電子でヒットすれば紙書籍も出るそうなのでもっともっと売れてほしい。たった一枚の宣伝の画像から試読してこれほどまでに引き込まれて即購入した漫画はなく、出会えて本当によかったと思える作品です。先生が仰っているように導入部分から本格時代劇の様相と美麗な作画に心撃ち抜かれて夢中になりました。BLらしからぬ無骨な武士たちと眉目秀麗な主人公達、ページの隅から隅まで細部に渡ってこれほどまでに趣向の凝らされた漫画がありますでしょうか。まるで画集を見ているのかと錯覚しそうなほど、人物も背景も細やかで美しいです。
物語も江戸や武士と介錯人のことなど、なるほどと思わせる歴史小説を読んでいるような満足感があります。そして心情に迫るシーンは深く、1話の切腹場での介錯人和泉が機転を効かす最期の桜と目白の場面では、罪状は何であれ心神喪失状態の罪人の目に正気を取り戻させて世は美しいと示して逝かせたことに心が締め付けられました。翌日の場面でわかりますが、和泉はこの猫のしっぽ二人の間に何かあると思っていたのでしょう。主人公二人の芽生えたばかりの想い、特に和泉はまだ心のうちを明かさず「どういう積もりで」と甚介が思う通りに私も感じ「お前に見染もしたなら」からの下りで言葉の美しさに惚れ惚れとし、「一時の徒事と……口上は聞きたくない」の流れで焦燥感と不安に苛まれた思いに共感してふと涙が出ました。明るい家族がいながらも哀愁漂う甚介の生い立ちと、和泉の兄の話や憂いを帯びた眼差しから二人の行く末に影響するような隠された事実が炙りだされていくのではないかという不穏な空気も感じられましたが、作者様がハピエンだとXで発言されているので安心して読み進められそうです。三話での刀剣押型を二人で拓る場面は春の陽の暖かさの如くホッとしました。無邪気な二人の場面ももっと見たいですし、ここから一波乱はありそうですがこのまま幸せになって欲しいと思います。続きが楽しみです。応援しています。
直感と言いますか、まさに刺さったと言いますか、大好きで好きすぎて毎日読み返しています。
それほどの魅力のある本ってなかなかなくて、主人公の煌夜くんと優雅ちゃんがかっこ良くて可愛いし、登場人物に意地悪な人が一人もいない所も良いです。心の奥底まで読み取らないとわからない人間関係の複雑さ、泣ける場面、ハラハラドキドキするストーリー仕立て、随所に輝くお笑いポイントがめちゃめちゃ面白く、主要人物だけでなく端から端までキャラ全員を好きになっちゃうくらい、素敵な作品です。少し読めば、誰でもきっとすぐにシャンタワの世界に引き込まれること間違いなしです。2巻はこの先どうなるのかわからない、泣きたくなるような厳しい展開で終わっていますので、1、2巻をしっかり読んで、万全の体制で3巻をお迎えできたら良いと思います!