の距離が近づいていく過程はとてもほほえましく、触れるか触れないかの軽いフレンチ・キスでさえ、きゅんきゅんしました。

そんなウブな二人なので、後半に訪れるエロもかなり軽めなのですが、見てはいけないものを見てしまった背徳感があり、むしろ私としてはドキドキ…でした。

危機的状況に陥るわけでもなく、大きな障害に立ち塞がれるわけでもなく、ただただ二人が恋心を確かめ、育てていく日常を描いた話なのですが、とても暖かくて、ほっこりと幸せになるおとぎ話のような作品でした。草間先生のほのぼのとした挿絵も二人にぴったり合っていて素敵‼

やっぱり初恋っていいなぁ~、カルピスが飲みたくなりました(笑)

1

足湯に使っているような幸せな気分になれました

朝電車に乗って読み始め、降りる時にうっかり落涙しそうになりました。はや。
うそ、もう落涙?と焦ってしまいましたが、3編はいっていて1篇目が90P。
1篇目の山場ということで落涙ポイントに間違いなかったようです(笑)
本当にしょっぱなからキュン死にしそうになりました。
そして幸せーな気分で終われました。ので神。
ネグレクトがダメな方は、ちょっと考えた方がいいかもしれないです。
悲惨な記述は少ない方だと思いますが。。。

この表紙でまさか、そんなものを求める方はいないと思いますが念のため(笑)
エロとか激しさを求める時期の方は、また別の機会に手にとった方がよいと思います。

受けさん:すれていない 真面目ないい子の健気さん。
どろどろ泣いてる子なら、ネガティブ思考だなあ って切って捨てたんですが
すごく冷静。
芙蓉は不要 なんて自分でクールにつぶやかれると、本当にいたたまれない・・・
このフレーズはまじ辛かった。

攻めさん:受けさんの小学校に転校してきた 生徒会長系優等生。
穏やかないい人。でも受けさんにはべたぼれ(と後でわかる)。
両親のいるまっとうな家庭で育つ。

ばあちゃん:受けさんの母方のばあちゃん。下宿屋(レトロな建物)やってる。
小学生のころ受けさんを引き取る。口数少なし。
母親が子供を愛せなかったのを、少し辛く思っているのかな。
その表現加減が、ちょうどいい塩梅ですごく納得感あり。

1篇目でくっつくまで。
2編目でくっついてからのすったもんだ。
3編目で攻めさんの実家=受けさんの小学校時代のふるさとに行く話。
でした。どの話もキュン死にコースです。

不器用ながらも孫に寄せる じみーな愛情。
受けさんがばあちゃんに寄せる愛情。
攻めさん、受けさんのじんわり愛情。
どれもこれも ほっこり、人って捨てたもんじゃないわと思わせる
素敵な愛情ばかりで、読み終わった後のまったり幸せ感倍増。
草間先生のほんとにぴったりな挿絵とあいまって、足湯につかっているような
幸せな本でした。
二人してぜひ幸せになってほしいです。
もう少し後日談あると もうちょっと嬉しかったかも です。
何年か後の、就職した攻めさんと、下宿屋をやってる受けさんのお話とか。
読んでみたいなあ。

5

あとがきにも注目して下さい(^^)

黄金の包容力攻め×不憫な健気受けです。

この芙蓉が人を思いやる事が出来る芯の強いいい子なんですが、極端に自己評価が低いんです。常に自分なんかが西澤と居ていいのか悩みます。自分が傍に居る事で、西澤が周りから不当な評価を受ける事を恐れているんですね。
この「自分なんかが〰」があまりにも出てきて、本来なら卑屈すぎるだろ!とイラつく所ですが、それを不憫に感じさせてしまうのが月村先生の上手い所。
芙蓉の過去が静かなタッチで丁寧に書かれていて、「自分なんかが」と思ってしまう芙蓉の心情が自然に理解出来ます。

ネグレクトされていたせいで薄汚れていた芙蓉は小学校でもハブにされています。その度に、「芙蓉は不要」と自分を茶化して痛みを誤魔化してるんですが、もう本当にこの当たりが不憫で…。(ノД`)
そこに転校生として、西澤が颯爽と現れます!
誰も相手をしてくれない自分と、いつも進んでペアを組んでくれる大人びたクラスメイトなんて、特別な存在になるのが当たり前ですよね。

その後は祖母に引き取られ、祖母の営む下宿屋で二人は再び出会います。偶然ではなく西澤の執念の賜物なんですが(笑)
この大人になった二人が再び出会って…というシチュエーションが個人的にめちゃくちゃ滾ります。( ´艸`)

芙蓉が非常に臆病なので、なかなかくっつかないんですが、このジレジレ感にキュンキュンしながら読みました。なかなか懐かない野生の鳥を餌付けして、隙あらば自分のテリトリーに連れ込もうとするような西澤の行動力にもニマニマしちゃいます。

そして当て馬として出て来る田上がとても魅力的です。彼女がちゃんと居るんですが。
こちらも包容力があり、何かと芙蓉を構って手助けしてくれます。もうこっちとくつっいてもいいんじゃない?って思うくらい。彼のスピンオフをぜひ読んでみたいですが、彼女持ちじゃ望みは薄そうです…。(笑)

本編には関係ありませんが、個人的に強くお薦めしたいのが、あとがきのメルヘンババアのくだりです。
月村先生のあとがきは毎回面白く、こんな所でまで楽しませてくれようという作者の心意気を感じます!!
メルヘンババアには爆笑させてもらいました。(≧∇≦)

9

優しい可愛らしいお話でした

挿絵も相まってとーってもふんわり優しいテイストのお話でした。漫画ではこのような感じのお話を読んだことがあったのですが、小説では痛い系、エロ系、JUNE系を読むことが多い私にとってはとても新鮮でした。月村先生の本は初めてだったのですが、他の本も買ってみようと思います。そして、イラストは私の大好きな草間先生。この話には草間先生以外あり得ない、と思うくらい合っていました。最高です!!ありがとうございました!!
このお話は終始、超超ネガティブ思考の受けの芙蓉目線で進みます。芙蓉は、攻めの西澤のことを好きすぎて、彼を何か偉大な神と勘違いしているような雰囲気でした。実際の西澤は、真面目な学生ですが芙蓉に執着し、独占欲も隠さない普通の男の子です。芙蓉は最後までそのことに気づかないまま、西澤に愛され続けていました。西澤目線の芙蓉の様子がどんな感じなのかも知りたかったので、西澤目線の章があってもよかったのではないかと思いました。何しろ健気に西澤を想う芙蓉が可愛いもので...。懐かれた西澤が羨ましい!!笑
このお話には、芙蓉の趣味であるお花、主に雑草が沢山登場します。お花のことを全然知らない私にとっては普通に勉強になりました。笑 また、雑草や花が、この物語の優しい部分により厚みも持たせていたと思います。草の匂いや、庭の虫の鳴き声、梅雨の湿気が物語から匂いだつようで、安らかな気分になりました。そして… 雑草を眺める芙蓉が妖精のようでした。西澤も、彼のことを緑の精とか呼んでいましたね...笑 物語終盤で、西澤の実家の酔芙蓉が出てきます。酔芙蓉をググってみると、とても可愛らしい白い大きなお花が出てきました。また、酔っ払った時のように、時間が経つに連れ、白から薄いピンクに、そして濃いピンクに変わるという儚いお花。本当に健気で美しい彼にぴったりの名前だと思いました。また、その場面の草間先生の描くイラストが素敵すぎてため息が出ました...
ゆっくりとした下宿の日常の中で、小学校の頃の初恋の二人がゆっくりと愛を育んでいく物語。優しい時間の中でうるっとくる瞬間も沢山ありました。是非オススメしたい小説の一つです。



最後に。 何気ないセリフで萌える時ってありますよね?
今回はこのセリフに全て持っていかれました。
芙蓉『西澤と、れ、恋愛するなんて、絶対無理だ。ドキドキし過ぎて、心臓が壊れて、きっと死ぬ』
西澤『そんなかわいいことを言われたら、俺の方が死ぬよ』
私も死ぬよ!!!!!!

4

小さな幸せ

冒頭に金子みすゞの詩が出てくるのが、印象的ですね。
草花の様に純粋な芙蓉が、小学6年生のときに恋した相手は正義感の強い優等生西澤。母親のネグレクトにより、地元を離れることになった芙蓉は、西澤から借りたままの植物図鑑を枕元にまで置いて寝るほど大切にしていた。
初恋が叶うはずない、それどころかもう二度と西澤に会えないから、思い出と植物図鑑だけを宝物にしてひたむきに生き、祖母を手伝う姿に、わりと序盤から涙目でしたよ、私。下着にまでアイロンかけちゃうとか、かわいすぎる。
西澤も、モテるタイプだろうに余所見することなく、ずっと芙蓉を好きでいたんだなーと思うと健気ですねー。
直子さんとか、田上とか、芙蓉に優しい人たちが多い大町館に私も行きたくなりました。雑用係とかで。

3

優しくて心温まるお話

CD化されるということもあり、こちらでの評価も高いので、ついつい期待して読んでしまいました。残念ながら特筆する良さや萌えは読み取れませんでしたが、優しくて心温まるお話だったと思います。18歳同士とは思えない落ち着いたラブストーリーでした。

私は月村奎さんの作品は恋愛より家族愛の描写に感動してしまいます。今作も、芙蓉とお祖母ちゃんの絆に目頭が熱くなりました。

2

両片想いの初恋の成就

読み始めてすぐに、わずか6歳にして恋など幻想だと理解した芙蓉に幸せな恋の出会いがあるようにと願わずにいられませんでした。

貧しくネグレストされていた芙蓉にとって果物が貴重な品なのに「苦手だからあげる」と言ってあげたのは、貴重だからこそ大切なものを感謝の印に差し出した子供だった芙蓉と、竜田揚げ1個の贔屓をする大きくなった芙蓉の健気さに涙が滲みました。

風呂に入れてもらえなかったトラウマから自分んが臭うのではないかと不安になるところもかわいそすぎます。

『あじさいびより』
自虐的な芙蓉と振り回される西澤。
なんでも良くないことは自分のせいだと思ったり、自分なんかがと卑屈になってしまう芙蓉に愛と自信を教えてあげたい。

『ふようびいり』
芙蓉と同じ名の花を植えて『大町』と名付けて大切に世話してたなんて西澤くんも健気ですね。
小学生の頃から一途に思い続けた初恋の人に再会し思いが成就してよかったです。

3

この作品が収納されている本棚

レビューランキング

小説



人気シリーズ

  • 買う