表題作の「成長痛」は執着系攻めと不憫受けのお話。
攻めの妄は大分常軌を逸していて、大好きな亮ちゃんだけで世界が回っている人間。そして妄によってかなり可哀想な目に合う、受けの亮ちゃんは友達もたくさんいる明るい爽やかイケメン。
そんなイケメンが妄によって泣かされる様、絶望して笑顔の消えた表情は、心苦しいですがたまりません!
時折回想で出てくる過去の2人の思い出は全て暖かくて、この時に戻れたらどんなに良いことか…
妄が「亮ちゃんがいい」と子供に戻ったように泣き喚くシーン。亮ちゃんには放っておけない子供に見えたのかもしれないけど、妄は名前の通りただ自分勝手な人間なんですよね。でも自分の人生より妄のいる人生を選んだのだから、亮ちゃんにとって妄は子供と同じようにかわいくて可哀想で見離せなかったのかな……
個人的には2作目の「ほねとかわとがはがれるおと」で完全にトリコに。若干ホラーと虫注意ですが惹きこまれること間違いなし!!寝る前に部屋を真っ暗にして読むのをオススメします☆
3作目の、「mouth to mouse」。ファンタジー世界でもうこの世にいない恋人との思い出を辿る旅。臨死体験だったのかな?1、2作目とはまた違った、穏やかで優しいお話。
とても読み応えのある3作品で大大大満足でした☆大ハマりしてしまったのでさきしたせんむ先生の他の作品も見てみようと思います♪
下巻では、上巻と打って変わってびっくりするくらい前向きに進んでいきます。ハピエンです。
(正直メリバを求めて読んでいたので一度は落胆しましたが、良い作品だったのでレビュー。)
母は捕まり両は目覚めて2人で同棲生活開始!一件落着☆と思いきや、なんだか両の執着心が見えてきてるな…?というところで終わった上巻。
下巻では両の豹変っぷりがとことん見れるぞ〜♪と楽しみにしていたのですが……。
とあるきっかけで2人は距離を置くことに。危害が及ぶまでには至らず…。(この時点でおや?メリバか?となる私)
予想外にも、幸太郎は両の束縛にかからないし、出ていって4年も帰ってこない。母親に過保護に育てられたにしては社会性あるな!?
そして4年後、再会して抱き合う2人。ここからはずっと穏やかで甘々な空気になっていきます。
この2人の空気感の変化は、幸太郎が立派に自立した姿で帰ってきたのが大きいと思っていて。母のしがらみから解放され、夢に向かってようやく人生を歩き出して。今度は母を許せる立場になって。そんな姿を見て両も心の平穏を取り戻せたんじゃないかな。
この再会のシーンは何回見ても泣けます。
上巻では両が幸太郎を母親から救い出してあげたのに対して、下巻では幸太郎が両や母親を優しく救済する立場に。このお互いを補い合ってる関係がとても好きです。
引っかかる点としては、
・両の独占欲、執着心はどこから生まれたのか?
(階段から転落して幸太郎を繋ぎ止めたから愛されてる自信が無かった?)
・幸太郎は傷心してないんか?
(儀式をしていた時、母親を失った時と傷を負っているはずなのに…)
・出所後の幸太郎の母が人が変わり過ぎている?
(てっきり出所後もまた細々と宗教やってるんだろうなと思ってたけど。幸太郎をぞんざいに扱っていた人とは到底思えない。)
幸太郎ってもっと深掘りされてよかったと思うんですよね。苦しい思いをいっぱいしてきたはずなのに、読んでいて優しくて強い子という印象しかない。
前半のインパクトが強かったがために、ハピエンで終わらせたのが勿体なく感じます。もう少し説明が欲しかったなと思いました。