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ネトウヨデマと隠されたヘイト思想

BLの皮をかぶっていますが、中身は偏向した政治思想小説です。
ネトウヨデマが元ネタとして随所に散りばめられ、舞台はぶっ飛んだ「架空日本」。
ネトウヨデマサイトの中にしか存在しない、架空の「悪夢の民主党政権」です。
名指しこそありませんが明らかに旧民主党と思われる与党が、売国で外患誘致の凶悪政権として描かれています。

ストーリーは一言で言えば
「悪夢の民主党政権の売国政策の犠牲になりつつ奮闘してBL恋愛もするSPたちの話」です。

ネトウヨ脳垂れ流しの中身、たとえばこんな感じです↓

・現政権下では自衛隊の動員は絶対に不可、自衛隊が動こうとしても政府に阻止されるという記述
(現実では震災時に活躍していましたが?)

・本当に日本人かと尋ねたくなるような発言、行動の議員ばかりという記述
(具体的にどんな言動ですか?)

・テロ支援国家と仮想敵国T(中国)の会談を取り持つ、国体を壊そうとしているという記述
(『国体破壊』って。かつて言論弾圧に利用された単語を攻めに言わせちゃうんですか?ていうか中国って仮想敵国なんですか?日本は戦後、仮想敵国を想定したことありませんけど?)

・民主と思われる現与党の選挙カーが自民と思われる前与党の首相の命を狙って演説に突っ込む事故を起こした
(いやいやw)

・二巻:首相官邸に出入りするための官邸パスが身許の怪しげな連中に大量に連発されている
(いやいやw)

・二巻:従来の与党とは公序良俗の基準すら違うという記述
(えっ、自民党のほうが公序良俗を守ってる政党って意味ですか?えっ!?)

・公安の監視対象だった人間がいっぱい入閣と記述(ネトウヨデマ)

・岡崎トミ子国家公安委員長らしき人物を「元公安の監視対象だった」と記述(ネトウヨデマ)

・岡崎トミ子議員らしき人物に対して「押し入り強盗に対してお茶とケーキを出してもてなすくらいいかれた話」と記述

作者さんにここまでけなされる岡崎議員、どんな「悪い政治家」なのでしょう?
って思いますよね。
実は、「慰安婦問題に対し同情的な姿勢」というだけでかつてネトウヨに大いに叩かれた方です。

しかし日本の女性政治家として、韓国の慰安婦問題を反省的に対応することって悪いことなんですか?

その逆パターンとして、安倍さんら右派政治家による米国紙ワシントン・ポストへの意見広告「慰安婦はただの売春婦だ」主張を出したということがありました。
この意見広告は欧米からバッシングされ、日本の印象を悪化させ、慰安婦像が世界各地に建てられる契機となりました。
この右派による意見広告以前は、欧米世論に慰安婦問題はほとんど知られていませんでした。
右派による意見広告は、慰安婦問題を世界に知らしめ、同時に「悪の日本人像(過去の日本人のことじゃありません、このような広告を打った現代日本人のことです)」を大喧伝した、という最悪の結果をもたらしました。

現実では右派政治家のほうがよっぽど外患誘致(比喩的な意味で)しています。

左派政治家が慰安婦問題に同情姿勢を見せることで、世界から日本の印象はどうなると思います?
「良くなる」に決まってるじゃないですか。それって日本の国益じゃないですか。

慰安婦問題は70年代から日本で周知されるようになりましたが、日本の左傾化時代はまったく世界に知られず、慰安婦像が立てられることもありませんでした。
ところが右派が「慰安婦は売春婦ババア」と大騒ぎしたせいで、世界に知られバッシングされることになりました(日本への最悪な印象と共に!)

これこそが外患誘致であり、この慰安婦をめぐる右派の外患誘致活動の一角を占めるのが、「慰安婦に同情的な政治家を反日売国と言って叩く」行為です。
作者さん、あなたがこの小説でやってることですよ?

そもそも。
「慰安婦に同情的な女性政治家」を、「強盗」「いかれた話」と描写する作者さんは、慰安婦のことどう思ってるんです?
そこのところ、とても知りたいです。

小説には慰安婦という単語こそ出て来ませんが、読む人が読めば「慰安婦に同情的である」という理由だけでネトウヨに大いに叩かれた故・岡崎トミ子氏がモデルであることはすぐ分かる。

この小説にはいわば「こっそりと」ヘイト感情を忍ばせてあるわけです。
読んでいてぞっとしました。

BL小説のイケメンたちに、ヘイト思想まみれの言動をさせるのは、グロテスクがすぎますよ。

厳しいことを言わせていただきますが、プロの作家として、「政治描写の参考資料がネトウヨデマサイト」っていかがなものでしょう。
作者の中で思想を練ることもせず、むき出しのネトウヨ思想をそのまま小説にしただけ。
ネトウヨデマサイトを丸パクリしないと政治が書けないなら、政治ネタに手を出すべきではありません。