子守唄が流れ出すタイミングが絶妙でした。
漫画では子守唄を背景に、エルヴァ様が黒海と戦い倒れるシーンとアルトが母親と死別するシーンが並行して(入れ替わりで)展開されます。
対して、ドラマCDではアルトが母親と死別するシーンから始まり、漣と斬撃の音からエルヴァ様のシーンに切り替わます。
疲弊し切った呼吸に重なるように子守唄が流れ出すのですが、心地よい漣の音と美しい歌声が本当にマッチしていて…
「死」という永遠の眠りにゆっくりと誘われるようで、子守唄がレクイエムのようにも思えました。
黒海のシーンは想像以上に怖かったです。
心地よい漣の音がマグマが煮え滾るような音に変わり、人の形を形成しながら唸り声をあげ、物凄い勢いで襲いかかってくる様がまざまざと脳裏に浮かびます。
エルヴァ様に興奮してはしゃぐアルトのおかげで緊迫感が一気になくなりましたが(笑)
酔っ払ったアルトがエルヴァ様にキスするシーンは思っていた感じと少し違いました。
「アルト、悪か…った………!」って感じの、スローモーションで、時が止まったような演出になるだろうなと思っていましたが、
「アルト、悪かった、ん…んぅ!」と真逆だったのでビックリしました。
でも、それが却ってアルトの悲しみと余裕のなさが一層強調されてよかったと思います。
漫画では第1巻のラストで夜の海に落ちたアルトが西の覡・マニエリに助けられる描写が描かれていましたが、ドラマCDではその部分がカットされ、代わりにアルトを心配するエルヴァ様の心の声が追加されていました。
【第2話 恋】でカットされていた「夜の海に近づくのは心配性のエルヴァ様が断固として許さなかった」という部分が回収されていて、ユノ先生はテンポと尺を考えて、原作の内容が上手く収まるよう趣向を凝らしてシナリオを作ってくださったのだな、と嬉しくなりました。
アニメイト限定版に収録されたユノ先生書き下ろしのエピソードは、エルヴァ様の「子どもの面倒を見る優しい人」という面を前面に出したお話でした。
ユノ先生がTwitterに載せてくださったドラマCDの紹介漫画の、猫耳をつけるエルヴァ様に「?」だったのですが、こういうことかー!とほっこりしました。
猫の数え歌、ついつい口遊んでしまいます(笑)
アルトの「エルヴァ」呼びとタメ口は必聴ですよ♪